昨夜のテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」で「理想の高齢者雇用は」で2つの例を取り上げていました。
一つは自動車部品の製造と、もう一つは地もと名産の焼き餅など菓子を作っているいずれも中小企業です。
[高齢者雇用のメリットと問題点]
そこで高齢者雇用のメリットとして次の様なことを上げていました。
・高齢者は年金を貰っているので低賃金すむのでコスト削減になる
・同じ理由で生産高の減少のさいには、高齢者を休ませても本人の生活に大きな影響を与えない(番組では高齢者をバッファーに使うべきではないと言っていましたが。)
・正規社員も定年以後まで雇用することで、若い人に技術の伝承ができる
・高齢者にやり甲斐を与えること、規則正しい生活のため、健康になり医療費削減になる
・高齢者が税金を払うことで国庫の増収になる
・真面目な高齢者が入ることで若い人達に刺激を与えたり、高齢者の指導で今までの仕事の問題点に気付き改善へ繋げる
問題点と特別の留意すべきところとしては
・従業員の管理が今までのように画一的な管理が出来ず高齢者に特別の配慮がいる
・高齢者に適した製造方法を考える必要がある
焼き餅の製造工場では高齢者雇用優先のため餅に餡をつめるための自動機械の導入を止めた
[私の意見]
・企業経営者の倫理観
この番組を見ながらまず感じたのは雇用者の企業としての社会責任感と倫理観の高さです。
最近の大量解雇した会社の経営者の中で、上記のような責任感や倫理感をもっている人がどれだけいるのでしょうか。
特に経団連を率いる御手洗さんのキャノン大分工場を巡る諸問題や、大企業の経営者達が「私たちは下請けや派遣会社との契約を取りやめただけで、非正規社員を首にした訳ではない」、「大量解雇した人達のセイフティーネットを整備すべき」と言う後は政府の責任だと言わんばかりの発言を聞くと心が暗くなります。
日本は竹中平蔵さんの言う様に、日本は大企業を優遇しその波及効果を中小企業や零細業者を期待していました。
そのような大企業の経営者がそんな無責任な発言をするなんて。
・家庭の女性の雇用
出産や育児などで家庭に留まっている配偶者控除を専業主婦なども、高齢者と同じように、生活に大きな支障のない収入を得ている家庭に留まっている女性の活用も高齢者とど同じように経済活動に参加できるようにすることも考慮すべきと思います。
・画一的な人事管理の見直し
前にも何回か書きましたが、画一的な人事管理に慣れてきた企業は特別の配慮を要する高齢者や女性の処遇、それから非正規社員の正規社員への登用など意識的に避けているような気がします。
経済状況は益々厳しくなるばかりで、人事管理も画一的なやり方ばかりでは企業は立って行けなくなると思います。
・外国人の導入より先ず高齢者と女性の活用
中川秀直さんは今回の金融・経済危機発生の直前に100万人の海外労働者の導入を言っていましたが、ブラジル二世の離職者の処遇が社会問題になりかけています。
その前に高齢者や番組では触れて居ませんでしたが、高齢者とやや似た境遇にある女性の経済活動の参加を考えるべきではないでしょうか。
・日本経済は永久に成長し続けるのか
ついでに中川さん率いる「上げ潮派」の人達へ言いたいのですが、これから経済の成長は半永久的に続いて行けるのでしょうか。
せいぜい微増か悪くすれば停滞か下降の傾向が続くのではないでしょうか。
唯一の希望は中国の給与水準が韓国のように上がって、日本のそれとほぼ同一レベルになり、中国企業の競争力が落ちてくれば、日本経済の復活が出来ると思うのですが、中国の膨大な人口と超低賃金が日本なみになるのは何年かかるのでしょうか。
私は前から中国の台頭→日本の貧困化と言っていましたが、最近テレビのコメンティターからも貧困化の話が出始めました。
発展し続ける日本経済と言うバラ色の夢も良いですが、現実的ににそれが出来ないかも知れないと言うマイナス面も考えておく必要があるような気がします。
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