徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

ドイツ情報、ヨーロッパ旅行記、書評、その他「心にうつりゆくよしなし事」

書評:松岡圭祐著、『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 VIII 太宰治にグッド・バイ』(角川文庫)

2023年02月25日 | 書評ー小説:作者ハ・マ行

『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論』シリーズもついに8巻目。主人公の杉浦李奈も本屋大賞にノミネートされ、サイン会を催してもらえる立場になり、そろそろ「売れない新人作家」から脱却しつつある流れに乗っているようですが、彼女のもう一つの顔である文芸界の問題解決人としても、警察の覚えもめでたく、この巻でもまた呼び出しを受けることになります。(まあ、そうでないと話が進まないのですが)

まずは、文芸界にセンセーショナルな事件が起こります。太宰治の5通目の遺書が75年ぶりに発見されたというのです。太宰本人の筆である可能性が高いことから筆跡鑑定が進められていたのですが、真贋判定の直前に仕事部屋で起きたボヤにより鑑定人が不審な死を遂げてしまいます。鑑定書の完成を記者5人が待ち構えていた邸宅内での出来事だった。遺書と見られる文書の内容が、太宰治の未完の作『グッド・バイ』に沿ったものであったらしいという話を鑑定人本人が複数の人間にしていたにもかかわらず、そのものを見せてもらった人はなく、内容公開は鑑定書が完成してからと鑑定者本人が勿体付けていたため、否が応でも鑑定書の完成に注目が集まっていた中での不審な死。防音措置が施された密室でのボヤで、なぜか逃げようともせずに仕事机に突っ伏して死んでいた。そして、太宰治の遺書と目されていた文書は跡形もなく消えていた。
一方、同時期に本屋大賞にノミネートされた純文学作家の柊日和麗(ひいらぎひかり)に李奈は仄かな好意を抱いており、ある時からラインで送ったメッセージに既読が付かなくなったことを心配していました。筆跡鑑定家の事件に協力するために、太宰治について調べだした頃、柊の担当編集者から柊が行方不明になっていることを知り、彼の行方を追うために協力することになります。
太宰治の遺書らしきもの、筆跡鑑定家の死、純文学作家の失踪。これらは全くバラバラに起こったことなのか、それともなんらかの関連性があるのか。

終盤は、関係者全員を集めて、アガサクリスティーのポアロ探偵さながらに謎解きを披露する李奈。もちろん、その場面でポアロのことが言及されています。有名な作品からの引用もこのシリーズの面白さです。

奥手の李奈に仄かな恋の予感があったのに、その相手が失踪するという悲劇。それを糧に人として、女性として、作家としてさらに成長する。これもまたこのシリーズの魅力です。

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読書メモ:今井むつみ著、『ことばと思考』(岩波新書)

2023年02月22日 | 書評ー言語

ガイ・ドイチャーの『Through the Language Glass』並びにStefanie Schramm と Claudia Wüstenhagen の『Das Alphabet des Denkens - Wie Sprache unsere Gedanken und Gefühle prägt(思考のアルファベット 言語はどのように思考と感情に影響するのか)』 を読んだ後に今井むつみの『ことばと思考』を読むと、色彩語に関する実験や前後左右などの相対的位置関係に関する言語の違い、数字の概念など、重複する部分が多くなります。
しかしながら、今井むつみはとくに第一言語習得の分野で世界的な第一人者であることから、子どものことばの習得(第四章)から見えて来る言葉と思考の関係についても言及されており、そこから言語の普遍性や共通性と個別言語の相違性について考察されているのが興味深い。

目次
序章 ことばから見る世界 ー言語と思考
第一章 言語は世界を切り分ける ーその多様性
色の名前
モノの名前
人の動きを表す
モノを移動する
モノの場所を言う
ぴったりフィットか、ゆるゆるか
数の名前のつけ方
第二章 言語が異なれば、認識も異なるか
言語決定論、あるいはウォーフ仮説
名前の区別がなくても色は区別できるか
モノと物質
助数詞とモノの認識
文法のジェンダーと動物の性
右・左を使うと世界が逆転する
時間の認識
ウォーフ仮説は正しいか
第三章 言語の普遍性を探る
言語の普遍性
モノの名前のつけ方の普遍性
色の名前のつけ方の普遍性
動作の名前のつけ方の普遍性
普遍性と多様性、どちらが大きいか
第四章 子どもの思考はどう発達するか ーことばを学ぶ中で
言語がつくるカテゴリー
モノの名前を覚えると何が変わるのか
数の認識
ことばはもの同士の関係の見方を変える
言語が人の認識にもたらすもの
第五章 ことばは認識にどう影響するか
言語情報は記憶を変える
言語が出来事の見方を変える
色の認識とことば
言語を介さない認識は可能か
終章 言語と思考 ーその関わり方の解明へ
結局、異なる言語の話者はわかりあえるのか
認識の違いを理解することの大事さ
あとがき

結論から言えば、言語は、子どもに、自分以外の視点から世界を眺めることを教え、世界を様々に異なる観点からまとめられることに気付かせ、様々な切り口、様々な語り方で自分の経験を語ることを可能にし、さらに、経験を複数の様々な視点、観点から反芻することを可能にする、すなわち、人以外の動物が持ちえない柔軟な思考を可能にするということです。
言語なしの思考はあり得ないわけではありませんが、ある一定上の複雑さは持ち得ないとは言えます。
一方、言語は認識や記憶を多少なりともゆがめてしまうことも実験から明らかになっています。モノなどの〈名前〉に引きずられて、何かを思い出す際に、それ自体ではなく、その〈名前〉の表す典型の方に歪む傾向があるとのことで、人の認識や思考がなかなか一筋縄ではいかないことを示しています。


書評:雪村花菜著、『紅霞後宮物語 第零幕 六、追憶の祝歌』(富士見L文庫)

2023年02月21日 | 書評ー小説:作者ヤ・ラ・ワ行

紅霞後宮物語 第零幕の最終巻『六、追憶の祝歌』は、関小玉が将軍となってから後宮入りして皇后になるまでのエピソードで、本編の第一幕へ繋がります。
信頼できる部下に恵まれ、女性初の将軍となり、しみじみ「嫁き遅れた」と感じていたところ、部下の文林とふたりとも結婚適齢期を過ぎて相手がいなかったら結婚しようか、という話になり、「きっと楽しいわよ」とのんきに笑い合ってましたが、文林がいきなり出勤してこなくなり、しばらくして世継ぎの告知の中に彼の名を発見することになります。

本編でも回想として部分的には明かされていた前日譚が、ここですべて明らかになります。
時系列の空白を埋めるようなものなので、なるほどと納得できるだけで、ストーリー自体の面白さはあまりないかもしれません。
 

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書評:今野敏著、『秋麗 東京湾臨海署安積班』(角川春樹事務所)

2023年02月20日 | 書評ー小説:作者カ行

東京湾臨海署安積班シリーズの最新刊『秋麗』は、青海三丁目付近の海上で遺体が発見されるところから始まります。身元は、かつて特殊詐欺の出し子として逮捕された戸沢守雄という七十代の男。安積たちが特殊詐欺事件との関連を追う中、遺体発見の前日に戸沢と一緒にいた釣り仲間の猪狩修造と和久田紀道に話を聞きに行くと、二人とも何かに怯えた様子。何らかの事情を知っていると踏んだ安積たちが再び彼らの自宅を訪れると、留守で、以降、消息が途絶えてしまいます。彼らが殺人犯なのか?それとも第三者が真犯人で、彼らは次の標的なのか?

この最新作も安積班シリーズの安定した面白さがあります。犯人が稀に見る悪人であることも興味深いですし、高齢者たちが詐欺の犠牲者ではなく、特殊詐欺を働くのも変わった設定で面白いです。その動機がまた人間臭くていいですね。


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書評:Stefanie Schramm • Claudia Wüstenhagen, Das Alphabet des Denkens

2023年02月14日 | 書評ー言語

Stefanie Schramm と Claudia Wüstenhagen という二人のジャーナリストが記した本書『Das Alphabet des Denkens - Wie Sprache unsere Gedanken und Gefühle prägt(思考のアルファベット 言語はどのように思考と感情に影響するのか)』は、一般向けで読みやすく(もちろんドイツ語が読めることが前提ですが)、しかも言語学にとどまらず、哲学、認知科学、心理学、脳神経科学、社会学など今日の研究の学際的傾向を反映して幅広い分野を網羅しています。

ことばは誰でも話しますし、思考も誰でもしているので、ことばと思考について誰でも思うところ、考えるところがあるものですが、素人考えは本人の経験と知識の範囲にとどまる感覚的なものなので、研究実験で証明されたことと矛盾していたり、まったく無自覚であったりします。
多少の言語関係の学術的な知識があっても、本書で学べることは少なくないでしょう。大変興味深い入門書です。

目次
Vorwort 序言
Wie Wörter wirken ことばはどのような効果があるのか
Was Wörter über uns verraten ことばは私たちについて何を明かすのか
Wie wir Wörter für uns nutzen können ことばはどのように自分のために利用できるのか
Wie Wörter wirken ことばはどのような効果があるのか
 1 Die Macht der Laute 音の力
 2 Die Macht der Bilder 絵の力
3 Die Macht der Gefühle 感情の力
Was Wörter über uns verraten ことばは私たちについて何を明かすのか
4 Worte als Denkwerkzeug 思考の道具としてのことば
5 Worte als Fenster zur Welt 世界への窓としてのことば
6 Worte als Schlüssel zum Selbst 自分自身への鍵としてのことば
Wie wir Wörter für uns nutzen können ことばはどのように自分のために利用できるのか
7 Die Worte der Macht 力のことば
8 Die Heilkraft der Worte ことばの治癒力
 9 Worte als Hirntraining 脳トレーニングとしてのことば
 Danksagung 謝辞

目次から明らかなように本書は、ことばの効果、ことばが内包するもの、ことばの活用法の大きく3章に分かれています。一冊通しで読むと、少々流れの悪い章立てで、話が前後するのが気になりますが、各章単独で読む分にはまとまりがあって、前の章で書かれていたことを参照しなくても読めるようになっています。

〈音の力〉では、単語を構成する音がテーマとなっています。言語学の祖の一人であるフェルディナンド・ソシュールの唱えた「言葉の意味とそれを表す音素の恣意性」が当てはまらない分野として擬音語が挙げられますが、実はそれだけに限らないとして、音声と指示物との因果関係を明らかにする音象徴が紹介されています。代表的なものとして、心理学ではブーバ/キキ効果として知られる言語音と図形の視覚的印象との連想が挙げられています。

絵の力〉では主に比喩についての考察で、内容的には第3章7〈力のことば〉の基礎となり、部分的な重複があります。

感情の力〉では主に悪態をつくことの効果について、様々な実験結果が紹介されています。言葉と感情の結び付きについては、後の〈脳トレーニングとしてのことば〉の中の二言語使用の考察のところで再度取り上げられます。

第二章〈ことばは私たちについて何を明かすのか〉では、言語と思考の関係についての考察で、過去の哲学者や言語学者たちの論争について触れ、最近の特に心理学や脳科学研究では、個別言語が無意識の思考パターンにかなり影響を及ぼすことが明らかになってきており、その意味で、ノーム・チョムスキーらが提唱するような普遍文法が誤りであることが示唆されています。

第三章では、比喩の政治利用や、筆記開示などの感情を言葉にすることで得られる治癒効果とその脳神経科学的な証左、そして二言語・多言語使用の感情的側面並びに認知能力に及ぼす影響についての研究が紹介されています。


書評:吹井賢著、『犯罪社会学者・椥辻霖雨の憂鬱』1~2巻(メディアワークス文庫)

2023年02月12日 | 書評ー小説:作者ハ・マ行

『犯罪社会学者・椥辻霖雨の憂鬱』の主人公である椥辻霖雨は、
『破滅の刑死者 内閣情報調査室「特務捜査」部門CIRO-S』の外部監察官としてトウヤと珠子の指揮をする椥辻未練のいとこ。椥辻家は警察官の家系で、エリート官僚となった未練は本家の人間で、霖雨は傍系、しかも両親はなく、叔父・石灘漱流の家に居候するR大学准教授。それでも、やはり家系の影響は受けており、警察官にはならずに犯罪を研究する学者になったということのようです。
こちらのシリーズでは未練はもっぱら霖雨のための警察資料の提供者として登場しています。2作にまたがって登場するこのキャラは作者のお気に入りなのでしょうね。

『犯罪社会学者・椥辻霖雨の憂鬱』のヒロインは、霖雨のはとこに当たる14歳の不登校児、椥辻姫子。石灘漱流のいとこの娘で、特殊な事情から石灘が引き取ることになり、霖雨と同居することになります。彼女は死者を見ることができるという。

ある日、住人が連続死するという呪いの町屋で自殺者が出て、第一発見者が友人であったために、研究者としての好奇心以上に事件のことが気になっていた霖雨は、「お母さんを助けて」と子どもの例が泣いて訴えているという姫子の話を受けて、自殺ではないかもしれない可能性を調べてみることにします。

2巻では、石灘漱流の知り合いで妻殺しの10年の実刑を受けて出所してきた男性が叔父を訪ねてきたことがきっかけになります。彼は昔から温厚で、とても人殺しをしそうには見えないのと、最初は犯行を否認していたのに、途中から口をつぐみ、最終的に有罪判決を受け入れてしまったことに疑問が残り、姫子が真相を明らかにしたいと言い出します。霖雨は、今更本人も望んでいない真相の解明をしたところで誰のためにもならず、全てが遅すぎると渋りますが、結局、調査に乗り出してしまいます。そして殺人現場へ行って姫子が見たのは殺された妻がひたすら夫との娘に謝罪している姿だった。

このシリーズの1つの魅力は、椥辻霖雨の犯罪社会学の講義内容の一部が描写され、犯罪や逸脱を社会学的にどう捉えられるのかなどの学術的なテーマに程よく触れられることと、加害者・被害者どちらにもそれぞれ事情があるという白黒はっきりしない複雑さがそのまま描かれており、逮捕されて時点で容疑者に対し一方的に非難する風潮の危険性が示唆されているところです。
その複雑な現実に即した世界観が展開される一方で、幽霊が見える少女の犯罪社会学者のコンビがなぜか探偵まがいの調査をするというあり得ないキャラ設定のアンバランスが新鮮で興味深いです。




書評:吹井賢著、『破滅の刑死者 内閣情報調査室「特務捜査」部門CIRO-S』1~4巻(メディアワークス文庫)

2023年02月12日 | 書評ー小説:作者ハ・マ行

吹井賢の作品は今回が初めてなのですが、松岡圭祐の最新作を購入する際に角川の本に仕える25%割引クーポンがあり、こういうクーポンに惹かれて何か買うと貯金ができなくなるとは思いつつ、角川コーナーにあったこの素敵な怪しさの表紙と電撃小説大賞受賞に惹かれて『破滅の刑死者 内閣情報調査室「特務捜査」部門CIRO-S』全4巻と『犯罪社会学者・椥辻霖雨の憂鬱』全2巻を大人買いしてしまいました。

『破滅の刑死者 内閣情報調査室「特務捜査」部門CIRO-S』は、内閣情報調査室に極秘裏に設置された「特務捜査」部門、通称CIRO-S(サイロス)で扱う「普通ではない事件」、すなわち異能者がらみの事件の話です。
とはいえ、1巻でヒロイン雙ヶ岡珠子が勤めていたCIRO-Sは本物ではなく、Cファイルという異能者となる可能性のある子どもたちのリスト(と目されている)を取り返すべくとある企業グループが雇った組織でした。
そのCファイルのありかのヒントがあると目されていた暴力団事務所が襲撃に遭い、1人を除いて全員惨殺された。生き残ったのは一人の大学生・戻橋トウヤ。
珠子はトウヤに接触し、情報を得ようとしますが、彼が暴力団事務所から逃亡する際に襲撃者に見られてしまったということが分かると、保護の必要があると見て、上司のところに連れて行きます。
人手不足なのと、トウヤ本人の意思とで、保護ではなく事件解決のために協力することになります。

トウヤは実は異能者で、常に命を賭けていないと生きられないという人格破綻者。軽い口調とは裏腹にかなり頭脳明晰。
珠子は心臓が弱く、病院生活が長かったが、心臓移植を受けて健康になり、どうもドナーの正義感を受け継いでしまったらしく、純粋な正義感の持ち主。その純粋さがトウヤの気に入って、騙されていた彼女を救い出すことになります。
2巻以降は本物のCIRO-Sが登場し、トウヤと珠子の2人を組織に組み込むことにします。直接の上司は、警察庁からの出向だとういう椥辻未練警視。エリート官僚ではある一方、大学生の頃から能力が発現し、CIRO-Sのメンバーとして働いていたという過去の持ち主。かなり味わい深いキャラです。

Cファイルを巡る攻防は3巻で一応の決着を見るのですが、その決戦舞台となった豪華客船から救助されたのは珠子だけで、トウヤは彼女の救助を優先するために自分は船に残ってしまったので死んだものと思われ、4巻では記憶を消されてしまった珠子が自分を取り戻すストーリーになっています。
雰囲気的にこれで完結という感じではなかったので、再会して絆を深めたトウヤと珠子のコンビの今後の物語があるのではないかと思われます。

異能者関係の事件を担当する異能者で構成される警察内の秘密組織という設定はよくあるような気がしますが、エンタメ性は非常に高く、一度読み出したら止まらなくなる面白さがあります。
登場人物は皆どこかしらおかしく、破綻しており、精神的な健常人・常識人があまり出てこないというのも特徴的かもしれません。


書評:松岡圭祐著、『優莉結衣 高校事変 劃篇』(角川文庫)

2023年02月06日 | 書評ー小説:作者ハ・マ行

高校事変本編では書かれていなかった優莉結衣のホンジュラスでメキシコの過激派組織ゼッディウムと死闘を繰り広げた後の日本帰国までの足取りがこの劃篇に描かれています。
なんと結衣は北朝鮮に連行されていた!
日本の高校に編入するはずだった工作員と人違いされ、そのまま北朝鮮の工作員養成学校に特別に編入学することになります。
しかし、しばらくして正体がバレてしまい、北朝鮮の上層部は、日本を陰で牛耳る架祷斗の妹を匿ったとして、教員・生徒全員を殲滅する作戦を実行する。
北朝鮮版『高校事変』がここに展開します。
長男・架祷斗との最終決戦を前にした優莉結衣の過酷な道筋。


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