日経ウーマンの『言いにくいことの上手な伝え方』は想像以上に実践的なアドバイスやお役立ち情報が満載でした。
目次は以下の通り:
- 【PART1】 「感じがいい」人になる会話術
- 男性にも女性にも信頼される人になるために、今すぐできる会話のスキルを磨きましょう。
- 【PART2】 相手別・言いにくいことの伝え方
- 人付き合いの中で必ずと言っていいほど起こる、「困った」シーン。そんな時便利なフレーズを押さえておくだけでストレスも軽減、人間関係も円滑になります。
- 【PART3】 恥をかかない敬語&マナー
- 上司との会話に電話応対、取引先とのやりとりなど、敬語がきちんと使えるかどうかは、あなたの信頼度を左右します。間違いやすい敬語の使い方を中心に、正しい言葉遣いをチェックしましょう。
- 【PART4】 聞く力&話す力の磨き方
- 「聞く」&「話す」。この2つの力を高めることで、人付き合いのストレスはぐっと軽減できます。“好印象女子”の実例も参考に、正しい会話力を学びましょう。
- 【PART5】 仕事力が上がる会話術
- 直接会って話をする時のコツはもちろん、メールや電話応対など、オフィスシーンに欠かせない、仕事に役立つ会話術をまとめました。
この本のいいところは、単なる「マニュアル」に終わってないこと。確かに具体例として、こういうタイプのこれこれの立場の男性あるいは女性に対してはこういう対処で、お役立ちフレーズはこれ!みたいな情報もあるのですが、そればかりでなく、「話下手だ」と思っている人は実はどういうことを考えているのかあるいは考えにとらわれているのか分析されて、その上で、こういう心構えで臨めば変われるあるいは楽になれる的なことが書いてあります。
個人的に特に勉強になったと思ったのは、Part1とPart2ですね。私はどちらかと言うとかなりズバッと思っていることを言ってしまう傾向があるので、オブラートにくるんで伝えたいことが伝わるように言うことが日本語でできればいいなと思ってました。普段のオフ生活ではドイツ人に囲まれているので私のストレートさが目立つようなことはありませんが、ネット・SNS上では日本人との付き合いもあるので、こういうハウツーものを手に取ってみた次第です。
この本のもうひとつ面白いところは、(日経ウーマンを読むような)日本人女性がどのようなことで「困った」と思ったり、苦手意識を抱いたり、悩んだりするのかが浮き彫りにされているところです。日本でもドイツでも共通する「困った状況」というのも勿論ありますが、やはり男尊女卑の激しさや上下関係の厳しさから来る問題はドイツでは考えられない日本独特のものです。そういうものに悩む女性の声とプロの対処法の提案はよそ者の私にとっては大変興味深いものです。
私自身は日本の女性にとって煩わしい全てのことから逃げ出してよかったと思いますが、誰もができることではありませんので、厳しい環境の中頑張っている日本人女性たちにエールを送りたい気分になりました。
この本は、特に人とのコミュニケーションが苦手と思っている人、頑張って自分の意見を言っているあるいは自己主張しているのに伝わらない、理解してもらえないと悩んでいる人にお薦めです。相手にとって理解しやすいメールの書き方やプレゼンの仕方のコツ、タイプ別立場別の相手に会った伝え方など、きっと参考になると思います。