完全無欠な「もうすぐ前期高齢男」日記

「もうすぐ前期高齢男」に進級「老いの自覚」を中心にUpしていきます。

ドラマ改編期に思う。     ~ドラマ「負けて、勝つ」~

2012年10月01日 | テレビ
私は初老男である。


9月も今日で終わりである。

これはテレビの番組の改編期でもある。

まあ、今のテレビ番組の視聴率は20%以下だろうから、ピンとこない人も多いと思うが、あえて上半期のドラマについて考えた。

少し前に今期のドラマの視聴率が、ひどく低迷していることをUpした。

まあ、ロンドンオリンピックがど真ん中にあったのも、低迷した理由の一つだろう。

しかし、やっぱり全体的に「低調」だったことは否めまい。


そこで、例外的に高視聴率を獲得した「梅ちゃん先生」とBSでその前に放送された「ゲゲゲの女房」をほとんど全部見たので講評してみよう。

まず「梅ちゃん先生」は、ドラマの内容としては「並」の出来だったろう。

話の内容が平凡で、あれだけの俳優陣を並べたがゆえに出来としては「優」と言える。

今の連続テレビ小説の受けるパターンとして、映画のALWAYS系の「なつかし」系のものが受けている。

「ゲゲゲの女房」もほぼ同じ時期の設定だし。

しかし、そのドラマの内容としては漫画家の女房の方が数段波乱に富んでいるし、ほぼノンフィクションである「ゲゲゲの女房」は、非常に話に説得力がある。

水木しげるという「現役戦争体験者」としての部分も、効果的にドラマに生かされていた気がする。

私はそうした意味では、この連続テレビ小説をしっかり見始めたのは実は数年前でしかない。

なので、その内容のことで偉そうにものをいう資格は無いのかもしれない。

しかし、今回の「梅ちゃん先生」で、図らずもテレビドラマの本質をまた再確認することができた。

それは「良いドラマ」と「受けるドラマ」は=(イコール)ではないということ。

もちろんイコールのこともある。


まあ、たいていは視聴率でしかその判断をする方法がないから、よいドラマが埋もれてしまう可能性はかなり高いのであるが。


そうした中で、同じく某国営放送の吉田茂の「負けて、勝つ」はとても面白いと思う。

・・・まあ、もう5回のうち4回終わっちゃったけど。

ドラマの中の吉田茂の「総理大臣なんてのは、芦田くらいのバカがやってちょうどいいんだ!」ってセリフに笑えたの人はどれくらいいただろうか?


戸川 猪佐武の長編小説「小説吉田学校」を読んだことのあるひとなら、そのセリフに笑えると思う。

数年前に、同時期を描いた白洲次郎が主人公だったドラマがあった。(その時の吉田茂は「故原田芳雄」)

そのドラマも面白かったが、白洲はやはりワキ役と呼ぶべき人物だろう。

今の若い人でもわかるように、麻生前総理をはじめ歴代総理が登場するが、やはり現実にその総理大臣がいかなる人であったか知っていて、このドラマを見ると本当に面白い。

実際の吉田は、小柄でイヤミな官僚主義者だったというのが本当らしいが、大柄の渡辺が演じ、さらに得意(?)の英語をこれだけに駆使されると、すでにドラマの枠に収まりきれいてない。

中身を濃くして短くし、映画にして欲しいなぁ・・・。

第4回の終盤での息子の健一との言い争いは秀逸だった。


「お前に政治の何がわかる!」

「お前たちはいつもそうだ。自分を弱い立場において吠えるばかりだ!」

「理想理想理想。そんなものはクソくらえだ!」


吉田の激昂したセリフは、政治家全員の心の叫びなのかもしれないとドキリとした。

まあ、今の政治家は吉田ほどの意識でやっている奴は一人もいないけどね。


今回も最後までお付き合いいただきありがとう。これを読んでいる皆さんも「良いドラマ」をたくさん鑑賞しますように。

                 
               May


マッカーサーがどうした意識で進駐軍にいたかも見どころの一つだな。
コメント
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