今後、2週間、暮らす部屋から見える景色。ザ・ロンドンという美しい家並みがみえ、ほんとうのイングリッシュガーデンが目の前にあった。
【ベイズウオーター駅の多民族感】
空港から地下鉄に乗って、降り立ったベイズウオーター駅は、世界最古の地下鉄・メトロポリタン鉄道(1868年10月開業)がパディントン駅から西に延伸した際に開業しました。
現在、サークルラインなど2路線が通るロンドン中心部の西部側にあります。南に200メートル離れたところに上記以外の3路線が通るクイーンズウェイ駅もあり、交通至便。
駅前を南北に走るクイーンズウェイ沿いには、7階建て程度の高さのレンガ造りの建物が連なっています。それらの建物の1階にはインド料理や東南アジア、中東料理、中華料理店やスーパーが入居し、その前を歩いている人の顔も、様々。多民族の街のようです。ゴミゴミ感はありますが、日本と違う、おしゃれさが漂っています。
道を南に進んでクイーンズウェイ駅方向に進むと、ほどなくレンガをそのままを活かしたアクセントが美しい基本は白ペンキで外装された7階建ての建物が連なる一角に着きました。この一角でわずか2週間ですが、暮らすのです。
【靴からスリッパへ】
通りに面した扉を開けると、タブロイド紙片手に警備員さんが挨拶。その小さなカウンターの前を慣れた雰囲気で家人が通り、奥のエレベーターで3階へ。
東西に延びる長い廊下には青い絨毯がひかれ、その両側に扉が等間隔に並んでいます。壁が白く塗られていて、電気もついているのでとても明るい廊下です。この西側の奥の扉の中が私の住まいでした。
室内に入ってすぐに左に小さな靴置き場。右にスリッパ。入った左に窓から自然採光が降り注ぐ2畳ほどのキッチンと納戸、その中央に小さなキッチンテーブルとイス、まっすぐ進んで左にシャワーと浴槽、トイレのある一間、それを横目でみた空間に落ち着いた小さなソファと置物。ここまでは共有スペースで、その奥の西日がガンガン当たる部屋が、我が家が借りている部屋とのこと。
部屋の窓からの眺めはすばらしい。
借景でジロジロ見るのも申し訳ないのですが、戸建ての家々の巨木がたたずむ芝が敷かれた庭が見え、小さいながらも素敵なイングリッシュガーデンもあり涼やかです。それは裏庭で、その前に2階建ての重厚なレンガ造りの上にすすけた煙突が付いた、ピーターパンなどのイギリス小説の挿絵が飛び出したかのよう。このような家が横につらなり、その奥には十字が掲げられたギリシャ正教会の尖塔まで見えました。
一方、住まいとなる空間は4畳半ほどで狭く、はっきり言って暑い。けど、クーラーはありません。いままでイギリスは涼しかったのでクーラーが必要なかったのだそう。
これは危険です。
でもこの部屋以外は我が家であって我が家ではない。なぜなら、ここはシェアハウスなのです。ホテル住まいやマンションの一房を借りるにはロンドンは物価が高いので、日本人向けに貸し出しているアップルハウスと契約したのですが、シェアハウスで暮らすのは生まれて初めて。いったい、どういう生活になるのでしょうか?
(つづく)