リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

もしかして故障で4ヵ月止まっていたエレベーターが動き出すかも

2022年06月30日 | 日々の風の吹くまま
6月29日(水曜日)。☁⛅☁。夜のうちに雨が降ったみたい。この先2週間の長期予報では、おおむね過去の最高気温の平均ラインで推移するらしい。つまり、20度前後ということで、暑すぎもせず涼し過ぎもせずと言うところだけど、1週間の予報でも外れが多いのに、2週間先の天気なんか想像すらできないのがメトロバンクーバーの空模様だから、ほんとに2週間経ってみないと、何とも・・・。

きのうはメディアにびっくりニュースが満載。まずはバンクーバー島南端の州都ヴィクトリアの郊外サニッチで、銀行強盗2人組が通報を聞いて駆け付けた警察官に発砲し、撃ち合いの末2人とも死亡し、警察官6人が重軽傷を負ったと言うもの。周辺のビジネスや住宅には屋内退避の命令が出されたので被害がゼロだったのが何よりだけど、おいおいって感じ。ここはアメリカじゃないんだから、ヘンなまねすんなっての。もうひとつは、ホーガン州首相の突然の引退声明。健康不安から新党首の選出を待って党首の座(つまり首相の座)を離れ、次の選挙にも出馬しないと言うもの。スキャンダルやら何やらでごたごたが多かったBC州では稀に見る実務家で、自らは喉頭ガンの手術と放射線治療を受けながら、州のコロナ対策の指揮を取って来て、かなり高い支持率を保っていたのにな。ワタシもめずらしくできる人だと、党は好かないけど人間としては尊敬の目で見ていたのにな。でも、がんの治療以来(再発はないものの)体力が戻らないていると言うことで、メディアに出る写真でも目がかなりくぼみ、頬もげっそりして見えたので、もしかしたらと思っていたから、ほんとにほんっとにもったいないとは思うけど、そうかそうかという感じ。政権は安定し、スキャンダルもなく、支持率もまだ高いままで政権トップの座から引退できる政治家は世界のどこを探してもめったにいないだろうと思うな。

今日はエレベーターが朝の9時から11時まで引越しの予約で断続的に止まるので、ウォーキングは11時過ぎに予定。今夜はArts Clubのファンドレイジング・ディナーがあるので、当初は午後いっぱいだった予約ではエレベーターが20分おきに10分ずつ住人用に開放されるタイミングと出かける時間との兼ね合いを考えあぐねていたから、午前中に変更になった(させられた)のは勿怪の幸い。で、11時半頃に着替えをして出て行ってエレベーターを呼んだら、あれ、ボタンのライトがすぐ消える。エレベーターは動いていないってことで、引越し作業が遅れているのかと思って、ウォーキングはランチの後に変更。午後1時になってエレベーターを呼んだら動いているようで、ちゃんと23階まで来てドアが開いたので、乗り込んだら緩衝マットにきっちりと包まれた大きな箱が天井まで積んであって、半分ぐらいの床スペースを占領していてびっくり。ウォーキングから帰って来たときにもまだそのままで、よく見ると家庭の引っ越し荷物と言うには何か違うという感じ。

だいたい、いくら何でも引っ越し作業を監督してエレベーターの操作をする管理人のカリードが荷物をエレベーターの中に残したままにするのを許すはずがないから、はて、どういうことかと、管理会社からのお知らせメールが来るメールアドレスをチェックしたら、おお、11時43分送信の表示のあるお知らせメールが来ているじゃないの。何でもエレベーター2号機はメール送信の時点で故障のため21階で停まっていて、KONEの緊急修理チームの到着を待っているところだそうで、あはあ、私たちが最初に出かけようとした時は故障していたってことか。(引越しのときに積み過ぎたりして故障することがよくある。)で、同じメールに「エレベーター1号機の取替え部品一式は26日にバンクーバーに到着し、現在は搬入と修理作業の日程を確認中」と書いてあるじゃないの。あはっ、もしかしてエレベーターの中に積み上げてあるのがその部品一式かな。そんな感じの荷物だったよねえ。エレベーターは26階までで、その上にある機械室には行かないので、運送会社がエレベーターに積んだもののどうしたものか思案した挙句にそのままにして帰ってしまったのかもしれないな。だったらもうあと一歩ということで、ほんとにそうだといいねえ。だって、故障してからもう4ヵ月を過ぎようとしているんだもの。


眼科に行って眼瞼下垂と白内障が進行と言われて

2022年06月29日 | 日々の風の吹くまま
6月28日(火曜日)。⛅☁。おっ、きのうよりぐんと涼しいっ。どんよりした空模様で、予想最高気温は19度とか20度とか。何なの、この変わりよう。上がり下がりが激し過ぎて、気を付けないと体調を崩してしまいそう。去年の今ごろはヒートドーム現象による超猛烈な猛暑の真っ最中だったな。去年の6月のフォルダには猛暑ぶりを記録した写真がいっぱい。その中の1枚は6月28日の日付だから、ちょうど1年前の今日。ほんと、何なんだ、この違いは。

今日は年に1回の眼科検査。予約は10時45分だけど、去年バクラ先生のオフィスがマンション隣の医療ビルに移転して来たので、駐車場口(裏口)から出たらすぐそこで超便利。エレベーターに乗ったら、乗り合わせた男性が「5階に着いたら教えてください」。色覚異常で赤を識別できないんだそうで、薄暗いからワタシにも見えにくいけど、フロアを示す表示は赤。止まったところで5階ですよと教えてあげて、ワタシは7階。まずはコンタクトレンズを外して、テクニシャンが3台の機械を使っていろいろと測定して、次にバクラ先生が検眼と眼球の検査をして、最後に瞳孔を開いてディエプ先生が網膜の検査。結果は、視力は変化なし(良かった)だけど、眼瞼下垂あり(中度)。さらに進行して視野狭窄になったら州の医療保険で整形手術が可能だとか。瞼が下がっているのは、コンタクトなしで夜景を見た時に乱視による「打ち上げ花火」が半分しか見えないし、いつも瞼が重たい感じだしで、たぶんそうだろうとは思っていたけど、状態によっては医療処置として手術に保険が利くとは知らなかったな。長い間ハードコンタクトレンズを使っているとなりやすいらしいけど、ワタシのコンタクト使用歴はもう40年だし、目を酷使する商売を30年もやって来たから、まっ、さもありなんか。

網膜自体は極めて良好な状態で、加齢黄斑変性の兆候はなし(良かった)。でも、ステージ2だった白内障が進行していて、1年ほど先には手術が必要になりそうとのこと。とうとうそこまで来たかと言う感じだけど、気になるのは乱視との関係。ワタシのは角膜の表面がでこぼこなための不正乱視で、珍しいタイプらしく、これまでの白内障の手術では矯正できないと聞いていた。小さいときから何もかも二重、三重に見えていて、30過ぎてハードコンタクトを入れて初めて正常眼と同じに見えるようになったので、白内障手術で元の木阿弥になるのかと心配だったんだけど、ディエプ先生によると不正乱視用の特殊なレンズが出来ていて、かなりの程度まで矯正できるようになっているらしい。白内障は放っておくと目が見えなくなってしまうから手術は避けて通れないので、なるほど、それなら安心していいかな。でも、矯正されてしまうと、夜景のありとあらゆる光が盛大な打ち上げ花火になるのを見ることができなくなるなあ。これだけは正常眼の人は絶対に見ることができないワタシだけの幻想風景なんだけど、目が見えなくなったらそれどころじゃないから、しょうがないな。

白内障や何やらがなくても、老眼で小さな文字が見えにくくなって来たので、コンタクトレンズの上にかける老眼鏡の処方箋をもらって(ついでに眼鏡の割引クーポンももらって)、さらにカレシの検眼の予約も入れて、年1回の検眼も65歳以上は医療保険でカバーされるから支払いがないので、じゃあまた来年ね。エレベーターで降りるのに、ドアが開いたので降りようとしたらまだ3階で、乗ろうとした男性と正面衝突。瞳孔が開いていて見えないものですみませぇ~んと謝ったら、「ボクもそうなんだ。眼科に行って来たんで」とのこと。あらま、エレベーターに瞳孔を開いたエイリアン目の人間が2人なんてことは、そうそうあるもんじゃないよね。先生が隣に移って来てくれたおかげで、駐車場を横切るだけになって、ボケた目でも外を歩くのが怖くないのはうれしい。目が見えるってことは、ほんっとにありがたい。大事にしなきゃ。


2021年6月28日

2022年6月28日


蟻んこ退治の秘密兵器は

2022年06月28日 | 日々の風の吹くまま
6月27日(月曜日)。🌤☀🌤。きのうより暑くなりそうだけど、外の空気がもやっとしていてるので、見るからに暑さでうだってだらぁ~ンとしている感じ。午前8時に起きたときは18度だったのが、早めにウォーキングに出た9時過ぎには22度、ランチタイムには26度、午後1時過ぎには29度、そしてピークの4時ごろの予報は32度ということで、まさにうなぎ上り。日本でも関東や九州で早々と梅雨が明けてしまったそうで、電力不足の上に水不足のダブルパンチを心配しているとか。逆にこっちは雪解けが遅れに遅れたせいで、水源地は水余りになって、あちこちで河川の氾濫を警戒中。

このところキッチンにいて、視野の隅っこで何か動いているのが見えたと思ったら、カウンターの上を走り回る蟻。でも、1日中出て来るわけではなくて、見つけるたびに拳骨でバンバンと叩き潰しているうちにいなくなって、しばらくしてまた出て来るから厄介。カウンターのワタシの領域になっている端が主な範囲で、ときどきはシンクの底に見かけることもあるし、テーブルの上を走っていることもある。それも一瞬前には何もいなかったところに、まるでわいて来たみたいに現れるから困る。あっと思って拳骨で叩いても、ワタシの拳骨が柔らかすぎるのか、追い回して何回も強くたたかないと死んでくれないし、素手で潰すと言うのも何だかなあ。ここはとひと工夫が必要だなあと思案投げ首していたら、頭の中に100ワットの仮想電球がぽっ。そうだ、蝿取りテープの要領で、蟻んこ退治の秘密兵器はマスキングテープだっ。適当な長さのテープの両端を、手にくっつかないように折り込んで、蟻んこを見つけたら上からペタッ。ちょっと抑えてテープを剥がして、次の蟻んこの上にペタン。いつでも出動できるようにテープをカウンターの端にちょこっと貼っておいて、蟻んこを見つけるたびにペタン、ペタン。手が汚れないし、蟻だらけになったテープは2つ折りにして密着させて、ゴミ箱にポイ。あはは、簡単、簡単。



ルーフデッキやバルコニーにはいつも蟻がうろうろしているけど、デッキのコンクリートタイルと建物の壁との間のギャップにはときどき蟻の巣を破壊する泡状の薬剤を注入しているし、バルコニーの蟻には蟻キラーを直接スプレーしているので、時たま何匹かポットに付いて入って来るくらいで、大挙して侵入して来たことはないし、「目視検査」をやってもその兆候がない(外の蟻も最近めっきり減った)ので発生源はどこか別のところじゃないかと思う。たぶん、先月だったか中庭の向こうの低層棟のどこかで蟻が大発生して駆除会社を呼んだそうだし、蟻が走り回っているカウンターの行き止まりが最近大掃除をしたキッチンの共用排水管が通っている壁なので、シンクの中にも排水口の辺りを走り回っていたことからして、そのあたりが発生源かもしれないな。区分所有のマンションは所詮は「生活空間」を大量生産して不特定多数の客に売る「商品」なわけで、いたるところに目に付きにくい隙間や穴があるからね。まあ、朝にテーブルの上で3匹ほど捕獲してから、ずっと姿が見えないので、もしかしたら蟻んことのいたちごっこは一応終息ってことかな。そうだといいけど。

午後には、朝ご飯に欠かせないバナナや牛乳を切らしたので、あっつぅ~い中を4日ぶりに買い物。野菜はたっぷりあるし、主食もフリーザーの在庫調整モードなので、切らしたものとなくなりかけているもの他はポイントを使って(セールやポイントで買えるときだけ買う)チョコレートやクッキーの類で、全体に35%オフ。晩ご飯はフリーザーにあったとっときのビンナガとサーモンで刺身。ずっと大根が手に入らないのでスライサーで紐状にしたコールラビをツマにして、残っていた雷きのことユキザサをさっと煮て付け合わせ。アサリの吸い物を添えて、暑い日の晩ご飯としては、うん、なかなかのご馳走だな。




午後6時過ぎ・・・


猛暑だけと何とか涼しく過ごそう

2022年06月27日 | 日々の風の吹くまま
6月26日(日曜日)。☀☀☀。うっ、今日も朝からあっつぅ~いぃっ。きのうは高温注意報だったのが今日は警報に格上げされていて、8時ちょっと過ぎに起きたときには、外はもう24度。寝る前に(いつもは上げたままの)オフィスとダイニングのブラインドを下ろしておいたので、中にいる限りは比較的快適。断食明けで、ざっと24時間ぶりの朝ご飯を食べて、さて、今日は掃除の日。カレシがウォーキングは晩ご飯の後にしようと言うので、ダスターかけ、掃き掃除、モップかけと中断なしですいすい。

暑いときは、直射日光が入らないバルコニー側のキッチンとレクルームのパティオドアを1日中開けて涼しい風を入れ、後は回って行く太陽が高くなって直射日光が窓際にしか当たらなくなるにしたがって、一番先に日が陰る寝室から、オープン形式になっているダイニング、次にリビングとブラインドを上げ、窓/パティオドアは初めのうちは熱い空気がどっと入って来ないように細目に開け、窓/ドアに日が当たらなくなったら大きく開けて室内の温度を調節。ただし、オフィスの2面の窓壁が出会う隅(ワタシのコーナー)だけは、外のコンクリートタイルの照り返しもあって、太陽がリビングの上の階の陰に入る正午まではブラインドを下ろしたまま。それでもシーリングファンからのふわっとした涼気で(ガラスは熱くなっているけど)けっこう快適。要するに、午前5時ちょっと過ぎの日の出から午後2時くらいまでは直射日光の熱気との戦いのようなものだけど、これもリタイアして1日中在宅だからできることかな。

正午に28度(室内は25~27度)。ルーフデッキに出るとさすがに暑い。こういう日は熱くないランチが一番だから、うん、ひやむぎなんてどうかな。隣のバーナビー市の日系センターにある日本食品店がオンラインで注文を受けて配達すると聞いて、さっそくサイトを開いて見て、あれこれと注文したひとつがひやむぎ。ずいぶん長いこと(めったに日本食材を買いに行かないので)見かけなかったから、おお久しぶりだぁとさっそく注文したもので、茹でるのにパックを開けてみて、何だか子供の頃に食べていたのより太い感じがするなあ。そういえば子供の頃の冷や麦には必ずピンク色の麺が何本か入っていたけど、これはそんなのは入ってない。ま、それはどうでもいいけど、薬味は何がいいかな。刻みネギやおろし生姜、焼きのりあたりが定番として、シソなんかどうかな。と、カレシが育てているシソの葉を採りに出たら、あら、花芽がいっぱい。まだ花を咲かせる時期じゃないだろうに、ということで花芽を片っ端から摘み取って、下の方にいつの間にかできていた種も摘んで、今日の薬味。ついでにチューブに入った刻み柚子も添えて、超久しぶりのひやむぎはちょっぴりご馳走風。





シソの葉を摘みながら、バルコニーを見渡したら、カレシが種を蒔いたマリゴールドがたくさんきれいに咲いていて、プランターの端っこには、あっ、今年もお客さん。なぜか知らないけど、3、4年前から、種を蒔いてもいない、苗を植えてもいないキンギョソウがあちこちのプランターに生えて来て、去年なんか1ヵ所にまとめて植え替えたら、大きなプランターにぎっしり。残念ながら冬の大寒波で全滅してしまったけど、ほんとに見事だった。それがまた生えて来たわけで、たぶん自然に落ちた種が土の中で冬越ししたんだと思うけど、前の年のは種を風が運んで来たのか、それとも鳥が持って来たのか、「飛来経路」は未だに謎のまま。去年ケールが生えて来てびっくりした鉢には今年はオダマキが伸びて来て花を咲かせてまたびっくりしたし、ほんと、高層マンションのバルコニー園芸はこれだからおもしろい。さて、午後4時、暑さがピークに近づく時間・・・。



電力消費が少なくて環境にやさしい猛暑対策

2022年06月26日 | 日々の風の吹くまま
6月25日(土曜日)。☀☀🌤。おおっ、あっつぅ~いっ。予報の通りに夏、満開。思えば、「ヒートドーム」という現象で前代未聞の猛暑が続いたのは去年の今ごろだったかな。内陸のリットン村がとてつもない最高気温を記録した翌日に山林火災に襲われて短時間でほぼ焼失したのもあのとき。廃墟になっていた村の再建が今年の秋には本格化するらしい。去年は高温と乾燥のためにあちこちで大規模な山林火災が起きていたけど、今年は春に続いた低温と大雨のせいでまだ問題になっていないのは不幸中の幸い。

あの猛暑では熱中症で600人以上の死者が出て、その3分の2は70歳以上のシニアで、基礎疾患があってしかも風通しの悪いアパートにひとり住まいだったそうで、それを教訓に政府は早くから熱中症予防策の周知を図ったり、冷房のある避難センターを指定したり、エアコンやクーラーの設置を奨励したりと対策を講じている。それを受けてか、ラジオからは盛んにエアコン業者のコマーシャルが流れて来るけど、戸建てならまだしも、高層マンションやアパートはどこも壁に穴を開ける必要のあるエアコンの設置を認めていないのが現状。何十年も前の最初のマンションブームの頃に雨漏り事故が多発して甚大な被害が出たことが未だにトラウマになっているという話だけど、コンクリートの壁に穴を開けて、しっかり防水処理をしてとなると、工費そのものが高くなりすぎるんじゃないかな。その上、今飛ぶように売れているというポータブルエアコンなどは室外機による集中冷房の10倍の電気を食うそうだから、政府が奨励するからっておいそれと買いに走るわけにも行かないだろうな。それに、エアコンがどんどん普及して、暑くなるたびにガンガンかけていたら、電力供給を増やさなければならなくなるし、結果的に気候変動に拍車をかけて、地球はますます暑くなってしまうんじゃないかと思う。

そこのところを指摘されると、それじゃあどうすればいいんだってことになるけど、今日の新聞に建築家の意見を中心にした一考に値する記事があって、我が家の状況と重ねて、なぁ~るほどっ。市街地では日陰を作り、水分を蒸発させて大気を冷やしてくれる樹木をたくさん植えて、建物の外壁や道路の表面などを白系統にして日光を跳ね返し、庇で日差しを遮り、住宅や商業ビルは新築や改装の設計段階でエネルギーを使わない「エアコン」方式を取り入れるというもので、例として挙げていたのが、自然な風通しやシーリングファンの利用、輻射式床冷暖房システム。風通しとシーリングファンはまさに我が家の環境そのもので、去年の猛暑のときにニューウェストミンスターで42度だった日でも、太陽を追うようにこまめに窓を開け閉めして回って、金魚鉢のオフィス以外は意外と快適に過ごせたから、効果のほどは実証済み。オフィスではダイソンのタワーを中ぐらいで回し、夜寝るときは大きなボウルにいっぱいの水を凍らせて、そばでダイソンの扇風機をゆっくりと回して冷気をベッドの方へ送ってしのいだけど、最後的には風通しの良さにかなり助けられたっけ。、

我が家は幸い東角にあるので、元々西日が入らないし、ルーフデッキに沿った主寝室とダイニングは大きなパティオドアがあるので、少ししか開かない窓だけの上階と違って、ドアと窓の開け閉めだけで風通しは抜群。さらに、奥行きの深いバルコニーは上階のが庇の役目をしてキッチンとスペアの寝室(レクルーム)に直射日光が差し込むのを遮ってくれるから、レクルームなんかカレシの避暑ルームになっているくらいで、夜になっても暑いときはパティオドアを少し開けておいて涼しい風を入れることができる。さらに、去年の改装の時にリビングとオフィスの天井の照明を照明付きのシーリングファンに替えたので、猛暑対策はばっちり。シーリングファンは夏と冬で回転方向を変えて空気を上下に対流させるので、床に置いた扇風機をガンガンかけるのと違って、肌にも優しい感じがする。ま、このヒートウェーブ第1号もあと2日だけらしいから、とってもエコな冷房で快適に過ごそうっと。


リビング(3段変速)

オフィス(6段変速)


夏が来ると劇団の舞台裏が忙しくなる

2022年06月25日 | 日々の風の吹くまま
6月24日(金曜日)。☀☀。まだ暑くはないけど、やっと夏だなぁという感じの天気。バルコニーのトマトには開いた花が3つになって、ルーフデッキのイチゴも何となく色づいて来そうな色合い。高温注意報発令中のニューウェストミンスターの予想最高気温は、今日は25度、あした30度、日曜日29度、月曜日には31度で体感温度が37度だそうだけど、火曜日には21度に急降下。北国の短い夏と言う表現があるけど、これじゃあいくら何でも短すぎだよね。ウォーキングには半そでのTシャツのまま上着なしで出かけたけど、まだあまり暑くなっていないので、むき出しの腕に当たるそよ風がとっても快適。

ほんとに気持ちがいいので、リビングの2つの窓を開けて風通し。あまり大きくない縦の押し出し窓で、安全基準でそうなっているのか、20センチくらいしか開かないけど、風通しにはちょうどいい角度。金魚鉢のようなオフィスは我が家で一番暑い部屋なんだけど、去年取り付けたシーリングファンは羽根が長くて、最低のスピードでも冷却効率が抜群なので、今日のところはまだ不要かな。そのオフィスでランチの時間まで今日の「やることリスト」の消化。まずはクレジットカードの支払いで、カレシ名義でワタシが家族カードを持っているもので、日常の生活費の支払いに使っているので、請求書にはスーパーと肉屋と酒屋がずらり。でも、買い物に行く回数を週2回に減らしたら、ほぼ毎日のように買い物に行っていた頃と比べて毎月の請求額が3分の2に減って、物価の上昇でもまだ目立って増えていないから、我ながら感心。晩ご飯の主食の量を減らしたのも寄与しているかもしれないけど、スーパーに行く回数が少ないと、容量の大きなトロリーでも必要なものだけでいっぱいになって、引っ張るのに苦労するほど重くなるので、よけいなものを衝動買いできなくなったのが大きいと思う。節約を意識せずに節約になっている感じで、ストレスがないのがいいところ。

やることリストのもうひとつはArts Clubの来シーズンのチケットの一部を変更すること。劇場3つでの1シーズンの上演作品全13本のオープニングナイトのチケットを買ってあるんだけど、3月末からグランヴィルアイランド劇場で始まる作品のオープニングが4月5日で、その日はArts Clubのリバークルーズで不在。そこで帰って来てからの日を選んで交換してもらうことにして、カレンダーとにらめっこ。時差ぼけ解消を勘案すると、最後の1週間ということで、じゃあ水曜日。と思ったら、その日はスタンリー劇場で別の作品のオープニングナイト。それじゃあということで前の日の火曜日。ちょうどワタシの75歳の誕生日だから、近くのお気に入りのレストランでディナーをしてってことで、うん、ディナーとお芝居なんてけっこうロマンチックじゃないの。日にちを決めたところでVIPのページでオンラインで変更しようとしたら、何と「席がありません」。うは。来年の4月の話だってのにと、VIP担当のアリシアに赫々云々とメールしたら、「まだ一般に発売していないからデータが入っていないの」という返事。なぁ~んだ、ワタシの勇み足か。

でも、アリシアが即行でチケットを変更して、メールで送ってくれたので助かった。まだ売り出していないから、席も同じ。ADCは一定額の寄付をすることでメンバーになれるArts Clubの後援者の中核グループなので、シーズンを通して買うVIPチケットは「プレミアム+」という一番いい席なんだけど、スタンリー劇場だけで5作品だった今シーズンは3つの劇場全部でシーズン中ずっと同じ席。コロナで劇場が閉鎖されていた間も変わりなく寄付を続けたADCメンバーを優遇するためだそうで、周りにADCの仲間たちがいて大いに気に入っていたので、更新すれば毎シーズン同じ席というのは、何か劇場に「私たちの席」があるという気分でうれしいな。チケットを確認していたら、今度は遺言書にArts Clubへの遺贈を入れた後援者のLegacy Circle担当のエリナーから電話で、今年10月の「Planned Giving」キャンペーンに使うメンバーの写真とビデオの撮影は来月18日正午からスタンリー劇場で予定とのこと。まだ『Kinky Boots』の公演中なので、ステージに上がってセットを間近に見られるのが楽しみ。夏は次のシーズンに向けての舞台裏での準備活動が活発になる季節。忙しくなるぞぉ。気温が上がって来て、コクィトラム山の風貌も、てっぺんにちょこっと雪を残しただけの夏姿・・・。


2月21日

4月6日

5月8日

5月19日

6月2日

6月24日


窓拭き完了/北と南に買い物に出ること2回の忙しい日

2022年06月24日 | 日々の風の吹くまま
6月23日(木曜日)。🌤☀🌤⛅☀。何だかほんとに暑くなりそうな感じがするけど、外に出るとまだちょっと冷気が残っているという皮膚感覚かな。予想最高気温は、明日24度、土曜日29度、日曜日も29度、月曜日30度で、火曜日に26度で「熱波」はおしまいで、水曜日はすとんと17度に下がって雨。もっとも、1週間先の予報は当たる確率が低いから、そんな極端な下がり方はしないんじゃないかな。コロナの制約が解けて初めての夏休みで、これから2ヵ月は子供たちにとっては2年の遊びのブランクを取り戻す時なんだから、何とか夏らしい天気が続いてほしいもんだな。

ウォーキングに行っている間にルーフデッキにまたローブが下りて来ていたので、マンション外側の窓拭きは今日が最終日らしい。ルーフデッキは北東側に面しているのは3LDKの我が家と2LDKの隣だけで、共に角部屋。その上に清掃の対象になる窓壁が2フロアだけあり、最上階は大きな庇が突き出ているバルコニーというめんどくさい構造だから、デッキに降りて屋上のポンプにつないだ黄色いホースと太くて長い柄のブラシを使って洗うという作業になるので、いつも最後。我が家のデッキは東北側だけだけど、L字型の隣は東北側と北西側の端から端までぐるっとルーフデッキ(面積は90平米超!)で、おまけに最上階は小さなバルコニーしかないので、洗うのは4階のうちの上3フロア。下から最上階の窓にブラシを当てるには相当な筋力が要りそうだけど、スパイダーウーマンは「ガラスにブラシを当てれば、後は上下に動かすだけですから」。う~ん、それでも3階上の窓洗いは大変そうだけどな。上からの汚れた水がかかるので、清掃の対象外の我が家のガラスもざっと洗ってくれて完了。ありがとう。屋上に直接上がれないので、いったんロープで下まで降りてから屋上に上がってロープを回収。ごくろうさまでしたぁ。おや、青空におもしろいパターンを描いているふわふわの白い雲は何雲と言うのかな。







明日は午後いっぱい引越しがあってエレベーターが断続的に止まるので、今日は3時からのマーケットに行く前にまず早めの買い物。今週はボーナスポイントが(税抜きで)1万7千円ごとに2600点なので、商品をレジかごに入れるたびに頭の中でそろばんをパチパチ。よけいなものを極力買わずにぎりぎり最低の金額でまとめてボーナスポイントをもらおうという、まあゲームみたいなものかな。重さで売る野菜類がないとけっこううまく行くもので、今日は〆て1万7700円。やったぁ。液体が多くてやたらと重いトロリーを引っ張って帰って来て、パントリー、冷蔵庫、フリーザーに分けて収納して、ひと息ついて今度はトートバッグを持って逆方向のマーケットへ。今日はケイラのスタンドで遊びに来ていたお父さんが手伝いをしていて、初めましてぇ。カレシ注文のラディッシュとふさふさしたコリアンダーと長い万能ねぎと初物のかわいいパティパンかぼちゃ(ワタシの大好物)。朝ご飯のトースト用のブリオシュローフも買って、けっこう暑くなって来た日差しの下を大汗をかいて帰宅。

今日は3回も外に出たから、ワタシのウォーキングはきっと1時間以上だな。ちゃんとウォーキングシューズを履いていたので、寝てから股関節が痛くなることもなさそう。股関節は重いトートバッグを担いで買い物をしていた頃に傷めたようで、早足でのウォーキングでも痛むようになったので、普段履きの靴から専用の靴に替えて対処。これだけは寄る年波というところかな。もう4ヵ月も止まったままのエレベーター1号機は、ドイツで組み立てた新しいモーターがこの週末にバンクーバーに到着する予定だそうで、取付け作業は1週間から10日ということだから、あと少しの辛抱か。もっとも8月末の分までの引越しの予定を貼り出してあるので、すべては「予定通りにうまく行けば」ってことだけどね。晩ご飯が終わったところで、ふと外を見たら、雨が降ったわけでもないのに虹が出ているじゃないの。北の端の方からだんだんに南へ伸びて行って、ほぼ完ぺきなアーチ。雨が降らなくてもきれいな虹がでるなんて、何かいいことでもあるのかなあ。



2桁インフレが迫る中で勝手に育ってくれる野菜に感謝

2022年06月23日 | 日々の風の吹くまま
6月22日(水曜日)。⛅🌤☀。夜の間はかなりの雨が降っていたようだけど、朝は暖房が入っていなかったし、起きてからだんだんに晴れて来て、何だか天気の変わり目という感じ。きのうは27度になっていた日曜日の予想最高気温がまた29度に戻っていて、おまけに高温注意報発令中。ただし、金曜日から火曜日までのことだそうで、来週の水曜日にはまた20度前後に戻ると言う予報。でも、よく考えると、ワタシが若かった頃は真夏でも気温が25度を超えることはあまりなくて、快適でいいなあと思っていたっけ。毎年のようにあっさり30度を超えるようになったのは今世紀に入ってからのような気がする。



いつまでも低温が続いたおかげで、バルコニーもルーフデッキもプランターに植えた野菜の育ちが遅くてやきもき。でも、今日はバルコニーのトマトの鉢にぽっちんと黄色い花がひとつ。おお、トマトの花の第1号だっ。カレシが腐りかけていたミニトマトを土の入ったポットの上に放置していたら、しっかり根が生やしたので、そのままにしておいたら芽が出て、葉が伸びて来てびっくり。ちゃんとした鉢に植え替えたらどれもどんどん伸びてつぼみを付け始めたからまたびっくり。花が咲いたと言うことはミニトマト2世ができるのかな。ルーフデッキでは、プランターや大鉢に去年収穫しそこなったホウレンソウやレタスやパセリが花を咲かせて種を蒔いて、勝手に芽を出して育っているので、園芸ルームで育てて植え替えたレタスと一緒に摘み菜として収穫。去年植えたコリアンダーもまた勝手に伸びて来ているし、いたるところにケールが生えているし、バルコニーでは植えた覚えのないミントがすくすく。ま、勝手にただで育った野菜を採りたてで食べられるのが、カレシの「びっくり玉手箱」式園芸のいいところ。

世界中でインフレのニュースが溢れているけど、カナダでも物価指数は先月5月に前年比7.7%上昇して、BC州だけを見ると8.1%で40年ぶりの高水準。その前の4月には6.8%だったから、インフレが加速しているという感じだな。ガソリンは何と48%も値上がりしたし、食料品もほぼ10%アップで、そのうち食用油は30%、野菜や魚はそれぞれ10%と11%で、値上がりのペースが遅いのは肉類だけ。乳製品も生産者価格の引き上げで、これからぐんと高くなりそう。来月からは75歳以上の老齢年金が10%引き上げになるけど、満額でも7万円以下だから増えたと言う実感はないだろうな。ラジオからは政府系の労働組合や教員組合が「賃上げで報いるのにふさわしい仕事をしている」と盛んにアピールしているけど、今年はスト続発の年になりそうだな。私たちが揃って州政府の公務員だった1980年代初めも2桁インフレで、2桁の賃上げを要求してストをしたっけ。同時に2人とも収入がなくなって、家のローンが払えなくなったら大変だと、ストの真っ最中に民間に転職先を見つけて、スト明けの初日に退職願いを出して上司を泣かせたワタシ。あの時の転職でワタシのキャリアの方向が変わった結果として今の悠々自適のリタイア暮らしがあって、今のところインフレを傍観していられるわけで、人生って、長い間にどこで何がどう転ぶかわからないもんだな。

暑くなる前触れなのかどうか知らないけど、今日の空の雲は白い雲、灰色の雲、黒い雲が入り乱れて、動きが忙しないもので、1日中カメラを持ってうろうろ。何と75枚も撮ってしまった。夕方になって、南の空を遠くの山並みに沿って一列縦隊で進む雲の子供たちがかわいいね。ほんとに雲の表情はいつ見ても見飽きることがない。日没は午後9時20分。まだたっぷりと雪を被っているベーカー山がピンク色に染まって、あしたはいい天気になりそうだな。





今日の窓拭き作業はスパイダーウーマン

2022年06月22日 | 日々の風の吹くまま
6月21日(火曜日)。⛅🌦⛅☁🌧。夏至。けさは暖房は入っていなかったけど、相も変わらずしょぼんとした空模様。ほんとに夏が来るのかなあ。週末の予想最高気温もきのうは29度とか言っていたのに、けさ見たら27度。明日の朝に見たら26度、あさっての朝には25度になっていたりしてね。何だかガソリンの値段みたいだな。きのうから1リットル218円。その前は1週間くらい222円のままで、朝と晩でくるくる変わっていたのがまるで嘘みたい。一時は234円まで行って、すわ240円になるっと大騒ぎしてたのにな。ま、このまま喉元過ぎれば何とやらになるのかどうかは神のみぞ知る。我が家の車はまだ180円のガソリンで走っているけど、次に給油する頃にはいくらかなあ。

マンション外側の窓の清掃は今週いっぱいの予定。その日の天候によってどの側を拭くかが決まるから、業者が来るまでは誰にもわからないので、お知らせには「プライバシー保護のため、清掃期間中はブラインドを下ろしておいてください」と書いてある。まあ、気にならない人が多いと見えて、外から見上げるとブラインドが下りていない窓がけっこうたくさんあって、1日中在宅の我が家もしかり。ウォーキングから帰って来たらルーフデッキに屋上から下げたロープがとぐろを巻いていたので、へえ、今日はこっち側か。でも、窓壁は我が家の責任だし、上の3フロアは中途半端なのでいつも日程の最後になるから、今日の掃除はデッキの手すりのガラスの外側と下の階の窓ということ。しばらくして、道具の入ったバケツと一緒にロープでするすると下りて来たのは、うわっ、小柄な若い女性。髪の毛をポニーテールにして、ヘルメットの縁には日除けのつばを付けて、年の頃は20代半ばかな。

まあ、今どきはどの業界も人手不足で頭を抱えているから、女性にとってはこれまで男の牙城だったいろんな業界に進出する絶好のチャンスだと思うな。女性のバスの運転手や警察官は昔からいたけど、性差別の撤廃が進んで来た今では大型の長距離トラックを運転する人もいれば、工事現場で重機やクレーンを操作する人、工務店を開業して住宅の改装やペンキ塗りなどを請け負う人がいて、女性活躍を身をもって実現しているからすごい。だから、高層ビルの窓拭きが男性でなければならない理由もないわけで、筋骨隆々のばか力が必要な作業じゃないんだから、高所恐怖症でもない限り、女性にできないわけがないよね。たしかに、腰のベルトにはたくさんのカラビナや道具の入ったバケツがついていて、腰痛にならないのかなと思ってしまうくらい重そうだけど、よく見ていると、スパイダーウーマンは慎重に装備を点検して、あちこちにカラビナをひっかけて、とぐろを巻いているロープを担いで手すりを乗り越えてと、スパイダーマンよりていねいな仕事ぶり。手すりの外側は30センチほどの庇になっていて、まず端から端まで歩いて手すりのガラスをきれいにしたら、足から先にそろそろと降下。姿が消える前にコンピュータの横から見物しているワタシに気づいて手を振ってくれたので、ワタシも手を振って挨拶のお返し。がんばって。

ランチはきのう焼いておいたベーコンとポーチドエッグで「ベーコンエッグバーガー」。きのうヴィクターが「サンプルだよ」と(たぶんこごみのお返しとして)自家製のサワークラウトをくれたので、ちょっと味見をしてみたら、おお、おいしいったらない。漬物やピクルスをあまり食べないワタシがもうひと口食べてしまったくらいのおいしさ。カレシのところへ持って行ったら、ひと口食べたカレシも「これはうまいっ」。ということで、ポーチドエッグの下にサワークラウトを入れて、ベーコンエッグサワークラウトバーガーの誕生。ほんと、ワタシが苦手とする酸味があまり強くなくて、常備しておいてときどきつまみ食いしたくなるような、実にいい味わい。店の奥で作って、大中小の容器で量り売りしているので、この次に行ったら、大きい容器で買って来ようっと。Buy local、地産地消はおいしくて最高。


電気料金に見る異常気象/レジ袋や使い捨てのプラスチック製品がなくなる

2022年06月21日 | 日々の風の吹くまま
6月20日(月曜日)。🌥☁🌤。また月曜日。今日は公式の「春」の最後の日で、明日からは「夏」。なのに、まだ朝方や夜遅くに暖房が入るから呆れる。ラニーニャが頑固に居座っているからだそうで、もしかしたら来年に入るまで消滅しないかもしれないと言うから、いやになっちゃうなあ。それで、世界のあちこちで炎熱地獄になっているのに、カナダだけは異常低温なんだって。もしかして農作物に影響が出るなんてことになったら、どうするんだろう。やぁだ、もう。だけど、予報によると金曜日からいきなり「猛暑」になって、土曜日、日曜日の予想最高気温はそれぞれ28度、29度。でも、週明けにはまた20度になるかならないかのしょぼい夏に戻るらしい。んったく、もう。もっとも、みんなその日になって暑かったら信じてもいいという態度で、はて、どうなることやら。



今日はロビーの郵便箱に市役所からの電気料金の請求書が入っていて、4月14日から6月9日までの57日分の使用量が2011kWhで、1日当たりにすると35.3kWh。去年もおととしも同じ期間には25kWhだったから、今年はずいぶん増えているわけで、こんなところにも異常低温ぶりがはっきり。どう考えたって、6月半ばを過ぎても朝夕に暖房が必要だなんて前代未聞のことだと思うもの。まあ、これも気候変動のひとつの「症状」なんだろうけど、雪解けの遅延による河川の増水と水温の低下は、BC州の海域に棲むサケなどの海洋生物にとっては願ったり叶ったりなんだそうで、今年はサケが大挙して遡上して来そうだと言う話。人間さまにとっては河川の氾濫の方が心配で、まだ喜ぶわけには行かないけどね。

気候変動と言えば環境汚染と裏表で、プラスチック汚染が問題になっているけど、カナダ政府はやっとポリスチレンやポリエチレンの使い捨てプラスチック製品の禁止を発表。スーパーのレジ袋やファストフード店などのテイクアウト用のフォークやスプーン、ナイフの類や容器、ストロー(曲がるものは障碍者向けに限って除外)やマドラー、缶ビールなどのパックのリングは軒並み禁止の対象になって、まず今年の末で国内で使用するための輸入と製造が禁止になり、次に来年末に国内での販売が禁止になり、2025年12月には輸出向けの製造と販売が禁止され、缶ビールパックのリングだけはそれぞれ半年の余裕が与えられるという日程。つまり、来年いっぱいでレジ袋がなくなるし、フードコートからフォークやナイフ、スプーンが消えるし、ストローでドリンクをチューチューやりながら歩くこともできなくなるってこと。でも、レジ袋(スーパーではすでに有料化)は自分のエコバッグを使えばいいんだし、フォークやナイフは堆肥にできる木製に替えればいいんだし、テイクアウトの容器だって防水加工した紙のものがあるんだし、スーパーでは紙のストローを売ってるんだし、別にパニックになることもないと思うけどね。あ、ビール缶のリングの代替品はちょっと考えものかな。

午後はショッピングトロリーを引っ張って買出しツアー。まずは角の酒屋でワタシのムッシュ・ヘネシーを2本と料理に使う赤ワイン1本買ってから、スーパーへ。オレンジジュースと牛乳、セールになっていたオリーブオイルを2本、肉売り場は素通りして、魚売り場で鮭1パック。野菜売り場は朝ご飯のバナナだけで、後はランチ用の冷凍食品やミューズリやカレシのココアと、いつも買うもの他にカレシ注文の紙ポット入りのバジルとディルを入れて、レジで開口一番に「ノーバッグ」。レジ台の端にトロリーを置いて、商品をスキャンするのと詰めるのとどっちが早いか。レジ袋がなくなっても全然困らないよね。買い出しツアーの最後はヴィクターのお肉屋さん。お父さんがカウンターの向こうで黙々とソーセージを詰めていて、ヴィクターは「ワイフが注文を伺います」と、かわいい奥さんにバトンタッチ。ふむ、どうも新婚さんという感じだなあ。土曜日にマットが届けてくれたこごみをプレゼントよぉと上げたら、「こんなにたくさんっ」と嬉しそう。きっと料理上手だな。マットがわざわざ寄って届けてくれるのでつい買い過ぎてしまうからおすそ分けよと言ったら、お父さんもカウンターの後ろから「ドゥジェトビヂャクユ」。はい、ブォドゥラスカ。今日はジューシーな鶏の胸肉と脂身ゼロのシチュー用の牛肉とシュニッツェル用の豚肉とミックスオリーブを買って、持参のエコバッグに入れてもらって、ずっしりと重いトロリーを引っ張って、買い出しツアーはおしまい。ああ、肩が痛い。


掃除が済んだらのんびりおいしいものを食べよう

2022年06月20日 | 日々の風の吹くまま
6月19日(日曜日)。☁☁⛅。断食明けはなぜか早起き。前の夜にオフィスを閉めてから、寝酒だ何だとぐずぐずしていないで、さっさと寝てしまうからかな。普通より30分は早寝しているから、起きるのも30分早起きと言うところ。起き抜けに秤に乗ったら、ほんのちょっとながら前回の断食明けの体重より少なかったので、ほっ。けさのバルコニーの気温は13度で、寝室もリビング/ダイニングもオフィスも、最低レベル(炎マーク1本)ではあるけど、6月後半だと言うのにヒーターが入っていたから、びっくりするやら、がっかりするやら。あさっては公式に夏が始まる夏至なんだけどなあ。マットはきのこや山菜の収穫期が延びて喜んでいたけど・・・。

早起きすれば、朝ご飯が早く終わって、はやく掃除にかかれるので、ウォーキングにでかける10時までにはダスターかけからモップかけまであっさりと完了。バスルーム担当のカレシがトイレの蓋とシートの蝶番のあたりの汚れを見落としていたので、ついでにささっと掃除。カレシは「目に見えないものは存在しない」という思考回路らしくて、トイレの蓋とシートを上げると蝶番の周辺はその後ろになって見えなくなるので、汚れは掃除されないままになるわけ。どこかに置き忘れたものを探す時もその調子で、上にペーパーや本を積み上げると見えなくなって、カレシとしては見えないんだからそこにないってことで、見えているものの下にあるかもとは考えないから、すぐそばに立っていても探し物は見つからない。昔からそうなので、思考回路がそういう配線になっているということで、ボケて来たってわけではなさそうだから、ま、いっか。だいたいは、なぜか意識せずにいろんなものに目を留める習癖があるワタシが、どこそこにあるよぉと教えるか、あちこちにカレシが無造作に置いたものの下を覗いて回って見つけてあげるかのどっちか。こういうのを割れ鍋に綴じ蓋っていうのかな。

ランチは久しぶりに脂身を切り取った小さいリブアイステーキとアスパラガスを加えたちょっと贅沢なビーフ&バーリー・スープ。今日は買い物に行かないので、晩ご飯用にフリーザーにあった鶏の胸肉を解凍。カレシがちょっと早目にマティニを作ったので、キッチンカウンターの反対側に作った「バー」のスツールで自家製のグラヴラックスを肴にのんびり。世界中で旅行者の足が大混乱している話から、なぜか日本に旅行する話になって、そこから友だちを集めて「同窓会」をやりたいねという話に発展。年齢を考えると会えるのはこれが最後になりそうだからと、釧路ではワタシの小学校時代からの友だちと、東京ではワタシの仕事の関係で親しくなった友だちと、リストがどんどん長くなって、しまいに「一世一代のグランドツアーだな」とカレシ。でも、来年はクルーズが2つあるから、早くても再来年になるけど、そのときにはワタシは76、カレシは81だから、日本へ行って友だちや家族と会うのはほんとに最後になるかもしれないね。今からぼちぼちと計画を立ててみようかな。

マティニタイムが終わったら、晩ご飯のしたく。きのうマットが持って来てくれた山菜と雷きのこの袋を眺めて、よし、ぐっとシンプルにきのことユキザサを鶏肉と炒めてみよう。味のデリケートな山菜はシンプルに料理するのが一番。きのこは手で適当に裂いて、ユキザサはザクザクと切って、胸肉もサイコロに切って、オリーブ油で炒めて、マットの会社で作っているアッケシソウと松茸の塩味調味パウダーで味付け。サロマ湖のような汽水域で育つアッケシソウは自然にマイルドな塩味なので、メインの食材にすると塩を加えなくてもいいのがうれしい。そのアッケシソウを付け合わせにして、後はオリーブ味のライスを電子レンジでチン。白い雷きのこは見た目が鶏肉と区別できなくなったけど、確かにほのかに松茸のような味がした。半分残っているから、マツタケのレシピを応用してみようかな。



断食のため1日使わないキッチンを大掃除

2022年06月19日 | 日々の風の吹くまま
6月18日(土曜日)。🌧☁⛅☁。断続的断食の3回目。きのうのランチでチーズ入りでボリュームたっぷりのビーフディップをぺろっと平らげて、バカでかいスリーブに入って来たダークエールを飲み干したもので、ゆうべは体重がピンと上がって、当然けさは基礎代謝の1キロしか減っていなかったから、またとないタイミングの良さ。普通に朝ご飯を食べたら、後は明日の朝まで水だけなので、きのう増えた分だけでも減ってくれたら御の字かな。午前中にウォーキングに出て16分16秒。断食の日のウォーキングは速いから不思議。ゴール間近と言うあたりで、前を横切った犬というよりは狐かなあ、とよく見たら、コヨーテだっ。人やペットを襲うことがあるので、すれ違った犬連れの人に近くにコヨーテがいるから気を付けてと警告したけど、朝っぱらから街中の住宅街を堂々と歩いているなんて、やぁ~だっ。

ウォーキングから帰って来てもランチの支度がないし、晩ご飯も作らないので、朝ご飯の食器を食洗機にセットして、がら空きなのを利用してガスレンジの大きな五徳も入れてオン。去年の改装のときに、特に不都合もなく使い慣れているからと取り替えなかったので、前のオーナーの代からの油汚れが厚くこびり付いているから、断食の日ごとに食洗機で洗っていたら少しは汚れが剥がれるかと思ってのこと。で、重い五徳を取り払ったら、おや、バーナーの周りもけっこう汚れて来たなあ。というわけで、いつもは掃除の邪魔になる五徳が食洗機に入っている間に、バーナーキャップを外して、クリーナーとステンレスのたわしでごしごし、がりがり。キッチンペーパーで汚れを拭き取って、さらにキッチンスポンジで隅々までこすって、台ぶきんでしっかりと拭いたら、ピカピカになって気分もすっきり。やっぱりキッチンはこまめに掃除をするのが一番なんだよね。



レンジがきれいになったのに気を良くして、今度はシンクの掃除。改装で新調した大型シンクの底にはラックが敷いてあって、網目が交差するところに汚れが溜まるので、後片付けのときにわりとまめに掃除をするんだけど、縁やラックの足に被せてある硬質ゴムのキャップがどうしてもぬめって来てしまうし、シンクの底も曇ってしまう。そこで、ラックの上の部分を金だわしでごしごし、洗剤を付けたスポンジでごしごしとやって、裏返してまた同じようにごしごし。次にラックをシンクの中に立てて、ゴムのキャップを外してスポンジでぬめりを落として、ラックの足のU字形の部分に溜まっていたドロッとした塊を竹串で突いて取り除いて、ラックの足をスポンジで洗って、蛇口をスプレーにして熱湯で濯いで仕上げ。次にラックをシンクから外してカウンターに置き、シンクの中をスポンジとたっぷりの洗剤でごしごし。排水トラップの中も金だわしでごしごし。週末でやたらと熱いお湯をじゃあじゃあと盛大に流してシンク全体を濯いで、さっと台ぶきんで拭いて、ラックを戻して、はい、おしまい。こっちもピカピカになって、気分すっきり。



断食のときは軽く動き回っている方がおなかが空かないみたいで、せいせいした気分で今日の家事スペシャルは完了。そうか、食事の支度や後片付けがないおかげで浮いた時間を、こうやって普段なかなかやれないことに使えばいいんだよね。後はのんびりを決め込んでいたら、3時半過ぎにマットから「これからバンクーバーを出るから、30分くらいでそっちへ行くよ」とテキスト。今日はこごみやアッケシソウの他に「雷きのこ」を持って来てくれることになっていて、「ちょっとマツタケ風の味」というので興味津々。落雷があるときのこが大発生するとか言う言い伝えがあるんだそうで、到着したマットにほんとなのか聞いてみたら、「そんなことはないと思うけど、雷が鳴れば雨が降るから、それでたくさん生えて来るんじゃないかな。まあ、きのこは不思議な植物だから、もしかしたらそういうこともあるかもしれないけどね」。なるほど。色が白くて、傘の上には稲妻みたいな模様があるような、ないような「雷きのこ」をどうやって食べようかな。今日はきのこの他に道端に出してくれたバスケットからこごみとアッケシソウとユキザサとクレソンをそれぞれビニール袋に詰めて、ポータブルの電子秤に載せて、値段を聞いてと、ワタシだけの道端マーケット。断食明けの明日はご馳走を作ろうかなあ。




年を取ると家族のつながりをもっと大切にしないとね

2022年06月18日 | 日々の風の吹くまま
6月17日(金曜日)。🌤🌤⛅☁。普通に起きて、普通に朝ご飯。9時半にカレシが臨時にコーチ役を引き受けたグループレッスンが始まってほどなくして、ドナからテキストメッセージで「今、ビジター駐車場にいるの」。お、眼科の診察が早めに済んだんた。今すぐ行くよぉとメッセージを返して、キーフォブとビジター用パスを掴んでエレベーターに突進。住人だけに発行されるビジターパスを提示せずにビジター用駐車場に止めると車を持って行かれるので、お客が来るとこれが出迎えの儀式。ドナはごく初期の加齢黄斑変性の症状があって、進行していないかどうかをチェックするのに瞳孔を開くので、ジムが運転手役。この2人は一緒に住んでいないけど、かれこれ30年近く事実上の事実婚。

しっかりエイリアンの目になっていたけど、ランチに行くパブが開くまでまだ時間があったので、カレシのレッスンが終わるまで3人でおしゃべり。リタイアしたばかりのドナが住まいで菜園を作るというので、バルコニーとルーフデッキでカレシの「菜園」を見ながら、鉢の話(細長いプランターより大きいプラスチックの丸い鉢が育ちがいい)、土の話(スーパーやコストコで売っている土は篩にかけていないから石っころや小枝だらけ)、トマトやニンジンの育ち具合の話。レッスンを終えたカレシがオフィスから出て来て、今度はカレシとドナ(話題はガーデニング)、ワタシとジム(話題はクルーズと演劇)でぺちゃくちゃ。ワタシより4つ年上のジムは小さいながら会社を興して経営して来たし、ワタシはフリーランスの自営業を回して来たので、一番ウマが合っても不思議じゃないな。道路向かい角のパブが開く時間になって、場所を移してビール片手にランチを食べながらぺちゃくちゃ。まあ、しょっちゅう会っていないから話が積もっているんだけど、それにしてもほんっとにまあよく続くもんだと感心するくらいおしゃべりな家族。

たっぷりしゃべって、おなかがいっぱいになったところで、駐車場でパスを返してもらって、じゃあまたね。パブでビールを飲むのもランチを食べるのもほんとに何年ぶりか思い出せないくらいに久しぶりで、楽しかったね。ランチがボリュームたっぷりだったので、晩ご飯は軽くていいなあとのんびり構えていたら、Arts Clubの「レガシー・サークル」の世話役エリナーから、10月に予定している遺贈キャンペーンの写真とビデオを来月撮れるかというメール。遺言書にArts Clubへの寄付を入れてもらおうと言う、いわば将来の寄付の約束を取り付けようと言うキャンペーンの広告塔になって欲しいという打診があって、二つ返事で引き受けちゃったので、パンフレットやプログラムに載せる写真とソーシャルメディアなどに載せるインタビューのビデオを撮影しようというわけ。サークルのニュースレターに寄稿した、私たちがArts Clubを2人とも逝った後の全遺産の相続人にするに至った経緯がおもしろかったので、それをインタビューの質問のベースにしたいんだそうな。ワタシって、何たる極楽とんぼ。でも、劇場ねずみのビデオデビューって、おもしろそうじゃないの。

晩ご飯は残っていたこごみとアッケシソウとプロシュットとマッシュルームで簡単にパスタ・プリマヴェーラ。アッケシソウは自然の塩味があるし、プロシュットも塩気が強いから、塩を入れる必要がないのがいいところ。材料を揃えて、マティニで乾杯したところで電話。トロントの弟デイヴィッドからで、カレシが生徒に送るテキストメールを打っている間、ワタシがぺちゃくちゃ。その後でカレシがぺちゃくちゃ。この2人の電話はいつも長いから、ワタシはのんびりと料理。今日は1日のうちに2人の弟とたっぷり長話。いいことだと思うよ。みんなどんどん年を取るんだから、今のうちだもの。うん、今日は中身の濃い、いい日だったね。さて、明日はまた断食の日・・・。


ドラァグクィーンも歌舞伎も異性を表現する芸能

2022年06月17日 | 日々の風の吹くまま
6月16日(木曜日)。☁⛅☁⛅。目が覚めたら、うはっ、もう9時過ぎ。よく眠ったもんだなあ。ゆうべが楽し過ぎたのかな。いや、ほんとに楽しかった。ちょっぴりだけおしゃれをして出かけて、おしゃれなクラブでのレセプションで後援者グループのADCの仲間とワイングラスを傾け、回って来るおつまみを摘まみながら、「コロナ前の良き時代と同じだなあ」と、ほんとにコロナ前にタイムスリップしたような盛り上がり。会場になった「バンクーバー・ローン・テニス&バドミントン・クラブ」は1897年創立の由緒ある会員制クラブで、元はテニスとローンボーリングたったのがテニスとバドミントンになっていたのは時代の流れだろうか。テニスコートは16面、バドミントンコートは6面、他にスカッシュなどのコートやプールがあって、夫婦なら入会金390万円で飲食を含む会費は月3万3千円(社交だけなら入会金230万円で月2万5千円)というから、ゴルフクラブと似たようなものかな。私たちには文化的にも縁がないけどね。





レセプションがお開きになって、三々五々スタンリー劇場へ。シーズンを通して同じ席なので、周りも同じ顔ぶれのADCのメンバーだらけ。私たちのすぐ後ろはイーディスとデイヴィッド、すぐ前はヒラリーとティムで、専務理事のピーターがオープニングの挨拶に登場するまで、親しい同士でぺちゃくちゃ。どうやら満席御礼のようで、偽チケットが出回っていたという前代未聞の大ヒット。実話を基にしたイギリス映画をミュージカル化したもので、音楽担当はロック歌手のシンディ・ローパー。倒産寸前の紳士靴メーカーを相続した青年チャーリーがひょんなことからドラァグクィーンのローラ(サイモン)と知り合って、彼らの体格を支えられる女物の靴を作って起死回生を図るという筋書き。そのローラを演じた役者は本物のドラァグクィーンで、サイモンとしてはまあ普通の男性なんだけど、いったんローラになるとそんじょそこらの女性には太刀打ちできそうにないような妖艶でパワフルな美女に変身するからすごい。共演のドラァグクィーンたちも惚れ惚れするような「美女」ぞろいで、1曲ごとに大喝采。

今でこそドラァグクィーンは芸能のひとつのジャンルとしてけっこう広く認識されているけど、スポットライトを離れて素顔になると、やっぱり何かと差別や中傷の的になって来ただろうな。でも、シェイクスピアの時代は男役者が女性の役を演じていたし、日本にも男だけの歌舞伎という伝統芸能があって、演じる「女形」そのものが芸能の一形式になっているし、近代になって女性だけで男性役も演じる「宝塚歌劇」が誕生したわけで、異性を表現すること自体が芸術、芸能として存在して来たのは、洋の東西を問わず基本的なsexism(性差別)が根底にあったからだと思う。男女同権が進んで同性婚が合法化され、男女を問わず同性カップルがどこにでもいる今では、大学の演劇科に講座ができていたりするくらいだし、本能的な違和感を持ち続ける人がいなくなることはないだろうとしても、この先はドラァグクィーンに対する世間の好奇の目も遠のいて行くだろうな。

ワタシ自身は子供の頃からよく「女の子らしくない」と言われて、一時はほんとは男の子じゃないのかと疑ったり、女らしさって何なんだろうと模索したことがあったので、、性的マイノリティに属する人たちの気持は普通の人たちよりわかっているつもりで、FB友の中には「ピーチ」の名で活動しているドラァグクィーン(本名では劇作家)がいるし、FB仲間にも実際の行き来がある友だち仲間にも同性カップルが何組もいる。まあ、演劇界にはマイノリティに属する人が多いこともあるだろうけど、ワタシは老若男女を問わず初めて会う人に違和感を持たない方で、違和感そのものがなければモヤっとすることもない。自分がラベル分けされるのが嫌いで(ラベルを付けた人たちが勝手に思い描く「ワタシ像」を具現することへの圧力を伴うことが多い)、会う人たちもそういう「先入観」なしでひとりの「人」として見るから、いろんな意味で他人との間の壁が低いのかもしれない。この地球上には実にいろんな「人」がいて、みんな違ってみんないいはずだもの。


日本で共同名義口座を作れないのは相続税があるからかな

2022年06月16日 | 日々の風の吹くまま
6月15日(水曜日)。⛅☁。こぶの日。今夜はArts Clubの短縮シーズン打ち上げのミュージカル対策『Kinky Boots』のオープニングナイトで、コロナ関係の制約がなくなったおかげで、劇場に近いバンクーバー・テニス/ローンボーリング・クラブで盛大なレセプションがあるから、朝からわくわく。これまでレセプションの参加者を劇場とレセプション会場の間で送迎してくれていたスポンサーの観光バス会社がコロナのせいで廃業してしまったので、直接会場に行って、レセプションの後は各自で劇場へ移動と言うことになっているけど、歩いてせいぜい10分の距離。前に同じクラブに集まったときには、親しいシニア仲間がまるで高校生の群れみたいにわいわいと劇場まで歩いたっけな。いつも車を止めるお屋敷町ショーネシーからも10分だから、出かけるのは5時20分前くらいでいいかな。「晩ご飯抜きで行ってもいいよね」とカレシ。うん、金持の会員制クラブだから、出て来るおつまみの類もけっこうリッチだもんね。

というわけで、今日のウォーキングは、車からレセプション会場(下り坂)、そこから劇場(平坦)、芝居が終わったら劇場から車まで(上り坂)の歩く時間で代用することにして、出かける時間までのんびり。それではと、ネットでまずは日本の大手新聞の見出しだけざっとながめて、購読しているThe GuardianとNew York Timesをじっくり新聞を読んで(長い記事が多いので時間がかかる)、それから小町横丁をそぞろ歩き。ごくたまにはなるほどと思うトピックもあるけど、タイトルを俯瞰した限りでは相も変わらず「~をもらえなかった」、「~してくれなかった」、「~された」、「~される」と期待外れに「もやもや」。誰かに自分を肯定してほしいという嘆願のような感じがしないでもないので、破格の数のレスが付いていればつい覗いてみることもあるけど、そうでなければ素通り。同じ社会環境にいなから役に立てそうにもないし、人生にはマニュアルなんてないし、あったとしもすぐに「旧バージョン」になるしね。

でも、ひとつだけ、住宅ローンに関するトピックがあったので覗いてみたら、「ペアローン」という聞きなれない一見外来語風の言葉が出て来て、何、それ。どうやら夫婦が一緒に住む家を買うのに、互いに保証人になって別々のローンを組むしくみらしいとわかってびっくり。何か「1階があなたのもので2階が私のもの」みたいなイメージだけど、ちょっと調べてみたら、日本で住宅ローンを組むのはかなり複雑。そもそも、銀行に行って夫婦間のjoint account(共同名義口座)を作ることからしてできないとは知らなかったな。例えば、夫婦で生存者権付きの共同名義口座を作ると、どちらかが死んでも口座のお金は自動的に残った方が相続するし、マイホームも同様に登記すれば相続も自動的で、どちらも遺言検認の対象になる遺産には含まれないから、口座を凍結されるなんてこともない。だから、我が家は結婚当初の銀行口座からその後の持ち家、車、投資口座にいたるまで、すべて互いに自動的に相続できる共同名義にして、法律で共同名義にできない個人年金基金なども互いを受益者に指定してあるわけ。

日本にそういう制度がないのは、どうも日本の相続に関する法制度が根底にあるんじゃないかと言う気がする。誰がどれだけもらえるかをしっかりと決めて、相続税や贈与税の取りっぱぐれがない(政府が損をしない)ようにするってことで、結婚して家計をひとつにするのに、家計費の負担額と家事の分担比率、あるいはその家事分担率と収入の比率を結び付けようとしてもめているトピックが多いのは、そこから来る「(自分が)損をしない分配」の思想が影を落としているのかもしれないな。そこでは「私たち」という共同体意識も薄いと言う感じがする。幸か不幸か、カナダにはもともと相続税も贈与税もなくて、故人が納めるべき税金を完納して身ぎれいになって死んだという考えだから、最終申告で所得税を払って残った財産には税金は絡んで来ないし、分配に関する規定もないけど、遺産の処理を指定した遺言書の検認と言うえらく時間のかかる手続きがある。でも、.生存者権付き共同名義にすればその「遺産」の中には入らないわけで、夫婦や家族の間でもめごとがないなら、こんな便利な「私たち」ツールはないんだけどね。