徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:松岡圭祐著、『水鏡推理3 パレイドリア・フェイス』(講談社文庫)

2016年06月20日 | 書評ー小説:作者ハ・マ行

『水鏡推理』リシーズ第3弾、早速読みました。

今回は官僚にしては珍しい静岡大出身の廣瀬秀洋(27)が文科省の問題児事務官水鏡瑞希の指導役兼監視役として登場します。でも彼もメインストリームから外されがちで、瑞希ちゃんよりは大人の対応ができるとはいえ、幹部のやり方にはかなり煮え湯を飲まされているので、彼女に共感する要素有り。

取り組む課題は、3か所続けて発見されたという75万年前の「地磁気逆転」の証拠の検証と栃木県北部に地震のせいで隆起したと思われる【人面塚】の解明。そのため地質学的な蘊蓄が盛りだくさんです。

ストーリー展開のテンポはどちらかと言うと遅く、少しじれったい感じがします。中盤は瑞希の暴走とドジが目立ち、あの冴え冴えとした推理力はどこへ?!と首をかしげてしまうくらいです。もちろん最後には彼女が全ての謎を解き明かすのですけど。

『水鏡推理3 パレイドリア・フェイス』は『水鏡推理2 インパクトファクター』よりは面白いと思いますが、第1弾が個人的にこのシリーズでは一番面白いと思います。

 

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