蜜ロウワックス日記

小川耕太郎∞百合子社をとりまく日々あれこれ

山武杉を製材して、建具をつくってもらいます。

2009年11月12日 13時48分01秒 | 一枚板

▲山武杉(産地:千葉県)を半割りにしたもの

今年2月に主人が木材市場で山武杉を半割りにしたものを購入してきました。
山武杉は、なぜか節が少ない材で
油気が強く、色目は年数が経つにつれて飴色に輝く
色気のある材です。木材が好きな人でしたら惹かれてしまう
魔物?のような木材だそうです。
建築材料にしようする時の強度の指針となる
ヤング率も非常に高く(品種だけでなく樹齢によっても差があります。)
雨に強い材のようです。



「雨が殴ってきた」という表現がある
ここ尾鷲では、年間雨量が日本一、二を争うほど。
台風も年中上陸する地域なので暴風、暴雨対策に
雨戸は必需品です。


主人はこの「山武杉を雨戸に使う」というのです。
百「どうして高級といわれる杉を雨戸に使うの?」

耕「建具屋さんがこの杉の柾目で雨戸つくったら美しいだろうなぁーといったもんで」

百「へぇ?それだけで」
私にとっては、雨戸は暴風暴雨対策の道具にしか思えませんが

耕「尾鷲の希望通りの商店街ある旅館は柾目の雨戸だろ」

スタッフの藤井も話しに加わり
藤井「昔は雨戸でもツイードのヘンリーボーンみたいに板を張って
細工している家あるじゃん。」


▲ヘンリーボーンという生地


▲左:柾目の雨戸 右:ヘンリーボーン風に張った雨戸(このイラストでは安っぽくみえてしまい(笑)ますが、本物は美しいです。今度、尾鷲の町へでて雨戸の細工写真を撮ってきます。)

百「そういえば、建具屋さんの家の雨戸はそんな模様だった。なんのためにそうするの」

藤井「ようは見栄よ」

百「見栄でそこまで!するの」

耕「いや、木目を知っているひとが細工として遊ぶ世界だから
いまでいうデザインみたいなもんだよ」

といわれ多少納得した。まぁー確かに和菓子の世界も独自な細工で
季節遊びを楽しみます。ファッションの世界も
常に色々な生地が生まれています。そのようなものかと私の中では
納得というより理解はしました。


▲この山武杉の中央①②は柱2本は売り物としてとっておきこんな感じで製材。
心の部分は節があるかもしれないのではずして柱をとる。


▲製材後


×2本
▲柱×2本

×4本
▲この形状は4本 ここから柾目の板がたくさんとれます。



工事を依頼している丸京建設さんは製材もやっているので
山武杉を製材した板を写真にとらせて欲しい!とお願いしました。
お忙しい中、快く引き受けてくださり、製材後の板を写真撮りをしやすいよう
山武杉の柾目板を並べてくれました。

▲上の4本から板を挽いた山武杉柾目の板

丸京建築「美しいでしょ。」

木材おんちの私でさえ、この並んだ材をみてなぜか興奮しました。
この材のもつ気迫というのか美しさというのかビックリしました。





▲柾目板のUP

最近は、木材にはこだわないナチュラル志向の家か
モダン風住宅が人気がありますので
木材にこだわらない方は少数派です。



しかし、私の知人で
木材の魅力にはまり自分でDIYをして
家の改装を楽しまれている方もいます。
30代前半の夫婦です。
少しづつ自分達で無垢材を使い家を改装しています。


▲中古住宅を購入し、トイレの床をカリンに張り替えた。


▲トイレの洗面に使用している檜板を小川社から4,7000万で購入。他にカウンターテーブル、式台も同じ板からつくってます。


▲ケヤキの板を小川社から¥3500で購入し、自分達で看板を製作(お仕事は整体師です。)詳しくは自分でつくる一枚板をみてくだいね。


そういえば、この前面白い記事を読みました。
「今の30代は中古住宅を購入し、自分達で改修し
こだわった部分にはお金も時間も費やす。新ロハス層が増えている。
消費のスタイルが全く変化した世代。」
まさにこのご夫婦がそうです!
それに民主党政権は
中古住宅の修復に補助金がおりるような制度を考案中だとか



家のどこにお金をかけるかによって
印象が変わります。
木材の楽しみ方が、もっと気軽に楽しめれば
面白い世界が切り開かれるように
小川社でもトライしてみます。