徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:松岡圭祐著、『万能鑑定士Qの事件簿 0』

2021年06月19日 | 書評ー小説:作者ハ・マ行

2016年に『万能鑑定士Qの最終巻 ムンクの〈叫び〉』で終了したはずのシリーズから昨年最新刊が出ていたのですね。完全に見逃していました。

『万能鑑定士Qの事件簿 0』の舞台は2009年、凛田莉子がチープグッズから独立した直後で、まだ自分自身に自信が持てず万能鑑定士Qという名前の重圧に喘いでいた頃の話なので「ゼロ」の番号がついています。
都内で発見されたバンクシー作とおぼしきステンシル画の真贋判定に強引に巻き込まれてから、あれよあれよという間に舞台は熱海、グアム、そして福岡へと広がっていきます。熱海では複製博物館のようなところでなぜかゴッホの真作 と思われるものを発見し、グアムではホテルで開催されていた地元文化(の勘違い)を示す展示品の中になぜか漢委奴国王印の本物の輝きを発見し、福岡市博物館に問い合わせるものの一笑に付されてしまいます。しかし、後に本物の漢委奴国王印を保管しているはずの福岡市博物館ではすり替わった贋作が発見されます。この一連の事件の裏で糸を引いているのは誰なのか、そして何が本当の目的なのか、ワクワクするミステリーです。しかも人が死なない。
グアムでは3巻以降なかなか新刊が出ていない『グアムの探偵』シリーズのヒガシヤマ親子が登場し、莉子をサポートして事件の解決に貢献します。こちらも早く新刊が出て欲しいものですね。



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