リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

世界に遅れて大みそか

2015年12月31日 | 日々の風の吹くまま
とうとう大みそか。雲ひとつない快晴。ルーフデッキは一面の霜が朝日を浴びてきらきら。
大みそかの日の出は午前8時8分。日本時間では元旦の午前零時8分。地球が丸いから、
私たちの年越しはいつも世界のほぼしんがり。朝からテレビで世界各地の新年の風景を見
て、FBにずらりと並ぶ新年の挨拶を眺めていると、何となく取り残されたような感じがしな
いでもないな。ま、急いで年を取ることもないだろうから、それはそれでいいんだけど。

今日はカレシが起き抜けにバスルームから「うわっ、タイヘンだ!」と頓狂な声。いったい何
が起きたのかと思ったら、「179ポンドだっ」。へえ、秤に乗るのが怖いとか言って、ワタシの
体重が増えていなければ自分も大丈夫と思っていたのが、ついに現実を見ちゃったってこ
と?えっと、179ポンドは81.2キロ。う~ん、BMIの数字だと「オーバーウェイト」のライン
25を今にも超えそうなぎりぎりのところで、まだ「肥満」じゃないけどちょいとアブナイよって
感じ。ま、ワタシが引越しで減った体重のままなのは旧居の頃よりもマメに動くようになった
からだと思うから、アナタの場合は「動かなすぎ」に尽きるんじゃないかと・・・。

 

気温がやっとプラスになるかならないかの午後、霜が融けたルーフデッキに不思議な模様。
霜の結晶が育って広がって行く過程で、嵐が運んで来て置いて行った砂ぼこりを取り込ん
でできたんだろうけど、何だか宇宙ステーションから見る地球のようでもある。ふむ、マザー
ネイチャーもなかなかやるじゃないの。考えてみると、生活環境ががらりと変わった夏からこ
の方、見たこともなければ想像したことさえない自然の景観に息を呑んだり、人間世界の日
常のイベントを離れたところから見物したりして、何かと思いがけない新発見があった。

新しい年はどんな年になるんだろうな。いいこと、うれしいこと、楽しいことがたっくさんある
といいな。人間世界がもうちょっと穏やかになってくれるともっといいな。2015年もあとわず
か。しっかりシャンペンを冷やしておこうっと。

やっぱり地震だった!

2015年12月30日 | 日々の風の吹くまま
今日は朝からラジオもテレビもゆうべの地震のニュースでもちきり。寝る前にバルコニーの
気温をチェックにキッチンの外れの棚においてあるワイヤレス温度計を見に行ったとたんに
周りでガタガタッ。あまりにも突然だったので反射的に悲鳴を上げてしまった。慌てて飛んで
来て「どうしたんだ」と聞くカレシに地震だと言ったんだけど、「物音は聞いたけど何も感じな
かったぞ」。う~ん、揺れなんか感じなかったと言われると、ワタシも揺れたかどうかあんま
り自信がない。ほんの2、3秒のことだったし・・・。

カレシが「全然揺れてなかった。地震じゃないよ」と主張するので、旧居から持って来た小さ
い冷蔵庫が止まるときにガタガタと振動することがあるから、その音に驚いて過剰反応した
のかもしれないと思い直したけど、地震王国で生まれ育ったワタシの直感は半信半疑のま
ま。ベッドに入っても神経が高ぶって良く眠れなかった。午前8時前に起きてテレビをつけた
カレシが「お~い、キミが感じた通りだったよ。あれは地震だったんだ」。起きてもまだ揺れた
と主張できる自信がなかったんだけど、そっか、やっぱり地震だったんだ・・・。

発生時刻は午後11時39分。マグニチュード4.7。震源地はバンクーバー島ビクトリアの北
(バンクーバーの西南約90キロ)で、震源の深さは60キロ。津波の恐れなし。建物やインフ
ラの損害や負傷者の報告もない。揺れたかどうか定かでなかったのは震源が近かったから
かな。でも、あちこちのセキュリティカメラの映像を見ると間違いなく揺れている。ワタシには
ほんの瞬間的な衝撃のようだったけど、家が揺れたという人もいれば、建物に大型車両が
衝突したと思ったという人もいるし、感じ方は場所によってずいぶん違うもんだなあ。

まあ「ちょっとした地震」だったわけだけど、緊急番号の911番には地震の直後から15分
の間に250件もの電話があって、赤ちゃんが急病で救急車を呼ぼうとしたら回線が塞がっ
てつながらなかったケースがあったらしい。ほとんどが「地震があった」、「今のは地震です
か」といった緊急性のない内容だったそうだけど、どういう思考なんだろうな。そんなのツィッ
ターにでもつぶやけばいいのに。まあ、それがSNS時代の先端を行く人たちの「報告しなく
ちゃ」衝動の現れなのかもしれないけど、それでもどっかで思考がずれまくっているような感
じが・・・。

冬、冬、冬・・・

2015年12月29日 | 日々の風の吹くまま
予報通りに冷え込み。零度くらいだったのかな。朝は川に沿って霧がたなびいていたけど、
だんだん晴れて来た。いいねえ、青空。寒くてもやっぱり太陽が燦々としている方がいいな。
生まれ故郷は夏は霧で寒く、冬は晴天で厳寒。戦後の住宅不足のときに安普請で建てられ
た木造の二軒長屋は断熱材なんかなかった頃だから、窓が二重になっていたけど寒かった。
内側の窓のガラスの内側にびっしり霜がついて、よく爪で引っ掻いて落書きしたっけ。石炭
ストーブが赤々と燃えていても寒くて、母が編んでくれた毛糸のパンツと長靴下は必需品。
ま、60年も前の今は昔の話・・・。

午前中に特注のサーモンキャビアが届いて、うれしいの何のって。来年の秋の仕込みシー
ズンまで十分にもちそうだから、お正月にイクラ丼を食べようかな。北海道では筋子と呼ん
でいたけど、子供の私たちは「すずこ」と呼んでいた。こっちの方が言い得て妙のような気が
するけど。そう、ワタシはすずことサンマとホッケとししゃもとめんめで育った釧路っ子。冬の
最中には河口や幣舞橋の下に蓮の葉っぱのような丸い氷がたくさん浮いていたっけ。あの
氷と水平線が燃え上がるような夕焼けは冬の釧路の風物詩と言うところか。

きのう出かけたときにどこかでサングラスを失くして来てしまったので、ちょいとモールまで
ひとっ走り。これから2週間は晴れの日が続くそうで、明るい日差しはコンタクトレンズには
まぶしすぎて、目を開けていられなくなるのでサングラスは必需品。ファッション的でなくて
UVカットでポラライズドのものをウォルマートでとりあえず2個。途中でつい本屋に寄り道。
数が少なくなった独立系の本屋で、新刊以外は安い。料理本の棚に3冊買うとそのうち1冊
を無料にすると書いてあったので、スロークッカーのレシピ本を3冊「衝動買い」・・・。

夕暮れが迫る頃の山の景観はひときわダイナミックに変化する。冬にちょっとズームイン・・・。

 
 ゴールデンイアーズ

 
 ゴールデンイアーズ山系

 
 冷え込みを予告するような夕暮れの空

 
山腹のピンクは夕日の色、山頂のブルーは空を行くひと筋の雲の影

 
 そういえば、「未年」も残すところ明日とあさって・・・。

午後9時過ぎにはもうマイナス1度。予測最低気温はマイナス5度で、明日の最高気温は0度・・・。

新しい電車のカードを試してみた

2015年12月28日 | 日々の風の吹くまま
月曜日だけど、ボクシングデイが土曜日だったので代休というわけで、四連休の最後の日。
霧の予報だったけど、それほどでもない。午前中はクリスマス前に弁護士から送られて来て
いた遺言書の草稿を読んだり、特別に分けてもらえることになったサーモンキャビアの配達
を依頼したり。特に遺言は跡を濁さずに立つための人生最後の指示だから入念に作らない
とね。2人とも逝った後でどれだけ残っているか分からないけど、カレシはワタシのを名前だ
け変えてそっくり使うそうなので、最終的にはArts Clubが私たちの遺産相続人ということ
になる。遺言書が完成したら余生は気楽に・・・。

ランチの後、今日は何をしようかなあとつらつら。カレシは午後にスカイプ英語レッスンがあ
るので、Hマートに行くことにして、新しいCompassカードを試してみることにした。ニュー
ウェストミンスター駅までは徒歩15分で、ミレニアム線で4つ目のローヒードタウンセンター
駅までは9分。Hマートまでは歩いて10分。トートバッグいっぱいの買い物をして出発点に
戻って、30分おきに走っているアップタウン行き循環バスに乗って6番アベニューのモール
入り口まで10分。重い荷物を担いで坂道を上ったら20分はかかるから、タイミングさえ良
ければ楽ちんなもの。

ネットでCompassの使用履歴をチェックしたら、ニューウェストミンスター駅でタップインし
て3ドル75セント(3ゾーンのシニア料金)が課金され、ローヒード駅でタップアウトして2ドル
「返金」されて1ゾーン料金になり、帰りのローヒード駅でのタップインが「乗換え」扱いで2ド
ル課金してまた3ゾーン料金になり、ニューウェストミンスター駅でのタップアウトでは90分
の有効期限内だったのでまた2ドル返金されて、結果として今まで通りに1ゾーンのシニア
片道料金で往復したことになっていた。バスに乗ってタップインしたときには90分を過ぎて
いたので新たに1ゾーンの料金が課金されていて、すんごく回りくどい処理方法だけど、ま
あ、うまく作動しているのは確か。

買い物に時間をかけなければバスに乗り継いでも今まで通りに1ゾーンの片道料金だけで
往復できるわけで、遅延に次ぐ遅延でずいぶん長いこと待たされたけど、これで車の運転
がキライなワタシもひとりで気楽に出歩けるようになって、やっと21世紀に追いついたとい
う感じがする。ああ、やれやれ・・・。

降雪警報が出ていたんだけど・・・

2015年12月27日 | 日々の風の吹くまま
まだ日の出前の7時半ごろに目が覚めて、降ったのかな。降雪警報が出ていたんだけど、
ほんとに降ったのかな。そろっと片目を開けて2枚のブラインドの隙間から外を窺ってみた
ら、なぁんだ、降ってなかった。ベッドから出てブラインドを巻き上げたら、おや、ルーフデッ
キのスライディングドアのすぐ外に沿ってざら目になった白いもの。降ることは降ったらしい。
降雪注意報はまだ発令中。てことは、これから降るのか・・・。

いつも思うんだけど、予想積雪量5センチで「降雪警報」が出るのは、世界のどこを探したっ
てメトロバンクーバーくらいのもんじゃないかな。Advisory(注意報)じゃなくてwarningだか
られっきとした「警報」。まあ、雪が5センチも降ったらてんやわんやの大騒ぎになるところだ
から、ラジオも本気になって「警報発令中」を繰り返している。でも、どうみても雨なんだけど
なあ。それもめずらしく穏やかな雨。新聞を見たら、バンクーバーが52年間も保持して来た
クリスマスイヴの最高気温の全国記録を何とトロントに取られたといういう記事があった。そ
れはないんじゃないかい?今頃はトロントの方がマイナス何度とかじゃなきゃ。

今日は洗濯する以外はのんびり(って、仕事がないと毎日がのんびりだけど)。イヴに食べ
たローストチキンが残っていたので、思い立って「オムライス」を作ってみた。40年も使って
いる今はなき「サンヨー」の電気釜でケチャップ味のチキンライスを炊いて、フライパンに広
げた卵で包んで、半分に分けて、何とかそれらしく見えるオムライスの出来上がり。(飾りに
しぼり出したケチャップのハートが歪んでしまったけど・・・。)

     

降雪警報が解除になったと言うニュースが流れたとたん、窓の外では白いものがちらほら。
遅いよ、もう。結局、スキー場のある山には盛大に降り積もったけど、下界では遠い郊外だ
けだったらしい。カーディガンと毛糸のマフラーの上に雨合羽を着て(雨靴はなぜか素足で)、
食料の調達に出かけた。気温2度。しとしと雨が冷たいの何のって、思わずブルッ。連休最
終日の明日は霧で、その先は北極からの高気圧が居座るので2週間ほど最低気温がマイ
ナスの寒波という予報。エルニーニョ、どうしちゃったんだろう。Save-On-Foodsでは売れ
残りのチョコレートが激安セールになっていたので、Ghirardelliの海塩キャラメル入りダー
クチョコを2袋。めっちゃおいしいんだな、これが。秤に乗るの、コワイ・・・。

     

2人だけのクリスマスのご馳走

2015年12月26日 | 日々の風の吹くまま
きのうは張り切ってクリスマスのご馳走を作って食べてくたびれたのか、けさは9時まで寝て
しまった。気温は0度くらい。穏やかなボクシングデイ。この日は量販店に激安商品を求め
る人たちが殺到する。昔(ワタシがカナダに来た頃)は売れ残りのクリスマスカードや飾り、
ギフトラップといったクリスマス関連商品を半額以下で処分するのがボクシングデイのセー
ルだったんだけど・・・。

きのうのクリスマスディナーは新居では感謝祭以来2度目のコース料理。最初は小さくなっ
たキッチンに戸惑ったけど、どんなに広いスペースがあっても、人は両腕を広げた範囲でし
かひとつのことをしていないとわかって来た。あれこれ広げると体を動かす範囲が広くなっ
てしまうけど、手の届く範囲に要領よくまとめれば動線が短くて済んで効率的だし、疲れな
い。カニは甲羅に合わせて穴を掘るというけど、まさに・・・。

     
鴨を丸ごとスロークッカーでローストしている間、頃あいを見計らって大皿にアンチパストを
盛って、カレシにマティニを作ってもらう。メリークリスマス!

     
前菜は白ワインとレモンで蒸して、殻を外して切ったロブスター。最近はなぜか冷凍したも
のがあたりまえのように出回っている。まあ、最高級のブラックタイガーの方が歯ごたえも
味も格が上のような気がするけど・・・。

     
鴨のおなかに入っていたレバーで作った小さな、小さなパテ。オレンジ味にして、ごく少量の
アスピックを作るのがめんどうなので、バターとオレンジジュース、マーマレード、グランマル
ニエでアスピックの代わり。フリーザーにちょっぴり残っていたフォアグラを焼いて、ブルー
ベリーのクーリを添えて・・・。

     
メインは鴨の胸と蒸したアスパラガスと自家製のリングィーニの白トリュフソース和え。2人
へのプレゼントにしたパスタメーカー。アジアでヌードルメーカーとして試験発売していたも
のと同じだと思う。説明書を見ながら作ってみたリングィーニは何となくシュペツレのような
手触りで、茹でてみたら歯ごたえもちょっとシュペツレの感じ。こねている時間がすごく短い
ので、パスタマシンで作る手打ちパスタよりもずっと柔らかいけど、それなりにイケる。(レシ
ピブックにはそばとうどんも載っていた。)

高く昇った満月を見上げながら、デザートにパネットーネとチョコレートを食べて、のんびりし
ていいクリスマスだったね。さあ、次はお正月のご馳走・・・。

☆怒涛のように過ぎた1年ももうすぐ終わり

2015年12月26日 | 日々の風の吹くまま
 12月25日。クリスマス。私たちにとっては民族大移動並みのプロジェクトだった住み替えが終わって4ヵ月半。「まだ4ヵ月半」と言うべきなのか「もう4ヵ月半」というべきなのか。何だかあっと言う間に過ぎたような気がする。先週の木曜日にはとうとう初雪が降った。雪ひらが窓の外の世界を覆い尽くすように宙を舞っているの高いところから見ていると、灰色の空から次々と舞い降りて来るのを戸建ての窓から見上げていたのとはまた印象が違っていた。外にルーフデッキという自分の目線の延長のような水平空間があるおかげで何とか地に足が付いている感じがする。そうでなかったら、気分的に無重力状態になってしまうかもしれないな。これが40階とか50階なんて超高層から壁一面の窓の外を見ている人はどんな風に感じるのかなあ。
                
10月あたりからやたらと嵐の連続。10月最後の日はハロウィンで、ちょうどよく雨が止んで、市条例で許可されている午後4時を過ぎた頃からあちこちでドンドン、バンバン。暗くなったら、暗くなったら住宅地のそこかしこから盛大な打ち上げ花火。足元のニューウェストミンスターは元より、(音は聞こえないけど)北のバーナビーから東のコクィットラム、南のサレーからデルタ、西のリッチモンドまで、我が家から見渡せる限り花火、花火、花火。特にインド系人口の多いサレーではいたるところで花火が上がっている。真夜中までに打ち上げてしまわないと花火の不法所持になるせいか、10時を回る頃にはどんぱち、どんぱちと、何だか在庫一掃セールみたいな賑やかさで、思いがけない花火見物は予報の「次の嵐」が遅れて来た11時ごろまで続いた。旧居では、火の付いた花火を生垣越しに投げ込まれて窓の外で炸裂したことがあったせいか、2人ともハロウィンやインド人のディワリ祭のときの爆竹や花火の音がいつもすごいストレスになっていたけど、こうして危害の及ばない高いところから見ていると、全国の花火大会の総集編を見ているようで、明かりを消して、あっちだ、こっちだと2人して大はしゃぎ。ほんとに思いがけず楽しいハロウィンだった。

明けて11月1日は第1日曜日なので、時計の針を1時間戻して夏時間から「標準時間」に切り替え。今まで川縁のキー地区でやっていたファーマーズマーケットの冬バージョンがアップタウン地区の商業組合の招きで移転して来て、その場所と言うのが我が家のマンションのまん前の道路。まあ、6番ストリートと7番ストリートの間のたった1ブロックの短い道路だから、丸1日交通止めにしてもさしたる不便はなさそう。引越しする人は困るかもしれないけど。マーケットは4月まで毎月第1、第3土曜日の午前11時から午後3時まで開かれると言うことで、楽しみにしていたけど第1回目は嵐模様で行かずじまい。第2回目にやっと寒いけどマーケット日和。11時半ごろにロビーに下りて行ったら、外はずらりとテントが並んでいて、エンタテインメントはギターの弾き語り。野菜のスタンドには普通のスーパーにはないものがけっこうあって、きれいな小かぶの束を見つけてさっそくゲット。ひと束300円。カレシに写真を撮ってもらおうとカメラを渡したら、警備の(というよりは暇そうに立っていた)お巡りさんが「2人一緒に撮ってあげるよ」と声をかけてくれてパチリ。冷え込んでいるのにかなりの人が集っていて、よく見ると有機食品などに凝っていそうなタイプの人たちが多いみたい。

11月の終わりが迫る頃には山並みにも冬到来。遠くの峰が真っ白になり、その手前の山並みが冠雪し、そのうちに手前の山並みも粉を振りかけたように白くなった。毎日人間の営みが行き交っている川の風景と違って、山の眺望なんて雪が歩かないかの変化だけでさしておもしろくないと思っていたけど、どうしてどうして。天気や季節によって自然の変化があるし、太陽の方角や雲の形なんかでも色合いが毎日微妙に違っていて、見飽きるのに3日どころか3年はかかりそう。もっとも毎日と言っても晴れた日にしか見えないんだけど・・・。

12月7日。新居での初クリスマスと言うことで、いつもより早くツリーを飾った。その前の週にマンションの住人が飾りを持ち寄ってロビーにクリスマスツリーを飾る集まりがあって、ワタシも少し寄付しようと、飾りを納めた段ボール箱だけを地下駐車場のロッカーから出して来てあった。これはと言うものを選んで、ロビーへ降りて行ったら、ゆうに2メートルはあるツリーが立っていて、ライトがちかちか。生木は禁止だからもちろん人工のツリーだけど、理事の1人が郊外の戸建てから越して来た際に長年家族で飾っていたものを持って来たけど、スペースがなくて使えなくなったのを管理組合に寄付して、その流れでみんなで飾ろうと言うことになったらしい。まあ、それがダウンサイズというものなんだろうけど、長年3分の1は壁に押し付けた形で飾って来たツリーを初めて360度ぐるっと飾れるようになった私たちとは正反対だからびっくり。みんな大きな家に住んでいたんだろうけど、私たちの場合ははそれほど大きくない3フロアの家から4分の3ほどの広さのワンフロアに住み替えたんだけど、オープンな間取りが効率的なおかげで、結果的にカレシが空いたスペースが多すぎるとこぼすぐらい広くなった感じがするからおもしろい。

マンションと言えば、バンクーバー市では今後は階数飛ばしが認められなくなる。エレベーターに13階のボタンがないビルは昔から普通にあったけど、迷信深い中国人が不動産市場の大得意客になってからは、4階のないマンションが出現し、4号室がなくなり、ついに4の付くものは階数も部屋番号も一切ないところまで現れるほどにエスカレート。消防車や救急車が出動したときに混乱を招いて人命に関わる危険があるというのが階数飛ばしを認めないことにした理由とか。たしかに「4」がないことで「死」が起きたのでは元も子もない。

我が家のあるマンションもエレベーターのボタンに「4」と「13」がないし(14と24階はある)、部屋番号も各階の3号室の隣は5号室。つまり、私たちが住む23階は23階じゃないわけで、実際に階数を数えると、ロビーがあるのが「G階」で、その上に「1階」があるから、23-2+1ということで22階ということになる。Ground floorがあって、その上がfirst floorとなるのはイギリス式の数え方だから、イギリス領だった香港からのバイヤーに配慮したのかもしれないけど、迷信に配慮して4を飛ばすというのは何だかなあ。ま、13階を飛ばすのは西洋の迷信への配慮ってことなんだけど。カレシ曰く、「4階を5階と呼んだって、4番目のフロアであることに変わりないだろ。嫌なら買わなきゃいいだけの話」。たしかに縦に並べても横に並べても、順序の中に必ず「4番目」が存在するのは厳然たる事実で、迷信深い人はそのあたりをどう考えているんだろうな。単に「4」の数字がなければいいのか、あるいは4番目のフロアなら5階と呼んでもダメなのか。一度聞いてみたいな。

満月が高々とかかって、冷え込んでいるせいでひときわチカチカと瞬く夜景を眺めながら、引っ越して良かったとしみじみと思う静かなクリスマス。怒涛のごとく過ぎた2015年もあと1週間を残すだけになった。来年がどんな年になるのかは知る由もないけど、もう少し仕事をスケールダウンして、9割隠居とまでは行かなくても、せめて8.5割隠居、1.5割現役くらいになりたいもんだな・・・。

[写真] ファーマーズマーケット
[写真] ロビーでツリーの飾りつけ
[写真] 我が家のツリーも
[写真] 初冬の日の出
[写真] 日の入り
[写真] 昇ってくる満月


寒いけどゆったりとクリスマス

2015年12月25日 | 日々の風の吹くまま
クリスマス。起きたらちょうど日の出。大通りの6番ストリートは通る車も「ちらほら」。まあ、
祝日(おまけに4連休)だし、今日はモールも閉まっているから、みんな行くところがないって
感じかな。朝食が済んだら、ゆっくりとクリスマスディナーのしたく。これまでは昼頃に起きて、
ディナーまでの短い時間にバタバタとあれこれ準備して大汗をかいたもんだけど、普通の
「朝」に起きれば1日を丸々使えて余裕たっぷりで、こんなところにもご利益が・・・。

鴨の丸ごとローストは脂がすごいのでオーブンで焼くのはやめてスロークッカーを使うこと
にした。ググッて見つけたレシピに脂ごと皮を取り除いておけば後始末が楽だと書いてあっ
たので、えいっと剥いで、おなかにオレンジとシャロット、ローズマリー、にんにくを詰めて仕
込み。鴨のおなかから出て来たレバーでミニのパテにして前菜に。後は大皿に盛ったつま
みをぼちぼち食べながら、次のコースを作る。食べている頃には鴨が仕上がっているはず
で、ゆっくり、ゆっくりのクリスマス・・・。

夕暮れが近づく頃、晴れているのに白いものがちらりほらり。気温は1度。「冬温暖」が売り
物のメトロバンクーバーがなぜかカナダで一番寒いクリスマスを迎えた地方のひとつがなん
だそうで、いつもは氷点下のはずの東部はぽかぽかクリスマス。ニューヨークは何と20度
を超えたと言うから、ロックフェラーセンターのスケートリンクなんか水浸しじゃないのかな。
オタワでは屋外リンクが軒並み閉鎖されたそうで、このままだと「世界一長いスケートリンク」
リドー運河も凍らないかも。ゴジラ級エルニーニョのせいらしいけど、ヘンな天気ばっかり、
ほんとに。夕暮れの山、ズームインしすぎて、どれが雲でどれが雪なんだか・・・

 

茨城のサンタからのプレゼントはお酒のケーキ。すぐ食べてみたくなってしまうけど、これは
お正月の楽しみ。最初に来た別の埼玉のサンタからは珍しい食品だったので、お正月のご
馳走はすごく贅沢になりそう。おとといの埼玉のサンタからのプレゼントは骨董市で見つけ
たという小皿のセット。表面全体に細かなひびが入っていて、隅っこにシンプルな絵。こうい
うのを「鄙びた」というのかな。中国からのプレゼントは香港大学の名入りのタオルセットと
(ワタシに)Cerrutiのボールペン、そして雲南省で買ったという木彫り。一枚板から彫り出さ
れた蓮の花の豪華なこと・・・。

     

静かなクリスマスイヴ

2015年12月24日 | 日々の風の吹くまま
クリスマスイヴ。雨雲の中なのか、霧の中なのか、真っ白(というか明るい灰色)で何も見え
ない。こういう風景にももうすっかり慣れた。外にはちゃんと「世界」があって、いつものよう
に1日が始まっていることは確かだもの。でも、今日は静かだなあ。1ベッドルームの小さい
ユニットはほとんどが賃貸に出ているそうだし、クリスマスは親の家に集るケースが多いか
ら、マンション中み~んなどこかに行ってしまったのかもしれない。

今日はシーラがディナーに来るので、朝からその準備。普通の時間に起きるとこういうこと
もやりやすくなっていいね。スロークッカーでチキンを丸ごとローストするのに、スパイスを混
ぜ合わせておいて、頃合を見計らってチキンにすり込んで、おなかにローズマリーとレモン
とガーリックを詰め込んで、ひと休み。おやつ程度のランチを済ませてから、ざく切りにした
玉ねぎの上にチキンを仕込んで、タイマーを4時間にセット。それからきのうまた郵便箱に
入っていた送り主不明の小包の不在通知を持って、向かいの郵便局へ。「午後1時以降」に
チェックマークがついているけど、イヴの今日は2時に閉まって火曜日まで開かないので、
1時を過ぎたところでそれっと駆け込み。今度のサンタは茨城から・・・。

4時にシーラがワンちゃんのレイシーを連れて到着。ビジター用の駐車場からブザーを鳴ら
して、「寒いから車で来たわ」。シーラのアパートからは歩いてもせいぜい15分なんだけど、
外はプラス3度だもんね。レイシーはシーラが夏から飼い始めたまだ1歳の真っ黒な女のコ。
目がつぶらで、何ともかわいい顔をしている。おまけに人懐っこい。うん、大きくなったらきっ
と美犬になること請け合い。持って来てくれたワインでおしゃべりをしているうちにチキンが
ふんわりとでき上がったので、付け合わせとグレヴィーを作って、ご飯ですよぉ~。

シーラが帰った後、あちこちにクリスマスメールを送って、後は静かな、静かなイヴの夜。雨
が止んで、今夜の予報は雪交じりの雨で、クリスマスの朝は晴れ。気温は0℃と冷え込む
けど、ホワイトクリスマスの確率はゼロ。でも、明日は満月だそうだから、サンタクロースに
は明るくていいかも。Noradのサンタ追跡サイトによると、アメリカの上空を飛行中。これま
でに届けたプレゼントの数は61億個を超えている。さすがだなあ。でも、ちゃんと時間内に
回り切れるのかなあ・・・。

何ちゃってスシと何ちゃってフレンチと

2015年12月23日 | 日々の風の吹くまま
午前7時半起床。「オレは元気がいいからさっと目が覚めるんだよ」とカレシ。そっかなあ。
おとといの夜は11時に寝てしまったのに起きたのは8時半だったじゃないの。カレシは「寝
てていいよ」と言うけど、腹ペコだからやっぱり一緒に起きた。近頃はなぜか朝目が覚めて
一番先に感じるのが空腹。夕食は今までと同じに6時過ぎには済んでしまうし、寝酒も今は
ときどき肴なしでちょっと嗜む程度だから、朝には空きっ腹なのはあたりまえなのかもしれな
いけど、起き抜けにおなか空いたぁ~と言えるのは体調がいいってことで、健康な証拠かな。

天気予報は雨だけど、「高いところでは雪まじり」。どれだけ高いと「高いところ」になるんだ
ろうな。ニューウェストの高台の23階は高いところのうちに入るのかな。午前中は雨に白い
ものが混じっていたり、ときたま薄日が差しそうになったりで、何とも優柔不断なこと。でも、
ホワイトクリスマスはどうやら期待薄らしい。ラジオでは今日とクリスマスイヴの明日の午後
が交通混雑のピークだと言っている。今では年中無休があたりまえの小売業だけど、イヴ
にはたいていの店が夕方で閉店するし、クリスマスはたいていが休みなので、ショッピング
は待ったなし。おまけに今年は4連休だし・・・。

アメリカの名門大学で日本人女子留学生がカフェテリアの「スシ」は日本の食文化に対する
侮辱だと噛み付いたらしい。日本では「欧米で寿司ブーム」と伝わっているかもしれないけ
ど、こっちのsushi shopで食べるのは「寿司」じゃなくてsushi。メトロバンクーバーではマク
ドナルドよりも多いと言われるくらいの数のスシ屋が日本では見たこともないようなsushiを
出していて、日本から来ている若い人たちには不評だけど、日本人が期待するような「寿司」
はTojo’sのような高級日本料理店に行かないと食べられない。スパゲッティナポリタンがイ
タリア料理じゃないように、北米のsushiは日本の料理じゃないの。口に合わなければ食べ
なくてもいいという選択の自由を行使すれば済むことだろうに・・・。さて、今日はsashimiに
してみたけど、これってどうよ?

     

我が家の今年のクリスマスメニューは鴨の丸ごとロースト、オレンジソース。クラシックなフ
ランス料理だけど、発祥はイタリアだと言う説もある。ま、ワタシはフランス人じゃないから、
日本で言う「フレンチ料理」かな。でも、ジュリア・チャイルドのレシピだから、「本格派フレン
チ」ってことで・・・。

イタリアンのグルメを買いに

2015年12月22日 | 日々の風の吹くまま
冬至!北米の暦では今日が公式に冬の「始まり」。日の出午前8時6分、日の入り午後4時
17分。冬至は夜が一番長い日と言われるけど、実は日の出が一番遅いのは来週の28日
で午前8時8分。日の入りが一番早いのは何と冬至より2週間も早い11日で午後4時14分。
近代の時計と太陽による時刻の測定方法の違いによるものらしい。でもまあ、この先はど
んどん「春」に向かうことだけは確か。窓の外、下は霧で上は雲。遠くの(たぶん)国境の向
こうは晴れ。雲の切れ目から「太陽のまつげ」が差していた(写真写りは良くないけど)。冬
至の日、午前9時半の空模様↓

 

今日は重い腰を上げてBosa Foodsまでグルメ食品の買出し。ここは鉱山や製剤所の労
働者としてイタリアから移民がどっと入って来た1940年代に始まって、今ではイタリア食品
の卸売りの最大手。小売部門が併設されていて、イタリア食品が卸値近くで安く買える。そ
こでいつも今頃の時期にご馳走の材料を買いに行くんだけど、今日は平日なのに駐車場が
すごい混み様で、待ち行列が道路まで溢れていたもので、ワタシだけ降りて、カレシは駐車
スポット探し。所狭しと商品が並ぶ店の中も混雑していて、オリーブやハムの量り売りのカ
ウンターには長蛇の列・・・。

それでも、丸ごと冷凍のポルチーニきのこ、白トリュフのソースと黒トリュフのペスト、小さい
プロシュットの塊、イカ墨スパゲッティ、サフラン、エスプレッソコーヒー。いやはやイタリアの
ノンナたちのバイタリティと来たら中国人のばあちゃんたちといい勝負で、もたもたしていた
ら押しのけられてしまうすごさ。ずいぶん遠いところに止めたと見えて、30分も経って現れ
たカレシ。さっそく16年物のバルサミコ酢と缶入りのイタリアの焼き菓子をバスケットにポン。
最後に大きなパネットーネを買って、粗品にもらったのはちょっとおしゃれなディッシュタオ
ル・・・。

午後は雨が小止みになるのを待って向かいの郵便局へ。素足に雨靴を履いて、雨合羽を
引っかけて、横断歩道のある角まで行くのがめんどうなので脱兎のごとく道路の真ん中を
突っ切って行ったら、時節柄郵便局にも長い列。今から送ったってクリスマスに間に合うわ
きゃないのに、腰の重い人がたくさんいるんだなあ。不在通知と引き換えに渡された小包の
送り主は今は埼玉に住む幼な友だち。思いがけないプレゼントに感激して、小包を抱えて
また道路の真ん中をダダダッ・・・。

冷え込んで来た・・・

2015年12月21日 | 日々の風の吹くまま
静かな月曜日。だけどクリスマスまで秒読み。いつものようにせわしない気はするんだけど、
今年は何となくだらけムード。まあ、仕事戦線もいたって静かなもので、このまま仕事納め
になりそうな気配だし、2月に始まって8月まで、大波、荒波、三角波にもまれ続けた年だか
ら、新居での初クリスマスではあるけど、のんびりするのもいいかな。何もしないと言うのも
アクションのうちだし・・・なんて。

ランチの後はひとりで買い物がてらの散歩。モールでふと入ったちょっぴりおしゃれな店で
見つけたのが毛糸の手袋(と言っても指がない)↓

     

この頃は両手とも親指の付け根と中指の関節がしくしくと痛いから、寒い日にちょっと外に
出るときにはめるつもり。(北海道語では手袋は「はく」ものなんだけど。)スーパーでチョコ
レートを買い足して、道路を渡ってDenny’s Farm Marketという小さな食料品店ではシチリ
ア風ペストやシンガポール風チキンライスのソース、ブルーベリー、アーティチョークのタペ
ナード。アジア人が経営する店だけどなんとも国際色豊かな品揃えで楽しい。最後はその
隣の隣のGalloway’sでギリシャ料理のスパイスミックスやジュニパーベリーなど。こっちは
1930年代からある老舗のスパイス専門店で、通りかかるとエキゾチックなスパイスの香り
が漂って来る。重くなったトートバッグの持ち手が肩からずり落ちるの引っ張り上げながらて
くてく(といっても角を曲がって道路を突っ切ったらもうすぐそこなんだけど)。

ロビーの隅にある郵便箱をのぞいたら、あら、不在通知。小包は郵便箱に入らないので不
在じゃなくても不在通知を置いて行かれる。まあ、郵便局は道路向かいだから取りに行くの
は簡単だけど、どこから来たのかな。苗字しか書いてないから、ワタシ宛なのか、カレシ宛
なのかわからない。おととい注文した本が着くにはまだ早いし、通販の注文は全部届いたし、
何なんだろうな。もしかしてサンタがサプライズプレゼントをしてくれたのかなあ。

 

雨が降るはずなのにさっぱり降らないでいるうちに夕暮れが近づいて来て、パステル調の
水色の空に真っ白な雪を被ったゴールデンイアーズ山系が映える。寒くなりそう。クリスマス
イヴは雨交じりの雪だけど、クリスマスに雪が降るかどうかは微妙なところらしい。ま、どん
なクリスマスになるかはその日になってからのお楽しみ。今夜は久しぶりに餃子を作ってみ
ようっと。

イラッチ菌をばらまいているのは誰だ?

2015年12月20日 | 日々の風の吹くまま
あれ、雨が降っているんじゃなかったっけ。あちこちに青空が見える。テレビのニュースをつ
けたら、午前4時頃には横殴りの雨が降っていたと言っていてびっくり。たしかにデッキは濡
れているけど、雨の音にも風の音にも気づかなかった。よく眠ったということかな。今日はク
リスマス前最後の週末の日曜日と言うことで、ショッピングセンターはどこも混んでいそうだ
けど、トラックの(バッテリの)運動を兼ねてお酒の仕入れにMarket Crossingまでひとっ走
り。駐車場はいつもより車が多かったけど、おしゃれな店がないから、まだ余裕がある。

今の時期はブランド店が多い大型のショッピングセンターでは駐車スポットの争奪戦が起き
る。「あそこにある」と思って近づいて止めようとしたら別の車が現れてささっと止めてしまっ
たなんてことはよくあることだけど、クリスマス商戦は即駐車難なもので、普段はごく善良な
市民も空きを探して広い駐車場をぐるぐるぐるぐると走っているうちにイライライライラ。いい
大人がけんかを始めて、ときにはロードレージならぬパーキングレージで傷害事件、はては
殺人まで起きるからすごい。何なんだろう、いったい。愛と希望と平和と慈善がクリスマスの
精神じゃなかったのかなあ。

最近は世界のどこでもイラッチ菌が蔓延しているようで、自分の物差しで計れないもの、自
分と波長が合わないもの、自分の好みに合わないものがこの世(というか自分の視野の中)
に存在するのが耐えられないというような人が増えている感じがする。「生理的に受け付け
ない」なんていうのはもう動物的な感性だけが判断基準になっているとしか思えないけど、
人見知りは幼い子供がすることじゃなかったのかな。生理的に受け付けないからと言って、
嫌なものを消しちゃえばいいってもんじゃない。嫌なもの、合わないもの、恐いものとでも何
とか折り合って行けるようになるのが大人になるってことじゃないのかな。そういうスキルを
身につけるのが人間として成長することだと思ってたけど。

何だかわからないけど、どうも人間が大人になりにくい世の中になってしまったんじゃない
かという気もする。人間が大人になって知性と理性でものごとを考えるようになっては不都
合だという輩がいて、あの手この手で世界中にイラッチ菌をばらまいているのかもしれない。
だとしたら、どこの誰なんだろう。早くイラッチ病ワクチンを作らないと、人類、危ないかも・・・。

まな板とチョコレートを買った土曜日

2015年12月19日 | 日々の風の吹くまま
雨が降っているはずなのに、日の出がまぶしい。予報に反して晴れそうな気配だけど、どう
かな。国境の向こうでは快晴なのか、真っ白に雪に覆われた遠くの山脈は見とれるくらいに
きれい。雲の切れ間ごとに差して来る朝日の中で朝食。コーヒーを飲み終わったら、さっそく
サタディクリーニング。ほんとに2人でやれば1時間ほどで終わってしまう。最後にゴミやリ
サイクル品をごみ置き場に持って行って、戻って来てドアを開けたら、きれいになったよ~と
いわんばかりの洗剤の匂い・・・。

ついでに洗濯までやってしまって、ひと休み。今日はマーケットの日なので、ランチの後で降
りて行ってみる。風が出て来て冷たいもので、警備のお巡りさんもちょっと寒そう。テントの
数も人出もちょっと少ない感じ。まあ、クリスマス前の最後の週末なもので、みんなモールへ
最後のクリスマスショッピングに行ってしまったんだろうな。クリスマスリースを売っている店
があって、何人もの人が緑の針葉樹の枝に真っ赤なリボンのシンプルなリースを持って歩
いていた。いいなあ、欲しいなあと思ったけど、玄関ドアには飾れないし、そもそも生木のク
リスマスツリーは禁止されているもので、残念・・・。

それでも手作りの「まな板」を売っている店があって、探していたダイニングテーブルのセン
ターピースにぴったりなもので、ちょうどいい大きさのものを買った。何とも言えない色合い
の赤褐色にクリーム色のひと筋を配したのがすてき。パドゥークというおっそろしく堅い木材
なんだそうで、大きさの割にはずっしり重いのでびっくり。ルイさんというおじさんが木の性
質を説明してくれて、「時間をかけてゆっくり乾燥してから加工してあるから濡れたり乾いた
りしても劣化しないし、堅いから長く使えるよ」と太鼓判。でも、まな板よりもテーブルのセン
ターピースにするつもりと言ったら、「そういう人、多いんだよね」。だって、ほんとに素敵な
色合いなんだもの・・・。

     

3時過ぎには雨が降り出して、カレシがスカイプレッスンをしている間に、雨合羽を着込んで
夕ご飯の買い物。クリスマスは飲んで食べてのホリデイだから、量り売りのキャンディやチョ
コレートがどっさり。何種類か買って来て、ロックグラスとミニバスケットに盛って飾ってみた。
チョコレート大好きのカレシのことだから、クリスマスまで持つかどうかは不明だけど・・・。

     

パラドックスな国

2015年12月18日 | 日々の風の吹くまま
薄日が差して来そうになったり、黒い雲が低く垂れ込めて来たりで、晴れたいんだか、降り
たいんだか、まったく優柔不断。空模様がこれだから、私たちも何となくだらだら。ざっとFB
を上から下まで見渡して、あ~あ。「ソーシャル」ネットワークと言うからには親交の輪を広
げる場かと思っていたら、この頃は何か雰囲気が違って来ている。政治的意見やニュース
を拡散目的で次々とシェアされていて、ワタシの「友だち」には右寄りも左寄りもいて、家族
以外は互いのつながりがほとんどないのに、何だかプロパガンダ合戦に巻き込まれたよう
な気持になる。ワタシとしては別に日和見主義者じゃないんだけど、ちょっとげんなりしない
でもない。

そんなわけでこの頃は政治意見やシェアポストは素通りすることにしているんだけど、それ
でもたまには「いいね」を押したくなるものもある。元エリート金融アナリストのイギリス人の
「辛口提言」はそのひとつ(この人は『新・観光立国論』と言う本を出した人らしい)。観光政
策を例にとって、日本人について奥の深い分析をしていて、日本の「弱み」は一方的な思い
込みで戦略を立てるところだというくだりで、ずっと前に明治以来の外交史について書かれ
たものの中に「日本は外国も同じように考えるという思い込みで臨んでは失敗して来た」と
いうのがあったのを思い出した。

昔次々とやって来るバブル成金の言動を間近に見聞きして以来、日本は世界中から「日本
ナンバーワン」とちやほやされて思考停止してしまったからその後の凋落から起き上がれな
いでいるんじゃないかと考えていた。起き上がれないもどかしさから、外国人の外交辞令に
飛びついて「ほら、日本はすごいんだ」と自信をつけているのかもしれない。でも、そうやっ
て日本がすごい、日本文化が最高と思い込んでしまうと、その自信を保つためには上から
目線になって他の国や文化を相対的に下げなければならなくなる。人間は見下げている相
手の考えや意見は聞かないところがあるから、相手を下げておくためにはまた誰か持ち上
げてくれる他人が必要で・・・。

この人はクールジャパンも「おもてなし」も、日本人がクールだ、最高だと思い込んでいるだ
けで、「外国人の考えに配慮することもなく、単に日本人が「強み」だと思っているものを押し
付けているだけ。そういう意味では失礼ですらある」と言っている。まあ、パラドックスなんだ
よね、ニッポンは・・・。