徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:松岡圭祐著、『高校事変 X』(角川文庫)

2021年03月26日 | 書評ー小説:作者ハ・マ行


この高校生・優莉結衣を主人公にしたバイオレンス小説もついに10巻まで来ました。
結衣の異母妹である凜香の実母・市村凜は意識不明の重体に陥っているはずでしたが、彼女が入院している病院で看護師が殺害され、捜査が進むうちに入院患者が意識を取り戻し、市村凜ではないことが判明します。さて、本物の市村凜はどこで何を企んでいるのか?
一方で、結衣はなぜか国際文化交流のためのホンジュラス訪問を予定している慧修学院を訪問し、校長に面会しますが、あっという間に追い返されます。彼女のこの謎の行動は、後にホンジュラスでの武装集団による襲撃の裏に優莉家長男の架祷斗があったことで理由が明らかになります。父・匡太の遺志を実現しようと着々と力をつけ準備を進めてきた架祷斗はホンジュラス訪問中の慧修学院3年生の生徒たちを人質に日本政府に要求を突きつけますが、政府は極秘裏に自衛隊特殊部隊を結衣とともにホンジュラスへ派遣します。こうして結衣は人質の生徒たちを救い、兄の愚行を止めるためにまた戦闘の只中に突入するわけですが、本物の統率の取れた軍人相手にほぼ全く歯が立たず、何度も「これまでか」という状況に追い込まれます。
この巻の特徴は、結衣の独壇場ではなく、明らかな味方による助けがあることでしょう。
長男との戦いは次巻へ持ち越されますが、次は最終回でしょうか?いよいよクライマックスという印象を受けますが、ひょっとしたらあと2巻くらいあるのかもしれません。どう決着がつくのか楽しみです。





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