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二度目のロンドン34 憧れのキューガーデン④

2024-06-02 14:44:23 | Weblog
キューガーデン内の森の小道など各所にプリムラの花が咲いていた。野生種を中心にずいぶん集めているのがわかる。

【サクラソウ、プリムラもたくさん】
午後は私の大好きな日本古来のサクラソウを探すことにしました。ある論文にキューガーデンには19世紀のプラントハンターが中国や日本で採集したサクラソウの類が集められていた、との情報があり、それを確かめたかったのです。
かつてオランダのライデン大学はじめ、シーボルト関係の植物園を見て回った時、多少の痕跡はあったものの、総本山はイギリスでは、との思いが募っていました。

植物がどこに植えられているかのマップが見当たらなかったので、ひとまず植えられていそうな場所を地図で推測して探すことにしました。とはいえ前に書いたとおりキューガーデンは広大なので、慎重に見極めないと、今日中に出会う確率はかなり低そうです。

まず日本のサクラソウにとっての必要条件は腐葉土のある土質と多めの水分とちょっと木陰がありつつも、適度な日差しがありそうな場所。

そこで水の流れているロックガーデンという場所を目指しました。欧米の植物園には岩場に水を流して高山植物で水を好む植物を植える傾向があるからです。そこは午前に到達したアジアンガーデンとはまったく正反対の側、東のほうのプリンセス・オブ・ウェールズ温室の近くにありました。

ひたすら歩いて、温室に導いてくれるような森の小道がありました。ここを抜けるとロックガーデンという場所です。なんともいえないよい木陰。これはもしや、と下を向いてじっくりと歩いていると、ありました。

とくに花形植物の植わっていない大木の下草に「プリムラ・シーボルディ」まさに日本固有のサクラソウの群落を発見したのです。ちゃんとラテン語で表記された世界共通の学名の札があるので間違いありません。
 花は見たところ2週間ぐらい前に終わったところで、順調にやわらかで黄緑色だった葉は黄色くなりかけてやがて土に還る兆候を見せていました。そして花は終わって、そこにはきちんと丸い実が付いていました。こんなにちゃんと発見できるとは思っていなかったので、うれしい。

さらにロックガーデンに行くと案の定、サクラソウもその仲間に入るプリムラ系の草花が配置されていて、雲南の原種と思われるサクラソウ「報春花」が咲いていました。2,3種類が群落となっていて、ピンクの花、黄色の花の競演です。輪草系で控えめに咲く花なのでじっと見つめている人も解説員もいませんでしたが、いとおしく、しばらくたたずんで、あこがれの光景に行き会えた喜びをかみしめたのでした。
                      (つづく)
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