普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

クリントンさん来日と拉致家族と平和主義者

2009-02-16 10:32:48 | 国際社会

 昨日の「たかじんのそこまで言って委員会」はレギュラーの三宅久之、田嶋陽子、筆坂秀世、田母神俊雄、桂ざこば、勝谷誠彦、宮崎哲弥の各氏とジャーナリストの惠隆之介さん対、レギュラーの田嶋陽子さん、ゲストの琉球大学名誉教授の高嶋伸欣さん、大江・岩波沖縄戦裁判支援連絡会事務局長の小牧薫さん、中立の立場の山口もえさんによる沖縄戦の住民の自決問題に対する久しぶりに伯仲した議論が有りました。

[沖縄自決問題]
 そこでの意見を総括すれば、
前者の意見:沖縄戦と言う破滅状態の戦いでは色々な事があったと思うが一慨に日本軍が住民の自決を促したとは言えない
後者の意見:軍隊は国を護っても住民を護ってくれない。正確に書いた資料はないが聞き取りの調査では軍が自決を促したのは間違いない
 詰まり前者は一部の軍人がそう言うことをすることもあったかも知れないが、それを全体の事として言うのは間違いだと言うのに、後者は一部の軍人の指示を全体のものとして拡大解釈しようとしているように聞こえました。
 一つ引っ掛かったの田嶋さんが、「軍官民共生」と言う形で戦闘に住民参加させたと批判しましたが、戦争を経験した戦前派から言えば、国や軍隊の命令の有無に関わらず、国を護るために住民が自発的に軍に協力したいと言う気持ちになるのは当たり前だと思いました。

[平和主義者の主張と実情]
 番組の中でも一部発言がありましたが平和主義者の主張は、
・平和憲法のお蔭で日本は一度も戦争をしていない。
 イラク紛争での自衛隊の派遣はテロリストから見れば、日本の自衛隊は敵であり戦争行為に参加していると思っています。
   特に米軍の
資材を運んだのは明らかに戦争行為だと思います。
 平和主義者は自衛隊派遣に対して戦争行為に繋がるとして反対しましたが、一方では「平和憲法のお蔭で一度戦争に参加していない」と言っています。
 イラク派遣の理由は北朝鮮の脅威に対して自国だけでは護れないために、いざとなったときに米国から日本を護って貰うために、憲法解釈の変更までして派兵しました。
 逆に同じ敗戦国である、ドイツは自国とNATOの軍隊で自国を護れるためにイラク派兵を拒否しました。
 日本も自国を自分の力で護れるのなら憲法解釈の変更までして自衛隊を派遣しなかったでしょう
・平和憲法のお蔭で、日本は戦後一度も戦闘で外国人を殺したことはない
 海上保安庁が北朝鮮の不審船を撃沈し乗組員が死んでいます
 イラクでテロリストと戦い、殺し合うことにならなかったのは単なる幸運であり偶然です。
・軍隊は国は護るけれど住民は護ってくれない。
 自衛隊は各種の災害で被害者の救助に参加しています。
 イランのホメイニ革命で日本人が日本に引き揚げるのにJALは飛行機の派遣を拒否しました、日本人達はやむなく、他国の飛行機を乗り継ぎして引き揚げるという、日本人としてとても恥ずかしい思いをしました。(*注1)
 政府も同じ考えだったのでしょう、直ぐに政府特別機を購入しました。
 これは自衛隊の飛行機で緊急のための日本人の救出に使われるのは間違いありません。 
  他にも平和主義者の現実を意識的に無視した主張がありますが省略します。(*注2)

[拉致家族とクリントンさんの来日]
 日本人を護ると言う意味で大きな問題は北朝鮮により拉致家族の問題があります。
 平和主義者の人達はこれは外交で解決すべきだと言いますし正論です。
 然し事態は全く進展しません。
 拉致された人達の家族の人達は、日本政府では埒が明かぬと見てブッシュさんにお願いのに行き今度は、クリントンさん来日のときもお願いに行くそうです。
 これも考えて見ると日本としては大変恥ずかしい話です。
 クリントンさん始め米国政府の関係者も、内心では日本政府が自国の国民の救助も何もできなくて、米国まで泣きついてくるなんてと呆れているに違いないと思います。
 その現れが(軍事力の無言の圧力が使えない)日本が唯一の頼みにしていた経済制裁の効果を反古にする、米国の北朝鮮へ制裁解除の動きです。
 これに対して独立国である日本政府の人達もそれでも米国にお願いせねばならぬことは恥ずかしいし悔しいと思っているでしょう。
 米国が北朝鮮への影響力があるのは、米国がいざとなれば、イラクやアフガンのように攻撃する可能性があり、さら進めば日本に対してやったように原爆さえ落としかねない国だ北朝鮮がと知っているからです。
 米国が北朝鮮に対して慎重な動きをするのは、誰でも知っているように、北朝鮮が核兵器や長距離のミサイルの開発をしているかも知れないからです。
 詰まり外交と言っても米国と北朝鮮に関する限りは軍事力の背景があるから進められているのです。
 そんなことなど目をつぶって平和主義者は無法者相手の拉致問題は外交で解決しろと言います。
 彼らがどかで言っていと思いますが、彼らの外交とは日本が北朝鮮に対して行ったことを謝罪し(国際法的には何も悪いことはしていないのに)、賠償金を払って国交を回復すれば、拉致家族も取り戻すという、犯罪者に身代金を払って取り返すようなことを考えているのでしょう。

[平和主義者の考え方の弊害]
 平和主義者の考え方は、
・軍隊が悪の根源だ、そう言う昔の軍隊を持っていた日本が全て悪い。
・その悪を抉りだすことが日本を平和日本にすることに繋がる。
と思います。
 平和主義者的な考えがなお根強い日本では、日本は悪い国だと教え込まれたかなりの数の人達が、日本人としての「プライド」をなくし、腰の引けた海賊船対策に象徴されるように何かあれば直ぐ他国に頼ることが恥ずかしいことを忘れてしまった結果、日本古来からもっていた「」の観念をまで無くしました。
 「プライド」のない人、「」の観念の無い人達が何をしてきたかまたはきているかは、マスコミの報道に溢れています。

 番組の出席者の山口もえさんが、沖縄問題を学校でどう教えるべきかと言う質問に「良いところは良い、悪い所は悪いとして教える」と答えていました。
 彼女は他のレギュラーの人達から小馬鹿にされている田嶋陽子さんと違って、若いながらも皆から一目置かれている存在ですが、彼女の言うとうりだと思います。
  山口もえさんの良い所は田嶋さん達のように自分の主張の都合の良い所ばかり見て、都合に悪い所には目をつぶらずに、物事を真っ直ぐみるからだと思います
 極端な国粋主義も困りますが、行き過ぎた平和主義も世の中に弊害を与えることもあることをよく考える必要があると思います。
 

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*注1:参照
   中東紛争から学んだもの(2)日本人として恥ずかしかったこと(1)
  
中東紛争から学んだもの(3)日本人として恥ずかしかったこと(2)

*注2:参照
  
改憲論議の前に明確にすべきこと 
   平和主義者たちに聞いて見たいこと