「近畿地区・鳥類レッドデータブック」の中から鳥類の絶滅についての記事を環境省の絶滅危惧Ⅱ類に指定されているコアジサシの写真と一緒に紹介しましょう。<・・・>がその引用・・・前座はカルガモ
<化石の記録によると種の平均寿命はおよそ200万年程度とされているので、生物種全体でみると年間平均4種程度が種の寿命により地球上から絶滅している計算になる>・・・これがコアジサシ
<これを哺乳類で推定すると400年に1種、鳥類では200年に1種の絶滅が生じることになる。しかし、人類が出現してからはこの状況が一変してしまった>
<有史以前、約5万年前にオーストラリアに侵入した人類は、そこに生息していた大型有袋類、大型爬虫類や走鳥類の一部を絶滅させた>
<また1万1千年前にベーリング地峡を渡ってアメリカ大陸に侵入した人類は、南北アメリカ大陸に生息していた大型哺乳類の7~8割を絶滅に追いやっている>
<4~5世紀頃にハワイ諸島に移住したポリネシア人は、ハワイ諸島に生息していた固有鳥類約100種のうち50種を絶滅させ、(同じポリネシア人は)その500年後にニュージーランドに移住して18世紀までにすべてのモア(頭長3.6mという大型の鳥)を絶滅させた>
<1600年以降の記録を調べてみると、過去400年間の人間活動によって128種の鳥類と83種の哺乳類が絶滅、絶滅した鳥類のうち103種は1800年以降に集中している>
<特に18世紀半ばの産業革命以降、絶滅する生物種類の増加は著しく(それ以前の自然界での絶滅スピードの)50倍以上のスピードで進行している>
<地球歴史的な絶滅では、絶滅までに要した時間が比較的長かったので(数万~数百万年)直系の子孫を残して進化を続けてゆくことができた。これに対して現在は生物が進化して子孫を残してゆけないほど絶滅速度が速いことに問題がある>・・・コアジサシが小魚をゲット
つづく
参考文献:近畿地区・鳥類レッドデータブック 山岸哲監修、江崎保雄・和田岳編著