ルンルンピアノ

ピアノ教室の子どもたちとの楽しい毎日。。。。。。

795        ラクダ健在

2007-09-28 21:57:26 | Weblog
※ 闘竜灘沿いに建つ水月楼。
  現在は営業していないようだ。
  クリック♪


きょうは鳥取県の板井集落へ行く予定だったので早起きするが、天気が悪いので中止にする。
「じゃあ何処へ行く?」
「1日仕事するわ」
つまらないけど仕方がない。

ネットでナイル書店に関しての記事を読んでいると、どうも場所の具合がおかしい。
「ねえ! 愛媛に行くときは中国道?」
「いーや。 山陽道やで」
「だよね。 でもみんな ‘中国道から見えるナイル書店’ って書いてるんだけど」
「そんならそうやろう」
「でもそんな事あるわけないやん。 いつも愛媛に行く途中で見かけるんやから」
「なんか記憶の間違いじゃない?」
「いーや! 絶対にそんな事ないっ!! 愛媛に行く時いっつも見かけるもん」
「じゃあ、山陽道の近くにも同じ店があるんと違うん?」
「それがさー、いっくら調べてもここ1箇所しか無いねん」
「じゃあやっぱり自分のカン違いやと思うで」
「ゼッタイゼッタイゼッタイに違ーーーーう! 愛媛に行く途中でいつも見てるんだってば!!!!!」

バッグの中のメモ帳を取り出す。
3日前に愛媛へ行ったときの記録が残っているはずだ。
すると・・・
<楽しみにしていたナイル書店、見えず> と書いてある。

(そうか・・やっぱりカン違いだったんだ。 金ピカのラクダは愛媛へ行く時でなく、中国道を使うときに見えてたんだ)

間違いが分かってサッパリする。

「じゃあ、念のためにこれから行ってみようか?」 
Nが切り出す
もう9時近かったので、お弁当は作らずに家を出た。

高速から中国道に乗る。
予報と違って良い天気。
「こんなんやったら板井原に行けてたなあ」
「板井原なんかいつでも行けるじゃん。 ラクダはいつ取り壊しになるか分からないんだよ」

30分ほどで滝野社ICへ到着。
少し前方に金ピカのラクダが見える (やっぱり私のカン違いだったんだ

ICを降りるとナイル書店はすぐに見つかった。
書店敷地内にクルマを停め、ドキドキしながら降りる。
敷地内には3つの建物があり、1番手前の建物には <テナント募集> の貼り紙が大きく貼られていた。
真ん中の建物はレストラン風で、ラクダはその屋上にそびえ立っていた。
逆光のせいか金色には見えない。
ちょうど真正面の位置になるので、ラクダというよりはライオンのように見えた。

それでも感動してパチパチ写していると、男性が1人突然姿を現わした。
ちょっと三枝成彰似の、40歳ぐらいの男性だ。
ジッと建物を見つめているので地元の人かなあと思い、「ここ、閉店しちゃったんですよねえ」 と話しかけてみた。
「そうです、ちょっと前にね。 書店にお客さんが入らなくなったようで」
「いつ頃閉店したんですか?」
「今年に入ってからですよ、レストランもね」
「ああ、レストランもあったんですね」
「ええ。 でもレストランの方は10月から再開予定です」
「え! そうなんですか(さすが地元民、よく知ってるな) 
「でも書店が無くなっちゃうんじゃ、あのラクダはもう取り壊されちゃうんでしょうねえ」

すると男性は(エッ?)と言うような顔をして、「いやいや、ラクダはそのまま残りますよ」
(なんだ?この人・・・・やけにキッパリ言い切っちゃったけど)

「私、ここのオーナーなんですよ」



「あのラクダを作ったのは私の父でね、あれを建物の上へ上げる時は私も手伝いました。 クレーンで吊ってね、けっこう大変でしたよ」
「大きそうですもんねー、それは大変だったでしょうねえ」
「ラクダのお腹の下に立ったままスッポリ入りましたよ 高さも2メートル以上ありますから」

ホエ~、そうだったのか。 これはビックリ。

「それにしてもラクダっていうのが面白いですね♪ お店の名前もナイル書店だし・・やっぱりエジプトがお好きなんですか」

すると三枝さんはちょっと息を吸い込んでから、
「私はもともと大阪で商売をしてたんですけどね、ある時 ‘ここを文化の発信地にしよう!’ と思い立ったんです」

「それでね、‘文化を運んでくる動物’ と言ったら、ラクダなんですよ」

(フムフム、なるほど)

「それでラクダを作る事になったんですけど・・・実はナイルのラクダっていうのは本当は ‘ひとこぶラクダ’ なんです」

(それは知らなかった)

「でも、ひとこぶだと遠くから見たときラクダに見えにくいんじゃないかなと思って。 馬に見えたりしちゃったりね」

(ああ、それはあるかも)

「それで、あえて ‘ふたこぶラクダ’ にしたんですよ。 そしたらある時、これを見た学者の人が 『ナイルにはふたこぶラクダはいない』って。 それで事情を説明した事もありました」

そうか~、ラクダ1つにもこんな思い入れがあったのだ。

10月から再開のレストランも画期的なものに挑戦されるようだ。
量り売りのバイキング形式と言うのだろうか。
好きな料理を、好きな分量だけ買い取って食べる形式らしい。
持ち帰りもできるとの事で、色々工夫されている。

「レストランがオープンしたら必ず行きます」 と宣言した後、この辺でどこかいいところはないかと尋ねてみる。
「せっかくここまで来たんで・・なんか面白いところはないですか?」
三枝さんはしばらくウ~ンと首をひねったあと、「トウリュウナダはどうですか?」 と言う。
「え? トーリューナダ??」
「そうです。 闘う竜と書いて‘闘竜灘’と言うんです。 ここから少し行ったところの加古川の川原で、ゴツゴツした岩が一面に広がっているオモシロイ景色ですよ」

三枝さんにお礼を言って別れたあと、聞いたばかりの闘竜灘へ向かう。
教えられた通りにバイパス沿いを進むと、闘竜灘はすぐに見つかった。
近くの駐車場へクルマを停めて歩く。

川の淵へ降り立つと、荒く削り取られてゴツゴツした大岩が川一面を覆っている。
岩の段差からはシブキを上げた白い波が乱暴に滑り落ち、その壮観な光景に思わず息を呑む。

川へ降り、Nの後をついて岩の上を歩き始める。
岩と岩との間には、ところどころ小さな木の橋が架けられており、それをチョコチョコ渡るのはちょっとしたスリルだ。
川の向こう側には、さっき渡ってきたばかりのバイパスにかかる赤い橋が見え、オモチャのような車が行ったり来たりしている。
流れの来ない水たまりはアメンボウやメダカが泳ぐノンビリとした世界だ。

しばらく岩上の散歩を楽しんで川を上がり、お腹が空くまで付近を散歩する事になった。
ここは幅の狭い街道で、大きな古い家が多い。
お豆腐やさん、お米やさん、洗張・京染と書かれた店。
日観連の丸い看板が架かる水月楼はもう営業していないようだった。
趣のある古い板塀を見上げていると、突然ワンワンと犬の声がする。
あわてて声のする方を振り向くと、誰もいないと思っていた旅館の入り口から、頭のてっぺんを赤いリボンで結わえたマルチーズが首だけ出して吠えていた。

お昼近くなり段々日差しがきつくなりフラフラしてくる。
途中、千年堂というお菓子やさんで鮎もなかを10個買う。

闘竜灘沿いに建つ 『料理旅館 滝寺荘』 でお昼にする。
Nは ‘秋の味覚膳’ 私はシンプルに ‘鮎寿司’ を注文。
料理を待つあいだNがトイレへ行く。
窓の外の闘竜灘をボンヤリ眺めながら待っていると、「あ! ゴメンナサ~イ」 と声がする。
Nがトイレを開けられたようだった

そのあと、Nの提案で 「滝野温泉 ぽかぽ」 へ行く。
‘全浴槽 源泉100パーセント使用’ のお湯は気持ちよかった。
お風呂から上がると、Nが ‘思いっきりテレビ’ を見ながらソフトクリームを食べている。
いつもの如く、鼻の頭にクリームを引っつけていた

勝ちわりせんべい(これが抜群にオイシカッタ♪) ボディソープ、美容ジェル、ストラップ、ぽかぽTシャツを買う。
会計時、Nが (ゲッ!!) という表情になったので、仕方なく自分で払った。


帰り、有馬富士公園駐車場で少し居眠りしてから帰宅。

ラクダにいざなわれた不思議な1日だった・・・・
中国道滝野IC付近を通る機会があれば、ゼヒ1度ご覧下さい。
宝塚・西宮から岡山方向、滝野社IC付近で運転席側に見えます(よろしく♪


おわり
コメント (4)
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