ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「橋を架ける」20240126 20231216

2024-01-26 | Weblog

 

 

哲学のことばではこう示される──

 生成と産出の無限の活動を通じて、
 理性は分離されていたものを合一し、
 絶対的な分裂を、根源的な同一性によって
 制約された相対的分裂に格下げする。 
  (『ヘーゲル・セレクショ』廣松・加藤編訳)

涙の谷を渡るルートを開くように
動かない重い思考を動かすように

リンクする
糸を通す
結び合わせる
血を通わせる
ブリッジする

結び直すためには一度ほどかなければならない
そのために経由すべきエリアがある

なによりスペースをキープする
キープする意志をキープする

バインドされた世界との直列を外すように
スペースを開き、あらゆる確定記述の外へ出る

一切の確定記述を解除して静かにたたずむ
そこが始発の場所を意味する、それから深く降りていく

湿った深い地層がある
いつも濡れている

いまも降りやまない雨粒が沁みていく
涙が積み重なった底知れい地層がある

ことばの包囲がほどけていく
さらに深く地層へ降りていく

かなしいことばに呼びとめられる
ひとつひとつに理由があり根拠がある
代わることのできないそれぞれの由来がある

呼び止められ、くじかれる心を黙らせ
耐えがたい限界を超えるように、
リミットを超えて降りていく

第三領域、人称以前、非人称の連結エリアへ
精神医療の世界では小難しくこう呼ばれたことがある

「調和的相互浸透渾然体」(バリント)
 harmonious interpenetrating mix-up

行きっぱなしではない、そこから帰還する始原の場所がある

 

 

 

 

 

コメント