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レンコン湯②

2009-12-13 17:37:06 | Weblog
8月の雲南・蒙自の市場にて。日本で見るようなスーパー用に短く切ることもなく、長い棒の形で堂々と売られている。日持ちもよい。
 花期が終わる頃、蓮の実も、おやつとして売られ始める。
(お寺の仏間の横で金色に光る蓮の実が見られますね。)
 地元の人から「甘くてうまい」と勧められたが、私には青臭い実、としか思えなかった。しかし、不思議とのどの渇きは癒えた。

【トロトロのわけ】
 レンコンがなぜ、葛湯のようにトロトロするのかというとその正体は、ムチンと呼ばれる糖タンパク質にあります。長芋や里芋、オクラ、昆布などにも含まれる、あのネバネバです。

 ムチンは、『食の医学館』(本多京子著、小学館、2003年)によると、
「ムチンは胃や唾液にも含まれている成分なので粘膜を潤す効果があります。そのため胃粘膜の強化によって胃壁を保護し、胃炎や胃潰瘍の予防、改善に効果を発揮。また鼻の粘膜を丈夫にして風邪やインフルエンザにかかりにくくするのに役立ちます。また、タンパク質分解酵素を含むため、肉や魚などのタンパク質の吸収もよくなり、疲れが溜まっているときにも効果的。さらに抗ウイルス作用もあるので風邪の予防にも威力を発揮します」という、なんとも頼もしい物質なのです。

 レンコンにはその他にもビタミンC、鉄分、タンニンなどが含まれてます。タンニンがあるため、茶色に変色してしまうのですが、漢方的には止血作用があるため、産後の方によく勧められます。

 つまり、純粋な炭水化物でビタミンを含まない葛(くず)湯と、レンコン湯は成分的に、まったく別物なのです。

 明代に書かれた薬草の百科辞典『本草綱目』ではレンコンを次のように紹介しています。「熱や渇きを癒し、悪血(凝り固まった血)を散じて、肌をなめらかにする(効能がある)。また久しく服用すれば心を歓ばせ、怒りを静めてくれ、お通じもよくなる。酒や毒を消し、火照りを鎮め、胃にも良い。お産後の血にもよい。・・」おだやかな漢方作用で、副作用もとくにはなさそうで、しかもおいしい、ということが調べれば調べるほど分かってきました。

 最近、NHKテレビ「鶴べえの家族に乾杯」でレンコン農家の主婦が、レンコンをおろし器で摺って、挽き肉に醤油を混ぜてよく捏ね「レンコンハンバーグ」なるものを作っていたので、さっそく試してみました。レンコンの粘りがうまい具合に肉をまとめてくれるので、パン粉や卵など入れなくても、本当に簡単にハンバーグが出来上がりました。しかも、さっぱりして美味い! 今まで、煮物やきんぴらしか作らなかったので、気づかなかったレンコンの「粘り」。あなどれません。
                                (つづく)

雲南で見かけた手縫いおぶいひも2(文山・硯山周辺にて)
数年前までは手縫いのおぶいひもを土産物屋で探せば、なんとか買えた。(昆明・100元~)最近ではなかなか難しくなってきた。
 ともかく、子供への愛情たっぷりの刺繍が本当に美しい。
                                       
    

コメント (2)
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