完全無欠な「もうすぐ前期高齢男」日記

「もうすぐ前期高齢男」に進級「老いの自覚」を中心にUpしていきます。

期待が大きかっただけに・・・。    ~映画「グスコー・ブドリの伝説」鑑賞して~

2013年08月09日 | Weblog
私は初老男である。

日本中「豪雨」の餌食となっている。

わが地域も二年ほど前に、ゲリラ豪雨による被害があった。

まさに「恐怖を感じる」雨だった。

これからは、こうした豪雨があまり珍しくないことになるのだろう・・・。


さて、こうしたネガティブなUpは、あまりしたくないのであるが、先日見た映画の話。

どこかでUpした記憶が有るのだが、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」というアニメ映画を私は好んでいる。

年に一度はこの映画を見る。

ちょうど、今の時季から秋口くらいがこの映画を見る旬である。

貧しく孤独な少年ジョバンニが親友のカンパネルラと不思議な銀河鉄道に乗って旅をする。

極上の「ファンタジー」である。

これが「ますむらひろし」と「杉井ギサブロー」のコンビでアニメ映画として公開されたのは1985年(たしか)である。(音楽は、あのYMOの細野晴臣)

主人公を「猫」に設定し、私が常日頃から発している「アニメでしかできないこと」を表現している傑作だ。

それが、昨年全く同じ「宮沢賢治」「ますむらひろし」「杉井ギサブロー」の組み合わせのアニメ映画が公開された。


        「グスコー・ブドリの伝説」

                      である。


覚えている貴兄もいるかもしれない。

声優に「小栗旬」「忽那しおり」「林隆三」「草刈民代」を起用したのが話題になった。

それを、今回見る機会に恵まれた。

しかも「無料(タダ)」で。



実際のところ「銀河鉄道の夜」を、私が好きでよく見るといっても、本当のところ普通の人には「おもしろくない」って思われると思う。

展開は冗漫で暗く救いのない映画だ。

それでも私が好きなのは細野晴臣に音楽と、画面の美しさ、声優たちのハマり具合などを総合して私の琴線に触れる映画なのだ。

今回の「グスコー・ブドリの伝説」にも、それを期待してワクワクしていた。

映画においての「失敗」などというものはちょっとしたことでも目に付く。



しかし、この作品はヒドすぎた。



最大の失敗は「ファンタジー」になっていないことだ。

ファンタジーであれば「やっていけないこと」というのがある。


特に「具体的になりすぎてはいけない」ということ。これが一番いけない。

「銀河鉄道の夜」においては、とても良い具合なのに「グスコー~」では、ファンタジーの域をハミダしてしまっている部分が多い。。。



ストーリーにおいても辻褄のあわないことがあるのは、実は大した問題ではない。



主題とする部分に納得できれば見ている側は、その辻褄の合わないことなどあまり気にしないものなのだ。

主題がハッキリしなかったり疑問に思えてしまうと、ついつい細いことにツッコミを入れたくなる。

ツッコみたい部分は、果てしなく多いのだが幾つか記しておこう。


○「銀河~」の時と「同じキャラクター」を使ったこと。(同一人物なら仕方ないが、全くの別人をなぜ同じキャラクターにしたのか)

○同じキャラクターなのに「声優」を変えたこと。(しかも、小栗旬・・・)

○全く関連性のない映画なのに「銀河~」のキャラクターを随所に使っていること。(ついつい関連性を探したり、連想してしまう。そのことが映画を見ることの妨げにしかなっていない)

○主題として言いたいことにたどり着くまでに「無駄」な描写が多すぎる。(せめて、もう少し縮めてくれれば・・・)

○具体的なことと空想的なことをつなぐのが強引すぎること。(つまりは、具体的にしない方が良い部分が多すぎるってこと)



期待が大きかっただけに「落胆」もヒドくなってしまう。



映画を見たときに一番の言いたくない台詞を言いたくなった。


金を返せとは言わないけれど「時間を返せ!」それが一番モッタイナかった・・・。


今回も最後までおつきあいいただきありがとう。これを読んでいるみなさんも、良い映画を選んで鑑賞しますように。


    May



・・・しかも、上映半ばまで画面にノイズがでていて、サブリミナル状態になって気分が悪かった。こんなのは生まれて初めてだ・・・。










蛇足-------少しばかり、時間をおいて思うに・・・。「銀河鉄道の夜」のラストシーンでジョバンニがつぶやく「・・・本当に、みんなのしあわせのためなら、僕の体なんか100辺焼いても構わない。どこまでも一緒に行くよ・・・。」

杉井ギサブロー氏は、このセリフを仕上げたくてこの映画を作ったのではないだろうか・・・。

「銀河鉄道の夜」の本当のラストに浮かび上がる言葉は・・・・「ここよりはじまる」・・・なにかとても暗示的だ。
コメント
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