幻覚とんぼ
11月16日。ぶっ通しで40時間起きていた後で、お風呂でリラックスして、いつもの時間にベッドに入った。ふだんから寝つきはあまりよくない。どうも就寝時間ぎりぎりまで仕事をしてハイになっているせいかもしれないけど、ベッドに入って1時間以上も「眠り」が訪れて来ないことが多い。気持の上では眠りたいんだけど、頭の中ではどうもぺちゃくちゃひとりごとなのだ。しゃべっているのは確かに自分。英語だったり、日本語だったり、二つがくるくると入れ替わったり・・・。
うつ病だった頃は疲れているのに眠れなくて、2時間も3時間も悶々としていたから、1時間やそこいらならまあいいかと肩をすくめてしまうことにした。悶々としてもしょうがないから、目が覚めた状態のままでじっと目をつぶって「独り言」を聞いている。そうすると時間はかかってもいつの間にかぐっすりと眠ってしまって、今度は電話が鳴っていてもびくともせずに眠っていることが多い。たまには夢の中ですとんと眠りに落ちて夢を見ることもある。私の頭の中はどういう構造になっているんだろう。
ふつうの時間にベッドに入って、目が覚めたら12時。完全徹夜の後でも、ちゃんと8時間で目が覚めるというのも不思議だけど、気分が爽快でちっとも寝足りない気がしないのも不思議。だからといって、偉大なナポレオンのように3時間しか眠らないでいいというわけにはいかないらしい。(もっとも、ナポレオンだって連戦連勝だったのがしまいには連戦連敗になったのは、やっぱり万年寝不足のせいじゃないかなあ・・・。)
眠らずにいて34時間くらいというあたりで、えっと思うような珍現象が起きた。仕上げの見直しをしていた原稿にテーマとはぜんぜん関係のない文章がある。何だ、これ。徹夜でボケッとしていたのかなあと思いつつ、DELETEキーをバンバン叩いて消そうとするけど消えない。そのうちにひょいと消えたと思ったら、数行下に移っている。何か頭の回転が減速して、画面を見ている目はちょっぴり酩酊気味。見えるはずのないパターンまでもにゃもにゃと見えてくる。コンピュータの調子がおかしいのかなあ、火事場みたいなときなのにぃ・・・とカリカリし始めたところで、後はごく何ごともなく普通に進んで、作業は約束した時間に無事終了。
極度に睡眠不足になると幻覚症状が出るというけど、あれってひょっとして幻覚だったのかなあ。芸術家は寝不足が高じたところでインスピレーションが閃くこともあるんだそうな。でも、私は芸術家じゃないしなあ。それとも、目が覚めていても夢を見ることができるというから、ひょっとしたら、脳みそが勝手に居眠りを決め込んで、仕事をしている夢を見たのかしら。う~ん、やっぱり徹夜は脳みそにあまり良くないようだから、少しは考えたほうがいいかもなあ・・・
きのうのきょう
11月17日。きのうは友だち夫婦とフォーサムでRodney’sに牡蠣を食べに行った。バーバラは生牡蠣を食べたことはあるけれどイアンは初めてだという。金曜日だし、引き潮スペシャルの時間としては遅めの5時ということもあって、すでに混み始めていたけど、「早食いだから大丈夫よ~」と太鼓判?を押して、6時45分に予約が入っているというテーブルを確保した。ここはカジュアルなところだから、平日に二人だけなら、3ダースの生牡蠣をつるつると片っ端からすすり込んで、ムール貝なり海鮮サラダなりを平らげる所要時間は1時間ちょっと。「連れは初めてなんだよ」といったら、半額の引き潮スペシャルはその日のスペシャル1種類だけなのに、2種類を盛り合わせてくれた。4ダースも注文したもので、時間を節約するのに半分を比較的楽に開けられる種類にしたのかもしれないけど、こっちも食べ比べができてうれしいから、win-win。
イアンもバーバラも大いに気に入って、モントリオールで救急医をやっている息子が帰省したら連れて来るという。は!生牡蠣ファンがまた増えたぞ。この次のフォーサムのおでかけはイアンの提唱でBudapestというハンガリー料理の店に決まった。ここのグーラシュは本格的なハンガリアングーラシュだと聞いたから試してみたいという。ちなみに、ポーランドにもチェコにも「グーラシュ」があって、それぞれにお国柄があるという。うう、今から楽しみだなあ。
仕上げは順序が逆だけど我が家のキッチンバーでカクテルアワー。二人とも「電気マティニメーカー」なるものに興味津々。カレシが仕込んだのは別のカクテルだったけど、バーテン君のお披露目は大成功。モーターでシェーカーを上下にゆするだけの簡単な仕組みだけど、やんさの大喝采だった。シェイクするスピードやリズムが最適なのだろう、キカイにしてはなかなか上手。これを設計した人はきっとカクテルが大好きなんだろうなあ。前にシェーカーを横倒しにして振っていたバーテンがいたので、新しいやり方かときいたら、「肩が痛くてふつうに振れないもんで」と言っていた。だから、これを考案した人もきっと大好きなカクテルを作りすぎて肩を痛めてしまったのかもしれないなあ。
そんなこんなで、ほぼ1日「思いっきり深呼吸」式の息抜きでリラックスしたもので、おかげで仕事の予定は遅れてしまったけれど、胃袋は好きなものを食べてハッピーで、脳の方はデフラグとリセットがうまく行ったようで風通しがいい。それではまた、腕まくりして、仕事に戻ろうか・・・。
フィルム撮影だってさ
11月18日。なんだか冷え込んできた。晴れると冷え込んで、それが緩みきらない頃に雨雲が来ると雪が降る。去年はそんな「慣例」におかまないなしに、いきなり雪が降ったけど、また降るのかな?
これで3夜続けてよく眠って、頭はすっきり。だけど、なんとなく指の関節や肘が疼いて来た。手も顔も少しほてり気味。さては、カレシたら、木曜日の英語教室で風邪のウィルスもらってきたんじゃない?ああ、知らないよ、インフルエンザの予防注射もまだやってないのに。大仕事はやっとこ3ページ目だってのに。フリーザーの食料はだんだん底深くなってるというのに。こんなところで風邪なんか引いてられないのだ。
門の壁にへんな紙が張ってあると思って見たら、近くのカレッジの「映画制作科」の学生が我が家の外の交差点で卒業作品のロケ撮影をやるんだそうな。火曜日の朝9時から午後3時まで。北のハリウッドとかいって、映画産業を目指す若者が多いから、映画学科や学校もけっこうある。(私が受講した脚本講座もその一部だったんだけど。)ディジタル映画って書いてあるけど、普通の映画とどう違うんだろう。昔あったシネマベリテの手法かな?今の時代、ディジタルビデオカメラと映像編集ソフトがあれば、誰でもフィルムメーカーでございって顔してるもんなあ。フィルムメーカーって、富士とかコダックのことじゃなかったの?でも、口が裂けても映画(ムービー)なんて低俗な呼び方はしない。鼻を上に向けて「フィルム」というわけ。フィルムってひらひらした薄っぺらなものとか薄皮をいうんだから、言えてるかもしれないけど・・・
どんな映画だか知らないけれど、張り紙によると、「歩いている女の子の横にボーイフレンドが車で寄ってきて、力ずくで引きずり込もうとするが、もみあっているところへ別の男が現れて、ボーフレンドを撃退する」というシーンなんだそうな。それにしても「映画作りするオレたちってすごいだろう」みたいな臭いがする。昔ダウンタウンで歩道で撮影中のシーンに知らずに入り込んで、すごい勢いで怒鳴られたことがあった。天下の公道を占拠しちゃって、「オレたちは映画を撮影しているんだから、邪魔するな」みたいだったなあ。それでも連中はプロだったけど、こっちは学生。今からもう芸術家気取りって、なんだかなあ・・・
おお寒ぅ・・・
11月19日。寒いなあ。今朝は郊外で雪がちらついたそうな。考えてみたら、20年くらい前は11月にものすごい寒波が来ていたんだから、あんがい地球温暖化でこの程度なのかもしれない。そうだなあ、通勤する途中で入江から吹き上げる体感温度マイナス30度くらいの風のおかげで、イアマフからはみ出していた耳たぶに凍傷ができた。それがかゆくなって、いじくりまわしているうちに、かさぶたみたいに耳たぶの先っぽがポロッと取れちゃったからびっくり。ほんのちょっとだったらよかったけども。
さて、消防車緊急出動の仕事が無事完了。やっと三分の一しか終わっていなかった大仕事に戻る。まあ、とにかくくたびれる仕事なのだ。何で文書に打ち込めるようなことをわざわざテキストボックスに入れて貼り付けるの?何でやたらと文の途中でカッコに長い、長い注記が入るの?もう少し簡潔に書いてくれないと、読んでいるうちに意味が朦朧としてしまうでしょうが。こんなので「安くしろ」なんて、そりゃないよぉ。ああ、ここの仕事はこれで最後にしたいなあ・・・
今日は一日首が凝って、手足が何となく硬直している。ゆうべはすごい寒気で、夜中に起き出して毛布をもう一枚よけいにかけた。朝起きたときにカレシが「熱いぞ~」というから、きっと熱があったんだろう。おまけにおなかの調子もきわめて不調で、きっとちょっとした脱水症状で手足が硬直するのかもしれない。どうも熱が出ると、別にふうふういっているわけではないのに過換気症候群になるくせがあるらしく、手の指などはカチカチになったりするから困る。やっぱりカレシが教室から持って帰って来た風邪かなあ。あと少しとはいえ、まだ忙しいってのに。
徹夜をしたときのような極端な睡眠不足の症状のひとつに「冷え」があるそうな。体温が下がってしまって、徹夜が常習になると、体温調節の機能が狂ってしまって健康な状態に戻れなくなることもあるというから、くわばら、くわばら。そういえば、徹夜明けの朝、朝食のテーブルに付いた時には手も足もぞくっとするほど冷たかった。幻覚も危ないけど、冷えも危ない。ということだと、ここで熱が出たのはツイているってことかもしれない。地獄に仏だなあ。緊急事態なら徹夜もしょうがないけど、これからは身のほどってものを考えた方が良さそう。それじゃあ、熱いお風呂でたっぷり温まって、余分の毛布に包まって、今夜もよく寝ることにするか。明日はまた明日ってことにして・・・
マイホームは映画スター
11月20日。朝はいつものようにゴミ収集トラックの轟音で目を覚ました。いつもなら「あ、来たか」とうつつのままでまた眠りに戻るんだけど、まだおなかの不調が続いていて腹痛のために眠れない。自分の上だけ毛布を1枚かけているんだけど、それでも寒気がする。吐き気はなくて胃の方は普通に食べ物を要求するし、頭痛もないし、いったいどうなってんだろうなあ。昼過ぎにカレシを英語教室に送り出した後はもう20分おきくらいにバスルームに走るもんだから、仕事の方が立往生。とにかく後3日でこの仕事を片づけて、しゃんしゃんとお祓いしたいんだけど、この調子じゃまた納期が迫って悪循環になってしまいそう。
それでもやっぱり私としては異常なことは確かだから、ググって見たら、やっぱり腸の不調も寒気も発熱もみんな睡眠不足と疲労から来るストレスが元凶らしい。気分の上ではストレスを感じていなくても、それを支える体の方がストレス満タンということか。あの40時間というもの、食事の時間以外はすっぽりと仕事に集中し切っていたもんなあ。アドレナリンもすごく出たんだろうけど、コーティゾルというストレスホルモンもドボッと出てしまったらしい。ここは反省して、今日の夕食はマティニ抜きでおなかにやさしいほうれん草のリゾット。もっとも、おいしくできたもんでちょっと食べ過ぎたかなあ・・・
家の外では映画、じゃなくて「フィルム」のロケらしいことをやっていた。歩道の芝生に並べた道具立ては見たところ一人前だけど、コミュニティカレッジにしてはあんまり若くは見えない連中もいる。ま、いくつになってもスキルアップのために勉強するのはするのはいいこと。道路向かいの駐車制限の標識に「BUS STOP(バス停)」と書いた紙らしいものが貼ってある。ロケの小道具にしてはちと安っぽいなあ。近くにはまっ黄色な車を止めてある。これがストーカーっぽい登場人物がガールフレンドのそばに乗りつける車か。そういうあんちゃんが乗りそうな車とは言えるなあ。説明ではちょっとしたアクションのあるシーンらしかったから、二階の窓から楽しみに眺めたけど、いっこうに何にも始まらない。数人がそれぞれ耳に携帯を押し当てて、うろうろしているばかり。つまんなくなって仕事に戻ってしまった。何度かエンジンの音が聞こえたところを見ると、撮影はしていたのだろうけど。
カレシは「カメラをうちの方に向けていた」という。ゆうに3、4メートルはあるこんもりした「生垣」の上に突き出して見える八角の塔がロケハンチームの目を引いたのかな。何しろ近所では「眠り姫のお城」ということになっているもので、カレッジの写真科の学生がよく卒業作品のモデルに使わせてくれと言って来る。イーゼルを立てて絵に描いていた人を見たときはびっくり。八角の塔は一時期けっこう流行っていたから、あちこちにあるんだけど、我が家はたまたま角地なもので写真などにはいいアングルなのかもしれない。最初に使わせてくれといってきた学生はよく撮れたモノクロ写真をお礼にとくれたけど、今の学生は写真を撮ってなしのつぶて。いいかどうかも聞いてこなかったりする。まあ、フツーの住宅地のフツーの家なんだから、別に黙って撮影したっていいんだけど。さて、この『NOT NICE(ヒドイ)』というタイトルの映画の中で我が家はどんな顔してるんだろう・・・
教えてヨン様
11月21日。今日と明日でやっと大きな山を越えられる。そう思ったら身体系統の失調も軽快してきた。やっぱりなあ。そこで仕事に力が入るべきなんだけど、ちょっと息抜き。(「いきぬき」と入力したら「生き抜き」と出てきた。日本語の同音異義語にはときどき天啓みたいなものがあってぎょっとする。生き抜くにはときどき息抜きをしなくちゃってことだなあ・・・なるほど。)
ということで小町のタイトルだけをずらっと眺めてみる。掲示板なんだからいろんな相談事があるのは当然だろうけど、タイトルの字面だけから見ると、「こんなこときいてどうするの?」というような質問があれば、「こんなところで聞いている場合ではないんでないかい?」といいたくなる質問もある。実際に読んでみたらほんとうに深刻な悩みだったりするのかもしれないけど、それにしてもあっさり教えてチャンも相当に多い。
そこで、Lyraさんのお悩み相談室は小町たちの赤裸々な悩みの数々を分析、分類してみた。
スリーハウス類友型:
隣は何をする人ぞ。人はそれぞれ皆同じがいい?教えて下さい! 卒業式・入学式時の親の服装!トイレットペーパーを1週間で12ロール使う方いますか? みなさんのお家の朝ご飯、教えて~。 暇な職場の方いますか? どんな格好(寝具)でおやすみzzzですか?
ですよね型:
私のジョーシキ、間違ってないよね? 贈答品について、これってよくあることでしょうか? これって常識? 私が間違ってるのでしょうか。 こんな電話のかけ方について、どう思われますか?
げたデポジット型:
困っちゃうなぁ・・・ 35歳、今からでも運転免許取得すべきでしょうか? ハワイかグランドキャニオンか 46歳、初めての美容外科、何を?? 彼女が大切にして欲しいというのですが・・・
余計なマインド型:
お悩み代行・・・ 専業主婦(非就業)歴、数年以上って苦しくないですか? 歯が黄色い人をどう思いますか 花嫁が太ってたらどう思いますか? 友人のお見合い話が不快です
浜の真砂は尽きるとも、この世に悩みの種は尽きまじ。人生いろいろ・・・
高ビー庶民のその後
11月22日。冷え込んだせいか、日光がおそろしくまぶしい。太陽が低くなって家の中を串刺しするかと思うほど奥まで届くようになったせいもあるかもしれない。今日のアメリカは感謝祭。ニューヨークでは恒例のメーシーズのパレードがブロードウェイを練り歩く日。いろんなフロートや音楽隊が出るけれど、圧巻は何と言ってもあの巨大な風船。去年かおととしに登場したピカチューはいかにも楽しそうな顔。今年はハローキティが初登場したそうで、「スーパーキュート」と大評判。キティちゃんは北米では幼い女の子の人気者で、2歳半の姪孫アナベルもキティちゃんが大好きだ。フロートに乗った乾電池の広告キャラクターは最近壊滅したどこぞの企業と同じピンクのウサギ。でも、こっちのはどこまでも止まらず、going, going, goingが売り物だ。
不承不承のプロジェクトの半分に相当する最後の大ファイルをやっと納品してシャンシャン。ひと息ついたところで、しばらくごぶさたしていた読売の「非高ビーで庶民的なものが嫌い」のトピックをのぞいてみたら、いつのまにかレスポンスが370件以上。ふ~ん、日ごろ何となく関心を抱いているテーマなのかな。でも、最初は「へぇ」、「えっ」という感じでおもしろかったのに、こっそり予感したように「貧乏くさいからやらない/できない」から、他人がやっていることについて「あれが、これが貧乏くさくて嫌」に風向きが変わっていた。
自分が貧乏くさく感じるのがいやならば、高級ホテルしか泊まらなくてもいいし、某国産の某ブランドのものしか食べられなくたっていい。節約なんかしなくてもいいし、ユニクロとやらが嫌いでもいいし、軽自動車は自分にはふさわしくないと思ってもいいのだ。これでもかとカラフルでキュートなプラスチックの小物が鼻についてもいいし、自分は一点豪華じゃなくて二点豪華、いや総身豪華のレベルだと思ってもいいじゃないか。とどのつまりは、自分の価値にふさわしいと思う行動をすればいいわけで、「すごいなあ」と感心してくれる人もいるだろうし、「貧乏人が無理をして」と横目で見る人だっているだろうし、「貧乏たらしい」と失笑する人だっているだろう。それでいいじゃない。それこそ、人それぞれってもので・・・
だけど、どこか違うんだなあ。どうも、他人のしていることが「貧乏くさくて嫌」と趣旨の書き込みの方が多い。~する人が、他人が~しているのが、見苦しい、見るのも嫌、理解できない、恥ずかしい、痛々しい、私にはムリ・・・。「都心の田舎ナンバーの高級車」にも目が点になったけど、最後のほうに、「共働きはどう言い訳してもしみったれた響きがする」というのがあって絶句した。「20代のうちは初々しいけど、30代以上の共働き夫婦はちょっと切ない・・・」 ふ~ん、「しみったれ」って「ケチンボ」のことだと思っていたんだけど、ケチくさいのと貧乏くさいのは同意語だったのかしらん。「共働き家庭」を英語でいうなら、「ダブルインカム(二所得)」家庭で、給料袋が二つあるんだから、しみったれることもないだろうに。(生まれつきケチな人はお金があってもケチかもしれないけど・・・。)
まあ、私が子供の頃にも大人が「共稼ぎ」というときは何となく憐れむような響きがあったような気がする。「稼ぐ」とか「働く」という字があるせいかもしれない。あの頃は社会のサラリーマン化が進んで「男は仕事、女は家庭」の最盛期。それがやがて一億総中流になる「フツーの家庭」だったから、妻が外で働くことは「生活苦=働かざるを得ない」という悲壮感さえ漂う観念を誰もが持っていたのだろうけど、実際のところ、日本はまだ経済大国でも何でもなく、給食のスキムミルクをアメリカの援助物資でまかなう貧乏国だった。ふむ、今どきの歴史や社会の教科書にはこんな「貧乏くさくて恥ずかしい」話は書いてないんだろうなあ。
自分の下を見て、「庶民(貧民?)」の頭数を数えて「いっぱいいるなあ」と喜んでいても、逆に、上の方に無数に見えるプラダを履いた足を「うっとおしい」と引きずり下ろしてみても、ものさしの上の自分の位置はぜんぜん変わらないんだけどなあ・・・
電話は鳴れども・・・
11月23日。土曜日。朝からどこへ行こうかという話になったけど、けっきょくは私の体調がすっかり落ち着くまで待とうということになった。外はいい天気で、まだ寒い。ニュースでは1台100万ドル(1億円)もする新型トロリーバスが、送電線についた霜のおかげで軒並みダウンしてしまい、あわててディーゼルバスを投入して朝のラッシュアワーに対処したといっていた。日が昇って霜が溶けて問題は解決したらしいけど、そういえば、20年以上前に、戦後から走り続けたトロリーを今までのモダンなデザインのバスに替えたときは、道路にまいた融雪用の塩が電気系統に入り込んで軒並みダウンしてしまったエピソードがあった。だけど、いくら電気バスでも、ガソリン車と同じに雨にも風にも負けずに走るように設計すべきもんじゃないのかなあ。
このところカレシは毎日、時には2度、3度と、ママに電話していた。問題は誰も電話に出ないこと。食堂に出ているのかもしれないし、昼寝をしているのかもしれないし、散歩にでているのかもしれない。いろいろと想像して、時間を変えてはかけ直してみるけど、返事がない。さすがに二人ともだんだん心配になってきた。介護付きのホームだから、知らないうちに何かがあったということはまずありえないだろうけれど、居室に電話があるのに、ずっと鳴っているのに、誰も出ないなんて普通じゃない。ということで、カレシは弟に電話。留守電・・・。元義妹に電話すると、ここも留守電・・・。弟の会社に電話したら、自動システムでここも留守電。カスタマーサービス担当の元義妹の番号も留守電。最後に自動システムを離れてオペレータが出るはずの「0」を押してみたら、なんとここも留守電・・・。よくこれで商売になるもんだなあと、カレシは感心するやら、呆れるやら。
土曜日の今日になってやっと元義妹に通じた。弟の電話が留守電なのは出張中のせいだった。だけども、留守電のないママの方はどうなっているんだろう。元義妹から一番足しげく会いに行っているらしい息子のビルに問い合わせ。回りまわってビルからかかってきた電話で話をきいて、カレシはただ唖然。なんと、いちいち出るのがめんどうくさいと、ママが電話のベルの音量をオフにしてしまったんだそうだ。あれあれ。どうりでこっちではいつまでも鳴り続けているのに誰も出ないわけだ。ママの方では聞こえていないわけ。何をかいわんや。血のつながりはないけどお気に入りの孫のビルが何度も「鳴るだけで出ないとみんなが心配するじゃないか」と説得しても、「何かあったらホームから連絡が行くでしょ」と、元に戻すつもりはないらしいんだそうな。ありゃありゃ・・・
ママは孤独志向が強いってことはわかっているんだけど、子供たちや孫たちからの電話もめんどうくさいというのはちょっと極端じゃないかなあ。「誰だって90過ぎまで生きて来れたら、後は好きなようにしていいんだけさ・・・」とはいうけれど、カレシはママに拒絶されたような気分で少々へこんだ顔つき。念のためにホームの名前と電話番号を教えてもらったから、たまに様子をチェックすることはできる。ビルには二人のメールアドレスを教えて、会いに行ったときの様子をときどき伝えてもらうことにした。それにしても、だなあ。自分の子供たちがかけてきた電話かもしれないのに出るのがめんどうだなんて、ひょっとして、ママまでがボケ始めたんじゃないだろうなあ。
なにしようかなあ
11月25日。あは!これでやっと、少なくとも月曜日と火曜日は待ちに待ったお休みだあ!何しようかなあ。仕事をして食べる以外に何をしようかなんて考えるのはほんとうに久しぶりのような気がする。
ほんとに何をしようかなあ。カレシと遊ぼうか。買うばかりで山と積んであるDVDも少しは見なくちゃ。デスクの周りも片付けなければ、だんだん肘を振りまわすスペースさえ狭まってきてしまった。どうしよう。やりたいことはいっぱいあるんだけど、何をしよう、どうしようなんて考えているうちにせっかくのお休みが終わってしまうなんてことになったら、へこんでしまうかもしれないしなあ・・・
朝になったら考えようっと。
雨もよう、雪もよう
11月26日。正午に起き出して、お昼のニュースを見ながら朝食。今日は仕事にかかわることは一切しないと決めて、ゆっくりとコーヒーを飲みながら何をしようかとつらつら考えていたら、天気予報は「雪」。郊外の高台では5センチ・・・おいおい、脅かさないでほしいなあ。うちのフリーザーは主食の蓄えが底をつきかけていて、買出しに行かなきゃいけないのに、まだ早いっての。
思い出せば去年のちょうど今ごろだったなあ。ベタ雪がどさっと降って、あのときはほんっとに大変だった。空模様を見るとなんだかずっしりと重たそうな鉛色。のんきにコーヒーなんぞ楽しんでいる場合じゃない。今のうちにと家を飛び出したら、もうかなりの雨。それも、ちょっと重たそうな雨。フリーザー用の買出しはいつものモールではなくてちょっと遠い目のスーパー。ビーフ、チキン、ポークをひと山。今まですみっこにあった魚の売り場が拡張されて、水槽に生きたカニがいたのにはびっくり。競争が激しくなっているらしい。紅さけ半身、オヒョウのほっぺた、ホタテ、そしてOrange roughy(辞書にはマルスズキ科と書いてある)。これは淡白な白身の魚だけど、写真を見たら怪獣映画に出てきそうなおっかない格好をしていた。
帰り道は雪混じり。市内一番標高が高いあたりは雨粒よりも雪ひらのほうが多かった。あした起きてみたら一面の銀世界ってことになるかなあ。まあ、フリーザーがいっぱいになったから、3週間くらいは篭城できるかもしれない。そんなことをしていたらクリスマスが来てしまうけれども。
帰ってきて、ファミリーパックでまとめ買いして来た牛肉とチキンをフリーザーバッグに小分けする。まめに手を洗ってはペーパータオルで拭きながら、一応の食品衛生対策として、まずチキンだけ、次は牛肉だけというように肉の種類ごとに処理する。肉の種類が変わるときは手とナイフを念入りに洗う。ロースト用の大きな豚肉は半分に、サケの半身も半分に切って、二人前のパックが2つずつになる。
ゆうに1時間はかかる作業をやりながら、ふむ、「割引になるファミリーパックを買って小分け冷凍」なんて、高ビー庶民が見たら貧乏たらしいからやめて欲しいというのかなあ、と思わずひとり笑い。実は、4人前のファミリーパックを冷凍用バッグに小分けすると、フリーザー内でかさばるトレーがなくなるから、備蓄量が増えるのだ。それに密封できるバッグは肉に密着するからかなり長いこと冷凍焼けしない。おまけにゴミになるトレーの数も減るから、いいことずくめ。来る日も来る日もどっぷり仕事に浸かってしまいがちな私には効率的でいいからやってるんですが、何か?ふむ・・・
そうそう、10ドルごとに1枚くれるステッカーもちゃんと37枚もらってきた。50枚たまるとRoyal Doultonの磁器のエレガントな食器5点セットが1客分もらえる。二人分が貯まるまであと18枚。それから、恒例のターキークーポンもしっかり15枚もらってきた。これで七面鳥を買うと1枚につき1ドルの割引になる。有効期限は大晦日だから、クリスマス明けに来年の感謝祭の七面鳥を買える。くれるからしっかりもらって来るんだけど、忘れたまま期限切れでくずかご行きの方が多い。それでも、高ビー庶民の目にはチマチマして貧乏くさいと映るのかな?一度我が家へご招待して、「ビンボくさ~」と睨まれてみたいような・・・ふふ。
人間も氷河時代?
11月27日。お休み2日目になってどうやら休日らしい気分。なんだけど、11月もあと今週限りなもので、やっぱり何となくせわしない気分ではある。カレシを英語教室に送り出し、発送する郵便物の準備をして、シーラとジェッシーが掃除に来てくれたところで、モールにある郵便局へ。
気温は5度。Tシャツの上にポンポンのついた真っ赤な毛糸のフーディーだけ。指先がちょっと冷たいけど、大またに闊歩していれば寒いどころか、だんだん汗ばんでくる。フードに毛皮の付いた厚ぼったいコートを着たカレッジの学生らしいアジア系の女の子たちが怪訝そうな顔をする。彼女たちは、と見ると背中を丸くして寒そうに歩いている。そういえば、地元の日本人掲示板に、「カナダ人の体感温度って?????」なんてトピックを立てて、「怒るほどのことではないけれど、なんでカナダ人はこんな寒くても半そでだったり、バスの窓を開けたりできるんですかね?」と愚痴っていた人がいたっけ。「怒るほどのことではないけど」という切り出しはちょっとよけいだけど、確かに(特に西海岸の)白人たちは日本人に比べるとかなり薄着だ。カナダ人は肉食中心だけど、日本人はカナダでも日本食中心らしいという違いもあるのかな。
だけど、カナダ人にはおっそろしく寒いといわれるイギリスの家での冬の暮らしで伝えられた遺伝子があるのかもしれない。カレシもかなりの暑がりだ。亜寒帯の北海道の厳寒の土地で育った道産子の私にも雪深い蝦夷地で生き延びた開拓者の遺伝子があるはずだと思う。冬のベッドルームは純毛の毛布1枚とフランネルのシーツ。室温の設定は20度。カレシはパンツ1枚、私も夏冬変わらずスリップみたいな短いナイトガウンで、しごく快適に眠れている。家の中では冷え込むようになった頃に半袖のTシャツから長袖に変わるくらいのもので、夏も冬も素足のまま。すっかり薄着になったのは、元々北国仕様なところへ、ずっと肉食中心の食生活で「体感温度」もカナダ化したということかなあ。
日本の体温計を見ると、平熱を示す矢印が36.5度のところについているけど、カナダの体温計ではその矢印が37度のところについている。基礎体温が高いから低温にも強いということらしいけど、最近の若い日本人はなぜか低体温化が進んで、35度という超低温人間もいるというからオドロキ。それ以上体温が下がったら「冷血人間」になってしまうじゃないか、というのはお寒い冗談だけど、私たちが暖かいと感じる日に真冬かと思うような厚着をして、さらに寒そうに背を丸めて歩いているのはそういうことなのかな。まあ、白人でも高齢になると体温は下がるらしい。基礎体温の違いは新陳代謝率の違いだそうだから、歯も弱り、消化機能も新陳代謝も衰えて来れば、人間は冷える。ふ~ん、これって私もいずれは「冷たいばあさん」になるってことなの・・・?
とんぼは食い気なのだ
11月28日。水曜日の朝。ゆっくり起きて、朝食はたま~のベーコンと卵。ベーコンを焼くのは私で、卵はカレシの担当。いつの間にかカレシが卵焼き担当になって久しい。専用のフライパンとフライ返しで、なかなかおいしくできるから、ゆっくりできる朝のひとときが倍くらい楽しい。今日は久しぶりのスクランブルエッグを注文。卵がラージサイズにしては小さいというけど、それでもふんわりとでき上がった。私はトーストに卵とベーコンを乗せて食べる。なぜかカレシはおかしがって笑うけど、こうするとおいしさ倍なのよ!
昨日の今日で肩も腰もちょっと硬い。今日の予定は小さめのPOWERPOINTの仕事がひとつ。ま、夜中までに仕上げて納品すればいいから、いたって気楽だ。ねぇ、この週末はどこへ食べに行こう?Pastisの地中海お味見メニューは忙しがっているうちに逃しちゃったし、生牡蠣はちょっと前に行ったばかり。ということで、今度は目先を変えて古くからあるWilliam Tellに決めた。ずっと昔から古き良きヨーロッパ料理の伝統を守っているというけど、洋の東西をブレンドしたようなウェストコースト文化の隆盛の中でどんな風に老舗ののれんを守ってきたのか興味がわいてくる。
バンクーバーがグルメのメッカになるずっと前の勤め人時代に、ボスのクライアントの通訳としてランチに同行したことがあった。なにしろ庶民も庶民でフツーのレストランで注文するにも頭の中で計算機を叩いていた頃だから、えらくかしこまったところだなあと思ったけど、通訳という任務上、何を食べたかはまったく記憶がない。覚えているのは隣に座ったクライアントの取引先の社長が「タルタルステーキ」を注文して、サーバーがテーブルの傍でひき肉やら卵やらスパイスやらをトントンと調理し始めたこと。25年も前の話だけど、タルタルステーキは今も目玉らしい。
仕事がゆっくりペースになると、食べる方にさらなるエネルギーが向くとみえる。今夜のメインはメルルーサ。スーパーのフリーザーで始めて見かけた魚だ。スケトウダラに近い種類だそうで、あっさりしていそうだったから、リークとバター、白ワイン、ハーフ&ハーフでソースを作った。案の定、魚は淡白な味で、ムニエルにしてソースを付け合せたらけっこう上品にできあがった。早めに仕事を納品して、ついでに請求書も書いて送って、ひさしぶりにスープつくり。サンフランシスコに行く前に買ってあった重さ6キロの巨大なかぼちゃがそのままある。これにポルチーニというきのこを加えたパンプキンスープが我が家の晩秋の味なんだけど、ハロウィンのお化けランタン用とあって切ってみたらなんとなく白っぽくて、味も薄そう。やっぱり大きければいいってものじゃないのだ。ならばということで、にんにくをひとかけ余計に入れたけど・・・
それでも冬の夜のほかほかスープは心の底まで豊かに温まってうれしい。次はグリーンピースのスープにしようかな。ニンジンとしょうがのスープもいいなあ。冷蔵庫にあるゴボウ、サルシフィのことを西洋ゴボウというそうだから、日本のゴボウだってベルーテができるはずだ、と、怖いもの知らずの素人シェフは考える。さて、どんな具合にできるかは試してみてのお楽しみ・・・
とんぼの家もグレードアップ?
11月29日。重機の音で何となく目が覚めた。近所の家が取り壊されて、いよいよ新築工事が始まるらしい。まずは土台の穴掘り。半地下を作るのに2メートルくらいの穴を掘る。そこに土台の枠を組んでコンクリートを流すのが普通なんだけど、我が家のときはコンクリートの土台がないので、1メートルくらいの厚さで砂利を敷き固めて、防腐処理をした板を家の輪郭に並べ、設計図にあわせてプレファブしたポリスチレン入りの壁をその上に番号順に立てて、地下部分ができあがった。めずらしい工法だったもので、ずいぶんと見物人が集まったらしい。今でも市内にはほんの数戸しかないそうだけど、変わった工法だからというよりは、温帯雨林のど真ん中に木材の土台などすぐに腐ってしまうということで普及しなかったらしい。この家も来年は20歳になるけど、長雨の季節でも仕事場のあるベースメントには地下室特有の湿っぽさがない。
郵便でドカンと届いた靴箱を組み立てたのは2日前。背中や腰の筋肉のこりは今日あたりがピークかな。やっと玄関に「家具」として見られる靴箱がお目見えした。雨が多いせいかこのあたりではけっこうみんな玄関で靴を脱ぐ。だから、靴を入れる家具が必要じゃないかと思うんだけど、お目にかかったことがない。しょうがないから、我が家では私が新婚時代に手作りした簡単な靴箱をそのまま使っていたわけだけど、靴箱以外の用途に使っていた時期に真っ赤に塗ってしまったので、玄関に一歩入って真っ先に目に付く。別の色に塗り替えればいいんだけど、「ま、いっか」と肩をすくめて20年。その子供部屋の家具みたいな真っ赤な靴入れを引退させられる日がやっと来たというわけ。
通販の家具だからもちろんノックダウン方式。自分で組み立てるわけだけど、組立説明書がまず曲者だ。カートンには「Made in China」と印刷してあれば、説明書も「中国製」の可能性が大きい。案の定、まず英語がヘンだ。ま、商売柄そういうのは慣れているのでいいとして、部材には番号がついていると書いてあるのに、番号らしきものは見あたらない。実に大雑把な図を見ながらの作業になる。ネジを入れる穴はあるけれどもネジを受ける側の部材には穴がない。念には念を入れて角を合わせることになる。どんなに複雑でも楽に組み立てられるIKEAの家具とは雲泥の差だ。ごくシンプルな家具なのに大汗をかいて格闘すること3時間。全身運動もいいところだったけど、これで我が家の玄関も少しはエレガント(?)になった。さっそくカレシが蕾をつけたガーベラの鉢を置いてくれた。おお、大人の家って感じになったなあ。
(非)高ビー庶民の嫌いなもの、トピックは閉められたけど、別のページで嫌いなものの投票をやっていた。今のところ、1位は「行列」、2位「節約術」、3位「ポイントカード」、4位「100円ショップ」、5位「その他」で投票対象最後の6位は「バーゲン」。行列って庶民的なのかなあ。日本では行列がファッションだと思っていたけどなあ。東京のどこかを歩いていて、若い人たちの長い行列を見た。なんだか知らないけど流行の店ということだった。ふ~ん、あの喜々として並んでいた若者たちが十何年か経った今、「行列なんて庶民くさくて嫌」といっているのかなあ。ふむ、並び疲れちゃったってことか・・・
読売に新しい「おもしろトピ」を見つけた。「最近のブーム(?)で好きになれないもの」というヤツ。1週間でもう150本を超えるレスポンスがついている。あした、じっくりのぞいて見ようっと(野次馬とんぼ!)
野次馬とんぼ
11月30日。小町のおもろしトピック、『最近のブーム(?)で好きになれないもの』。疑問符がついている通り、ブームのことなのか日常化したことなのか、そのあたりの線引きがあいまいだけど、そんなことはどうでもいいくらいおもしろい。特にバカっぽいテレビ番組にはみんなへきえきしている様子がありあり。こっちでもリアリティショーとやらいうバカっぽいのをこぞってやっていた一時期があった。リアリティといいながら、あからさまにヤラセののぞき趣味なもんで、すぐに飽きられたようだけど、ハリウッドもクリエイティビティが枯渇したか、と思った。だけど、「バラエティ」とかいう日本のテレビ番組も負けず劣らず低俗らしい。違うところは、同じバカを何年も飽きずにやっているというあたりかな。いや、トピックを読むと、バカっぽさにも下には限りなく下があって、まだその底を極めることにこだわっているというところか。まあ、低俗だ、おもしろくないといいながらも、採算が取れるだけの視聴者がいて見ているから続くんだろうけど。
地球にやさしいとか、エコライフだとかいいながら、毎日どこかで何かが「ライトアップ」されるらしい。何でもかんでもライトアップして、ポストバブルの閉塞感を吹っ飛ばそうということかなあ。(ついでに人が集まって一挙両得だしね。)まあ、「わぁ、すてきだわぁ~」と夢幻の世界にひたってしばし憂き世を忘れるのもいいかもしれないけど、確かに環境にはあまりやさしくないよなあ。だからって、やめて電気代を節約したって貧乏くさいだろうしねぇ。ジレンマだ、これ。
恋愛体質、愛され服にモテメイクで内股ポーズ。オンナノコはひたすらかわいく媚びてナンボということか。西洋人には今の若い日本女性は実年令よりも15年は下に見えるので、日本人好きの男はロリコンなんだろうとからかわれたりするらしい。そういえば、小町に「男ウケするテクニック?」とかいうトピが立っていて、ホステス修業の相談かいなと思ったら、そうでもないようだ。ハローキティちゃんをめざすのもいいんだけど、日本のオンナノコがガイジン向けの英語サイトに出しているオトモダチ募集、どうして未だに「Vサイン」している子が多いんだろう?
ブログも好きになれないブームらしい。「くだらない」、「広告主からのビタ銭稼ぎ」、「自分の日記をさらして何が楽しい」と、悪評ふんぷんだ。そっか、もうちっとくだらなくないことを書かなきゃいかんかなあ、と極楽とんぼも反省したのでありました(ん~ん、してない)。まあ、極楽とんぼは筆まめにはほど遠い不義理人間なもので、家族友だちにひまがあったら見てというつもりでもあるんだけど、たしかに知らない人にとってはくだらないだろうなあ。ブログなんて何百万とあるから、仕事でリサーチしていてもつい人さまの何だかよくわからないブログを「訪問」してしまうことが多い。だけど、なのだ。日本には知らない人が少なくとも1億人いる勘定だから、何億もの砂粒のようなブログからダイヤが見つかることだってあるわけ。くだらなければ「読まない」という選択の自由を行使して、BACKをクリック。(どうぞ、気にしませんから・・・)
ケータイ小説、ネイルアート、和風ダイニング、YOSAKOI、何とか王子、ロハス、ヘンな謙譲語のヘンな日本語等など、極楽とんぼにはまるっきり「ン?」だけど、アイドルやグラビアモデルとかの年令が小学生にまで下がったというのはフツーじゃないよなあ。それにしても今の日本は一時も退屈するヒマがなさそうな、おもしろい国だなあと、極楽とんぼは外野席の最上段から野次の飛ばし三昧。これじゃあオニヤンマならぬオニヤジウマ・・・我ながら寒いなあ、これ。