徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

ドイツ情報、ヨーロッパ旅行記、書評、その他「心にうつりゆくよしなし事」

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。8』(ビーズログ文庫)

2023年05月28日 | 書評ー小説:作者ア行
商品説明
まもなく十四歳の誕生日を迎える莉杏は、暁月から「叉羅国で開かれるムラッカ国とバシュルク国の停戦会談に、仲介役として出席する」という大役を任される。赤奏国の使節団の責任者になった莉杏は、暁月に教えられた『秘密の合言葉』をお守りに叉羅国へ。道中、ワケあり王子、少女傭兵と奇妙な同行仲間が増える中、叉羅国で内乱勃発の危機が迫り!?

『茉莉花官吏伝 十二 歳歳年年、志同じからず』で茉莉花がバシュルク国に潜入し、ムラッカ国が攻め入って来た時に無事に停戦合意を取り付けることができ、バシュルク国潜入のために協力してくれた赤奏国と叉羅国のラーナシュ司祭にそれぞれ借りを返すために、バシュルク国とムラッカ国の停戦会談の場を叉羅国に、仲介を赤奏国に依頼することになりました。
それを受けて、『十三歳の誕生日、皇后になりました。8』で赤奏国の皇后・莉杏が両国仲介の外交を任されて叉羅国に旅立つことになります。
しかし、叉羅国王女誘拐事件をきっかけに、そもそも二重王朝で政情不安の同国に内乱勃発の危機が迫り、莉杏たちは首都に辿り着く前に赤奏国に戻ることになりますが、異国人狩りが行われ、関所では異国人の通過が許されなくなり、莉杏たちは道中で大変な困難に遭遇します。
それでも、莉杏はこれまで学んできたことをもとに慎重に考え、一生懸命、最前の決断を下そうと努力します。
笑顔を崩さず、決して諦めない粘り強さで多くの成果を得ていくのが微笑ましいやら先行きが恐ろしいやらな感じです。

皇帝・暁月がそんな莉杏をなんやかやでとても大切にしていて、糖度の高いエピソードになっています。



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茉莉花官吏伝

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 皇帝の恋心、花知らず』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 2~ 百年、玉霞を俟つ 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 3 月下賢人、堂に垂せず』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 4 良禽、茘枝を択んで棲む』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 5 天花恢恢疎にして漏らさず』 (ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 6 水は方円の器を満たす 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 7 恋と嫉妬は虎よりも猛し 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 8 三司の奴は詩をうたう 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 9 虎穴に入らずんば同盟を得ず』(ビーズログ文庫) 

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 10 中原の鹿を逐わず』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 十一 其の才、花と共に発くを争うことなかれ』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 十二 歳歳年年、志同じからず』(ビーズログ文庫)


十三歳の誕生日、皇后になりました。

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。 2』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。3』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。4』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。5』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。6』(ビーズログ文庫)


おこぼれ姫と円卓の騎士

書評:石田リンネ著、『おこぼれ姫と円卓の騎士』全17巻(ビーズログ文庫)


女王オフィーリア

書評:石田リンネ著、『女王オフィーリアよ、己の死の謎を解け』(富士見L文庫)

書評:石田リンネ著、『女王オフィーリアよ、王弟の死の謎を解け』(富士見L文庫)


書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 十四 壺中の金影』(ビーズログ文庫)

2023年03月15日 | 書評ー小説:作者ア行

『茉莉花官吏伝』の最新刊『壺中の金影』では、茉莉花は大きな仕事もなく首都・宮廷で日常業務をこなしていま。ところが、上司の礼部尚書のくじ運の悪さがもとで、工部の行った運河建設予定地の視察の不備を補うため、再度視察に行くことになります。
情報収集で視察先には『夜に通ると呪われる』という噂のある森があり、これに怯えた官吏のせいで視察が不備になったことが分かります。
運河建設予定地の変更を求めている安州の州牧を訪ねると、「禁色」の御威光もあってやたらと豪華な接待を受けてしまい、その金遣いの荒さに茉莉花は不振を抱きます。
切羽詰まった急ぎの仕事ではないので、官吏として困っている民の手助けをする余裕ができ、任務とは関係のない【骨董品盗難事件】【妓楼のねずみ捜し】【仮母の追い出し計画】 などをついでに受けたりしているうちに、御史台の友人官吏・苑翔景が安州の州牧および州牧補佐たちの不正の有無を調べにやってきたので情報交換・協力することになります。

今回は公的に認められるような大手柄を立てるわけではなく、むしろ、官吏は人助けをする力があるということを茉莉花が再認識する旅という位置づけです。
十三巻で皇帝が禁色を持つ側近に宣言した「商工会を壊す」という案件は、今回は切り口の議論と茉莉花が商工会にちょっとした働きかけをするだけにとどまります。次回はこの蒔いた種が開花する展開なのでしょう。
茉莉花がどのように活躍するのか楽しみなところです。

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茉莉花官吏伝

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 皇帝の恋心、花知らず』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 2~ 百年、玉霞を俟つ 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 3 月下賢人、堂に垂せず』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 4 良禽、茘枝を択んで棲む』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 5 天花恢恢疎にして漏らさず』 (ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 6 水は方円の器を満たす 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 7 恋と嫉妬は虎よりも猛し 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 8 三司の奴は詩をうたう 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 9 虎穴に入らずんば同盟を得ず』(ビーズログ文庫) 

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 10 中原の鹿を逐わず』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 十一 其の才、花と共に発くを争うことなかれ』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 十二 歳歳年年、志同じからず』(ビーズログ文庫)


十三歳の誕生日、皇后になりました。

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。 2』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。3』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。4』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。5』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。6』(ビーズログ文庫)


おこぼれ姫と円卓の騎士

書評:石田リンネ著、『おこぼれ姫と円卓の騎士』全17巻(ビーズログ文庫)


女王オフィーリア

書評:石田リンネ著、『女王オフィーリアよ、己の死の謎を解け』(富士見L文庫)

書評:石田リンネ著、『女王オフィーリアよ、王弟の死の謎を解け』(富士見L文庫)


書評:池井戸潤著、『半沢直樹 アルルカンと道化師』(講談社)

2022年11月24日 | 書評ー小説:作者ア行

『半沢直樹 アルルカンと道化師』は『俺たちバブル入行組』を始めとする半沢直樹シリーズの最新刊ですが、時系列は第一作と同じころの2001年。
半沢直樹は東京中央銀行の大阪西支店融資課長をしています。
第一作では、事件解決後、半沢に本店営業第二部次長の辞令がでていますので、このアルルカンのエピソードはそれよりも前のことになるはずなのですが、銀行内の確執は第一作の事件での対立を前提にしているので、内容的に今一つ整合性が取れません。

ストーリーは、大手IT企業ジャッカルが、業績低迷中の美術系出版社・仙波工藝社を買収するという話を大阪営業本部が半沢のいる大阪西支店に持ち込むことから始まります。最初はジャッカルの名前も伏せられており、仙波工藝社の三代目社長も売る気は全然ないので秘密保持契約書を交わすまでもなく営業担当者を追い返します。
ところが、仙波工藝社が企画していたプロジェクトが予定外に中止せざるを得なくなってしまい、当て込んでいた収入がなくなったので運転資金を借りる必要が出て来ます。その融資の稟議は大阪営業本部の横やりが入って何かと難癖をつけられ、買収を受け入れるか融資をあきらめて倒産するかの二択を迫られます。
顧客に真剣に向き合っている半沢はこの強引な買収の進め方に腹を立て、仙波工藝社に担保となるようなものはないか調査を始めます。その過程で、強引な買収工作の裏にある秘密に辿り着きます。
「アルルカンと道化師」というのは有名な絵のタイトルで、仙波工藝社の社長室にもそのリトグラフが飾られており、その作者と作品を巡る謎が仙波工藝社買収工作と複雑に絡んでいます。

半沢は行内の敵によって、あわや更迭の危機に見舞われますが、敵の根回しの甘さもあって、顧客のためにも銀行のためにもなる解決策で大きく逆転することになります。
ストーリーのパターンから言うと、『俺たちバブル入行組』とほぼ同じです。痛快な「倍返し」も登場します。その意味では「半沢直樹の原点、再び!」という印象です。

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書評:池井戸潤著、『民王 シベリアの陰謀』(KADOKAWA)

2022年11月18日 | 書評ー小説:作者ア行

内閣総理大臣・武藤泰山とその息子・翔がテロに遭い、なぜか中身が入れ替わるというSFめいた政治コメディを描いた『民王』の続編である『民王 シベリアの陰謀』は、発足したばかりの第二次内閣の「マドンナ」環境大臣・高西麗子が発症すると凶暴化する謎のウイルスに冒され、衆目の中で暴れて隔離保護されることに端を発した感染拡大の国家的危機の話です。
武藤泰山の息子・翔も仕事で京成大学の並木又二郎ウイルス学教授に届け物をした際に、後に「マドンナ・ウイルス」と命名されるこのウイルスに感染した教授に襲われ、自信も感染してしまいます。幸い翔は発症せず、間もなく隔離から解放されます。
武藤泰山は東京感染研究所長の根尻賢太を感染対策チームリーダーに任命し、その助言を受けて緊急事態宣言の発令を断行しますが、野党や国民の受けが悪く、政敵の東京都知事・小中寿太郎はこれを好機とばかりに「独自のウイルス対策」を打ち出し、緊急事態宣言を陳腐化させてしまいます。
一方、ウイルスの感染拡大自体がそもそも政府の陰謀だとする陰謀論者たちも活気づき、内閣支持率は急落、与党内からも武藤退陣の声が上がり始めます。
武藤親子はこの国家的危機をどう乗り越えて行くのか。また、ウイルスの出所・感染ルートに本当になんらかの陰謀が絡んでいるのか。

実際のコロナウイルスを巡る政策や世情を反映した作品ですが、現実と最も違うところは武藤泰山が骨のある政治家で、本当に国と国民のためを思って行動しているところです。
「本当にそうだったらいいのに」とため息をつきたくなるようなストーリー展開です。



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書評:池井戸潤著、『ハヤブサ消防団』(集英社文芸単行本)

2022年11月18日 | 書評ー小説:作者ア行

池井戸潤作品は実に3年ぶりに読みました。足袋屋がランニングシューズを開発するストーリーの『陸王』を読んだのが最後でした。

『ハヤブサ消防団』は、亡き父の故郷に東京から移住した売れないミステリ作家・三馬太郎が主人公のミステリーです。
中国地方の田園地帯。田舎なので人々はよそ者には開放的ではないのですが、太郎は両親の離婚のせいで疎遠になっていたものの、祖父母が健在の時代は訪れることもあったので、「ああ、野々村さんとこの息子か」と出戻った村の子のようにすんなり受け入れられます。
濃厚な人間関係も含めて田舎暮らしの醍醐味と心得、村人たちに誘われるまま自治会に入り、その会合の後の飲み会で、今度はハヤブサ地区の消防分団に勧誘を受け、それにも愛郷心を示そうとして引くに引けなくなって入団することになります。
そして入団式の日、放火と思われる火事が起きて早速出動することに。実はハヤブサ地区では立て続けに謎の火事が起こっており、放火か過失または事故かうやむやになったままで、村人たちは何かおかしなことが起こっているという不安に苛まされており、消防団は村と村人を守るために気合を入れています。
もう1つの村の悩みは太陽光発電の会社による土地の買い取りだった。村人が様々な事情でその会社に土地を売り、その後に作られたソーラーパネルパークが景観を損ねています。その会社が土地を買い占めようとしているのは他に目的もあるようだ。
長閑な田舎に放火犯、殺人犯、ソーラー会社、ハヤブサ地区にいい感情を抱いていない村長、新興宗教などが複雑に絡み合い、不穏な影を落とす中、太郎はミステリ作家としての推理力を発揮して真相の究明をめざしますが、その身には危険が迫り、誰が本当の敵なのか、スパイが誰なのか分からなくなり、ハラハラします。
見事な長編小説です。


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書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 十三 十年飛ばず鳴かず』(B's‐LOG文庫)

2022年10月18日 | 書評ー小説:作者ア行

『茉莉花官吏伝』の最新刊が出ていたので早速読んでみました。
絶対に失敗すると思われていた任務でとんでもない成功を収めた茉莉花は、足を引っ張ろうとする敵ではなく、味方につけようという魂胆を持ったお見合い攻勢を受けることになります。
この巻は、そのお見合いの対処と、商工会主催の花祭の準備が描かれます。
花娘の長女に指名された茉莉花は、街の人々との親交を深めつつ、犯罪者の視点を学んで街の治安対策を考える一方で、花娘の長女には本来必要のない舞と琵琶を真剣に練習します。

さて、彼女は花娘の大役を成功させられるのか。
そして、根本的なお見合い話対策とはどんなものなのか。
この二つがこの巻の鍵です。

ミッション自体はこれまでの外交ミッションに比べてかなりやさしいもの。そんな中で、皇帝・白陽との恋の甘味が増していき、なんとも微笑ましい限りです。

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茉莉花官吏伝

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 皇帝の恋心、花知らず』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 2~ 百年、玉霞を俟つ 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 3 月下賢人、堂に垂せず』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 4 良禽、茘枝を択んで棲む』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 5 天花恢恢疎にして漏らさず』 (ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 6 水は方円の器を満たす 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 7 恋と嫉妬は虎よりも猛し 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 8 三司の奴は詩をうたう 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 9 虎穴に入らずんば同盟を得ず』(ビーズログ文庫) 

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 10 中原の鹿を逐わず』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 十一 其の才、花と共に発くを争うことなかれ』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 十二 歳歳年年、志同じからず』(ビーズログ文庫)


十三歳の誕生日、皇后になりました。

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。 2』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。3』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。4』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。5』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。6』(ビーズログ文庫)


おこぼれ姫と円卓の騎士

書評:石田リンネ著、『おこぼれ姫と円卓の騎士』全17巻(ビーズログ文庫)


女王オフィーリア

書評:石田リンネ著、『女王オフィーリアよ、己の死の謎を解け』(富士見L文庫)

書評:石田リンネ著、『女王オフィーリアよ、王弟の死の謎を解け』(富士見L文庫)


書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。7』(ビーズログ文庫)

2022年07月17日 | 書評ー小説:作者ア行

『十三歳の誕生日、皇后になりました。7』は、赤奏国がお正月を迎える時期に占いが流行り出し、占いで「こうするとよい」と言われたことを仕事に持ち込んで、国宝の剣が失われたり、同じく国宝の赤い宝石が見分けがつかなくなったりというトラブルが発生し、その調査に幼い皇后・李杏が任される、というストーリーです。

事件は起きてますが、人の命が脅かされるような危険なものではなく、市井の人々が占いにお金を出せるほど国の復興が進み、それゆえの新しい問題という位置づけで、全体的に見るとほのぼのとした流れです。

皇帝・暁月が「ちょうどよかったから」という適当さで選んだはずの李杏にますますほだされて行くところがほっこりしますね。
一途で努力家の彼女の今後の成長が楽しみですが、物語としてはこのままだとやや平坦過ぎるので、きっとそのうちとんでもない逆境に立ち向かうことになるのでしょう。



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茉莉花官吏伝

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 皇帝の恋心、花知らず』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 2~ 百年、玉霞を俟つ 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 3 月下賢人、堂に垂せず』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 4 良禽、茘枝を択んで棲む』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 5 天花恢恢疎にして漏らさず』 (ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 6 水は方円の器を満たす 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 7 恋と嫉妬は虎よりも猛し 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 8 三司の奴は詩をうたう 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 9 虎穴に入らずんば同盟を得ず』(ビーズログ文庫) 

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 10 中原の鹿を逐わず』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 十一 其の才、花と共に発くを争うことなかれ』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 十二 歳歳年年、志同じからず』(ビーズログ文庫)


十三歳の誕生日、皇后になりました。

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。 2』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。3』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。4』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。5』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。6』(ビーズログ文庫)


おこぼれ姫と円卓の騎士

書評:石田リンネ著、『おこぼれ姫と円卓の騎士』全17巻(ビーズログ文庫)


女王オフィーリア

書評:石田リンネ著、『女王オフィーリアよ、己の死の謎を解け』(富士見L文庫)

書評:石田リンネ著、『女王オフィーリアよ、王弟の死の謎を解け』(富士見L文庫)


書評:石田リンネ著、『女王オフィーリアよ、王弟の死の謎を解け』(富士見L文庫)

2022年06月18日 | 書評ー小説:作者ア行

『女王オフィーリアよ、己の死の謎を解け』に続く第二弾『女王オフィーリアよ、王弟の死の謎を解け』が発売されたので、早速買って読みました。

前回は、オフィーリア女王が殺され、死の間際、薄れゆく意識の中で 「私は、私を殺した犯人を知りたい」 と強く願ったため、王冠の持ち主にだけ与えられる“古の約束”により、妖精王リアによって10日間だけ生き返り、その間に犯人探ししてついに「呪い」を発動させることに成功し、彼女の代わりに彼女を殺そうとした犯人たちが妖精王リアに殺されてしまいましたが、今回はオフィーリアの弟ジョンが何者かによってブロンズ像で後頭部を殴られて殺されてしまいます。
ところがジョンは二日後の葬儀の際に息を吹き返すのです。
そこでオフィーリア女王は妖精王リアにとっての「王冠の所有者」の定義について考えるのですが、もしかしたら「王冠を最後に直接触れた人」なのかもしれない、そしてジョンがそれに当てはまることに思い至ります。

ジョンは頭を強く打ったせいで死ぬ間際に何を強く願ったのか覚えておらず、オフィーリアも妖精王の話を出すわけにはいかないので深く追求はしないのですが、ジョンは妖精王リアによって生き返ったという前提のもとに犯人探しとジョンが願いそうなことを探り、できる限りその願いを10日以内に叶えて例の「呪い」が発動するように動きます。

前回、野心家で浮気者のろくでなしとして登場していたオフィーリアの夫デイヴィットは、今回は離婚されて王配としての地位まで失ってしまわないように懸命にオフィーリアに協力し、犯人探しやその他諸々を手伝います。しかし、ややもすると不謹慎に状況を楽しむそぶりを見せるので、いくら有能でもオフィーリアが彼にほだされることはなく、王の義務として子をつくるなら、そのための愛人を探そうと動き出したりして、「王弟の死の謎を解く」だけに始終しないところが面白いです。

しかし、今回の「呪い」の発動はいささか後味が悪いですね。
精霊王リアは王家を守護すると言われているとはいえ、実際には人外の感覚で面白がっているだけなので、祝福ではなく「呪い」をかけています。だから王冠所有者が生き残れても、全体的にいい結果にはならないのです。

オフィーリア女王とデイヴィットの仲の行方が気になりますが、精霊王リアの呪いが物語のコアのままならば、王家の人間は2人だけなので続編はなさそうですね。



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茉莉花官吏伝

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 皇帝の恋心、花知らず』(ビーズログ文庫)

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書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 3 月下賢人、堂に垂せず』(ビーズログ文庫)

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書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 8 三司の奴は詩をうたう 』(ビーズログ文庫)

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書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 十一 其の才、花と共に発くを争うことなかれ』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 十二 歳歳年年、志同じからず』(ビーズログ文庫)


十三歳の誕生日、皇后になりました。

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。 2』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。3』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。4』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。5』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。6』(ビーズログ文庫)


おこぼれ姫と円卓の騎士

書評:石田リンネ著、『おこぼれ姫と円卓の騎士』全17巻(ビーズログ文庫)



書評:石田リンネ著、『女王オフィーリアよ、己の死の謎を解け』(富士見L文庫)


書評:石田リンネ著、『十三歳の誕生日、皇后になりました。6』(ビーズログ文庫)

2022年03月16日 | 書評ー小説:作者ア行

石田リンネ氏のもう1つのシリーズ『十三歳の誕生日、皇后になりました。』の最新刊も『茉莉花官吏伝 十二 歳歳年年、志同じからず』と同時発売でしたので、茉莉花の後に続けて一気読みし、例によって夜更かし。

この巻では時系列が『茉莉花』と同時になっており、バシュルク国から白楼国へ帰国する途中の茉莉花が赤奏国に立ち寄って、皇后・莉杏にアドバイスをするシーンがあります。

さて、本筋のお話は、赤奏国皇帝・暁月が冬になって比較的余裕があるので「優先順位の低かった片付けなければならないことを片付けろ」と4人の若手官僚・武官たちに課題を、それと同時に莉杏には「皇后として相談される」という課題を与えます。「相談を受けるだけではなく、その先も考えろ」という指示も付け足して。

4人の若手官僚・武官たちにそれぞれ与えられた課題は、先々皇帝の残した負の遺産の解決です。
それぞれがどのように課題に取り組み、それを観察したり、相談を受けたりしながら、莉杏がどう対処していくのかがメインのストーリーラインです。

莉杏の暁月への恋心はますます強まり、暁月の方も成長して行く莉杏に翻弄されそうな予感を抱きつつまんざらでもない、という幸せな皇帝・皇后を描くためのエピソードという感じで、話が進行しているという印象は受けません。
全体的に番外編のような位置づけなのではないかと思える巻でした。


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茉莉花官吏伝

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 皇帝の恋心、花知らず』(ビーズログ文庫)

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書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 5 天花恢恢疎にして漏らさず』 (ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 6 水は方円の器を満たす 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 7 恋と嫉妬は虎よりも猛し 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 8 三司の奴は詩をうたう 』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 9 虎穴に入らずんば同盟を得ず』(ビーズログ文庫) 

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 10 中原の鹿を逐わず』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 十一 其の才、花と共に発くを争うことなかれ』(ビーズログ文庫)

書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 十二 歳歳年年、志同じからず』(ビーズログ文庫)


十三歳の誕生日、皇后になりました。

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2022年03月15日 | 書評ー小説:作者ア行

『茉莉花官吏伝』の最新刊を発売と同時に購入し、早速一気読みしました。
(本当は別の本を読んでいる最中なのですが、とりあえずそれを脇に置いて)

「絶対に失敗する任務」 として山に囲まれたバシュルク国への潜入捜査に送り込まれた茉莉花は、第一関門であった傭兵学校への入学を果たしただけでなく、とんとん拍子で進級して3年生の幹部候補生となり、野外演習に出かけた際にムラッカ国の襲撃に遭遇してしまい、異国人はおろかバシュルク国民ですら立ち入りが制限されている要塞の内側へ避難することになります。
ムラッカ国兵たちが外側の街を火の海にし、内側には避難民たちと共に間諜が入り込んで井戸に毒を入れる可能性を予見した茉莉花は、バシュルク国に窮地を救うため、茉莉花の監視を担っていたアシナリシュ・テュラ軍事顧問官の協力を得て、皇帝の信頼の証として下賜された禁色の小物を売り、バシュルクの傭兵を一部隊雇って両国の停戦合意を目指して作戦行動をとります。

潜入中で身分を偽称しているので、様々な本当と偽の設定を使い分けてバシュルク国とムラッカ国の仲介をこなすという難しい役割を果たします。
この彼女の作戦行動がハラハラドキドキするポイントですね。

もちろん彼女がはるかに期待を上回る外交的成果を上げて帰国するのは予定調和ですが、こうして見事に「出る杭」から「空高く飛ぶ鳥」に変身した彼女の周りは今までとは別の意味で騒がしくなり...次巻へ続きます。

一体彼女は今後、どんな活躍をするのか、そして皇帝・白陽との「恋人ではない好き合う関係」はどう発展していくのか楽しみです。



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