リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

プーチンは仮想現実空間にいるのかも

2022年02月28日 | 日々の風の吹くまま
2月27日(日曜日)。⛅☁☂。パイナップル特急第2号が来る前の、ほんの束の間の晴れ間。きのうの午後にうやって来た第1号の風はすごかったな。いきなりの猛烈な突風で始まって、瞬間的に地震かと思ってしまったくらい。メトロバンクーバーで1万戸が停電したと言うから、けさの日差しは文字通り次の嵐の前の何とか。朝ご飯の後で掃除を始めたけど、汗ばむどころじゃない暖かさで、掃除機をかけている途中で重ね着していたチュニックを脱いでしまった。

新聞サイトを回っていたら、きのうダウンタウンの美術館の大階段でウクライナを応援する人たちが何千人も集まり、BC州政府は赤十字を通じてウクライナ救援のために1ミリオンを寄付し、州営の酒屋からロシア産のウォッカやビールを排除。カナダの他の州でも、アメリカのいくつもの州でも、ウォッカの販売中止が相次いでいるもようで、それを受けてあちこちのバーが在庫のウォッカを売った収益を赤十字を通じてウクライナに寄付。バーの経営者は「象徴的なことでも、ウクライナを応援していることを伝えたかった」。コメント欄にはロシア産ウォッカの空き瓶を火炎瓶用にウクライナに送ったらいいと言う書き込みがあって、それはちょっとやり過ぎかもしれないけど、反プーチン、ウクライナ支持の波は大きくうねる一方に見える。

我が家の定番のウォッカはスウェーデン産だけど、そのスウェーデン(とフィンランド)がこれまでの中立的なスタンスを捨ててNATOに加盟するかもしれないというニュースが流れている。カレリア地方をめぐって隣接するロシアと反目して来たフィンランドでは国民投票を求める請願書が必要数の署名を集めたそうで、プーチンがさっそくフィンランドとスウェーデンに脅しをかけているらしい。ウクライナのNATO加盟への動きに危機感を募らせて、それを断固阻止すべくウクライナに侵攻したプーチンだけど、逆にEU諸国の結束を強める結果になったような観があるのは皮肉。強権で(弱いと思っている国に)圧力をかけるとそういう裏目の結果になるケースは人類の歴史では数えきれないくらいあるのに、歴史マニアと言われるプーチンがそこに思い及ばなかったのか、それとも自分の権威を盲信して歴史を書き換えようとしているのか、それとも妄想が膨らみ過ぎて歴史そのものが仮想現実空間にぶっ飛んでしまったのか。噂によると似た者同士の習近平もさすがに頭を抱えてしまっているらしい。

イギリスの「ザ・ガーディアン」を購読するようになってからは、前から購読しているニューヨークタイムズと読み比べるようになったのはいいけど、どっちも長い記事が多いし、しかも内容が濃くて読み応えがあるもので、毎日かなりの時間を費やすようになった。日本の新聞記事は見出しを見ただけでだいたいわかってしまうのとは対照的だな。ちょっと関心があって見出しをクリックしてみても、たいていは有料記事だし、それでも読める部分を読むだけで十分なのは、内容のない素っ気ない作文記事のような感じがするからかな。ジャーナリストとレポーターの違いと言ってしまえばそれまでだけど、もうちょっと何とか中身があればいいのにな。


家計の情報を共有するなら家事のノウハウも共有しよう

2022年02月27日 | 日々の風の吹くまま
2月26日(土曜日)。☁🌧🌧。何だか怪しげな雲行き。寒波が去ったと思ったら、今度はパイナップル特急の襲来だって。ったく、もう、いやになるなあ。まあ、雪や氷よりは雨の方がずっといいのは確かなんだけど、大風はやだなあ。カレシがきのうから園芸ルームにある三段棚の蛍光灯が消えているというので、2人がかりで2段目の照明装置を外して、レクルームで消えた方の1本を部屋の隅に置いてあったのと取り替えてみたけど、6本全部がダメ。どれも前に新しいのと取り替えたときにカレシが捨てたがらないから残っていた古いやつなんだもの、取り替えてみたって点くわけがないじゃん。すぐにウォルマートに行って新しいのを買ってこようよ。

こういう、とりあえず何かがすぐに必要と言う時に行くのがウォルマートで、長さ120センチの直管蛍光灯は一般家庭ではほとんど使われないから、売っているのは6丁目商店街でここだけ。二階の電球の売り場へ直行して、2本パックを手に取ってふとその横を見たら、120センチのLEDチューブがあるじゃないの。電極ピンの間隔は蛍光灯と同じで、しかも2本パック。LEDなら長持ちしそうだからと、さっそく乗り換え。これまでの蛍光灯に比べてやや細めの感じだけど、器具にはめ込んでスイッチを入れたらちゃんと点いて、カレシとハイタッチ。カレシが残る2段の照明もLEDに替えたいと言うので、じゃあ注文しといてあげるね。ところが、これがけっこう安請け合いで、直管蛍光灯にはT5、T8、T12と言った型式があることがわかった。古い蛍光灯には何の表示もないから、まずは3種類の型式の違いを検索。わかったのはT5が最新式で電極ピンの間隔が狭く、T12は古い型式でT8はそれを細くしたもので、どちらもT5とは互換性がないということ。園芸棚はかなり古いからT12だと思うけど、園芸用があるのはT5とT8。どっちもLEDだと1本5千円くらいする。全部で6本必要だから3万円。うはぁ。

さらにググりまくって、ソファに寝転んでスマホをいじっているカレシに「調査結果の報告と提案」。最善だけど一番高価なプランは園芸棚を新調することで、園芸用T5LEDチューブを使っている同じデザインの3段棚が10万円プラス税金と送料。「たっけぇ」とカレシ。T8のLEDチューブは売っているところが少ないし、T12用の安定器のついた器具で使うと寿命が短くなるという難点あり。「園芸用じゃなくたっていいんだよ」とカレシ。今日買って来たのはT12で、今の園芸棚の蛍光灯もT12と思われるので、園芸用でなくてもいいなら、一番手っ取り早いプランはウォルマートでもう4本買って来ることで、費用は6千円。LEDは寿命が長いから、園芸棚の新調は当面不要。「じゃあ、それでいいや」とカレシ。じゃあそういうことで決定ね。

家のモノが壊れたとか動かないとか何とか言ってあたふたしている暇があったら、今の時代は何でも簡単に調べられるんだから、ささっと問題解決を図ればいいと思うんだけど、どうもカレシの思考システムはそういう配線になっていないらしい。問題というのは解決するためのものなんで、解決の必要がなかったら問題なんかないの。万が一のときのために家計の情報へのアクセスを共有する設定にしたばかりだけど(全然アクセスしていないようだけど)、ここらで家事歴半世紀のワタシが蓄積した家庭運営のノウハウもカレシと共有した方がいいかなあ。だって、たとえ独り暮らしでもお金の管理と住居での家事は付いて回るんだから。夜、タイマーで照明が消えた園芸棚を眺めながら、「明日は掃除の日だな」とカレシ。うん。



ウクライナの人たちに平和が戻るのを祈るばかり

2022年02月26日 | 日々の風の吹くまま
2月25日(金曜日)。☀☀。少し暖まって来た感じで、朝方の気温はバルコニーでは氷点下にはならなかったもよう。天気がいいと日が当たるので、バルコニーのコンクリート床が熱を吸収からじゃないかな。片やルーフデッキではプランターの下のトレイに溜まった水が凍ったままなのは、バルコニーでは上階のバルコニーが屋根の役をしていて、同じようにコンクリートだから吸収した熱で温かめなのに対して、ルーフデッキは午前中しか日が当たらない上に全体が吹きっさらしだからかもしれないな。太陽の軌道が変わる夏には逆転して、バルコニーが涼しく、ルーフデッキが灼熱になるから、春の園芸シーズンの計画を立てる上で勘案するに値するかな。

ウクライナの情勢は何とも前世紀的と言うか、時代がかっていると言うか、プーチンがどこかでプッチンと行ってしまったんじゃないかと言う感じがして来た。ウクライナが抵抗することは想定していたかもしれないけど、ロシア軍のパワーを見せればあっさり屈服させられると思ったのかな。ウクライナ人の民族の誇りや芯の強さまでは理解していなかったのかな。ロシア国民からさえ抗議の声が上がることは想定していたのかな。それとも、足元の世論なんかどうにでもできると思ったのかな。現に抗議する人たちを根こそぎ逮捕していて、まるでソビエト時代にタイムスリップしたような光景だな。ロシアのミレニアルたちは、ソ連が崩壊した後の開放的な時代に生まれて、ソーシャルメディアにどっぷり浸って育って、ソ連時代と比べられないほど世界の事情に通じている世代だってことを知らないはずがないと思うけどねえ。強権主義の指導者って、言動は一見して自信たっぷりで、肩ひじを突っ張って威張りまくっているけど、いつも「何か」に怯えているんじゃないかなという気がする。何か、学校のいじめっ子の心情に通じるところがあるというか・・・。

だいたいからして、れっきとした独立国(プーチンはそう思っていないのは確かだけど)の政権を「ドラッグ中毒のネオナチ」と呼んで、それを倒す(ウクライナを解放する)ためと称して何十万もの軍隊を送り込むと言う構図からしてアンバランスな感じがする。ウクライナ軍に「クーデターを起こせ、自分の手で権力を掴め」とけしかけたそうだけど、ナチスとの戦いに数百万の犠牲を払ったウクライナ人がそんな政権を選ぶはずがないじゃないの。黒海の小さな島を守っていた13人のウクライナ兵がロシアの戦艦からの降伏要求に対して「くそっくらえ」と拒否して全員戦死したという話が、そのやり取りの録音と思われる音声データと共に世界のメディアを駆け巡っている。これほどウクライナ軍の士気とウクライナ人の抵抗を固くする強力な武器はないだろうと思うな。やっぱりプーチンはおかしいよ。

ワタシなりに思うところがあって、今日はスーパーの帰りに道路向かいのお肉屋さんFull Basketに立ち寄って買い物。ウクライナ人の年配の夫婦と働き者の若い息子がやっている評判のいい店で、最上階のゴードンに薦められて行ってすっかり気に入って、今では息子のヴィクターとは名前で呼び合うほどの「なじみ客」。今日はいつもより客が多くて、ワタシはお母さんに脂のないシチュー肉を2人分見つくろってもらって、ラムのラックと牛のボーンブロスといつものミックスオリーブも買って代金を支払い。そこで持って行った小さな折り鶴を平和と希望の象徴ですと差し出したら、お母さんは今にも涙ぐみそうな目で「ありがとう」。早く平和が戻って来るように祈ってますよと言って、グータッチをして、他の客の相手をしていたヴィクターに手を振って、帰って来たけど、ウクライナには親戚も友だちもいるであろうこの一家のためにも、早く事態の収拾がつくことを祈るばかり。


英語勉強にはスモールトークが役に立つよ

2022年02月25日 | 日々の風の吹くまま
2月24日(木曜日)。☀☀。ゆうべ10時あたりから雪が降り出して、オフィスの外のルーフデッキはあっという間に真っ白。冷え込んでいたから本格的な粉雪なんだけど、窓からの明かりに照らして見ると、まるで粉々に砕けたガラスの破片のようにキラキラ。夜になって弱い前線が通過するので、雪がちらつくけど積もらないだろうと言う予報が出ていたらしい。朝起きてみたらルーフデッキはまだ白かったけど、「積雪」は1センチあるかないかだったので、雲ひとつない晴天の下でどんどん解け出して、昼には日陰に残っているだけになって、やれやれ。


前夜


正午過ぎ

雪の不意打ちで融雪塩を撒いておく暇がなかったのか、雪かきをするほどの量じゃないからと無視しているのか、歩道にはうっすらと積もった雪が凍り付いて、気を付けないとつるりと言ってしまいそう。と言うことで、ウォーキングは何となくおっかなびっくりのえっちらおっちら。一番距離が短い6番ストリートを8番アベニューまで北上して、回れ右して戻って来るルートでも、すたすたと歩くわけには行かないので、けっこう余分な運動量になっていい。雨が降っても雪が降っても毎日必ずウォーキングに出るもので、「酔狂な老夫婦」として知られているのか、私たちが通りかかると店の中から手を振ってくれることがあるから、ワタシも手を振ってあいさつ。ニューウェストミンスターでは、商店街でも住宅地でも通りすがりに目が合った知らない人が「ハロー」とか「グッドモーニング」とか声をかけて来ることがよくあって、もちろんこっちもハロー、グッドモーニング。ときにはいい天気ですねえ、春らしくなって来ましたねえとスモールトークを交わすので、カレシが「知ってる人?」と聞くことがあるけど、ううん、全然知らない人。そこがトカイナカの心地良さかな。

どうもワタシはおしゃべりに生まれ付いたらしくて、人怖じもしないので、何かの事情で「話しかけないで」オーラを出して来る人(若いアジア人が多いかな)を除いて、老若男女を問わず自然に話をするところがある。マンションのエレベーターの中では連れている犬にまで話しかけるので、ずいぶんたくさんのワンちゃんと友だちになってしまった。知り合いになったワンちゃんたちと乗り合わせると、飛びついて来れば話しかけながら頭を撫でてあげるし、抱かれているワンちゃんには顔を近づけてチューする真似をするし、顎の下や耳の後ろをこちょこちょとやれば尻尾を振ってくれるから楽しいし、ついでに飼い主と顔見知りになって、さらにスモールトークに磨きがかかるってもの。これでも昔は犬が怖かったんだけど、どこでどうしてこうなったのか不思議。

一般にスモールトークと言うのはどうでもいいこと礼儀を持って対話することとなっていて、何がトピックになるかわからないから、ある意味でインプロヴィゼーション、つまりアドリブでやる会話のようなものかな。どうでもいいことを話す「世間話」に過ぎないから、面と向かっている間の短い時間だけだし、難しい言葉を並べる必要がないので、いたって気楽。ただし、相手の言葉に耳を傾けていないと会話のピンポンは続かない。カレシはことあるごとにスモールトークを英語会話の練習に利用することを推奨しているけど、英語圏の社会文化ではそれが人づきあいの潤滑剤としてけっこう重要な役割を持っているからだと思う。まあ、ワタシには楽しくエネルギーをもらえるのがいいところなんだけどね。さて、今日の演劇ワークショップの準備をしなくちゃ。


コロナ明けの世界はどこへ行くんだろう

2022年02月24日 | 日々の風の吹くまま
2月23日(水曜日)。🌤⛅🌥。朝方にかなり冷え込んだようだけど、きのうほど風が強くないので、陽だまりではけっこう暖かい感じがする。週中の「こぶの日」だけど、しなければならないことがないせいか、何となく手持ちぶさたな気分で、やる気もあんまりぱっとしない。明日の演劇ワークショップの準備のつもりで教材の台本を3回くらい読んで、VRゲームとか引きこもりとか青木ヶ原の樹海とか感覚としてはまだよくわからない要素がいくつかあるけど、ストーリーとしてはやっと漠然とした全体像がつかめて来た感じかな。

首都オタワの中心部を大型トラックで占拠して、コロナの制限や規制が完全に撤廃されるまでは動かないと言っていたトラック部隊だけど、トルドー君が非常事態法(昔の戦時措置法)を発動して、警察が200人だかを逮捕して、トラックを押収撤去して、やっと収束。逮捕者の中には首謀者と目される西部カナダ分離主義者の女性がいて、保釈申請を却下されたというから、今回のトラック部隊の背景がわかって来たというところかな。クラウドファンディングのサイトを通じて資金を寄付をしたビジネスや個人の中には銀行口座を凍結されるケースも出ていて、BC州では、ある保守党議員がごく少額の寄付をしたシングルマザーが銀行口座を凍結されて困っているとツィッターに投稿。でも、警察筋が銀行に渡したのはトラック部隊の関係者や逮捕者の口座情報だけだと反論し、寄付サイトにアクセスしたハッカー集団も「そんな名前はなかった」と、でっち上げを匂わせるしまつで、当の議員氏は女性のプライバシーを守るためと身元を明かしていないけど、実在すると主張。でもねえ、何でもありのソーシャルメディア全盛の今どきは本人が出て来て涙ながらに苦境を訴えて、メディアが大々的に政府を非難するってのが定番のシナリオじゃないのかなあ。

トラック部隊を追い出したところでトルドー君が非常事態法を引っ込めて、オンタリオ州政府も非常事態宣言を解除。ところが今度はアメリカでトラック部隊が首都ワシントンに向かっているそうで、警戒体制を敷いているとか。ヨーロッパでもやっているし、ニュージーランドでもやっているし、コロナ規制やワクチン接種やマスク着用の義務の撤廃を要求すると言う名目だけど、「オレたちもやって注目されようぜ」とか言う猿まね人まねが透けて見えるような感じ。プーチンがウクライナに侵攻して、世界が険悪な情勢になっているのに、ワクチンやマスクが(オレの)自由の侵害だなんて駄々をこねている場合かよと思ってしまうけど、ま、「(オレたちには)わけのわかんないことを言って頭を混乱させるなよ」という石頭連中には通じないだろうな。

それにしても、旧ソ連の諜報機関(KGB)出身のプーチンはすごい策士だと思うな。おまけに半端じゃない権力欲と来たら、同じくらいエゴマニアックな中国の習近平さえ真っ向から競争したら勝ち目はないんじゃないか思うくらい。表向きは手を結んでいるように見せかけて、習近平がコロナ退治とオリンピック/パラリンピックと秋の党大会という国内事情でてんやわんやしている今を狙って、ウクライナ侵攻をやってがっちりマウンティングを取ったと言うところだけど、習近平が党大会で主席(独裁)続投を確保したらどう出て来るのかな。コロナ明けの世界はここへ行くのか・・・。


ワクチンを打ってコロナに対する記憶免疫細胞を増やそう?

2022年02月23日 | 日々の風の吹くまま
2月22日(火曜日)。☀☀。寒っ。午前8時のバルコニーの気温は2度。だいたい地上より少し高めなので、実際はマイナス1度くらいかな。温度計が記録した最低気温はマイナス1.2度。北極圏から吹き出して来た風がかなり強いので、外に出たら体感温度はマイナス5、6度くらいだろうな。晴天が続く明日、あさってにかけて、この「北極パンチ」のおかげでもっと冷え込むそうで、やれやれ、春は週末までお預けということらしい。

コロナ対策の制限が解除になって1週間近く経ったけど、入院患者数と集中治療室の患者数は今のところ減少中。BC州では新規の感染者数を公式に発表しなくなったけど、非公式には連休中の1日平均は500人台まで減ったらしい。制限解除後の最初の三連休の影響は週末ぐらいまでわからないだろうけど、マスクとワクチンの追加接種で乗り切ると言う方針は変わらないで欲しいな。イギリスのザ・ガーディアンによると、オミクロン株の急拡大で医療崩壊に瀕している香港では、約750万人の住民全員に3月中に3回ずつの検査を義務付けることになったそうで、相当に深刻な状況になっているらしい。中国本土から専門家や医療関係者家が派遣されるそうだから、習近平が「必ずや感染をゼロにすべし」と命令を飛ばしたんだろうな。毎日100万人の検査をする用意があるそうだけど、陽性率が高かったら香港全体がが開店休業になりかねないな。まあ、習近平は自分の権威は疫病さえも支配できるんだというところを見せるチャンスだと思っているんだろうけど。

アメリカのニューヨークタイムズにはワクチンの追加接種の効果が予想よりも長く持続することを示す研究結果がいくつかの有力な学術誌に発表されたという(長い)記事があった。ワクチンに関しては抗体による効果とその減衰が注目されて来たけど、新しい発表記事は免疫を司るT細胞とB細胞に関するもので、ワクチン4種類によってできる抗体が検知できるウィルスのたんぱく質スパイクは2つか3つなのに対して、T細胞はもっと数多くのスパイクを検知することができ、抗体よりも長持ちするので新しい変異株が登場しても対応できそうだということ。さらに、ワクチンによってB細胞にウィルスの記憶が刻まれ、侵入して来たウィルスに対する抗体を作ることができるんだそうで、ワクチンを接種した後で感染しても、このT細胞とB細胞の「ダブルパンチ」で重症化しないで済むということだった。この記憶免疫の機能によって、当初は2回目接種後15週間ほど持続すると思われたのが、最近になって6ヵ月かそれ以上持続し、3回目の接種でB細胞の数がさらに増えて、より多彩な変異株を認識できる抗体が作られ、ベータ株やデルタ株に対応しているワクチンでもオミクロン株を中和できることがわかったんだそうな。

かってのSARSに感染した人は十数年経った今でも記憶免疫細胞を持っているそうで、新型コロナについても同じ効果が期待できそうだということだな。ただし、今のコロナの場合は感染による免疫効果はワクチンに大きく劣るそうだけど、それでもT細胞の記憶はかなり長い間持続するので、ワクチンを少なくとも2回接種すればその記憶を補強できて、3回目をすればそれを長期間維持できるから、新しい変異株が現れても怖がることはないということかな。そうだといいね、ほんと。


ファミリーデイはハッピーマンデイのようものだけど

2022年02月22日 | 日々の風の吹くまま
2月21日(月曜日)。🌤☀🌤。三連休最終日。起きてみたら、あら、きのうはなかった雪を被った山並みが青空に映えて、爽快な風景。ずっと下の方まで白くなっていて、コクィトラム山(標高1583m)も久々にびっくり仰天のひつじ顔になって、冬が戻って来た感じ。この冬は積雪が少なかったのか、めったにひつじ顔にならなかったし、冠雪していないときも多かったような気がするな。近場のシーモア山(標高1449m)にも新雪がたっぷり積もったようだから、スキー場は大賑わいだろうな。


今日は「ファミリーデイ」という祝日で、BC州の法定休日。連邦政府が決めた法定休日ではないので、ケベック州のように休みでない州もあるし、連邦政府関係の(郵便局を含む)公務員は休みにならないし、マニトバ州、ノヴァスコシア州、プリンスエドワードアイランド州ではそれぞれ名前が違っている。アルバータ州が30年くらい前に導入したのが初めで、元旦の後の祝日が3月末か4月の復活祭までないのは長過ぎるという理由だったそうだけど、真偽のほどは不明。十数年前から他の州にも導入されて、BC州では2013年から導入。ただし、2月第3月曜日がアメリカの祝日なので、スキー場などの観光産業が2週連続の三連休で潤うようにと、当初は1週間ずらして第2月曜日に設定のが、3年前からカナダの他の州と同じ第3月曜日に変更になったという経緯もあって、元から三連休を作るのが目的の祝日だから、日本の「ハッピーマンデイ」と同じようなものかな。まあ、あんまり盛り上がっていない感じだけど。

我が家は子供のいない2人だけの「家族」なので、ファミリーデイと言ってもピンと来ないから、ごく普通の月曜日。カレシは午前中にドイツのエスターとのレッスンがあって、きのうのリリーの場合と同じく、いつも「授業」というよりも楽しいおしゃべりタイム。カレシにとっても「英語レッスンなんか必要ないレベルなのに何でやめないんだろう」と言いながらも、友だちとのおしゃべりを楽しんでいる感じ。エスターは共産圏のハンガリーでドイツ人の父とハンガリー人の母の間に生まれたドイツ語とハンガリー語のバイリンガル。離婚した父親についてドイツに移って、英語を勉強して国際観光ガイドになり、観光バスの運転手だったハインツと知り合って結婚して一男一女。娘はすでに結婚して孫が2人でき、ハインツがリタイアした後は夏はハンガリーで貸別荘業、冬はドイツでマッサージ療法士をやっていて、忙しい合間を縫って夫婦そろってキャンピングカーでヨーロッパ中を旅して回るという活動的な人。ワタシもときどきレッスンのときに顔を突っ込んで「グーテンターク」とやるし、ハインツもときたま「ハロー」とやるそうだから、今ではファミリーフレンドというところかな。

家族ってほんとにいろいろ。べったりの家族もあれば、付かず離れずでも結束の固い家族もあれば、ひとつ屋根の下でもばらばらの家族もあって、その上にそれぞれの文化や宗教や習慣が絡んでくるから、一概にこれが家族と言うものはないと思う。強いて言うなら、最低2人の人間がいて初めて家族ができるということかな。夫婦、夫夫、婦婦、親子、養親養子、兄弟姉妹、従兄弟姉妹、さらには「義」のつく家族と、ほんとにいろいろで、さらにそれぞれに家族があるはずだから、どこまでが「家族」かと言う線引きは不可能なんだと言う気がする。その点から見ると、ワタシには太平洋をまたいで大きな家族がいるってことなんだよね。ハッピーファミリーデイ❣


豊かな社会ほど若い世代には生きにくい時代なのかな

2022年02月21日 | 日々の風の吹くまま


2月20日(日曜日)。☀🌤。三連休の中日で、川に沿って低い雲と霧がかかっているけど、きのうとは打って変わったいい天気。そのせいか、天気予報を見たら最低気温が次の週末までマイナス続き。今夜は雪交じりの雨が降るかもしれなくて、日中の天気はいいらしいけど、朝方の気温は週の中日でマイナス6度とか。まあ、まだ2月だからあり得ないわけじゃないけど、せっかくの春めきに水を差さないでほしいなあ。

それでも、天気よくて日が差し込むと、床の汚れが目立つなあ。ま、きのう洗濯を済ませておいたから、今日は掃除に専念しよう。まだ窓を開ける季節じゃないし、バルコニーやルーフデッキに出るのにパティオドアを開けっぱなしにすることもないから、埃はあんまり溜まっていないけど、テーブルの下あたりはけっこうポテチのくずのようなごみが落ちているので、箒で掃き集めてから、掃除機をかけて、モップかけ。さっさとバスルームの掃除を済ませてオフィスに座り込んでいたカレシに、モップかけしてみる?と聞いてみたら、「うん、いつでもやるよ」との返事。でも、今日じゃないんでしょと言ったら、「うん、もうすぐリリーのレッスンの時間だから」。あはは、カリフォルニアに住んでいるリリーとは今ではおしゃべりタイムじゃん。

中国出身のリリーは留学していたボストンの大学でビッグデータ分析で修士号を取って、カリフォルニアのパロアルトで就職して、ボストン時代から付き合っていた人と結婚したけど、夫氏はアメリカのグリーンカードを申請中で、新婚早々にビザが切れそうになってあわや。夫氏の方は勤め先のアップルがバンクーバーのオフィスに「転勤」させておいてビザ更新の手続きをしてくれたそうだけど、リリーはその間アメリカでのビザの確保にひと苦労。それでも、永住できる見通しが立って、今シリコンバレーでマイホーム探しを始めたけど、アップルが手放さないような人材でもクパティーノではマンションすら高過ぎて買えないそうな。何とかクパティーノの隣の町にデュプレックス(1軒2戸の住居)が見つかったそうで、ほっとひと息。リリー自身はグリーンカードが取れるまでの間、学生ビザを取ってボストンの母校で別の修士課程をめざすことにしたそうで、30代半ばで高学歴IT技術者で高収入の2人でもアメリカに永住するのは難しいんだなあ。カナダに来ればずっと楽に永住権が取れるのにと思うけど、バンクーバーもトロントもマイホームはやっぱり高嶺の花か・・・。

掃除が終わって、ごみの始末。ついでに洗濯ルームに溜まっていたお酒の空き瓶をショッピングカートに入れて、まとめたゴミ袋と一緒にごみルームに持って行って、ゴミの回収会社が最近設置した「デポジット付きリサイクル品」の容器に廃棄。何ヵ月分かの量なので、傍から見たらアル中じゃないかと思われてしまいそうだけど、、ごみルームには誰もいなくて勿怪の幸い。後はカメラ片手に忙しなく姿かたちを変える雲をのぉ~んびりと眺めながらの日曜日・・・。







かかりつけの先生がアルバータ州に行ってしまった

2022年02月20日 | 日々の風の吹くまま
2月19日(土曜日)。☁☂☁。コロナの制限が解除されてから初めての三連休の初日。祝日の月曜日は「ファミリーデイ」と言うことだから、なかなか会えないでいた家族の集まりが多そう。若い人たちはダンスが解禁(ただしマスク必須)になったナイトクラブの方に集まるのかな。羽目を外し過ぎて元の木阿弥にならなければいいけど、いつの世になっても「今どきの若者」はハメもタガも緩いからなあ。でも、誰もが未経験のパンデミックで未曾有の行動制限が続いたせいで、情緒不安定気味の人間が多いようで、いつどこに危難が潜んでいるかわからないから、周囲への目配りが重要だと思うけど、どうすれば人間不信や敵愾心を持たずにそれができるのかとなると、あんがい難しいのかな。でも、自衛、自立、自助、自愛の何であれ、「自」のつくことを先にやらないことには「他」にまでエネルギーが回らないところは変わっていないと思うけど。

カレシが午前と午後に英語レッスンを入れていたので、土曜日の掃除をまた明日に延期したら、午前のレッスンはキャンセル。カレシはウォーキングの時間を毎日10時か10時半ということにしたいそうなので、何だったらいっそのこと掃除は日曜日ということにして、土曜日は洗濯だけにした方がワタシには楽で良さそう。ということで、ウォーキングに行って来て、シャワーをして、洗濯機をオン。正午をちょっと過ぎたところでスラニナ先生から電話。まずはベータ遮断薬の処方箋をお願いして、単刀直入に先生の今後のプランについて質問したら、今年からアルバータに移ったけど、毎月初めの3日だけ、これまでこっちで持っていた患者だけを診るために今までいたクリニックに来ることになっているとのこと。

ルーマニア人のスラニナ先生は両親がソ連からの脱出を待っていた難民キャンプで生まれて、一家が送り返されたルーマニアで育って医者になり、苦労してカナダの永住権を取ったものの、チャウシェスク政権が倒れるまで出国できなかったという経歴がある人。だいぶ前に何かのはずみで「これじゃ社会主義国と変わらないよ」と漏らすのを聞いたことがあるので、BC州の(中道ではあるけど)左派政権の医療政策が嫌になって、保守党の牙城であるアルバータ州に戻ることにしたんだろうな。でも、ニューウェストの患者を見捨てないで、わざわざ毎月飛行機で1時間半かけて診療に来てくれるというのもスラニナ先生らしいと思うな。元軍医らしく話し方は素っ気ないけど、先生ほど親身になって診てくれて、カレシが絶大の信頼を寄せられる医者はめったにいないもの。今回はカレシにとって一番重要なベータ遮断薬(血圧を制御してバイパスに使った静脈血管を守っている)を念のためにと6ヵ月分処方してくれて、カレシもほっとひと安心。次はいずれスタチンが必要になったときに、先生がこっちに来る日に予約を入れて、対面で診てもらえばいいよね。

これで当分は慌てずに済むけど、診察が月に3日だけとなると、そのうち別の家庭医に乗り換える患者が出て来て、いずれは先生もアルバータの患者に専念することになるだろうな。BC州の医療制度は公共事業なので、原則としてまず一般開業医(家庭医)にかかって、必要に応じて専門医に回してもらう仕組みになっているんだけど、激務の割には診療報酬が低い一般開業医はなり手が少ないもので、「かかりつけの家庭医」を持つのは至難の業。対策としてその日の当番医が診てくれるウォークイン・クリニックがあちこちにできたけど、継続的な治療が必要な場合は不安があるので、新規の患者を受け入れている家庭医を見つけてウェイティングリストに載せてもらって順番待ちということになる。最近は1年近くかかることもあるそうだから、今から「後任探し」を始めても早過ぎることはないと思う。やれやれ、風雲急を告げると言うわけじゃないけど、外の空模様は・・・。



夫婦のどっちかに何かあっても家庭運営に支障がないように

2022年02月19日 | 日々の風の吹くまま
2月18日(金曜日)。☁☁🌥。うはぁ、もう金曜日。しかも連休の前の金曜日。もっとも、揃ってリタイア組の私たちには連休でも何でもどうってことはないんだけど、一応カレンダーに歩調を合わせて、さあ連休だぁ。時間的なメリハリを付けるってのは、健康のためにもけっこう重要なの。毎日だらだらやっていて、えっと今日は何曜日だっけなんて聞くようになったら、認知症を疑われてしまいかねないでしょ。

カレシはかかりつけのスラニナ先生がロッキーの向こうのアルバータにいることが気になっているようで、「先生、アルバータに行ってしまうのかなあ」。さぁてねえ。明日電話診療の予約があって、ちゃんとクリニックから確認のメールが来てるんだから、オフィスはまだあるってことじゃないの。あれこれ憶測して心配したって、先生に聞いてみるまではどうにもならないでしょ。それでも、先生が前にいたクリニックのとなりに家庭医学専門のオフィスができていて、若いドクターが6人くらいいるし、ヴァーチャル診療もやっているので、いずれは問い合わせてみる価値があるかも。ひとりの先生が「かかりつけ」で患者を診る時代は終わったと思う。クリニックが「かかりつけ」になって所属するドクターたちが電子カルテを共有するようなもので、ヴァーチャルならオフィスに行って順番を待たなくてもいいから、患者にもメリットがあると思うけど、ま、スラニナ先生と話すまでは「もしも」の机上の空論。

遠隔診療とかヴァーチャル診療の話をしているうちに、カレシが「確認メールなんかをオレも見られるようにしたい」と言い出して、共通のGメールアドレスを作る話になって、そこから家庭の情報を共有しておかないと「キミに何かあったらオレはお手上げになる」と銀行の口座にもアクセスできるようにする話に発展。今までずっとワタシに何でも丸投げして人まかせにしてきた人が、何の風の吹き回しだろうね。ワタシに何かあったらカレシはどうするのかと言うのは、常にワタシの頭の隅にあったことだから、カレシが家庭管理に参加することには諸手を挙げて大歓迎。銀行の方はずっと前にカレシ名義(と共同名義)の口座にアクセスできるように設定してあげたのに、「一度も見たことがないからパスワードを覚えていない」と来たもんだ。それじゃあ情報を共有する意味がないじゃないの。「だって、キミが全部やってるから、オレがやる必要がなかっただろ」とカレシ。あのさ、必要がないってのは「めんどうだからやりたくないことをやらない」ための口実に過ぎないのよ、アナタの場合は。あぁ~あ、やれやれ。

図星を突かれてちょっぴりけんか腰になりかけたカレシだけど、パスワードを思い出せるところにメモさせてから、銀行のサイトにログインさせて、法的に共同名義にできない口座以外はぜんぶ共有だから、口座やクレジットカードや請求の支払いの設定をあれこれと説明。ワタシの名義になっているクレジットカードを閲覧できるように家族用カードをリクエスト。Gメールの共有アドレスは、新しく作るとワタシのアドレスがユーザーIDになっている公共料金や税金関係の口座のIDを変更しなければならないのでめんどうくさいし、共有すべきメールはめったにないし、カレシに見られて困るメールもないから、カレシが自分のアドレスからワタシのアドレスにアクセスできるように設定することで解決。ニューヨークタイムズやザ・ガーディアンのニュースレターをカレシに転送しなくても良くなるというおまけつき。あれやこれやと家庭運営の円滑化に1日費やした感じだけど、カレシがちゃんと「参加」するのか、三日坊主で終わるのかは、また別の話・・・。


セリフのしゃべり方が音楽的なんだって

2022年02月18日 | 日々の風の吹くまま
2月17日(木曜日)。☁☁。ゆうべはでっかい満月だったので霧かなと思ったら、なんだ、ただのどんより雲。午前零時を期して、いろんなコロナ制限が解除になったけど、窓の外には特に変わったところはない。まあ、まだ平日の木曜日だからあたりまえで、どう変わるかは週末になってみないとわからないかな。月曜日が「ファミリーデイ」という、いわゆる「ハッピーマンデイ」型の取ってつけたような祝日で三連休。おうちパーティの人数制限も解除になったから、この週末はあちこちで家族の集まりがあるのかな。そういえば、きのういつもの時間(2時半)にスーパーに行ったら、その時間には見かけないタイプの若い男性が何人も1人で買い物をしていたっけ。でも、パーティ用品を買っているようではなかったな。(なぜかこういうことにすぐ目に行ってしまう「先天性野次馬症候群」のワタシ・・・。)

かかりつけのドクターとの予約を取ろうと、カレシはおとといからオフィスに電話をしては留守電にメッセージを残していて、返事がないのを心配していたら、けさになってやっとスラニナ先生のオフィスから「土曜日午前11時50分ではどうか」と電話。(先生は火曜日と土曜日しか診療していない。)前に先生が「たまには顔を見せに来なさい」と言っていたので、今回は対面診療を希望したら、「先生は今アルバータに行ってます」だって。つまり、アルバータからロッキーを越えての電話診療ってことで、どうなってるのやら。スラニナ先生は軍医を退職してからしばらくアルバータ州の小さな町で開業していたことがあるので、「もしかしてアルバータに戻るつもりかな」とカレシ。いや、アルバータに家族がいて、会いに行ったのかもしれないよ。でも、先生もいつリタイアしても驚かない年だから、土曜日に率直に今後のプランを聞いた方がいいよ。

ランチにサケの中骨の缶詰を開けて、カルシウムたっぷりのサンドイッチを作り、晩ご飯用に豚肉の塊をスロークッカーに仕込んで、午後は演劇ワークショップの準備。ラップトップを充電しながら、また台本を読みながらあれこれと場面を思い描いてみる練習。第1場は失業したばかりのしょぼいサラリーマンがレンタル家族のオフィスに来るところから始まる経営者の女性と依頼人のサラリーマン氏のやりとり。ワークショップではどっちの役を振られるかわからないから、女性役で読んでみたり、サラリーマン役で読んでみたり。口調を変えると場面の雰囲気が微妙に変わるのがおもしろい。それが演劇のだいご味なんだと思う。

ズームをセットして待っていたら、3時ちょうどにヒラ先生が登場。最初の1時間はみんなで台本を読んだ感想を出し合って、それから特定の場所を示す言葉を選んで、目をつぶってそこにいる自分の行動や気持を想像。ワタシが選んだのは「スカイツリー」で、後半のペアワークで女性経営者の役にそのイメージを反映させてみた。最後に全員でそれぞれの役の感想を出し合ったときに、ワタシの相棒だったジェレミーが、ワタシの音楽的でアップビートなセリフで、彼が演じたサラリーマンの孤独と絶望が浮き彫りになった感じがしたと言って、なるほど、役作りにはそういう面もあるんだとナットク。それにしても、しゃべり方が音楽的だと言われたのは初めてで、ちょっとびっくりだな。生まれつきのおしゃべりなワタシだけど、ほんとにそんなしゃべり方をしてるのかなあ。


縦書きと横書きと英語で書かれた日本人のストーリーと

2022年02月17日 | 日々の風の吹くまま
2月16日(水曜日)。🌤⛅🌕。今日も気分よくお目覚め。自分でも何だかヘンに張り切ってるなあとは感じるけど、目の前が明るくなって来たせいだと思う。知らず知らずのうちにちょっぴり鬱っぽくなっていたようなところもあるから、その反動かもしれないな。ま、元気がいいのはいいことだ。

朝一番でヒラから「明日のワークショップで使うので、先週送った脚本を読んでおいてね」と言うメール。バンクーバーに住む日系の俳優で劇作家のテツロウ・シゲマツが書いて2年ちょっと前に地元で初演した『Kuroko』で、英語で書かれたものだけど、セッティングは現代の日本社会で、日本の家族のストーリー。作者にはまだ会ったことはないけど、ドラマターグのハイディは時々おしゃべりする友だちだし、演出のアミエルには劇作について指導してもらったことがある。青木ヶ原とか引きこもりとかVRとかオンラインゲームとかレンタル家族とか、ワタシには異文化として感じられる場面がたくさん出て来るけど、根底にあるのは人間関係、家族の関係、人と人の心のつながりという普遍的なテーマで、そのレベルで読めばなかなか奥の深い作品なのが十分に理解できる。人種とか文化、言語、宗教、政治といったものを通り越して、人類という動物種である「人間」と言う観点まで突き詰めて行ったら、みんなさして違ってないじゃないのと思うもの。

ヒラから送られて来たファイルは出版したものをPDFにスキャンしたもので、実際の脚本の部分だけでも相当なページ数。途中に舞台の写真のページが入っていて、それを除外してもまだ相当な数なので、写真のページで区切って、8回に分けて印刷したら、厚さが1センチ強。まあ、登場人物のせりふを並べたのが脚本だから、どのページも空白が多いし、本として出版したものはどうしても元のページが小さいから、印刷した文字の量が少なくてあたりまえか。でも、ワタシは芝居の本は歩き回りながら読むのが一番なので、大きなクリップでまとめた紙の束を片手に持ってちょっと歩いてみたら、うは、重たぁ~い。セリフを覚えて演じる役者じゃないんだから、普通の本のように読めば良さそうに見えるけど、ワタシには立って読む方が場面全体が掴みやすい。小説などは横方向の文学だから寝転がって読んでもわかるけど、芝居は元々人が舞台で体を使って表現するものだから縦方向という認識だから。読みながら歩き回ればなおよし、声に出して読めばまさに没入という、ヘンな思考回路があるらしい。

まあ、縦書きの日本語はわかりにくいのに横書きならすらすらと読んでわかるのと似たよう感覚なのかもしれない。伝統的に縦書きの日本語はワタシの母語のはずなのに、どうしてそうなのか不思議な話だけど、50年近くも目が横書きの文字を追って来たせいで、脳内の思考経路が変わってしまったのかもしれないな。考えてみたら、日常の視界に入って来るほとんどのものを目を横方向に動かして見ている気がする。だからこそ、見上げる(見下げる)と言う行為が何か精神的に特別な意味合いを持っているように感じられるのかな。何だか思考が脱線し過ぎてややこしくなって来ちゃった。さて、まじめに台本を読んでおかなくちゃ。


マスクとワクチンカードがあれば日常生活に制限なし

2022年02月16日 | 日々の風の吹くまま
2月15日(火曜日)。☁☁。何となくそわそわした気分で、いつもより早くにぱっちり目が覚めてしまったので、特にやらなければならないこともないけど、ちょっと早めに起床(と言っても8時を過ぎたばかりのところ)。何でそわそわした気分になるのかと言うと、BC州でのコロナ対策の行動制限が解除になりそうで、今日はその発表があるから。

コロナの感染拡大防止に関しては、これまで感染の波が押し寄せるたびいいろんな規制や制限が実施されたり、解除されたりして来たけど、ワタシにとって一番きつかったのが劇場の閉鎖や入場制限。去年の暮れにやっと制限が解かれたと思ったら、オミクロン株のが広がりでまた収容人数の50%に逆戻り。半分がら空きの劇場って、周りの人の息づかいが感じられなくてさびしいから、コメディでもあんまり楽しく感じられないんだよねえ。スタンリー劇場で1月にオープンするはずだった2作目を(3作目と時期がかぶらないように)グランヴィルアイランド劇場に移して3月中旬まで延期したときは、オミクロンの波が下火になることを期待できるかなと、ちょっと胸をなでおろしたもんだった。その3作目の『Kim’s Convenience』のプレビューウィークが始まるのが来週の木曜日、オープニングは再来週の水曜日ということで、制限解除の発表を息を潜めて待っていたわけ。

発表会見は午後1時半からで、2時前に新聞サイトを見たら速報に「制限解除」の文字。やったぁ~。劇場もスポーツもレストランもジムもナイトクラブも結婚披露宴もおうちパーティも、何もかも人数制限を解除。ただし、屋内の公共の場でのマスク着用義務とワクチンカードの提示義務はしばらく継続。つまり、ワクチンを接種していなければ映画にもホッケーの試合にもレストランにも行けないのは今まで通りってことだな。他の州ではワクチンカードの提示やマスク着用の義務を廃止する方向のようだけど、BC州はマスクとワクチンカードがあれば後はそれぞれが自衛しながら自由に行動してよろしいと言うことで、コロナがこのまま収束するのか、また新しい変異種が現れるのか、誰にも分らない状況では、妥当な方針だと思う。

まあ、マスク着用の義務がない屋外でもマスクをして歩いている人が多いから、屋内での着用義務を継続しても不便になるわけじゃないだろうし、BC州は5歳以上の接種率が90.5%(3回接種は55%)で世界のトップだそうだから、ワクチンカードがなくて困るのはせいぜい10%で、その大半が「個人の自由に基づく選択」をした大人なんだったら、同情することもないよね。連邦政府も外国からの入国者に義務付けていた72時間前のPCR検査を、ワクチン接種済の旅行者に限って今月末から廃止するそうだから、6月末にクルーズから帰って来るときに検査が不要なのは大助かり。4月あたりにはクルーズ船がカナダの港に戻って来れるらしいし、ほんとに春が来るぞぉ~っという気分。BC州の制限が正式に解除になるのは明日の午後11時59分。木曜日の朝には、巣ごもりの穴から這い出して、胸いっぱいに空気を吸って、思いっきりのびをしようっと。


供給不足でもあるものはあるところにあるってこと

2022年02月15日 | 日々の風の吹くまま
2月14日(月曜日)。🌧☁⛅。ハッピーバレンタイン 今日はやることがたくさんあるのに、朝から左手の指の関節がしくしく痛い。そう言えばこのところいつも痛かったなあと考えていて、思い当たったのがマウス。去年デスクトップを買い替えたときに、キーが3つ完全にブランクになっていたキーボードも取り替えようと、ドングル1個で済むマウスとのコンビを買ったんだけど、そのマウスが指が短めのワタシの手には大き過ぎて何とも使いにくい。そっか、マウスのせいなんだ。だったらワタシの手にすっぽり収まる古いマウスを使えばいい。どっちみちドングルが2つになるなら、キーボードもついでに古いのに替えちゃおう。どっちもワタシと相性のいいLogitech。(キーボードは文字が消えたNとIと、半分消えたAとSとTのキーに白い絵の具で文字を書いてニスを塗って応急修理。)いたって簡単な解決策なのに、なんでもっと早く思いつかなかったんだろうな。



午前11時のエスターのレッスンが午後1時に変更になったので、予定していた買い物は、Hマートは明日、今日は酒屋だけということにしたら、カレシから「エスターは明日にしたから、午後は最初の予定通り。キミがHマートで買い物をしている間にオレが酒屋に行って来れば、2人とも時間の節約になるだろ」とのご託宣。うん、料理担当はワタシ、ホームバー担当はカレシだから、それはいい考え。きのう角の酒屋で品切れで「入荷未定」になっていたベルモットが、州営の酒屋のサイトによると市内の2つの店に10本くらいあるし、角の酒屋では置いていないブードルズも十分な在庫があるので、徒労になることはなさそう。在庫の状況はアジア食品が主体のHマートの方が世界的な物流の滞りの影響をもろに受けているんじゃないかな。発芽玄米や中華麺、カレシが大好きなピリ辛らっきょうがちゃんとあるのかちょっと心配。

ハングルの看板の海の中にあるHマートの前で下ろしてもらって、店の中に入ったら、びっくり仰天。(行きつけのSave‐On‐Foodsよりも)広い店の隅から隅まで商品棚はぎっしりだし、いたるところに段ボール箱の山や商品を積んだ台車があって、もう1年半もスーパーのすかすかの商品棚を見慣れて来た目には、品薄とか供給不足なんてのはいったいどこの話かと思うくらい別世界に踏み込んだような気分。Hマートはアメリカのニュージャージー州を本拠にアメリカとカナダで80数店舗を展開(近年はイギリスにも進出)している韓国系のスーパーなので、扱い商品そのものが普通のスーパーとは違うから、サプライチェーンも輸送体系もまったく別なのかもしれないな。

とにかくうれしくなって、どっさり買い物。発芽玄米も中華麺もピリ辛らっきょうもどっさり。カイワレもししとうも大豆もやしもごぼうの束も、そうめんも麺つゆも煎りごまもパン粉も七味唐辛子もこんにゃくもバスケットにポンポン。冷凍のタコのスライスやアサリやホッケの開きやホッキ貝やすし用の大西洋サケの分厚い身も、ついでにえび焼売も、まさにshopping spree(爆買い)。おかげでバレンタインデイのごちそうもちょっぴりご馳走度がアップ。マイタケはワサビ味のお浸し風、ヤマブシタケはさっと茹でて軽く塩味、クロラッパタケはキビを使ってリゾット風と「きのこメドレー」にして、すし飯をハート形にまとめてキハダマグロと大西洋サケとホッキ貝をのせ、タコとマグロとサケとホッキ貝の刺身を添えて、カイワレを散らして、バレンタインデイのごちそうのできあがり。私たちの年になったら、バラの花束よりもごちそうだもんね。ハッピーバレンタイン



ワクチン義務化反対の抗議行動は隠れみのじゃないのかな

2022年02月14日 | 日々の風の吹くまま
2月13日(日曜日)。☀☀⛅。あったかぁ~。あんまり気持がいいもので、バルコニーもルーフデッキもパティオドアをがらっと開けて、きのうやらなかった土曜日のまじめ掃除。カレシがバスルームの掃除をしている間にオフィスのカレシの側の椅子を除けて、敷居やコンピュータデスクの窓側の床と下の棚をダスターでたまった埃を念入りに払ってから、掃除機が入らない隅っこを箒でていねいに掃いて、しっかり掃除機をかけて、モップで入念に仕上げ。ああ、くたびれた。後はいつもの通りで、レクルームに入っておでこの汗を拭いながらモップをかけていたら、ソファに寝転がっていたカレシが「オレの方がもっと運動が必要なんだから、モップぐらいオレがかけるべきだよね」。うん、いつでも歓迎いたしまする。でもまあ、先週トイレのこういうところもちゃんと掃除してねと言ってあったところを今日は忘れずにちゃんと掃除してあったからエライ。モップかけをやってみる気になるかなあ。

コロナワクチン接種の義務化に抗議して首都オタワに押しかけた大型トラック部隊だけど、「自由」を唱えて市の中心を占拠すること3週間目。数はかなり減ったらしいから、良識のある運転手たちは「戦列」を離れて帰って行ったんだろうけど、Monkey see, monkey do(猿まね)と言う言葉の通り、「抗議行動」とやらはあちこちに飛び火して、アメリカとの国境を封鎖したり、往来の邪魔をしたりで、果ては海外にも飛び火。要はコロナ拡大防止の規制反対にかこつけた「オレたちの好き勝手にさせろ」という運動で、先週はオタワの緊急電話(番号は911)センターにいたずらと思われる電話が殺到して、発信元の番号を調べたらほとんどがアメリカのものだったそうだし、支援団体(西部分離派)が設置した寄付サイトにはクラウドファンディングとしては異常な額(10億円以上)が集まったそうだし、GoFundMeにサイトを閉鎖されて別のプラットフォームに設置した新しい寄付サイトはアメリカの極右団体が背後にいるそうで、そこではわずか2、3日で20億円近い寄付が集まったそうだから、普通の人たちの目にも怪しげな黒幕の存在がおぼろげに見えて来ているんだと思う。おそらく去年の1月にアメリカであった連邦議会議事堂の襲撃事件首謀者グループにつながっていると思うな。

初めは運転手たちの苛立ちにはある程度の理解を示していた一般国民も、グループの行動が馬脚を現すにつれて愛想を尽かしつつあるようで、外国の陰謀論者が背後にある考える人が増え、最近の世論調査では「軍隊を出動させて、催涙ガスでも何でも使って排除すべき」という強硬意見が回答者の3分の2以上。で、(オタワのある)オンタリオ州政府は非常事態宣言を出したのに、国政の長たるトルドー君は「暴力が懸念される」。そんな悠長なことを言ってていいのかなあ。パパのピエールが首相だったら、今ごろは戒厳令を敷いて、軍隊を使ってトラック野郎たちを排除していただろうと思うけど、残念ながら息子はその決断力を受け継がなかったらしい。ウクライナを狙うロシアに対しては威勢のいい警告をしてみせてるのに、足元の騒動には及び腰とはね。

コロナの方は政治や社会のごたごたには関係なく、オミクロン株はピークを越えたということで、あちこちの州で行動制限やワクチン接種証明の提示義務を廃止する動きが出ているし、連邦政府もワクチン接種済みの国際旅行者の事前検査を廃止することを考えているそうだし、4月からはクルーズ船がカナダの港に戻って来るそうだし、今週はBC州でも制限の緩和や解除が期待されているし、コロナバカはますますおバカな悪ガキに見えるばかり。カッコ悪いこと甚だしいけど、テレビカメラに向かって自分のバカっぷりを発揮するのも「個人の自由」か・・・。