ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「絵を描く」20240118 20230926

2024-01-18 | Weblog

 

 

  記憶の総体は生き物であって、
  絶えず個々の成分の比重を変えている。
  現在に生きることが過去の重みを変える。

        ──中井久夫『徴候・記憶・外傷』115

 

状況に深く規定されながら
あるいはむしろ規定されるがゆえに

世界をスケッチして
心はみずからに差し出す

光と影、正と負、価値と反価値、可能と不可能
情動に濡れた意味配列、陰影深いただ一つの世界

下絵としての世界の姿
エスキスとしての世界告知

子を懐胎し産み落とす母のように
産み落とした子に憑かれた母のように

ふたつのことをひとつとして
すべてはただ一つの主題に合流する

いま、ここ、本日、これから、どう生きうるか

子育ての始発点、いまここ
下絵に筆を入れる作業がはじまる

筆を握る手と意志だけが開くフリースペース
エスキス、手直し、描き直し、終わりのない回帰点
すべてが始発する展開のアトリエ、いまここにいる

覚えておこうな

アホ面さらして展示をめぐる博物館ではないんだぜ
所蔵のアイテムをみせびらかす画廊ではないんだぜ
バカ話、うんちくにのぼせたサロンではないんだぜ

ここはミュージアムではなく筆を握るアトリエなんだぜ

 

 

 

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