明日香村の八釣はトンド焼きの翌日に灰を「豊年、豊年」と云いながら畑に撒く。
同村の川原や小山田では灰撒きをしたら田に虫がつかない、と云われていた。
山添村切幡に同じようなことをされている人がいる。
お家で行われている年中行事の数々になにかとお世話になっている。
大字切幡のトンド焼きは平成22年の1月11日に取材したことがある。
あれからもう7年も経っていた。
月日の廻りはとにかく早い。
早いと云っても宇宙の運行は一定であるから、気持ち的に早くなっているだけだ。
かつては小正月の1月15日に行われていた。
15日は成人の日でもあったが、ハッピーマンデー施行によって毎年の日は動く。
トンド日を成人の日で覚えていた人は記憶がこんがらがってしまった人も多い。
いつされているのですか、と問えば、成人の日を応える人もあれば小正月の15日という人も多い。
慣れ親しんできた小正月行事がハッピーマンデー施行によって大きな変革があった。
県内各地のとんど日が変動する成人の日に移した地域があまりにも多くなったから、実にややこしい。
それも慣れてしまえば、覚えられるもの。
慣れとはそういうものだ。
さて、切幡のトンドは垣内単位でされている。
上出、下出、井ノ出谷の他、もっと少ない軒数でされているところもある。
上出は仕掛りはじめ。
調えば火点けをされる。
存知している人が多い地域。
走る車から頭を下げて次の垣内へ向かう。
ここ井ノ出谷は火点けを済ませていた。
ポン、ポンと燃えた竹が爆ぜる音が谷間に拡がる。
もう一カ所は二人だけで行われる小とんど。
以前はもう1軒もあったが、今は村を離れている。
昨夜に降った雨で畑は水浸し。
近くに生えている竹を伐り出して火を点けた。
ここもポン、ポンと音が鳴る。
枯れた竹でも鳴る場合はあるが、青竹であれば必ずや鳴る。
竹の内部に詰まっていた空気が弾ける音を聞くと懐かしい。
火が落ち着けば、家から持ってきた餅を焼く。
竹の先に挿すことなく、網焼きである。
焦げ目がついたら焼き上がり。
ほくほく熱々。
手で転がさないと冷めてくれない。
普段であれば焼いた餅は家で食べる。
今回は特別に焼いた餅をくださってよばれた。
食べ終わってからおもむろに動いた男性は手造りの大型ジュウノ(什能)でトンドの灰を掬う。
灰がジュウノから毀れないように、そのままの状態でもって田んぼに移動する。
豊作を願う灰撒き。
地方では虫が寄りつかないようにというまじないでもある。
田んぼの枚数ごとにこうして灰を撒いている、という男性はかつて味噌を家で作っていた。
焼けた竹を持ち帰って、家にある味噌樽の上にのせておいたら作るのがしくじらんかった、と云う。
(H29. 1. 9 EOS40D撮影)
同村の川原や小山田では灰撒きをしたら田に虫がつかない、と云われていた。
山添村切幡に同じようなことをされている人がいる。
お家で行われている年中行事の数々になにかとお世話になっている。
大字切幡のトンド焼きは平成22年の1月11日に取材したことがある。
あれからもう7年も経っていた。
月日の廻りはとにかく早い。
早いと云っても宇宙の運行は一定であるから、気持ち的に早くなっているだけだ。
かつては小正月の1月15日に行われていた。
15日は成人の日でもあったが、ハッピーマンデー施行によって毎年の日は動く。
トンド日を成人の日で覚えていた人は記憶がこんがらがってしまった人も多い。
いつされているのですか、と問えば、成人の日を応える人もあれば小正月の15日という人も多い。
慣れ親しんできた小正月行事がハッピーマンデー施行によって大きな変革があった。
県内各地のとんど日が変動する成人の日に移した地域があまりにも多くなったから、実にややこしい。
それも慣れてしまえば、覚えられるもの。
慣れとはそういうものだ。
さて、切幡のトンドは垣内単位でされている。
上出、下出、井ノ出谷の他、もっと少ない軒数でされているところもある。
上出は仕掛りはじめ。
調えば火点けをされる。
存知している人が多い地域。
走る車から頭を下げて次の垣内へ向かう。
ここ井ノ出谷は火点けを済ませていた。
ポン、ポンと燃えた竹が爆ぜる音が谷間に拡がる。
もう一カ所は二人だけで行われる小とんど。
以前はもう1軒もあったが、今は村を離れている。
昨夜に降った雨で畑は水浸し。
近くに生えている竹を伐り出して火を点けた。
ここもポン、ポンと音が鳴る。
枯れた竹でも鳴る場合はあるが、青竹であれば必ずや鳴る。
竹の内部に詰まっていた空気が弾ける音を聞くと懐かしい。
火が落ち着けば、家から持ってきた餅を焼く。
竹の先に挿すことなく、網焼きである。
焦げ目がついたら焼き上がり。
ほくほく熱々。
手で転がさないと冷めてくれない。
普段であれば焼いた餅は家で食べる。
今回は特別に焼いた餅をくださってよばれた。
食べ終わってからおもむろに動いた男性は手造りの大型ジュウノ(什能)でトンドの灰を掬う。
灰がジュウノから毀れないように、そのままの状態でもって田んぼに移動する。
豊作を願う灰撒き。
地方では虫が寄りつかないようにというまじないでもある。
田んぼの枚数ごとにこうして灰を撒いている、という男性はかつて味噌を家で作っていた。
焼けた竹を持ち帰って、家にある味噌樽の上にのせておいたら作るのがしくじらんかった、と云う。
(H29. 1. 9 EOS40D撮影)