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テン池・魚をはぐぐむ水は?

2008-02-22 21:50:11 | Weblog
写真は池にせり出してまで開発の進むテン池。別荘や保養施設、温泉施設が目白押し。新たな施設が増えるごとに、廃屋と化すレジャー施設が必ずできるのもお約束?

なかなか雲南の魚の話に到達できず、すみません。もう少し、お待ちください。来週、半ばに魚料理に到達したいと思います。

【日本の技術も浄化に貢献】
テン池の水は最悪なのに、保養地として使われているのは、かつて昆明市民にとって、めぐみの水であり、憩いの場でもあったからだ。

 1980年初頭に昆明に赴任した人は「そのころは家族で海水浴をして遊んだよ」といっていたし、2001年7月19日までは市民の水道水としてつかわれてもいた。
(1998年ごろから現れたアオコの発生のために停止された。現在は市北西郊外の貯水ダム「松華坝」から水道水を引いている。
 その周辺は、閑静な山里なのでダムそのものの汚染はないようだが、この湖から100メートルも下がると、近年、広まった自家用車を持った人の行楽ブームに乗ってつくられた下水施設の一切ない民宿が建ち並び、生活排水がじゃんじゃん入り込むようになったため、かなりひどい状態になっている。この水道水を、私もうがいなどに使っていたが、病気にはならなかった。地元の人が飲み水に水道水を利用することは、ほとんどない。)

 それが1990年代から急速に環境が悪化してしまった。政府は特別予算を組んでテン池の5カ所に浄水場を設け、水質チェックも始めたが、まだまだ最悪の状況からは抜け出していないのが現状だ。
 冬場には毎日のように雇われた作業員が手こぎ船でゴミを掻き出している。夏には生い茂ったアシを軍隊やボランティアを動員して抜き取っては「今日は何トン撤去した。これで少しテン池もきれいになった」との記事が新聞を賑わせる。(ゴミはともかく、草の撤去の意味はよくわからない。汚水を吸い込んだ草を撤去することで、テン池を浄化しようとしているのだろうか。)
 また、テン池そばの公園には筑波大学の研究室が提供したという「環境を汚染しない循環型トイレ」というものが設置されていたり、周辺の農村では、汚水を流さないように水を使わずに清潔なまま、出したものを乾燥させてためておけるというスイス製のトイレを設置するなど、汚染の根本となる工場の排出規制の遵守を徹底させるというところ以外では、国の指示もあって省政府も環境浄化に熱心に取り組んでいた。

 救いは、池に面した浄水場の壁に「孫、子の代を考えよう」といったスローガンが掲げられていたことだ。日本でこれほどストレートなスローガンを見たことはない。正直、時間軸のスケールの大きさに胸をうたれた。
 
 このような状態なので、現在の昆明では魚料理は盛んとはいえない。
 おいしい魚料理店となると、浙江料理や広東料理を連想させる名称の店へ駆け込むしかないほどだ。そんな中で市場で常時、手に入る魚は何なのか? 次回はそのお話です。

 
コメント
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