写真は亀ゼリーやタピオカ入り、エバミルク飲み物で、中国で次々とチェーン展開する「楽立杯」。台湾資本の会社だが、雲南でも各所に増え、亀ゼリーと合体した飲み物を気軽に飲むことが出来る。
【コラーゲンたっぷり】
亀苓膏、とは一体、何なのだろう。
ほろ苦いコーヒーゼリーのようなものと亀とが結びつくとも思えないし、とにかくプルリンとしたゼリーに漫然と「美容によい」と、あらゆるところで説明を受けるというだけなのも悔しい。
そう思っていたところ、最近、出版された本をめくると、原料は亀の甲羅とあった。驚いた。
作り方は、意外と難しい。
まず、材料は亀の甲羅と「土茯苓」(サルトリイバラの根茎。解毒、利尿作用がある)をベースにたんぽぽの葉の乾燥させたものなど数種の漢方を独自にブレンドして作られる。
亀の甲羅には腹側と背側の2種類があるが、その腹側だけ使うところもあれば、砕いて丸ごと使うところもある。ゼリー状になっているのは、ゼラチンを使ったわけではなく、甲羅の内側についているコラーゲンが、じっくり蒸されることで、固めている、というわけだ。亀は本来は「金銭亀(三筋ハコガメ)」という種類が使われていたのだが、現在では絶滅危惧種でたいへん高価なため、スッポン系の亀ツチガメなどが使われているそう。
これだけの手間は相当の技術が必要。本来の亀ゼリーは出来たてはホカホカ。香港や広東ならば、温かいうちに食べるのもオツな食べ方だ。だが、中国の大部分、もちろん雲南でも、それはなかなか難しい。まがいもの(たとえば亀をまったく使わないなど)もだいぶあるらしい。最近では粉を水で溶いて作るのが一般的で、どういうわけか、「おいしい自家製『亀苓膏』の作り方」と、中国中央電視台の人気料理番組「天天飲食」で紹介されていたのが、黒い粉を冷たい水で溶いて作る方法だった。
さらによくよくインターネットで調べてみると、合わせる漢方に工夫が凝らされていて、近年では亀の甲羅、土茯苓の基本に加えて「雲南田七」つまり三七を合わせたものも広東省の南にある湛江市霞山区のとある有名店では作られていた。
日本でも缶詰やお粉が売られているので(中華街など)、一度、試してみてはいかがだろう。
ちなみにあまりおいしいとは感じなかったくだんの昆明製の亀苓膏は、その後、重慶で失敗し、さらに追い打ちをかけるように、雲南の一部、有名スーパーが次々と倒産していったため、資金の回収ができずに苦境に立たされているということだ。
参考文献
「生活新報」(2008年7月28日)―昆明発の新聞
陳虎彪・郭岳峰編著『香港涼茶与亀苓膏』〔2009年7月、得利書局(香港)〕
【コラーゲンたっぷり】
亀苓膏、とは一体、何なのだろう。
ほろ苦いコーヒーゼリーのようなものと亀とが結びつくとも思えないし、とにかくプルリンとしたゼリーに漫然と「美容によい」と、あらゆるところで説明を受けるというだけなのも悔しい。
そう思っていたところ、最近、出版された本をめくると、原料は亀の甲羅とあった。驚いた。
作り方は、意外と難しい。
まず、材料は亀の甲羅と「土茯苓」(サルトリイバラの根茎。解毒、利尿作用がある)をベースにたんぽぽの葉の乾燥させたものなど数種の漢方を独自にブレンドして作られる。
亀の甲羅には腹側と背側の2種類があるが、その腹側だけ使うところもあれば、砕いて丸ごと使うところもある。ゼリー状になっているのは、ゼラチンを使ったわけではなく、甲羅の内側についているコラーゲンが、じっくり蒸されることで、固めている、というわけだ。亀は本来は「金銭亀(三筋ハコガメ)」という種類が使われていたのだが、現在では絶滅危惧種でたいへん高価なため、スッポン系の亀ツチガメなどが使われているそう。
これだけの手間は相当の技術が必要。本来の亀ゼリーは出来たてはホカホカ。香港や広東ならば、温かいうちに食べるのもオツな食べ方だ。だが、中国の大部分、もちろん雲南でも、それはなかなか難しい。まがいもの(たとえば亀をまったく使わないなど)もだいぶあるらしい。最近では粉を水で溶いて作るのが一般的で、どういうわけか、「おいしい自家製『亀苓膏』の作り方」と、中国中央電視台の人気料理番組「天天飲食」で紹介されていたのが、黒い粉を冷たい水で溶いて作る方法だった。
さらによくよくインターネットで調べてみると、合わせる漢方に工夫が凝らされていて、近年では亀の甲羅、土茯苓の基本に加えて「雲南田七」つまり三七を合わせたものも広東省の南にある湛江市霞山区のとある有名店では作られていた。
日本でも缶詰やお粉が売られているので(中華街など)、一度、試してみてはいかがだろう。
ちなみにあまりおいしいとは感じなかったくだんの昆明製の亀苓膏は、その後、重慶で失敗し、さらに追い打ちをかけるように、雲南の一部、有名スーパーが次々と倒産していったため、資金の回収ができずに苦境に立たされているということだ。
参考文献
「生活新報」(2008年7月28日)―昆明発の新聞
陳虎彪・郭岳峰編著『香港涼茶与亀苓膏』〔2009年7月、得利書局(香港)〕