徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:松岡圭祐著、『後催眠 完全版』(角川文庫)

2016年08月24日 | 書評ー小説:作者ハ・マ行

松岡圭祐の『催眠・カウンセラー』シリーズ第3作となるらしいこの『後催眠 完全版』は、『催眠』でお馴染の嵯峨敏也が「木村恵美子に深崎透のことは忘れるように伝えろ」と言う一方的な電話を謎の女性から受け取ることに始まります。データベースを調べてみると木村恵美子が神経症の患者で精神科医兼カウンセラー・深崎透は彼女の担当医だったことが判明し、かつ食道癌で手術後失踪?!

一方、当の恵美子は何かの事件をきっかけにまた神経症を悪化させてしまったらしい。彼女は治療中の時からプライベートで深崎と付き合いがあり(とは言っても男女関係ではない)、彼が失踪したらしいその後も彼と電話で話したりしていて、今度は彼が訪ねて来るという。。。

私は嵯峨敏也のラインと木村恵美子のラインが話が進行していくにつれてもっと積極的に絡み合って来るのかと思っていたのですが、嵯峨はその後ほとんど登場せず、もっぱら恵美子の「事件」に関して警察と対峙し解決していくことと神経症の治癒に話が終始しているので、途中ちょっとイラッとしてしまいました。そしてラストは全く予想外の方向でのオチでびっくり。( ´゚д゚`)エー

これは、松岡氏の他シリーズのように主人公がどの巻でも活躍することを期待している読者にはかなりがっかりなストーリーだと思いますが、カウンセリングや催眠療法に興味のある人には、なかなか興味深い話なのではないかと考えられます。

私自身の感想は、「どちらかと言うと面白い」あたりでしょうか。エンタメ性も中から下程度のように思えるほどテンションが低いです。

同シリーズの『カウンセラー』はどんな感じなのか興味があるので、そちらも読んでみようと思います。

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