普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

民主に賛成の官僚以外クビ

2009-02-11 11:12:45 | 公務員制度

[徳川時代の踏み絵の再現?]
 民主党の鳩山さんが「民主に賛成の官僚以外クビ」政権奪取後の構想
を発表しました。(読売新聞より)
 民主党の鳩山幹事長は9日、大阪市で開かれた関西経済同友会の会合で講演し、民主党政権での政府人事について、「(各省庁の)局長クラス以上に辞表を提出してもらい、民主党が考えている政策を遂行してくれるかどうか確かめたい。それくらい大胆なことをやらないと、官僚の手のひらに乗ってしまう」と述べた。
 民主党政権が実現した場合、中央省庁の局長級以上の幹部にいったん辞表を提出させ、民主党の方針に賛成する官僚のみを引き続き採用する考えを示したものだ。
 幹部公務員の政治任用制の拡大は民主党の基本政策の一つで、2007年参院選公約にも盛り込まれている。03年に当時の菅代表がまとめた政権構造改革案では「各省庁の局長級以上で新内閣の基本方針に賛同しない官僚には辞表を求める」と明記している。

民主党に賛成以外の官僚以外クビの根拠
 民主党に賛成以外の官僚以外クビの考えの根拠を探してみました。
 日本国憲法第15条第1項では「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」と規定されているが、これは「あらゆる公務員の終局的任免権」が国民にあるという国民主権の原理を表明したものであって、必ずしもすべての公務員を国民が直接に選定し、罷免すべきだとの意味を有するものではないとされる。 (Wikipedia
より)
 詰まり選挙で選ばれた国民の代表である民主党が公務員を罷免するのは国民の権利だと言うのでしょうか?
 実際問題として本人の意に反して免職させることが出来るのは国家公務員法によると、第78条(本人の意に反する降任及び免職の場合)に、
 職員が、左の各号の一に該当する場合においては、人事院規則の定めるところにより、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。
1.勤務実績がよくない場合
2.心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合
3.その他その官職に必要な適格性を欠く場合
4.官制若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合

とあります。
 今度のケースで適用出来るのは3項のその他その官職に必要な適格性を欠く場合に該当するのでしょう。
 念のために法の中の人事院規則を調べてみますと、
 (本人の意に反する降任又は免職の場合)
 法第七十八条第三号の規定により職員を降任させ、又は免職することができる場合は、職員の適格性を判断するに足ると認められる事実に基き、その官職に必要な適格性を欠くことが明らかな場合とする。

とありますので、職員の適格性を判断するに足ると認められる事実があれば、罷免できるのでしょうか?
それは具体的には、
・民主党内閣の大臣の指示に従わずに辞表提出を拒否した人
・大臣が示した基本方針に賛成か反対かを具申させ、反対を表明した人
と言う事になりますが、徳川時代さながらの踏み絵政策が今でもまかり通るのでしょうか。
 例えば、民主党が考えている理想としては良いが実行が全く不可能なアフガンの和平案を外務省や防衛省の局長が反対したと言って、馘にして国民が納得するでしょうか。
 自虐史観定着法案と酷評されている恒久平和調査局設置法案に文科省など関係省庁の局長が反対したとして馘に出来るでしょうか。
 やはり、内閣運営中に発生した個々の具体的な事柄、例えば天下り廃止など、世論調査など国民から支持されているのに局長が反対するのなら、馘にしても国民が納得すると思います。
 やはり罷免するのは個々の具体的な事柄に限るべきだと思います。
 今回の踏み絵的な民主党の考え方は、何故局長で事務次官でないのかや、法律の解釈上からも疑義があるし、実際的にも問題が有り過ぎると思います。

[マスコミの責任]
 民主党の提案や考え方は理想は良いが実行性に乏しいものが多くあります。
 この「民主党反対の局長クビ」だけでなく、
アフガンの和平案を国連に提案して日本が笑い物にならぬか。
恒久平和調査局設置法案を成立させて、自虐史観を法的に定着させて良いのか。
外国人参政権を通過させて良いのか。
など民主党の政策に首を捻るものも多くあります。
 それに加えて、民主党政権が出来たあとも金融・経済危機が続いていると思われるのに、民主党これと言った具体的な対策を発表していません
 然しマスコミはこれらの事実を報道するだけか、無視して殆ど批評したことがありません
 民主党が政権奪回の可能性は限りなく大きくなっています。
 そしてそんな民主党政権が出来た後で困るのは国民です。
 何時も言う事ですが、マスコミは選挙間近の今こそ、民主党のマニフェストや政策、提案を取り上げてと論議、批判すべきだと思います。
 そして日本のために、民主党提案の各政策をよりよく、そして実行性のあるものにするのが、今のマスコミの役割だと思います。

 私はマスコミ各社が麻生さんの失言や発言のブレをおもしろおかしく伝えるのも大切な事かも知りませんが、日本のために自民党や麻生さんの批判と同じ位のエネルギーで民主党が政権を奪回した後、問題を起こさないようにして貰いたいと思うのですが。

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参照:また実行不可能な民主党のアフガン和平案?
    
鳩山由紀夫さんと恒久平和調査局設置法案
    
政治を矮小化させるマスコミ
    
政治を歪めるマスコミ?
    竹中平蔵さんとマスコミ