徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

ドイツ情報、ヨーロッパ旅行記、書評、その他「心にうつりゆくよしなし事」

書評:アーサー・コナン・ドイル著、『英語原文で味わうSherlock Holmes3 バスカヴィル家の犬/THE HOUND OF THE BASKERVILLES 』

2019年10月28日 | 書評ー小説:作者サ・タ・ナ行
シャーロック・ホームズシリーズの3冊目『バスカヴィル家の犬』では、デヴォンシャー(今日ではデヴォン)のダートムーアで慈善活動をしていた資産家のチャールズ・バスカヴィル卿が、バスカヴィル家に伝わる魔の犬の伝説を真に受け、ある夜ムーアに続くゲートの所で表向き心臓発作で死亡したことが事の起こりとなります。彼の死体のそばには大きな犬の足跡が残されていました。チャールズ・バスカヴィル卿には子供がいなかったため、遺産相続人として彼の甥のヘンリーがカナダから呼び寄せられることになります。チャールズ卿の友人で主治医でもあった Dr. Mortimer モーティマー博士が、この甥にチャールズ卿の死にまつわるもろもろのことを伝えるべきかどうかシャーロック・ホームズに相談しに来ます。翌日モーティマー博士と共にホームズを訪れたヘンリー卿のもとに新聞の文字を貼り合わせた、バスカヴィルの屋敷へ行くことを警告する手紙が届きます。ホームズは別件でロンドンを離れられないため、ワトソン博士がヘンリー卿と一緒にデヴォンシャーへ行って、ホームズに逐一報告をすることになります。
この話では、やたらと犯人の独白が多い前作2作とは違って、ホームズの活躍は後半に集中し、謎解きが一番最後に来るという探偵小説らしい構成になっています。
ワトソン博士が忠実にホームズのエージェントとして役目を全うしようと真剣に努力しているのがけなげで、また、ホームズに騙されたと思ってむくれるあたりもほほえましく感じるくらいです。ホームズが一生懸命説明してワトソン博士をなだめるシーンもいいですね。この二人は本当にお互いを大事に思っているんだなー、という感じで。一緒に住み始めたいきさつは結構いきなりな成り行きな感じだったのに、興味深いですね。


EUの平均寿命は?

2019年10月19日 | 社会


Eurostatのデータを基にドイツ統計局が作成した2017年に生まれた人の平均寿命マップをご紹介します。
それによると、スペイン人、フランス人、イタリア人がEU内で最も高い平均寿命を示しています。ドイツは中間で81.1歳。
西ヨーロッパだけを見るとドイツとデンマークは最下位になります。それよりも平均寿命が少ないのは東ヨーロッパの加盟国のみで、どこも80歳未満です。中でもブルガリアが最も少ない74.8歳。

寿命は特に食事に関係していると言われていますが、地中海諸国の食事は魚介類が多く、また野菜、莢果、果物類が明らかにより多く使われています。
ドイツ人の食生活は比較的不健康で肥満および循環器系疾患の原因になりやすいというのが学者たちの見解です。

また、寿命を短縮する可能性がある因子として、貧困、少ない生活満足度、環境汚染、運動不足および日常的ストレスが挙げられています。

出典:
Statista, 17. Oktober 2019, So lange leben die Europäer

書評:アーサー・コナン・ドイル著、『英語原文で味わうSherlock Holmes 2 4つの署名 The Sign of the Four』

2019年10月19日 | 書評ー小説:作者サ・タ・ナ行


シャーロック・ホームズシリーズの2冊目『4つの署名 The Sign of the Four』は、 Mary Morstan という若い女性がホームズのもとを訪れ、元イギリス陸軍インド派遣軍の大尉だったメアリーの父親が10年前に失踪していること、6年前から誰かわからない人から定期的に真珠が送られてくるようになったことと、その人に呼び出されたので付き添ってくれるように相談したことから始まります。ワトソン博士はこの女性にほとんど一目惚れしてしまいにはプロポーズしてしまうというほほえましいエピソードも盛り込まれています。
ホームズとワトソンがメアリーに付き添って呼び出しに従って出かけて行った先で彼女の父と同僚だった Major Sholto ショルト少佐の息子 Thaddeus Sholto サディアス・ショルトに会い、 ショルト少佐がアグラの財宝とやらを長年独り占めにしていたが、彼の死後はメアリーに相応の分け前を与えるように言い残して亡くなったということを聞きます。サディアスは双子の兄 Bartholomew バーソロミューとともに父が言い残した財宝を探して、つい先日兄から父から相続した屋敷の中で財宝が見つかったことを聞いたので、みんなでその屋敷に向かいますが、そこでバーソロミューが死んでいるところを見つけることになります。財宝は消えていて、死体の傍らには義足の足跡と「Jonathan Small ジョナサン・スモール」を筆頭にした4人の署名の入った紙が残されていました。
シャーロック・ホームズのおかげでジョナサン・スモールの行方が分かり、テムズ川でランチによる追跡劇の末犯人逮捕がかない、後半はほとんどスモールの独白になります。スモールの語るインドでのエピソードはそれ自体サスペンスに満ちて興味深い話ですが、シャーロック・ホームズの探偵としての活躍はどうなんでしょう?もちろん活躍してないわけじゃありませんが、後半のほとんどを占めるスモールの独白によって印象が薄れてしまっている感じがします。アガサ・クリスティーの推理小説のように最後に探偵による種明かしが来るタイプとはずいぶん趣を異にしています。
また、冒頭でホームズが頭が暇すぎると言ってコカインをやっていてワトソン博士と言い争いになっているのも個性的と言えばそうですが、キャラとしてちょっとどうなの、という疑問が浮かばなくもないです。😅 

それにしても日本語の『4つの署名』というタイトルは変ですね。 The Sign of the Four の the Four というのは誓いを立てた4人のことを指しているので、その4人の Sign サイン・印という意味なのではと思うのですが。

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スペイン・アンダルシア旅行記 IV(8)Cádiz カディス

2019年10月18日 | 旅行


カディスには9月11日と13日の2回行きました。逗留地のメディナ・シドニアから車で40分ほどのところです。
下のGoogle Mapでお分かりのように南側の細長い防波堤のようなもので陸につながっている出島で、東側に2本橋が架かっています。旧市街は北の港があるあたり
です。


カディス略歴
カディスは西ヨーロッパ最古の街だと自称しています。伝説によればヘラクレスが街の創設者です。
歴史家の見解では紀元前1100年ごろにフェニキア人が Gadir という街を作ったことに始まるようです。
フェニキア人、カルタゴ、ローマ、マウリヤ朝時代を通じて通商の港町として栄え、大航海時代には新世界、すなわちアメリカ大陸との貿易の中心地となりました。
1812年には一時的にスペインの首都となり、最初の憲法が制定されました。
その歴史的出来事の200周年を記念して、2012年にカディスは Capital Cultural Iberoamericana(イベリアアメリカの文化的首都)となりました。

観光
私たちは北の橋を渡って、駅と港が向かい合わせになっているところにある駐車場(下の写真のボールペンの先あたり)に車を止めて観光しました。

駐車料金は1時間1.20ユーロくらいだったと思います。

旧駅舎。再開発されて、ショッピングモールになるようです。現在の駅はこの建物の後ろ。

港入り口付近にあるオブジェ
 
港入り口

Plaza San Juan de Dios。、中央奥に見えるのは Ayuntamiento 市役所、その右側のヤシの木にちょっと隠れている丸屋根は Catedral de Cádiz カディス大聖堂(のはず)。
海に囲まれ、港が目の前だけあってこの噴水のところもカモメ(?)が我が物顔で水浴びしていました。
Santa Maria地区を通り抜けて反対側の大西洋岸へ。
   
ダンナのアイデアでこの大西洋岸沿いの遊歩道を歩くことに。マネしない方がいいです!超疲れます😅 
ローマ時代の円形劇場跡。海岸側から撮影。
 
入口はこの敷地をぐるっと回った狭い路地の中にあります。私たちはそちらは13日に見学しました(下記参照)。
暑いので鳩たちも日陰に集まってました。日向にいる勇者もいましたが。

カディス大聖堂の裏側。中の見学は13日にしました(下記参照)。
フェニキア人の石棺。本物はカディス博物館内にあるそうです。発掘場所に展示されているのはレプリカ。
 
Castillo de San Sebastian サンセバスチャン要塞。陸地とは細長い防波堤でつながっています。
サンセバスチャン要塞へ行く防波堤と Playa de la Caleta という海水浴場
 

海水浴場の近くのレストラン街でランチにしました。
選択肢がたくさんあって迷った末に選んだレストランは Meson Criollo というところ。
 
前菜に豪華なミックスサラダ
Boquerones アンチョビの酢漬けも美味でした。
メインに頼んだパエリアは残念ながらいまいち。海産物がゴロゴロ入ってるのはすごいですが…
ダンナはチキン。
デザートにイチジクのプリン(美味!)とメロン
食後のコーヒー

食後はサンセバスチャン要塞と海岸を挟んで反対の端に位置する Castillo de Santa Catalina サンタカタリナ要塞へ。
ボートがたくさん浮かぶ海岸

Arbol del Mora と名付けられた木。昔hospital de moraという名の病院に植えられてたことからその名前が付いたそうです。1903年にインドから修道女が持ってきて植えられたそうです。
Castillo de Santa Catalina 入口
要塞見取り図
星形の角の一つ
中庭にある小さな礼拝堂跡
教会後の向かい側にある現在博物館になっている建物
この要塞からパラドールホテルの敷地を抜けると Parque Genoves という公園に出ます。
    
木の上に猫を発見!
  
鳥小屋も
駐車場の出入り口。非常に興ざめな建物。
この目障りな建物を通り抜けると海岸に面したテラスに出ます。
この公園はカディスの北端にあり、中心街までの距離はおよそ2km。さすがに歩き疲れたのでバス停でバスを待ってたのですが、待てども待てども反対方向のバスばかりで行きたい方向のバスが来なかったため、しぶしぶまた歩きましたよ!
なかなか素敵な劇場。
おしゃれな通り Calle Ancha
 
 
 
両側を建物に挟まれている教会というのも珍しいですよね。

晩ごはん
晩ごはんをどこで食べるかだいぶ探した末に見つけたタパスレストラン La Taperia De Columela は大当たりでした!😋 
タパスの種類が豊富にあり、お値段が2.50~4.50ユーロくらいだったので、あれこれ頼むのが楽しかったです。

Bastones de berenjena con salmorejo y miel de cana ナスの揚げ物、ハチミツかけ、salmorejo は普通スープですが、ここではソースとして出されました。
Salteado de alcachofas con esparragos trigueros y ajetes アーティチョークとアスパラ&リーキ
Lomo de salmon al estragon sobre mousse de esparragos サーモンステーキとアスパラのムースという面白い組み合わせ。
Carrillera iberica al vino tinto (Supertapa) 豚のほっぺ?
デザートは Tarta de manzana アップルケーキとコーヒー
 
チップ込みでトータル34ユーロでした。私たちがお店を出るころには混んできてて、待ってる人たちが結構いました。早め(夜8時ころ)に入ってよかったです。

食後にまた歩く元気が出て、駐車場まで歩いて戻ってメディナ・シドニアのホテルに戻りました。

9月13日は今回のバカンスの観光できる最終日でした。残念ながら天気が悪かったのですが、午後から再度カディスへ向かい、2日前に見なかったところを見学しました。
どんより空が背景だと、どんな建物もきれいには見えませんね😅 


ローマ時代の円形劇場跡
ここの円形劇場は紀元後1世紀に建設されたもので、富裕とはいえ個人の寄進によるものだったため、規模は小ぶりです。
   
この円形劇場はマウリヤ朝時代には要塞がその上に建てられ、その後別の建物が跡地に建てられたりしていたのでずっと埋もれていました。その敷地上に立つ建物すべてを取り払うわけにはいかないので、発掘されて見学可能なのは3/4くらいでしょうか。まあ円形劇場跡などそう珍しいものでもありませんが、ここの博物館はCGで再構した円形劇場の様子を解説するビデオや円形劇場のモデルが多数あり、入場料無料の割には充実していると思いました。

ランチは Alamar という魚専門レストラン。ほとんど夕方で、普通のランチの時間(14~16時)を過ぎてしまっていたので、ランチメニューはなくアラカルトで頼みました。
ナイフとフォークを入れた紙バッグが素敵😍 

前菜はフルーツ&チーズサラダ 13ユーロ。カシューナッツが入っているのと、フルーティなソースが絶妙なハーモニーを醸してとても美味でした。

イワシフライはサービスで出てきました。
メインは Pulpo タコ。ピリ辛。
魚専門レストランなのにビーフステーキ(200gr)を頼む武骨なダンナ。
でも、このステーキも柔らかくてジューシーで、ステーキ専門店にも劣らないとダンナはいたく満足してました。
デザートはTarta de Manzana 
Crema Catalana。クレームブリュレとは似て非なるもの。
チップ込みでトータル70ユーロ弱。今回の旅行で一番高い食事になってしまいました。😅 でも美味しければよし!

Catedral de Cádiz カディス大聖堂
食後はまた海岸にでも行こうかと思ってたのですが、ついに雨が降ってきて、しかも土砂降りになったので、スペインで3番目に大きいとかいうカディス大聖堂を見学することにしました。入場料は6ユーロで高めですが、オーディオガイド込みのお値段です。

この教会は Catedral Nueva 新しい大聖堂(19世紀)としても知られ、バロック様式・古典主義様式の建築です。
古典主義様式のポータル
 
バロック様式のポータル
なぜか違うマテリアルの壁面
海岸側から見ると統一感のなさが際立ちます。


大聖堂は「新しい」という割には痛みが激しく、天井の塗装が剥がれてぽろぽろ落ちてくるらしく、それを受け止めるためにネットが張ってあるため、残念ながら天井の装飾などをじっくり見ることはできません。

主祭壇がギリシャ・ローマ時代の神殿のミニチュアみたいで変わっています。
聖歌隊席
パイプオルガン
主祭壇の下にある地下室の入口

円形地下室のパノラマ写真を撮ってみました。
銀製のお神輿
聖具室
 
大聖堂を出て左手には Iglesia de Santiago サンチアゴ教会があります。
数百メートル歩くごとに教会があるというのはよくありますが、大聖堂と教会が隣り合わせというのは珍しいですね。😅 

これで今回のアンダルシア旅行の観光は終了しました。
この日は天気も悪かったので早めにホテルに帰り、夜はパン屋やスーパーで買った簡単なものをホテルで食べました。

翌日9月14日の帰りの飛行機は夕方でしたので時間はたっぷりあったはずでしたが、荷物を詰めるのに手間取り、チェックアウト時間の12時を過ぎてしまいました😅 もうちょっと早く出られていたらセビリアでゆっくりできたんですけどね。。。なかなか思った通りに行かないものです。

ここまで読んでくださった方、お付き合いいただきありがとうございました😃 

9月13日に行った Playa de Conil の記録はこちら
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松本でお正月(2019)

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書評:アーサー・コナン・ドイル著、『英語原文で味わうSherlock Holmes1 緋色の研究 A Study in Scarlet』

2019年10月14日 | 書評ー小説:作者サ・タ・ナ行
シャーロックホームズシリーズの最初の長編『緋色の研究 A Study in Scarlet』をたまたま5冊セットのセールになっていたので日本で発行されたものを買いましたが、
「outr饑」や「_blas饑」などという誤植?や引用句初めの「”」が行末に来る、行半ばで改行されるなどで読むのが少々不快でした。
シャーロックホームズ生誕160周年を記念した出版で、シャーロックホームズの略歴や作者アーサー・コナン・ドイルの略歴のほか作品が書かれた時代背景なのが日本語で書かれており、そのあとに英語原文が来るという構成です。それ自体はいい試みだと思いますが、原文の不備が残念ですね。

『緋色の研究 A Study in Scarlet』はシリーズ最初の作品なので、事件だけではなく、アフガニスタン帰りの軍医ワトソン博士がシャーロックホームズとBaker Street 221Bのフラットに同居するに至ったいきさつおよびなぜ彼がシャーロックホームズの事件簿を書いて公表することになったのかも説明されています。
事件はスコットランドヤードのLestradeとGregsonがシャーロックホームズに持ち込んだ空き家で発見された死体で、争った跡も傷もない死体なので事件性があるのかすら疑わしい状況からスタートします。しかし、シャーロックが現場に駆け付けると、様々なことが発見されます。壁に血文字で書かれたドイツ語の「Rache(復讐)」という言葉が目を引きます。
調査の最中に被害者Drebberの個人秘書Stangersonが殺されてしまいます。
シャーロックはストリートアラブ人たちを使ってある男を探し出し、彼のフラットに呼び出して「この人が犯人」と指摘したところで第1部が終了します。
第2部の舞台がいきなりアメリカに移るのでしばらく混乱しますが、それが犯人の独白したストーリーなんですね。DrebberとStangersonの名前が登場するまでに長いことかかるので、ストーリー構成としてはいまいちな感じがしました。