先日税務署へ行った時のこと、全く思いがけない物を目にした。それは初老の婦人が手にしていた風呂敷包みである。
初めは確定申告に来た人には見えなかったのだが、申告手続きの部屋に入って来たのだから、私たち同様の目的で来たのは間違いようである。ただこの中に居る人たちの持ち物と云いば、資料などの書類を入れる紙袋乃至はバックが殆どである。中には洒落たアタッシュケースを提げている老人も居たが、私は現役時代に使っていた薄手の黒の書類カバンだった。
そんな中での風呂敷包みはとにかく目を惹いた。以前なら決して物珍しい物でなくて、何処の家でも在るような茄子紺の風呂敷で、その包みを手で支え持った姿が、如何にもその婦人には似合い様になっていた。
やがて風呂敷を開いて、様々な資料と思われる書類と布製のペンケース、それに電卓などを出し始めた。
今でこそ殆ど見掛けなくなった風呂敷だが、以前は何処の家でも一般的に広く用いられていた。包む物の形に左右されることなく、殆どたいていの物に合わせて包む事が出来て、持ち運びに重宝されていたものだった。
例えばスイカや酒類の一升瓶場合などの持ち運びには、安全で恰好の日用品であった。まだスイカ専用のナイロン紐の網袋が出回り、酒瓶なども紙パックが開発され、その上紙袋や布袋が出回るようになって次第に忘れられていった。
本来ならば和服の付き物として親しまれて来た物だが、茶道や茶道の特に成人式の場合でも、殆どが着物姿なのに手に提げているのはバッグである。
この頃では殆ど見掛けなくなったのを、今日偶々見掛けた風呂敷に堪らないほどの愛着を覚え、あらためて懐かしく思うと共に、今では全然姿を見せないことに、何かしら言い知れぬ寂しさを感じていた。
年寄り感傷と言われれば、それまでの事ですが・・・。
初めは確定申告に来た人には見えなかったのだが、申告手続きの部屋に入って来たのだから、私たち同様の目的で来たのは間違いようである。ただこの中に居る人たちの持ち物と云いば、資料などの書類を入れる紙袋乃至はバックが殆どである。中には洒落たアタッシュケースを提げている老人も居たが、私は現役時代に使っていた薄手の黒の書類カバンだった。
そんな中での風呂敷包みはとにかく目を惹いた。以前なら決して物珍しい物でなくて、何処の家でも在るような茄子紺の風呂敷で、その包みを手で支え持った姿が、如何にもその婦人には似合い様になっていた。
やがて風呂敷を開いて、様々な資料と思われる書類と布製のペンケース、それに電卓などを出し始めた。
今でこそ殆ど見掛けなくなった風呂敷だが、以前は何処の家でも一般的に広く用いられていた。包む物の形に左右されることなく、殆どたいていの物に合わせて包む事が出来て、持ち運びに重宝されていたものだった。
例えばスイカや酒類の一升瓶場合などの持ち運びには、安全で恰好の日用品であった。まだスイカ専用のナイロン紐の網袋が出回り、酒瓶なども紙パックが開発され、その上紙袋や布袋が出回るようになって次第に忘れられていった。
本来ならば和服の付き物として親しまれて来た物だが、茶道や茶道の特に成人式の場合でも、殆どが着物姿なのに手に提げているのはバッグである。
この頃では殆ど見掛けなくなったのを、今日偶々見掛けた風呂敷に堪らないほどの愛着を覚え、あらためて懐かしく思うと共に、今では全然姿を見せないことに、何かしら言い知れぬ寂しさを感じていた。
年寄り感傷と言われれば、それまでの事ですが・・・。
そうですか。さくらさんのお父様も同年輩なのですね。あの当時を生抜かれて来た方々には、過酷な時代背景意を重ね思い、深い親しみを覚えます。
さて前おきが長くなりましたが、使い放題「消費は美徳・・・」などのような戯言からは、早く目覚めるべきです。
風呂敷の合理性を再認識し、更に日本人的な美的感覚の回復の為にも、勤めて数多く用いるように致しましょう。日本女性の優雅さは倍加するでしょう。
お見舞いを頂き有り難うございました。
ここ暫らく風邪などに罹らなかったので、油断していました。全く迂闊でした。
風呂敷に付いては、この記事を書く前の日の夕方、偶然ジャスコのレジで風呂敷を広げているご婦人を見掛けました。それがきっかけです。これからこうした客がだんだん増えてゆくのでしょうね。
今日のコメント本当に有り難うございます。
父と同い年のじゃこしかさんのブログを読ませていただきながら、「父もそんな時代を生きてきたんだな」「父もこんなことを考えてるのかしら」などといろいろ考えさせられています。
さて風呂敷についてですが、資源の節約や環境への配慮からレジ袋の有料化が検討されている中、風呂敷を見直してみては…という流れが若い人たちの間で少しずつ起こり始めているという話を聞いたことがあります。
実際に私も、大学生らしき男性がテキストを数冊まとめて風呂敷に包んで持ち歩いているのを見かけました。
じゃこしかさんがおっしゃるように、どんな形の物にでも対応できる柔軟性が魅力の風呂敷だけに、再び脚光を浴びるようになってくれると嬉しいなぁ…と期待しています。
二日ほど8,5度の発熱で寝て過ごし、先ほどやや平熱に戻り、パソコンを開いた次第です。何処で貰って来た風邪なのかはっきり致しませんが、恐らく先日肺ガン検査で行った労災で無いかと思います。
どうぞpoloさんもお気を点け下さい。