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大衆的な足裏マッサージ

2006-05-02 11:06:38 | Weblog
写真は白馬地区の中心。ロータリーを左に進むと、大衆的なマッサージ店が並ぶ。
【足裏マッサージ】
 高級店以外で見ると、店舗数がずば抜けて多いのが、足裏マッサージだ。それだけ玉石混交の感はあるが、全身按摩に比べ、足裏の場合は血行を促進する効果はあっても逆はないので技術が未熟でも健康障害の心配はない。これは日本も同じである。
 白馬地区には先に紹介した「盲人按摩」の5軒先にタイ族の女性たちが経営する小さなマッサージ店がある。1998年開店で、全身按摩からタイ式洗頭まで各種そろっていた。
 そこで一般的な足裏マッサージを一時間30元でお願いする。
 間口一間ほどの小さな店舗の入口正面には旧字体の「仏」と描かれた額や「草木香足部按摩図」というポスターが貼られている。それらを横目に入口を左に折れた薄暗い小部屋に入ると、テレビと、白いバスタオルをかけた一人掛け用のソファが三台置かれていた。さらに奥にはゴザが敷かれた全身マッサージを施す部屋が見える。見た目より奥深い構造は、京都の町家のようだ。店員は4名。二〇歳代と思われるリーダー格の女性はタイ族独特の巻きスカートに長い髪を束ねた恰好をしている。その人以外は全員一〇代後半ぐらいで、丸っこい顔に長い髪を垂らし、すっぴん、ジーパンの気楽な恰好をしていた。
 ちなみにタイ族とは中国では主に雲南省南部のシーサンパンナと西部の徳宏に多く居住する農耕民族だ。東南アジアのタイの国民とは同族だが、タイ王国を築くより、遙か昔に離れてしまったためか、話す言語は私が聞くと同じようだが、本人同士は意思疎通できないほどに隔たっている。このシーサンパンナのタイ族の話はまた章を改めてお話します。

【漢方入り薬湯で足浴】
 さて、テレビのコントローラーを渡され、ガラスのコップに熱湯を注いだ緑茶を飲みながら待っていると、ジーパン姿の女性が各種漢方の粉を溶いた赤茶色の湯を入れた木桶を持ってきた。そこに10分間足を浸す。
 次に店員が立て膝の姿勢をして、その上に白いタオルを置き、まず左足を桶から出して湯分を拭き取る。そのタオルで足先を器用に巻き付けて靴下状にし、ソファと同じ高さの台の上に置く。右足も同様に水分を拭き取ると、土踏まずから指先、さらにその間の指の付け根部分を揉む。最後に指先にたまった老廃物を押し出すように一本ずつ指先の先端まで揉み上げて、一本ずつ指ではじいて、指部は終了。次に土踏まずの下方部から踵、足首、ふくらはぎの内側と外側、ひざ、ひざ下ももみ上げて完了となる。
 女性の細い指先がツボにふれるようで、なかなか気持ちいいが、壁には腰付近に花束を持った裸体の女性の写真がかかっており、緊張をほぐす心の余裕は持てなかった。
【せっかちなおじさん】
 途中、昆明でのビジネススーツにあたる半袖白シャツに、アイロンのきいたズボンを履いたおじさんが入ってきた(昆明周辺の畑では、同様のスタイルで農作業もしている。成人男性の一張羅として定着しているようだ)。ソファに座るなり足を投げ出し「仕事があるので30分で」と一言。店員は「30分ではちょっと」と、とまどい気味。日本では信じがたいことだが、コースは60分からしかないのである。やがて女性は意を決して「泡脚マ(足湯をなさいますか)?」と聞いて薬湯の入った木桶を持ってきた。が、木桶を持ってくる時間すら待てなかったらしく「時間がないので、また来る」といって、おじさんは去っていった。おじさんがせっかちなのか、昆明の按摩店がのんびりしているのか、考えさせられた。
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