真理と真理、正義と正義、善と善、現実と現実
せめぎあい、呪いあい、殺しあう
ただ一つの惨劇のふるさと、現世、涙の谷(マルクス)
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どんな職業のリストにも載らない仕事の人
涙の谷を目撃した哀しみを糧として耕す人
詩人と呼ばれた心の起源に一つの意志が励起する
滅ぼしあう両岸をブリッジする
橋を架ける理由はただ一つ
すべてがわたくしの中のみんなであるやうに
みんなのおのおののなかのすべてですから (『春と修羅』)
荒廃と滅びのふるさと、死の谷を無力化する
無力化して新たな交感のルートを開通する
地質、水量、風量、地震、洪水、交通量
強度、耐久、耐震、エトセトラエトセトラ
想定可能な全パラメータの集積と解析、構造計算
この準備作業に先行して起動する連結装置
一切に目的と意味を与える一つの意志のかたち
すべてこれらの命題は
心象や時間それ自身の性質として
第四次延長のなかで主張されます (『春と修羅』)
意識と意識
感情と感情
存在と存在
非在と非在
価値と価値
真理と真理
正義と正義
ことばを用材としてすべてをブリッジして連結ルートを開く
鉄道を走らせすべてをシャッフルして混ぜ合わせる
みずからを連結装置とする作業の目的はただ一つ
混ぜ合わせた一切を新たな祝祭のマテリアルに変換する