雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

茶王のテンプク

2008-06-20 18:19:50 | Weblog
写真はシーサンパンナの中心地景洪市内の市場にて。茶屋というと、プーアル茶を円盤状に固めて熟成させた7枚つづりの「七子餅茶」がよく売られている。一枚売りも可。馬に取り付け、北京までもたせるように創られた形が現在まで続いている。

【樹齢2700年の茶樹】
 チベット自治区の標高6740メートルの梅里雪山から、ベトナム国境近くの南渓河と元河の合流地点の標高76メートルまで起伏に富んだ地形であり、なおかつ低緯度にあることから雲南はさまざまな植物の原産地となっている。茶木もその一つ。なかでもプーアル茶の主産地として名高い。行政もプーアル茶で名声をあげようと、2007年4月には省南部シーサンパンナにあるプーアル茶の集散地・思茅市を「プーアル」市と改称までしている。

 その雲南省で茶木に異変が起きている。

 雲南省南部の思茅市鎭ゲン県の山奥深く、哀牢山脈の国家級自然保護区内には野生の古茶樹の群落がある。そこには樹齢2700年と目される高さ25.6メートルの世界最長老の茶樹がそびえる。その「古茶王」と呼ばれる木が、もはや気息奄々だというのだ。

 昆明の地方新聞「都市時報」「春城晩報」(2004年8月26日~)をもとに、事の顛末を記そう。
 古茶王は、一部の好事家、信奉者などが、ときに仰ぎ見る以外は、めったに人の踏み入らない深山にある。そこに台湾の大手茶葉製造・販売会社である天福集団と地元の鎭ゲン県政府が2001年10月10日、古茶王の保護に関する協定を結んだ。

 内容は
①天福集団が、古茶王の保護のために管理所の設置などの周辺整備を行う
②県が古茶王の周辺10メートル内における観光客の立ち入りを禁止させる
といったもの。

 協定に基づいて天福側が24万元(約300万円)を出資し、「保護」が具体化した。
 2002年3月に管理施設や電力施設などが3ヶ月の工期を経て設置され、さらに周囲を盛土して固め、鉄条網で囲い、見学小屋を設けた。

 5月に入ると「国茶瑰宝」と「世界茶王挙世無双」と大書きされた2つの石碑が登場。なんと茶王樹の根を寸断する形で建てられた。さらに石碑周辺にはセメントで高々と台座を築き上げ、6月9日には石碑の除幕式も開かれた。

 春秋時代からひっそりと生き続けてきた深山の茶樹王が「見学施設」へと変貌をとげたのである。
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