徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:松岡圭祐著、『千里眼 ファントム・クォーター』(角川文庫)

2021年06月24日 | 書評ー小説:作者ハ・マ行

千里眼新シリーズ第2巻『ファントム・クォーター』は、1巻で小さく登場していたものを見えなくするグラスファイバーが主題となります。
この繊維はすでにかなりの改良が加えられ、それを被せられたトマホークが日本のある場所に向けられているという情報がある一方で、岬美由紀はロシア大使館を通じて依頼のあったチェチェンへの支援に赴く途中で何者かに拉致され 、気がつくと、そこは幻影の地区(ファントム・クォーター)と呼ばれる奇妙な街角でした。どうやらゲームのルールがあるらしいのですが、何がどうなっているのか謎めいた状況です。
ストーリーの出だしで起こっていた日本の製造業の株価の一斉暴落、見えざる武器を操る組織とファントム・クォーターの仕掛けに関係があるのかないのか、話が進んで1つの謎が解かれても、別の謎や問題が発生する数段階のミステリーを重ねたストーリー展開は、読者を退屈させることなくクライマックスへ導いてくれます。
また、国家的危機だけでなく、臨床心理士としてきちんとクライアントの問題にも同時に対応しているところが目を惹きますね。次元の違うものが絡み合って同時進行する重層性が面白いと思います。

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