リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

夫婦のつながり、ネットのつながり

2019年01月15日 | 日々の風の吹くまま
1月14日(月曜日)。晴れ。ところどころ霧という予報で、外を見たら青みがかった川霧がフレーザー川に沿ってびっしり。下流方向のアレックスフレーザー橋は塔の上だけしか見えなくて、手前には霧を通して立ち上る工場排気の蒸気。昼間の陽気で水温が高めになったところに夜の間にかなり冷え込んで霧が発生するんだと思うけど、川の流れに沿って、ときどき両側の風景も巻き込みながら、静々と下流にへ流れて行くのを俯瞰すると思わず見とれる幻想的な風情。日々趣を変える眺望は光の海が(冷え込むほどに)キラキラと瞬く夜景と共に(カレシ曰く)「香港に負けない100万ドルの眺望」。
   

今のところ日課として定着している感じの朝の坂道ウォーク。空気が冷たいけど、つないだ手をカレシのジャケットのポケットに入れて歩けばポカポカだし、帰りは上り坂で、日差しを浴びて歩いていると何となく汗ばんで来る。2人ともスマホも何も持って出ないから、約30分ほどのウォークはまたとりとめのない夫婦のおしゃべりのひとときでもある。というと、何だか「ねえ、おじいさん・・・何だい、ばあさん?」みたいなイメージになって来るけど、ま、2人とも揃ってご隠居さんになったから、この先10年もしたらほんとにそんな感じになっているかもしれないな。

北海道新聞を読んでいたら、「情報商材で高額の被害者が急増している」という記事。被害にあった大学生の話が載っていて、「(ネットで)1日数分の作業で月に数百万稼げる」高収入のノウハウを教えるという誘いに乗ったばかりに何十万円も騙し取られたんだそうな。この手の詐欺はネットの世界の隅々に蔓延しているから目新しくはないけど、20代、30代の若者世代がけっこう引っかかっているとか。ちょこっと「仕事」をしてサラリーマンの給料の1年分をひと月で稼げるんだったら、サラリーマンは絶滅危惧種になっちゃうだろうに、まさに「There’s a sucker born every minute(カモは1分ごとに生まれる)」という有名な言葉の通りにあっさりと乗ってしまうらしい。それほどお金に飢えているのかな。

ハーヴァード大学のツアーでガイド役の学生が「ハーヴァードでは常識的なことは教えないのです」と言っていたけど、日本の大学は自分の頭で考える術も教えないのかな。でも、今の世の中、ネット上の他人を信用するような人って、意外と身近にいる家族や友だちを信頼していないところがありそう。悲しいことだけど・・・。

なかなか気持が切りかわらなくて・・・

2019年01月14日 | 日々の風の吹くまま
1月13日(日曜日)。晴れ。ちょっと寒いけど、陽だまりに出ると春のような陽気。まだ1月半ばだから春が来るぞと浮かれるのは早すぎるけど、何とかこのままで自然に穏やかな春になってくれるといいな。

正式にリタイアしてからほぼ2週間。カレシが心臓手術してからそろそろ潮時かなと思い始め、カレシの回復につれて何度も仕事を辞めてもっと2人一緒の時間を楽しんだ方がいいかなと考えては満30年が一番の潮時と思い直しているうちに、ワタシにとってはカナダでの人生のお手本だったママが急逝。当時は3週間半の日本行きが決まっていて、すぐ後にまたアジアに飛んでクルーズに行ったらカレシの体調に支障があるのではないかと迷っていたところで、想像もしなかった遺産を前にしたカレシが「リタイアして、元気なうちにもっと旅行しよう」と催促。それもいいなと思い始めたところで、たまたま大きな仕事で担当になった孫世代に近いコーディネーターのマニュアル的な対応にうんざりして、もう辞めよっかな。

うん、振り返ってみると、あの時点で「リタイア」が一気に現実的になったんだと思う。30年近い間に翻訳業界自体も様変わりした観があって、がむしゃらに仕事をしていた頃のあの高揚感もなくなっていたから、もうやってらんなぁ~いという気分になって、カレシの「もうリタイアしろよ」にあっさりやぁ~めたとなったんだろうな。いくつもの要素が重なった挙句に大きく方向転換するのがワタシの人生のパターンみたい。区切りのいい年度末で店じまいするつもりで、10月と11月を臨時休業にして12月に廃業のお知らせを送ってそのままリタイアと言う図式を描いて、それはそれで計画通りに行ったんだけど、なぜか「遊びモード」への切り替えがスムーズに行っていない感じ。

もっともリタイアしてまだ2週間そこそこだし、別に仕事をしたいわけでもないから、一時のもやもやに過ぎないのかもしれない。でも、いつまでも宙ぶらりんの気分でいるわけには行かないから、そろそろどこかで線を引かないとならないなあ・・・とは思いつつ、暦を見たら15日は小正月。お正月の終わりで、女正月とも言うそうだけど、人間は気持を切り替えるのに儀式や行事が必要なんだろうな。正月気分を払い落としてすっきりするときだから、ワタシもここで仕事魔の根っこをえいっと引き抜いて気持を切り替えることにしよう。もう「やぁめたぁ」なんだから・・・。

スコッチの試飲会/変てこなお札

2019年01月13日 | 日々の風の吹くまま
1月12日(土曜日)。晴れ。まるで春のような陽気。絶好の掃除日なのか、箒もモップも何となく軽々と動く感じ。カレシもちゃっちゃかとバスルームの掃除を済ませて、明るい日差しの中をロイヤルアベニューまで行って帰って来る坂道ウォーク。電車で出かけたゆうべは帰りが駅からロイヤルアベニューまでの勾配10%の上り坂だったけど、カレシはびっくりするくらいすいすい。やっぱり軽くてもサボらずに運動をしていると体調も安定するということだな。

ゆうべのおでかけはArts Clubがファンドレイジングの新しいイベントとして始めたお酒の勉強と試飲の会の第1回。シングルモルトスコッチのグレンリヴェットのアンバサダーの説明を聞きながら、12年、15年、キャプテンズリザーブ、そしてナデューラオロロソの4種類を試飲。12年はアメリカのバーボンの樽で、15年はさらにフランスのシェリーの樽で熟成して、キャプテンズはそれをさらにコニャックの樽に移して熟成。ナデューラはスペインのシェリーの樽だけで熟成させたものでアルコール分は何と60%!ちょっと口に含んだら重過ぎるという印象だったけど、勧められるままテーブルの中央においてあった徳利の水を2、3滴加えたら、おお、何と円やかな味。何かきついなあという印象だったキャプテンズも水1滴で角が取れていい味。シングルモルトはストレート(ニート)で飲むのが一番と思ってたけど、そっか、こういう極意があったんだ・・・。

でも、4種類のうちで1番ウマが合ったのは15年。会場で買うと売り上げの一部がArts Clubに寄付されると言うので、つい、じゃあ15年を1本。無料でパーソナライズしたラベルを作ってくれると言うので、タブレットみたいな画面で「XXX(ワタシ)のリザーブ」と入力したら、ラベルの15の下にかっこ良く印刷されて出て来て、(ラベルなしの)ボトルにきちっと貼ってくれた。あはっ、ワタシだけのグレンリヴェット!シングルモルト好きのワタシの定番はグレンモランジー(10年)なんだけど、もしかして寝返っちゃったりして・・・。

試飲会はデイヴィッドとイーディスと同じテーブルだったので楽しさは倍増。デイヴィッドが月末に一緒に行く『Blind Date』のチケット代を払ってくれたんだけど、10ドル札が11月に発行されたばかりの新デザインのお札で、何と縦型!両端を持ってパンッと広げるのに、上下に引っ張るのは何か格好が付かない感じだけどなあ・・・。
   
   表(実際の色は紫)
   
   裏

たかがお金、されどお金なんだけど

2019年01月12日 | 日々の風の吹くまま
1月11日(金曜日)。曇り。雨は4、日は降らないらしいけど、その代わり冷え込みそうだな。この冬の北海道は雪が多いようだけど、太平洋のこっち側は雨ばっかり。地球は丸いのに何ごとも満遍なく回らないのが自然の妙と言うのかな。

今メディアはアマゾン創業者の離婚の話で大賑わい。どうもダンナの不倫がからんでいるらしいけど、世界一の富豪と25年連れ添った奥さんは財産の折半で世界一の女性富豪になるという話。というのも2人が住むワシントン州は「夫婦共有財産制」。アマゾン創業から苦楽を共にして来た糟糠の妻だから、日本円にして140兆円と言われる財産はそっくり共有財産ということになって、婚前契約がないから、奥さんはスパッと半分持って行けるわけ。まあ、ダンナは世界一の富豪の座から転落するだけで、別に痛くも痒くもないだろうけど。それにしても、男という動物は50の声を聞くとどうしても中年の危機とやらで血迷ってしまうものなのかな。これが唸るほどお金を持っていない普通のおじさんだったら、老後はえらいことになるだろうな。

ラジオから流れてくるアバの『マネーマネーマネー』を聞いていて、人間の世の中は生きるも死ぬもお金が絡むものなのかと思った。「お金、お金、お金。お金持の世界はおかしなもの。お金持の世界はいっつも明るいの」。はて、ほんとにそうかなあ。もっと増やしたいとか損をしたくないとか、いっつも神経をすり減らしていて、ほんとはあり余っているお金を楽しめていない金持が掃いて捨てるほどいそうだけどな。「幸せはお金で買える」と言ったのはハーバード大学のノートン教授だけど、それは「正しい使い方をすれば」の話なんで、使い方が間違っていたらどれだけたくさんお金を持っていても幸せにはなれないってこと。すると、どういう使い方が正しいのかとなるんだけど、結局は「自分にとって」何が幸せなのかという人それぞれの価値観によって違って来るから、どこかの掲示板なんかで聞いてみても正解があるわけがない。

人類が発明した便利な道具のひとつに過ぎないお金だけど、持っていても使い方を知らなければ人生が楽になるわけじゃないのがお金で、だからと言ってまったく持っていなければ生きて行くのに困るのがお金。お金が魔物なのは、発明した人間が御しきれないほど七変化に長けてしまったからかな。何だか「フランケンシュタインの怪物」的でもあるような・・・。

リタイアしたはずなのに忙しい

2019年01月11日 | 日々の風の吹くまま
1月10日(木曜日)。曇り時々雨。気温は朝からもう9度。夜中にかなり風が吹いたようで、南風だったらしく、屋根のあるバルコニーに避難していた植木の鉢が吹き倒されてごろり。わざわざそばに寄せて置いてあった2つの大きな鉢の間に倒れ込んでいたから、マザーネイチャーもけっこう考えるもんだな。カレシが朝ご飯をセットしている間にさっと出て行って、よっこらしょ。高層マンションでの園芸は風との闘いでもあるというと大げさだけど・・・。

メープルリッジのロイヤル銀行支店でのアポは12時30分。初めは9時と言って来て、カレシが「冗談じゃない」。うん、ラッシュの最中だもんね。ランチ抜きで出かけて、ジムの家で落ち合って一緒に銀行へ。ワタシが行く必要はないけど、カレシが「話し相手がいた方がいい」。あっ、そう。何かいつもきつそうなスーツを着ている担当のタイラー君がトロントの本店の担当部門に裁判所の書類のコピーをスキャンして送って、あっちの担当者がコンピュータを操作して、口座の凍結解除の処理。画面上をカーソルが勝手に動き回っているのがおもしろい。トロント側で作った書類をこっち側で印刷して、カレシがサインしたらまたスキャンであっち側に送って、今度は口座間の資金移動の手続きで、カーソルがまた画面をうろうろして、「10日から15日で移動が完了します」。

銀行を出たら1時半。高速を飛ばして帰って来て、向かいのサブウェイからテイクアウトしたランチが済んだらもう3時近くで、何か1日があっという間に過ぎてしまった感じ。晩ご飯は丸ごとローストしたチキンの残りでカレシがメインコースのサラダを作って軽く済ませるというので、今日は買い物は不要だと喜んだら、「でも、朝ご飯のバナナがないよ」と言うことで、カレシがマティニを作る準備をしている間にスーパーへひとっ走り。歩いて3分、バナナとセールになっていたアボカドとコーヒーを買うのに3分で、さっと帰れるかと思ったらレジの列で待つこと15分。マティニの後でチキンサラダとガーリックトーストだけの簡単な晩ご飯だったけど、カレシが見つけて来たレシピのサラダは思いのほかおいしかった。

何とも1日忙しくて、プリンタのトナー3色パックを注文するのをまた忘れちゃった。これはもう明日、明日。それよりもカレシのドクターの予約を忘れないうちに取ってあげなくちゃ。リタイアしたんじゃなかったっけ、ワタシ?

今日はマンション全館が一時断水

2019年01月10日 | 日々の風の吹くまま
1月9日(水曜日)。曇り。何か冷たくて、どよぉ~んとした空模様。でも、もう1週間もすれば日の出が8時前になるし、3週間弱で日の入りも5時過ぎになる。つまり、確実に日が長くなっているってことで、この調子でいつの間にか春が来るんだけど、あんがい今ごろが春が一番待ち遠しく感じられる時期なのかもしれないな。この冬は道路に積もるような雪はまだ降っていないし、近場の山並みは山頂が薄っすら冠雪してもすぐに消えてしまうくらいの暖冬なんだけど、それでもやっぱりそろそろ「はぁるよこぉい」の気分。ワタシが春の生まれだからよけいにそう感じるのかな。

今日は給水管の清掃のため、10時から正午までマンション全館が断水する日。去年の秋には前の歩道に埋設されている変電設備の清掃のために全館停電があったし、排水管の方向が変わる部分の清掃もあったし、毎年衣類のドライヤーの排気口の清掃があるし、地上と地下で4階になっている駐車場の床の圧力洗浄もあるし、窓の清掃もあるし、バルコニーやルーフデッキの圧力洗浄もあるし、消防設備の定期点検もあるし、さらにはエレベーターや緊急発電機などの設備の定期保守点検もあって、マンションの保守と言うのはけっこう大変なもんだと思うね。

清掃作業が長引いて正午を過ぎる場合に備えて、大鍋に調理に使う水を入れておいて、断水している間に坂道ウォーク。出かける前にトイレに行って「水が出ない」と言っていたカレシ、11時半過ぎに帰って来てトイレに駆け込んで「水、出てるぞ」。キッチンの蛇口を開けたらごく普通に水が出たし、温水の方もすぐに熱くならなかったけどすんなりと出たので、これでマンション暮らしの「めんどう」がひとつが終了してやれやれ。でも、住居への立ち入りが必要なのは消防点検くらいのものだし、戸建てに住んでいたら自分でするか人を雇うかしなければならないこともあるわけで、文句はお門違いかな。

こんなにいろいろあったら出費が大変だと思うけど、区分所有面積に応じて決まる毎月の管理費は水道、ガス、修繕積立金も含めて我が家は5万8千円で、けっこう高い方じゃないかな。ま、便利を買っているようなもので、保守点検をサボって後でまとまった修理費用を徴収されるよりはいいと思う。マンションはある意味で共同社会なんだから、年次総会に出席した所有者が承認した管理費は一種の住民税のようなもんだと思えばいいってことかな。

遺産相続の手続きの煩雑さと来たら

2019年01月09日 | 日々の風の吹くまま
1月8日(火曜日)。曇りのち雨。高台では雪混じりになるかもと言う予報だけど、この「高台」がどれくらいの高さなのか言ってくれないとなあ(というのはちょっと無理か)。冷え込んでいて、しかも湿度が高いからやたらと寒く感じる。それでも、今日はまずコクィットラムにある会計事務所へ検認裁判所の書類のコピーを届けに行くカレシにくっついて「おでかけ」。ナビゲーターという触れ込みだけど、ま、ただの野次馬。相続税のないカナダでは、故人がその年の所得の他に、所有財産をすべて処分して逝ったと見做して利子やキャピタルゲインを申告して税金を払うことになっていて、実際には故人が指定した遺言執行人が代理で遺産から税金を納付するしくみ。

ママの遺言書には作成した年だけで月日が抜けていたもので、税務当局が遺言書の日付が確認できないから法的な書類を出せと言って来て、検認とは別に州最高裁判所の承認が必要になって、カレシが弁護士事務所に宣誓供述書にサインしに行ったのはクルーズから帰って来てすぐ。意外と早くに「判決」が出たので、先週検認証書と一緒に判決状の原本を受け取って来て、やっと遺産の処分は大詰めの段階。あさっては銀行に行って凍結されている口座を解除させて、カレシとジムの共同名義になっている口座に振り替え。納税前にある程度の資金を残して遺産を分配することもできるけど、誰も急いでいないので納税金額が確定するのを待つ方がめんどうがなくていいということになったらしい。

ほんとに遺産相続の手続きというのはすごく煩雑で時間がかかるもんで、日常の生活費が入っている銀行口座の名義が故人だけだったりすると、残された家族が生活に困ってしまうこともあるらしい。男性優位の文化の国から来た移民家族にはそういうケースが多そうだけど、男女平等の浸透で共働きが当たり前になった今は「別財布」の夫婦も増えているだろうから、いくら遺言書で互いに相続人に指定し合っても、検認手続きが長引いたら問題が起きるんじゃないかという気がするな。まあ、我が家は何もかもすべて相続権付きの共同名義にしてあるから、検認の必要性はゼロなのが幸いか。最後は弁護士事務所が全部取り仕切ってくれるから、後は野となれ山となれでいいし。

会計事務所から帰って来たら、バッグを置いてそのまま坂道ウォークに回れ右。人間、お金がいくらたくさんあっても、健康でなきゃ価値は半減するもんね。

ただの変な子だっただけ

2019年01月08日 | 日々の風の吹くまま
1月7日(月曜日)。晴れ。少し寒いけど、休みボケのくもの巣を払って、古くも新しくも「日常」に戻るのには何ともすっきり。遠くの山は純白で、近場の山も上の方がまた雪化粧。この冬は雪が降ったり消えたりしているけど、夏になって水不足なんて心配はないのかな。バンクーバー圏の水源は山から流れ落ちて来る雪解け水だから、冬の間にどんと積もってくれないと困るんだけどな。

ほんとにリタイアして1週間。10月以降はまったく仕事をしていなかったので、すんなりと遊びモードに切り替わるかと思っていたけど、やっぱりちょっと落ち着かない気分。もう「仕事」という横槍が入らないんだから、遊びにでも何にでも没頭できるはずなのに、そんなにも仕事人間だったのかな、ワタシ。高校時代は学校が嫌いで、精神的に不登校寸前だったから、今でも持っている成績表では英語と国語、漢文以外は赤点ぎりぎり。歴史なんか年代を一夜漬けで頭に詰め込んで試験が終わったらけろりと忘却の彼方だったし、数学や物理、化学となると原理は説明できるけど、数式を暗記できないから計算問題はほぼ全滅。こんな成績でどうやって卒業できたんだろうなと思うけど、小学校の頃は今で言う偏差値にして75くらいあったらしいから、地頭はそれほど悪くはなかったのかもね。ただの「ヘンな子」だったんだろうな。

問題児だったわけではない(と思う)けど、とにかくヘンな子だったからこそ今のワタシがあるんだと思うと、人生っておもしろい。子供の頃のワタシから今のワタシを予見した人がいたのかな。自分でだって、学校が嫌いだったことと結婚なんてしたくないなあと思っていたこと、作家になる夢を見ていたこと以外は、将来はどうしようかなんてあまり考えていなかったと思う。そんなんだから、22、3才の嫁入り前の身で夜な夜ななけなしのボーナスをはたいて買った天体望遠鏡をのぞいていたわけで、今のワタシはあの頃からあまり変わっていない(成長していない?)ような気もしないではない。結婚したくないと思いながら、こともあろうに異人種と結婚しちゃって、異国での人生に飛び込んで、水を得た魚みたいに泳ぎまわること44年。

人間の一生と言うのは、いつどこでどんな風に転ぶかわからない不思議なものだと思う。だからこそドラマになるんだろうな。そうだ、脚本の書き直しを始めなくちゃ。いろいろ勉強もしなくちゃ。リタイアしたんだもの。

明日からは新しい日常

2019年01月07日 | 日々の風の吹くまま
1月6日(日曜日)。曇りときどき晴れときたま通り雨。クリスマスから続いたホリデイシーズンも今日で完全に終わり。月曜日には冬休みだった学校が始まるし、休暇を取っていた勤め人も仕事に戻って、いうなれば「日常」が再開するわけで、メディアの交通情報はもう今から「月曜の朝は覚悟のほどを」。たしかに、ホリデイの間はすいすい走れていたから、みんながまとめて戻って来たら渋滞するは、休みボケで事故は起きるはで、あちこちで混乱するだろうな。「リタイアしていて良かったな」とカレシ。ワタシは通勤地獄とは無縁の在宅稼業だったから、あんまり関係ないんだけど。

朝の坂道ウォークは6番ストリートを市の境界の10番アベニューまで行って、今日は回れ右の代わりに右折して、帰り道は5番ストリート。住宅街の中を通るから風景が変わっていいんだけど、このルートはほとんど坂になっていないから楽すぎる感じ。5番ストリートは場違いな感じの中央分離帯を挟んで、それぞれ走行用1車線と路駐用1車線になっていて、なぜか歩道と車道の間の(バンクーバーでは本来「並木道」を意味するboulevardと呼ばれる)芝生部分の幅が2車線分くらいはありそうな広さ。たぶん、昔は幅の広い大通りだったけど、中流の住宅街ということで交通量を減らすために道路幅を狭めたんだろうな。このグレンブルックノース地区はお屋敷町のクィーンズパーク地区のすぐ北にあって、けっこう社会意識の高そうな住人が多そうだもの。

今日の朝の仕事は、まずランチにするスープ作り。フリーザーの底からシチュー用のラムの肉を見つけたので、ポテト、にんじん、玉ねぎと一緒に大鍋いっぱいのアイリッシュシチュー(言っても実だくさんじゃなくて「スープだくさん」)。とろ火で煮ている間にスペアの寝室でクリスマスツリーの梱包。こっちは手足を引っかかれながらのレスリングマッチで、しまいに鼻先から汗水がたらたら。抱えられるように、紐でぎゅぎゅっと締めてから、古毛布に包んでまたぎゅっ。肩が痛くなって来たので、カレシの手を借りてロッカールームに収納して、じゃあまたね。飾ってあったクリスマスカードも片付けて、これで家の中はクリスマスの跡形もなし。

長めのバケーション2回と年末年始のあわただしいホリデイであっという間に3ヵ月が過ぎた感じ。ワタシもリタイア2週目に入るんだし、我が家も明日から新しい「日常」を定着させて行かないと・・・。

クリスマスの12日目はツリーを片付ける日

2019年01月06日 | 日々の風の吹くまま
1月5日(土曜日)。曇りときどき晴れのち雨。明日は顕現日なので、前日の今日は「クリスマスの12日」で伝統的にクリスマスツリーを片付ける日。(この日を過ぎていつまでも飾っておくのは縁起が悪いんだそうな。)とういうことで床掃除は後回しにして、まずカレシのバスルーム掃除が終わるのを待って坂道ウォーク。帰って来たら11時5分前だったので、回れ右して玄関前で始まるファーマーズマーケットに行って朝のトーストにするブリオシュローフを今日は3個。「人気があるからいつもすぐ売り切れるんだよ」とパン屋のお兄ちゃん。それが困るから開店と同時に駆けつけるのよ。

ラベルを付けずに冷凍してあった「ミステリースープ」でランチ(温めたらあさりがたっぷりのクラムチャウダーだった)をしたら、いよいよツリーの片付け。一応手順のようなものがあって、最初に外すのは収納箱の底にしまう箱入りの飾り。「クリスマスキャロル」12個セットは400年の伝統を持つドイツのインゲグラス製で、磁器に絵付けしたクリスマスツリーはニューヨークのティファニーで見つけた宝物。次に大小の古顔の飾りを、小さいものは6、7個のビニール袋、大きいものは個別に紙で包んで箱の中に並べてバブルラップを被せ、その上に旅先で見つけて買って来た飾りをきちんと包んで並べてバブルラップを被せ、最後に旅先で買ったり、毎年Crate & Barrelで買い足して来たガラスボールをていねいに包んで並べたら段ボール箱にぎっしり。(来年はもっと大きな箱が要りそう。)大きなくるみ割り人形をライトやガーランドと一緒に別の箱に収めたところでツリーは丸裸。

ツリーをたたんで地下のロッカーに収納するのは明日の仕事。もう長いこと使っている我が家のツリー(トウヒ)は生きているみたいに針を落とすけど、かなり精巧にできているのでまだまだ長生きしそう。寿命まで保証という触れ込みだったけど、メーカーの「寿命」はとっくに終わってるんじゃないかな。この「lifetime guarantee」と言う保証を見るたびに、商品とメーカーのどっちの「寿命」のことなんだ?とツッコミたくなるよね。クリスマス飾りの片付けから後回しにしていた床の掃き掃除とモップかけまで終えるのに約2時間。

ちょうど午後3時で、すぐにスーパーへひとっ走り。晩ご飯のしたくを始めながら、がんばったんだからとカレシにとびきり極上のマティニを注文。ああ、それにしても今日は1日中よぉ~く働いたなあ。

頭を切り替えることがいろいろあって

2019年01月05日 | 日々の風の吹くまま
1月4日(金曜日)。雨がち。ときどき雨が止んで、灰色の空が青みがかって来たり、ぽこっと青空がのぞいたり。それでもまずは朝の坂道ウォーク。FedExのボイスメールが入っていたので、今日はあまり傾斜のない6番ストリートをバーナビーとの境界の10番アベニューまで行って回れ右して来るルートで、帰り道に宅配小包の受取り代行オフィスで大学講義のDVDを引き取って来た。絵の講座とユーモアを扱った哲学の講座と発表など舞台での振舞いのコツを扱った講座。これでいったいどれだけの講義科目が溜まったやら。棚卸しをしてみないとわからないけど、これからは毎日でも集中しえ勉強できるはず・・・だよね。

マリルーから新年のメールが来て、「大晦日にメッセージを送ったけど届かなかった?」 あはっ、スマホはずっと電源を切ったまんま。さっそくオンにしたら、メッセージがあったので返信。せっかくスマホに替えてメッセージをやり取りできるようになったのに、電源を切ったままじゃあまったく意味がないじゃないの。使わないとメッセージの打ち方だってさっぱり上達しないしね。スマホと言えど本来は「携帯電話」で、出かけるときに持って歩くもんだという観念があるから、ついオフのままバッグに入れっぱなし。うん、これも頭の切り替えが必要・・・なんだよね。

午後は降ったり止んだりする雨を眺めながら、のぉ~んびりとクロスワード。毎日のパズルを解いた後でアーカイブの月曜パズルだけを1993年11月から順を追ってやって来て、やっと2011年5月に到達。まだ400くらいあるかな。月曜日が全部終わったら火曜日、それから水曜日とやって行くわけで、今なら1日10個ぐらいは行けるけど、だんだん難しくなるパズルがまだ数千個は残っているかな。何だか気の遠くなるような話だけど、ボキャブラリの勉強のつもりでっクロスワードパズルを始めたのがずいぶん昔だから、これまでに数千個は解いたはずで、言うなればまだ道半ば・・・なのかなあ。

きのう蟹の足の剥き身を200グラムも買って来たので、今日の晩ご飯は蟹の「何か」。ローカルのダンジネスクラブは子供時代によく食べた毛蟹に味がそっくり。ちょこっとググって見つけたレシピが蟹とパセリとにんにくとオリーブ油だけの超シンプルなパスタ。パセリがないのでカイワレを使って作ってみたら、あっさりしていたけど、味はちょっと高級ご馳走みたい・・・だったよねえ。

いつでもおいしいものを食べられる幸せ

2019年01月04日 | 日々の風の吹くまま
1月3日(木曜日)。雨と風。「非常に湿った前線」がメトロバンクーバーの上を通過中らしい。雨は1日中という予報なので、「秩序ある生活を」という1年の計を三日坊主で終わらせるのは早すぎると、朝ご飯の後で坂道ウォーク。ワタシは厚手のパーカに長靴のいでたちでだったけど、すごい降りなものでジーンズの前がパーカから流れ落ちる雨水でずぶ濡れになって、いやぁ冷たいっ。それでも、お気に入りになった長靴で歩道の水たまりをピチャパチャとはねかして歩くと、童心に帰ったみたいに楽しくて、雨、雨、降れ、降れの気分になってしまう。(帰ってから濡れた太ももに寒冷蕁麻疹ができちゃったけど。)

ランチはゆうべ冷凍庫から冷蔵庫に移しておいたスープ。寒い日や体が冷えたときはあったかスープが一番。でも、大鍋にランチ2人前が3回分くらいできる乾燥ミックスで作ったものだけど、容器にラベルを貼るのを忘れたので、何のスープなのかは不明。ビーフと大麦のかな。Simply Delishというローカルの会社が作っている基本的にヴィーガンのスープミックスで、材料がカラフルな層になってセロファンのチューブに詰まっていて、ざぁっと大鍋に空けて、大量の水を加えて、とろとろと煮るだけ。調理法には好みで根菜などを入れたり、「好みのたんぱく質」を加えても良いと書いてあるから、種類によっては牛肉や鶏、ラム、あさりを入れたり、にんじんやセロリ、ジャガイモ、コーンを加えたりして、最後に塩で味を調節。

今日はカレシが遺言書検認の書類原本の受け取りと弁護士報酬の支払いにリチャードの事務所に行くので、ワタシは途中のWhole Foodsまでヒッチハイクすることにして、天候を考えて早めに出発。高速道路では前の車の水しぶきで視界不良もいいところ。それでも、休みの人が多いのか交通量がめちゃくちゃ少なくて、30分も早く着いてしまった。Whole Foodsの近くに路上駐車(2時間)して、カレシが事務所に行っている間、ワタシは店の中を隅から隅まで、商品棚を上から下まで検分して回って、カレシが戻ってきた頃にはバスケットがほぼいっぱい。いろんな玄米や青竹米、ファロ(スペルト小麦)のような穀類が主だけど、目玉は白トリュフ味のオリーブ油と蟹の足の剥き身。

我が家の食品貯蔵庫は正月早々からはち切れそうになってしまったけど、まあ、これからはまたもう少し料理に精を出したいし、健康でおいしいものを食べられるのは幸せ中の幸せだし・・・。

リタイア2日目は落ち着かない気分

2019年01月03日 | 日々の風の吹くまま
1月2日(水曜日)。曇りのち雨。またまた嵐が接近という予報。2人で立てた1年の計ということで、朝ご飯の後で坂道ウォーク。何でも、毎日きちんと運動していると体調が落ち着いてエネルギーを感じるんだとか。運動はときどきまとめてガシガシやるよりは軽くても継続的にやる方が効果があると言う話だし、歩くことに勝る健康法はないと言うし、おしゃべりしながらだと30分なんかあっという間だし、いいこと尽くめ。

ランチの後でカレシは予約してある隣のビルの検査所へ。リタイア2日目のワタシは落ち着かない気分。勤め人だったカレシはあっさりとご隠居さんになっちゃったけど、長い間おひとり様稼業だったワタシは、もう「いつ仕事が飛び込んで来るかわからない」という常時スタンバイの姿勢が不要になったのに、それが頭の芯まで根を張ってしまって、どうもひと筋縄では抜けないような気がする。そこで、起業以来30数年経営して来た会社を娘に譲ってリタイアしたジムにどうやって気持を切り替えたのか聞いてみたら、「オレだって最初のうちは仕事が気になって落ち着かなかったもんさ。でも、もうオレが頭を悩ますことじゃないんだと思ったら、せいせいした気分になってそれっきり」。へえ、そういうもんかなあ・・・。

午後の買い物の帰りに郵便箱を開けたら、我が家の査定評価の通知。ニュースでバンクーバー圏の戸建ての査定額は低下したもののマンションは上昇したと言っていたので、5%くらいは上がったのかなと思っていたら何と18%。何で?予想した5%でも文字通りの億ションになっちゃうのに、何で18%も?値上がりし過ぎたバンクーバーやその隣のバーナビーのマンションを諦めた人たちが今までダサいところとして無視して来たさらに隣のニューウェストを「発見」したということかな。そういえば、行きつけのスーパーに30代くらいのいかにも「バンクーバーの人」という雰囲気の客が増えたような感じがする。あんまり急に都会化して欲しくないんだけどな。小ぢんまりした「トカイナカ」で、知らない人同士が道路ですれ違って挨拶を交わすようなおっとりしたニューウェストが好きなんだから。

自分が暮らしている家の価値は居心地の良さにあるんで、売って引っ越すつもりがないんだったら、査定額や相場が上がろうが下がろうがどうでもいいじゃないかという気がするけどな。上がれば固定資産税が増えるだけだし・・・。

新年は人生の新しいフェーズの始まり

2019年01月02日 | 日々の風の吹くまま
1月1日(火曜日)。朝、曇りのち雪ちらちら、午後、晴れ。ゆうべは4人で新年のカウントダウン。テレビのカウントダウンを見ながら、3、2、1でHappy New Yearとシャンペンで乾杯。ぐるりと見渡すと水平線のあちこちで打ち上げ花火がポンポン。ワタシはリタイアしたよぉ~とバンザイ。一段落したところでドナが「泊まってもいい?」 あったりまえじゃん。アルコールが入っている人を車で送り出すわけには行かないでしょ。さっそくカレシにスペアの寝室の鉢物をキッチンの隣の園芸ルームに移動してもらって、10分ほどでソファベッドが即席「民泊」に早変わり。ビジネスクラスで配られる歯ブラシと歯磨きを進呈・・・。

けっこう飲んだわりには良く眠って、目が覚めたら外はどよぉ~ん。とっくに日が昇っている時間だから初日の出はなし。ジムとドナが起きて来たので朝ご飯のしたく。ジムが「途中で食べるからコーヒーだけでいいよ」と言うけど、せっかく泊まったんだからそれはなし。今日はスーパーが休みで牛乳が足りなくなりそうなので、思い立ってワタシ特製の卵とアボカドのトースト。ポーチドエッグを作って、トーストにアボカド半分ずつをすくって広げて、卵を載せて出来上がりの超簡単メニュー。外は小雪がちらちら・・・。
   

ジムとドナが帰途に着いた後、えいやっと寝具を片付けて、ソファベッドを元に戻して、カレシが鉢物を戻して原状復帰。いやぁ、ほんっとに楽しい年越しだったね。ランチの前に坂道ウォークをして来て、ランチは残り物のご飯とすき焼きの豆腐と少量の肉にしょうがを加えて即席のコンジー。午後はぼちぼちと新年の「祝い膳」の下ごしらえ。大晦日に盛大に食べて飲んでしたので、新年は軽めに「魚介尽くし」。前菜は2口サイズぐらいのギンダラの酒味噌焼き、ホタテのゆず胡椒焼き1個、かまぼこ、海草サラダ。添えはししとうとオクラ、薄切り大根、カイワレ。メインは生しいたけと昆布で鯛の酒蒸し。付け合せは枝豆とカレシ特製の大根とワカメのサラダ。スライスして冷凍してあった松茸を出汁にした巨大なハマグリと手まり麩の吸い物を添えて、適量でシンプルなご馳走で「新年おめでとう」。
   
   

いよいよ今年からワタシの人生は新しいフェーズに突入。フリーランス翻訳業28年11ヵ月、高校を卒業して以来日本とカナダで7つの職、通算46年の働く人生に幕が下りたわけだけど、はて、これからどんな風に展開するのかな。