手稲は最高!

手稲在住30年、手稲って本当にいいなって常々思っています。時に触れ、折に付け思いついた事を、取り留めなく書いてみます。

詩吟は伝統芸能で、漢詩を学ぶということではない

2015-10-18 19:34:04 | 詩吟関係
  教室で「詩吟って何?」と質問すると「漢詩に節をつけてもの」という答えが返ってくる。しかしこれは間違いなのです。そこで言うのなら「漢詩を訓読して書き下した文に独特の節調をつけた、日本独特の歌」とでもいえばかなり的を得ていることになるけれど、それではまだ不足しています。なぜなら詩吟は漢詩だけではないのです。俳句も和歌も新体詩も入ってくるのです。

 漢詩を学ぶことと詩吟を学ぶことは分けて考えなければならないのです。漢詩を学ぶというのは学問の領域に入りますが、詩吟は芸能の領域に入るのです。

 詩吟は日本独自の伝統芸能になっているのです。その点が曖昧にしたまま来ていて、既に訓読されいる詩文を訓読しなさいといったりする。漢詩の学問では訓読はありますが、詩吟ではありえないのです。訓読というのは日本語の文法に従って漢文を詠むことを言います。詩吟で使用されている詩文は訓読されたものなのです。よく審査会の講評でもう少し訓読の稽古をしなさいといっているのを聞くことがあった。審査吟題に和歌も含まれています。和歌を訓読する?どうやってやればいいのでしょう。

以前にも書いたことがあって、そのせいか最近はあまり聞かなくなった。節をつけないで詩文を読むのは素読み(すよみ)=素読が正しい。漢文の学問での素読と詩吟での素読は違います。

 詩吟を学ぶために学問として漢詩を学ぶことはとても大切なことだけれど、詩吟は芸能の領域に入るのだという一線を明確にすれば簡単に解決できることなのです。多分、先達の中に詩吟は漢詩の学問だと決めて指導してきた方がいるのですね。
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