リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

そういうのもアイデンティティの証のうち

2014年09月30日 | 日々の風の吹くまま
9月最後の日。このところカナダドルがずるずる下がって来て、1米ドル90セントのラインを
割り込んでいる。カナダの景気が息切れし始めている一方で、アメリカの景気が上昇気流
に乗っているせいらしい。これから生鮮野菜をメキシコや南米から調達する時期なのに、
カナダドル安だとこの冬の野菜は高くなるなあ。でも、逆に自国通貨の下落は輸出産業に
は朗報。ワタシも一応はサービスを「輸出」して米ドルを稼いでいるから、為替差益が出て
とんとん、かな。

仕事がひとつあるけど、納期にちょっとだけ余裕があるのでさぼりモードになって、。「日本
とアジアの昨日のニュースを今日お届け」という触れ込みの愉快なサイト「RocketNews24」
を覗いてみる。英語版は日本のソースからの記事も多いけど、日本語版の「ロケットニュー
ス24」とは内容が違うからおもしろい。今日(昨日?)のニュースは「日本人が日本人で良
かったと思うことトップ10」。何が日本人をして日本人で良かったとしみじみ思わせるのか、
あるサイトが調査したら、18歳から77歳までの男女662人から回答があって、トップの答
は「和食」。

続いて「公共秩序と安全」、「トイレがきれい」、「温泉」、「はっきりした四季」、「マナーの良
さ」、「畳」、「アニメとマンガ」、「温水便座」、「コンビニ」。深遠な日本人論が展開されるのか
と思ったら、そういうので「ああ、日本人で良かった」とうるうるするのか。たしかに和食はす
ばらしい「料理」だし、他のどれも日本の自慢の伝統や文化だけど、どれも日本人にはあた
りまえに日本のものじゃないの?裏を返せば、そんなすばらしいものを持たない文化的後
進国の人でなくて良かった(そういう国の人はかわいそう)というちょっぴり傲慢な心理が見
え隠れするからおもしろいな。

カナダ人に同じ趣旨の質問をしたら、「自由」とか「機会」とか「民主主義」とか答えるかもし
れないけど、普通は「カナダ人であることに誇りを持っている」と言うだろうな。カナダにいて、
歴史も文化もないダサい国だと貶している人たちに「カナダ人でなくて良かったと思うこと」
を聞いてみたらおもしろそうだけど、母国の方を向いて暮らしている「外国人」だから、カナ
ダには(母国ではあたりまえにある)あれがない、これがないと言って、結局は「○○人で良
かった」とうるうるするんじゃないかな。まあ、それで幸せなんだったら言うことないけど。

チャレンジしてみて損はないから

2014年09月29日 | 日々の風の吹くまま
きのうはあんなにいい天気だったのに、今日は雨で寒いったらない。この違いは何なん
だ?一階のバスルームの床がほんわかと暖かい。ヒーターが入っている!気温は12度。
やたらと咳が出たけど、もしかして明け方に暖房が入ったのかな。我が家は一階と二階に
別々のサーモスタットがあって、だいたいの生活時間のサイクルに合わせて温度を「高」と
「低」に設定してある。たとえば、一階は午前10時に「高」、午後1時に「低」、午後3時に
「高」、午前3時30分に「低」、二階は午前10時に「高」、正午に「低」、午前1時に「高」、午
前4時に「低」というぐあいで、後は放っておいてもタイマーが設定温度に従って勝手にやっ
てくれるから、ものぐさにはもってこい。

今日は午後いっぱいが仕事日。たってのお願いの仕事は校正と編集。やったことがないの
を百も承知で手が足りないから何とかと言って来たので、まあ英日だから何とかなるかとつ
い能天気に引き受けてしまった。 でも、ファイルを開いてギョギョッ。理論何とかの科学分野
のすんごい用語がずら~っと並んでいるもので、まずは目が点々。とりあえず読んでみると、
論文ではないのに日本語が何だか「ん?ん?」という感じ。元原稿を並べて開いて、英文を
読んで、日本語訳を読んで、次の英文を読んで、日本語訳を読んで、と目がふくろう時計み
たいに右、左、右、左・・・。

いやあ、自分が書いたものを推敲するのだってすごく難しいのに、他人が書いたものを見
直して、誤訳や抜けがないことを確認して、うまく流れない文章を書き直しての作業はもっと
難しい。すごい学識経験の人がやった仕事に学識経験ゼロのワタシがどこまで手を入れて
いいものかわからないしね。ここは変更履歴をオンにして校正する決まりになっているから、
何だか赤ペンだらけになって来て、いいのかなあ。でも、作業が終わって、履歴をオフにし
て読み通してみたら、伸びすぎた蕎麦のようだった日本語がかなり読めるものになったよう
で、校正デビューにしては我ながら上々のできかな、なあんて・・・。

まあ、時給にすると翻訳ほどのうま味はないんだけど、たまにはいつもと違ったことに挑戦
してみるのもいいもんだな。泳げるかどうかも考えずにいきなり深みにドボンと飛び込んで
しまうワタシだけど、校正編集をする人たちの苦労がわかったから、ワタシの翻訳の質の向
上につながればめっけもの。チャレンジは引退ボケの防止にも役立つし・・・。

才能があと10パーセント足りない

2014年09月28日 | 日々の風の吹くまま
「インディアンサマー」と呼べそうないい天気。そそくさと朝食を済ませて、ひとりでグランヴィ
ルアイランドへ。地下鉄駅まで徒歩15分。4つ先のオリンピックヴィレッジ駅で降りて、駐車
場を抜けてフォルスクリークへ。おしゃれなおばあちゃんが「ウォーターフロントに出たいん
だけど」と言うので、おしゃべりしながら一緒に歩いた。ひとりになったので趣味として46年
住んだバンクーバーを「観光」しているとか。ワタシ、40年。「万博があってから変わったわ
ねえ」。そうねえ。「ちょっと息苦しい街になったわ」。うんうん、40年前と比べたらそうかもね。
おばあちゃんを遊歩道の方へ誘導して、ワタシはアイランドに行く近道をてくてく。

コミュニティセンターの横を抜けて、劇場に向かう途中に工業地区だったアイランドに唯一
残ったセメント会社の作業場がある。コミュニティサービスのつもりか、よくコンクリートミキ
サーにいろんな絵を描いて走らせているけど、最近コミュニティアートの一環としてブラジル
から双子のグラフィティ(落書き)アーティストを招いて、5本の無粋なセメントサイロに絵を
描かせたら、こんな↓傑作ができた。
     

劇作ワークショップのリーディングがある小劇場は友だちの応援なのか、高校生でいっぱい。
脚本の抜粋を4人のプロの俳優が読み上げる形式で、作品は4本。これがすごい。3本は
ワークショップの卒業生のもので、一番衝撃的だったのはレベル1を終えて、これからレベ
ル2に上がるという、3年生になったばかりの女子高生の作品。ワタシの隣の席に座ってい
た彼女はポニーテールにフレアスカートに赤いスニーカーと、見たところいかにも典型的な
ティーンなんだけど、作品は、テーマの重さといい、インパクトのある展開といい、ドラマの
奥行きといい、よく直木賞なんかをもらって「十代のみずみずしい感性が溢れる」作品なん
て評されているのとは大違い。大人びているどころか30代か40代の大人が書いたとしか
思えなかった。レベル2でさらに推敲を重ねるということだったけど、これが才能というもの
かとつくづく思ったな。いやあ、すごい、ほんと・・・。

また25分くらい近道をてくてく歩いて、地下鉄に乗って、ランガラ駅から15分てくてく。いい
運動になったけど、頭の方はもっと刺激されて、書きたい気持になって来た。才能の方はあ
と10パーセントくらい足りないけど・・・。

地震と津波と火山噴火と

2014年09月27日 | 日々の風の吹くまま
週末仕事を置いて行かれて、今日中にやらないと明日の午後にあるArts Clubの高校生
向け劇作ワークショップLEAPの作品発表会に行けなくなる。エライさんの訓示みたいなも
のだから簡単!と高を括っていたら別のところからたってのお願い仕事。まあ、のんびりが
気楽なことには違いないけど、仕事をしていないこと自体に飽きて来ているから、よし、やっ
たる。ついでに、東京の会議で声をかけて来た別会社(競合会社)の話に乗ってもいいか、
社長に聞いてみようかな。でも、忙しくなるのは嫌だなあ・・・。

とりあえず今日の夕食のサムゲタンをスロークッカーに仕込んで、午後だけのんびり。きの
う御嶽山が噴火して、監視カメラが捉えたその瞬間に人間の力ではとうてい作り出し得ない
レベルの破壊エネルギーを見た気がした。噴火を世界に報じたロイターズは「火山は東京
の西200キロで、近くに原子力施設はない」と記事を締めていたけど、フクシマは(朝日の
チョンボ以外は)日本のメディアに半ば忘れられた感じでも、海外メディアにはまだ関心が
高いということか。日本には活火山が100以上あるそうで、狭い島国にそんなにもひしめい
ていたら原発を建てる安全な場所なんかあるわきゃないだろうと思うんだけど。

ワタシは日本にいた間の子供時代に地震も津波も火山噴火も経験した。昭和27年3月の
十勝沖地震はM8級で、4歳直前のワタシは7ヵ月半の妹を抱いた母が「ついておいでっ」と
叫んだのに家の中に取り残されてしまった。長い揺れの中で開け放された窓の敷居にしが
みついて泣き叫んでいた自分を今でもなぜか覚えている。1960年のチリ地震津波のとき
は6年生で、興津(おこつ)という名前の海岸に遠足に行く日。もちろん遠足は中止になった
けど、津波の到達が数時間遅かったら、ワタシは今こうして生きていないと思うとぞっとする。
火山の噴火も小学生の頃で、いつも遠くでのんびり煙をたなびかせていた雌阿寒岳が噴火
を繰り返した時期があった。セントへレンズが噴火したときはバンクーバーにもうっすらと灰
が降ったっけ。人間同士で覇権を争うのはいいけど、地球上の究極の覇者たる自然の力を
侮るなかれ・・・。

     

ふっくらとできたサムゲタン。にらチヂミとごぼうとにんじんのナムルを添えて、何ちゃら韓国
風というところ。高麗人参のせいで体がポカポカを通り越して汗が出てきた。じゃあ、今夜の
うちに仕事をひとつ片付けておこうっと。

取り急ぎでやるとご馳走ができる不思議

2014年09月26日 | 日々の風の吹くまま
雨模様。気温は午後になっても13度。今日は2人揃ってヘアカットのために川向こうリッチ
モンドのアントニオの家へ。いつも8月にはイタリアはヴェネト州の故郷に1ヵ月里帰りする
ので、7月にカットに行き損ねたら髪は伸び放題。サロンを引退して、自宅のベースメントに
設備を設えて、前からの常連客だけを相手に木金土の週3日だけ営業している。大きなテ
レビがあるし、子供を連れて来る親のために大きな丸テーブルには絵本やおもちゃも置い
てある。一緒に来る夫婦も私達の他に3組いるんだそうな。イタリアの話、ワールドカップの
話(アントニオは始まる前にドイツ優勝を予想していた)、菜園の作柄の話をしながら、ワタ
シ、カレシの順で1時間半・・・。

予約が3時だったので、帰りがラッシュにかかって夕食のしたくの時間より遅くなると考え、
手をかけずにできるグリルをしようと、アルバコアまぐろとオパを解凍しておいた。オパとい
うのはハワイ語の名前で、正式にはアカマンボウ。丸っこくて、ひれが赤くて、目がきょとん
としておちょぼ口の愛嬌のある大きな魚。食感はカジキのような感じかな。ゆず胡椒ソース
を刷り込んでおいて、カレシ特製のマティニを片手にししとうとポテトを焼き始める。まぐろに
添えるソースはシアトルのタルタルソースと、はたと思いついてマヨネーズにわさびを混ぜ
たわさびマヨと、練り梅を混ぜた梅マヨ。最後にまぐろを縦に2つに切って、外側をさっと焼
いて、3つに切って、それぞれにソースを添えて・・・。

     

グリルはファンを回して焼かないと換気装置の排煙が追いつかなくて煙探知機が鳴り出す
のが悩みだけど、簡単だから楽々。油はグリルに刷毛でさっと塗る程度しか使わないので、
けっこうヘルシー。グリルで焼いたズッキーニやかぼちゃ、にんじん、青梗菜もいいけど、今
日はご飯を炊く代わりにポテトをスライスして焼いてみた。カレシが大根ときゅうりとわかめ
の和風サラダを作ってくれたので、ちょっと遅いディナーはアジア風というか、ハワイ風とい
うか、無国籍風というか、思いのほかのご馳走になった。梅マヨのベースはオリーブ油のマ
ヨネーズで、北米のマヨは色も味もキューピーのとは違ってあっさりしている。

それにしても、出かけていたり、忙しかったりして、「取り急ぎ」と言う感じで思いつくまま特急
で作ると、なぜかご馳走に見えるものができるから、料理はおもしろいし、飽きないし・・・。

家の前にパトカーが来るってのは

2014年09月25日 | 日々の風の吹くまま
朝の9時過ぎに窓の外で轟音。目を覚まされて機嫌を損ねたカレシが出て行ったけど、数
分で静かになった。戻って来たカレシ、「でかいバキュームで雨水渠の掃除をやってた」。へ
え。まあ、最近はアジアも北米もすごい集中豪雨に見舞われているから、雨期が近づくこの
季節、「経験したことのない」猛烈なパイナップル特急の襲来に備えて雨水渠の掃除をして
いるのかもしれないな・・・と納得して、11時半の目覚ましまで寝直し。

カレシを英語教室の送り出して、午後はおひとり様で遊び呆けようと思ったら、道路向かい
のマージョリーから「あの家の子がお宅の前に車を止めて、ごみを散らかしてわよ」との電
話。二階の八角塔に上がっていたら、カレシが車を止めるころに近所の悪ガキのボルボが
あって、4、5人がふざけあっている。「あの家」というのはとなりのとなりに生活保護局が借
り上げて住まわせている子沢山のシンママ一家。来たときは子供5人。それが上の子が児
童手当の対象から外れるたびに「産み足して」いて今は7人だからすごい。よく来てはスペ
イン語で子供に怒鳴り散らしているうさん臭い男(実は警察に知られたドラッグディーラー)
が父親らしい。

これぞ迷惑だ!と見ていたら、別の車が来て鼻面をつき合わせて止まって、ごついおっさん
が何やら書類を持って降りて来て悪がきと話を始めた。マージョリーが「覆面パトカーよ」。
野次馬気分で写真を撮っていたら今度はパトカーが来て、制服の警官と私服の警官を加え
ていかついおっさん3人で悪がき共をうちの生垣の外で職務質問?している模様。緊迫感
がないのは互いに顔見知りの関係だからかな。(警察は一家のことを知っていて、ある意味
でドラッグディーラーを「泳がせて」いる感じ。)こそっと写真を撮りながら見ていたら、ひゃっ、
パトカーがもう1台。そのうち警察官が一家の家に入っていった。何やらしたんだか・・・。

     

警察が引き上げそうな頃に出て行って、悪がきの車を移動させてもらうように頼んだら、「そ
うか、ジョッシュはこっち側には止められないんだ」。え?そんなに親密な知り合いなの?近
所では警察が一家を「監視」しているから逆に安全かなと思ってはいるけど、それでも昼日
中からパトカー2台と覆面パトカーに包囲されたら、ギョギョッとするよなあ。まあ、これでし
ばらくは悪がき共が息を潜めてくれればいいんだけど・・・。

酔いつぶれてしまった・・・

2014年09月24日 | 日々の風の吹くまま
午前11時半に目覚まし。秋眠不覚暁、処処聞啼鳥、夜来風雨声、葉落知多少、というとこ
ろで、孟浩然先生、お許しあれ。眠りを貪ること13時間!でも、秋だから熟睡したわけじゃ
なくて、実は酔い潰れての爆睡。聞こえたのはシーラとヴァルの車のドアの音。夜来の雨は
はっと目が覚めたほどだったけど、木の葉はまだあまり落ちていなかった。

きのうはArts Clubがワイナリーと市内の有名レストランと提携してシェフの料理とワインを
ペアリングするファンドレイジング・ディナー。今回の会場は私達のお気に入りのビストロ
Pastis。よく行くので顔見知りになったオーナーのジョン・ブレイクリーは名前こそ父方の英
語名だけど、フランス人の母親を持って美食の都リヨンに生まれ、フランス人として育ったも
ので、バンクーバーに来て20年近いのに未だにフランス語訛り。ワイン通で「BCのソヴィ
ニョンブランはまだ発展途上で、これはその中でも極上品」とやったもので、ワイナリーの人
は苦笑。

カナッペとソヴィニョンブランのレセプションの後で一同テーブルに着いて、まずはホタテと
シャルドネ、ホイップしたフォアグラと青りんごのブールブラン。次にうずらのバロティーヌと
ピノノワール、かぼちゃのコンフィときのこ。次に牛のショートリブにメルロー、ポテトのフォン
ダンと焦がし玉ねぎ。最後はココナツと唐辛子!のパンナコッタとヴィダルのアイスワイン、
バジルのソルベと緑茶とレモングラスのクレムアングレーズ。この夜だけの特別メニューだ
けど、料理はどれもすばらしかった。特に唐辛子入りのパンナコッタは絶品!

ワインはコースごとに普通のグラスに普通に注いでくれるもので、1人前だけで5杯。カレシ
が一口ずつしか飲まないからということでタクシーじゃなくて車で行ったもので、(よせばい
いのに)カレシの分までかなり飲んで、家に帰って程なくしてオフィスのソファに沈没。頭上
のガチャガチャ音に目が覚めて、寝ぼけたままのそのそと一階に上がったら、カレシがキッ
チンで「食洗機に入れるほどないから」と朝食の食器を洗っていた。(カレシが自発的に食
器洗い?それで雨・・・?)ありがとぉ~とふらふらと二階へ。コンタクトだけ外して、着替えて、
ベッドにもぐり込んで、二日酔いになるかなあと空ろに考えているうちにすやすや。二日酔
いも寝過ごしてしまったらしい。いやあ、酔い潰れるなんて、ほんとに久しぶり。何年ぶりか
なあ・・・。

マナー熱が流行っているの?

2014年09月22日 | 日々の風の吹くまま
テレビもラジオも「今日から秋です」。バンクーバーの秋は長い「雨期」の先触れ。雨が降っ
たらしく、カレシが収穫が終わった済んだ菜園に「緑肥」と呼ばれるライグラス(ドクムギ!)
やクローバーの種を蒔いたばかりなので、まさに恵みの雨。カナダの他の地方やよその国
から来て初めて雨期を迎える人にはぐずぐずした日が続く季節はこたえるらしいけど、生粋
のバンクーバーっ子のカレシとじっとりと霧に包まれた最果ての地で生まれ育ったワタシは
どんよりした空や長雨はちっとも苦にならない。もっと雨が降れば路駐の車もトラックもきれ
いになるし・・・。

暇な暮らしが板について、もう仕事はいらないかなあと夢想、幻想。引退しても主婦専業に
はならない方針なので、家事の量は今まで通りだから、仕事がなければその時間がそっくり
ワタシの可処分時間。カレシもかって通勤と仕事に費やしていた時間が自分の可処分時間。
その前の25年は家事分担がゼロだったので「そっくり」と言うわけには行かなかったけど、
自発的にやると決めた家事をやるようになって、隠居夫婦の時間はわりと均衡が取れてい
る感じ。でも、シーラとヴァルが仕事をやめたらどうなるのかな。まあ、多少の汚れや散らか
り放題は2人ともあまり気にならないので、もしかしたら汚屋敷になっちゃうかも・・・。

小町横町では「カレーライスのマナー」で喧々諤々。庶民の味のカレーを食べるマナーって
何なんだ?大きめのお皿にご飯をどんと盛って、カレーをどろんとかけて、ご飯とカレーを
大き目のスプーンでよく混ぜて・・・という風に食べるんじゃなかったっけ?ダンナがそうする
ので見た目が悪いと指摘したら喧嘩になったと言う奥方が、カレーとご飯をかき混ぜて食べ
るのは見た目の悪さで人を不快にするからマナー違反ではないのか、と。出たっ!泣く子も
黙るマナー警察。ご飯と混ぜないでどうやってカレーを食べるんだろうなあ。うちはスプーン
じゃなくてフォークだから、混ぜないとうまく食べられないんだけど。

それにしても、他人に「人を不快にするから」とダメダメを連発するマナー女子の多いこと。
ほんとは自分が不快だからやめさせたいんだけど、そうして嫌われるのが怖いから嫌われ
役を不特定の「人」に押し付ける。まあ、視覚その他の五感が過敏で他人嫌いの不幸せそ
うな人が多いような気がするけど、カレーライスぐらい好きなように食べさせてくれっ。

秋は何かと物思う季節?

2014年09月21日 | 日々の風の吹くまま
ちょっと夏がぶり返したような陽気。「夏」は今日が最後で、明日9月22日の太平洋夏時間
標準時(PDT)午後7時29分(日本時間23日午前11時29分)に秋分になって、公式に「秋」
が始まる。夏至と冬至は地球が精一杯傾く日で、春分と秋分はしゃきっと直立する日。地球
は前のめりになったり、仰け反ったりしながら太陽の周りを回っているんだよ、と教えてくれ
たのは小学校の先生。そのときに思い浮かんだのは太陽の周りをスローモーションでお辞
儀と気をつけを繰り返しながら回っている地球くんの図。ヘンなことを考える子だったな、ワ
タシ。今でもそうだけど・・・。

秋。実りの秋はますます食欲の秋で天高く馬肥ゆる秋。女心と秋の空に男心と秋の空で互
いにあさっての方に秋波を送って秋風が吹き、物言えば唇寒し秋の風。危急存亡の秋が来
て、一葉落ちて天下の秋を知り、秋の日はつるべ落としで秋の夜長・・・。危急存亡の「とき」
が秋なのはおもしろい。「女心と秋の空」とか女は心変わりしやすい浮気性みたいなことを
言っているけど、元々は「男心と秋の空と」だったそうな。江戸の頃、男は女ほどに貞操を求
められなかったから浮気のし放題だったらしい。でも、「男もすなる浮気というものを女もして
みんとする」男女同権の世の中なら「男女心と秋の空」の方がふさわしいと思うけど。言葉
は世につれ、でしょ?

相変わらずヘンなことを考えるワタシ。けさは目が覚めた真っ先に「本を書こう」と思った。そ
れも芝居でも小説でもなくて、ノンフィクション。前からもしも書き上げたら親しい人の娘さん
に贈りたいと思っていた「本」。とても辛い思いをしたこの人には自分の手でたくさん幸せを
つかんでほしい。まあ、その小さな、小さなきっかけのひとつになればこんなにうれしいこと
はないと思ったまでで、ヘンな人生訓を垂れて人さまを幸せにしようという大それた考えは
ないんだけど、目が覚めたときにずぼらなワタシの中に住むまじめなワタシが「書きなさい
よ」と言ったのだった。

なぜか今日は心持ちが何となく違って感じるのは物思う秋だからかな。思索の秋?芸術の
秋?秋って何かとやる気が出る季節みたい。秋という漢字は収穫して束ねた作物を乾燥さ
せるというような意味があるらしい。まさに収穫の秋。人生の秋が冬になる前に、収穫した
ものをしっかりまとめておけってことか。一世一代の本、書けるのかな?

何ちゃら和食は「ごぼうづくし」

2014年09月20日 | 日々の風の吹くまま
土曜日だし、暇だし、カレシがご所望だし、ということでまた何ちゃら和食に挑戦することに
した。まず考えるのが食材。何がいいかなあと思案していたら電球がポッ。ごぼう!子供の
頃から大好きなごぼう!先週Hマートで買って来たごぼうをメインの食材にしたら何ができ
るかな。知っているのはきんぴらと混ぜご飯と八幡巻きくらい。ちょっとググッて見よう。

いつものように「ちょっとググッて見よう」が運の尽き。きんぴらもバリエーションが多いけど、
いろいろとある、ある。あれもこれもとコピーして印刷しているうちに、いっそのこと今夜のメ
ニューは「ごぼうづくし」で行こう。集めたレシピをためつすがめつして、ごぼうご飯と八幡巻
きの他に材料が揃うものを3品。フリーザーから必要な肉類を出しておいて、まず所要時間
から手順の算段して、八幡巻きのごぼうとにんじんから始める。煮ている間に、ごぼうを斜
め切り、ぶつ切り、ささがき、みじん切り。指先にごぼうの香りがほんのり・・・。

ご飯(発芽玄米麦ご飯)を炊き始めて、ささがきに鶏肉とにらを合わせて「柳川風卵とじ」、
斜め切りにしめじを合わせて炒め煮、ぶつ切りにししとうと豚肉を合わせて炒め煮。みじん
切りごぼうと牛肉の余りをさっと醤油で煮てご飯に混ぜ込んで、最後に八幡巻き。転がしな
がら焼いている間に、「柳川風」ににらをたっぷり入れて、溶き卵を流し込んで蓋をして、や
っとできたぁ~!いやあ、和食は簡単そうでもかかる手間隙がすごい。それにどのレシピも
醤油に砂糖にみりんにお酒だからびっくり。一品なら隠し味でいいけど、どれも「砂糖大さじ
1杯」。テーブルに出す頃にはかなりの量の砂糖にならないのかな。もしかして日本人の舌
は甘党なのかな。

     

まあ、大汗をかいて奮闘した甲斐があって、何とか「ごぼうづくし」は何ちゃら和食の体裁に
なった。ワインは甘さコードが「01」でほんの少し甘いBCオカナガン産のシャセラス/ピノ
ブラン/ピノグリのブレンド。どの料理にも砂糖が入っているし、日本酒は辛口でも甘いか
らと選んだちょっぴり甘い白ワインがかなりよく合った。それにしても、日本のご飯はそんな
に量があるように見えないのに、おなかいっぱいになるのはどうしてなんだろう。ランチ、い
らないかも・・・。

外野席の野次馬だけど

2014年09月19日 | 日々の風の吹くまま
昨日は世界の向こうとこっちの「投票結果」で暮れた。「連合王国」は連合したままだし、BC
州では来週から3週間遅れの新学年が始まるし、すべて世は事もなし。でも、先生たちは準
備の時間が足りない、タイヘン、タイヘンと言っているらしい。学年が終わらないうちにスト
に入ってから3ヵ月もの間何してたんだろうな。政府が要求を呑めばすぐに授業を始めると
言ったのは単なるはったり?スト中は仕事はノータッチ?

聞くところによると、あわてて学校用品を買いに走る親もいるらしい。先月ならどこでも恒例
の学校用品セールをやってたのに。先生たちも親たちも早くストを解決しろとせっついて、い
ざ解決したら準備ができていないと慌てふためくなんて、どうなってんの?長らく犬猿の仲
の政府と教員組合がそうそう簡単に折り合いをつけるわけがないと、どっぷり夏休みモード
だったのかな。交渉が急転直下で妥結することなど珍しくもないのにね。これ、雪の予報が
出ていたのに雪が積もってから慌ててシャベルを買いに走るのと同じだから、人間の心理
はおもしろい。

小町横丁に住む人たちの心理模様はもっとおもしろい。ワタシはわりと物好きな野次馬なも
ので、かれこれ10年以上も外野席から岡目八目の観察。(ついでに新しい日本語も覚え
る。)昔はもう少し「横丁」らしい人間模様があったように思うけど、近頃は社会の風潮を反
映しているのかずいぶん空気が変わって来ている。縦糸のテーマは、された、言われた、し
てくれない、もらえない、お礼がない、何が嫌、誰が嫌い。はては「自分は悪く(間違って)な
いですよねっ」。これに妬み、僻み、不公平感(ずるい)の横糸を通して織り上がるのが疑心
暗鬼と被害妄想のタペストリー。並んだタイトルを見ているだけで寸劇のひとつくらい書けて
しまいそうだからおもしろい。

ネガティブな人間は世界のどこにでもいるけど、こんなにも生き難そうなのはどうしてかな。
水準の高い教育を受けて、恋愛もして、結婚もして、家族がいて、友達がいて、衣食住にこ
と欠かなくて・・・でも、心のどこかに大きな空洞がありそうだし、少しの違いや差がある(で
きた)だけで人との付き合い方がわからずに悩んでしまう。自分に自信が持てないでいるの
かな。それとも自己肯定感を他人に求めているのかな。自分のせいでないとしたら、家庭の
せい?教育のせい?社会のせい?外野席の野次馬には答えられないけど、誰のせい?

あちらはノー、こちらはイエス

2014年09月18日 | 日々の風の吹くまま
途中で咳き込んで目が覚めて、咳止めシロップを飲むのを忘れて寝たことに気づいた。でも、
このところは咳止めを飲んでも同じようなマイナーな咳き込みが続いていたから、飲んでも
飲まなくてもさして違いのない段階なのかもしれない。麻薬もそうだけど、経済学で「収穫逓
減」と言うあれと同じで、どんな良薬でも長い間飲み続けていると量を増やさないと効果が
減って来ることが多いし、効果が減ったからと量を増やせばさらに耐性が高まって、いざと
いうときに効かなくなってしまいかねない。

スコットランドでは独立を問う住民投票。スコットランドの人口の80%以上は民族的にスコッ
トランド人だから、本気の独立派以外は民族フィーバーに浮かれた人が「YES」に投票して、
民族のプライドとは別の次元で冷静に将来を俯瞰した人が「NO」に投票するんだろうと思う。
最終的には「NO」が競り勝つだろうけどね。何だかカナダのケベック分離の住民投票と似て
いるけど、こっちの方は純粋なケベック人が減る中で、カナダ移住に当たってフランス語が
できるからと手っ取り早くケベックを選んだ人たちが増えているもので、過去2度の州民投
票で2度とも分離派が負けた。

BC州では教員組合が妥結案を受け入れるかどうかの投票。「YES」が大多数でストが終
わるとの予想だけど、要求にはほど遠い妥協だと「NO」に投票するように推奨しているのは
語尾を跳ね上げてまくし立てるいわゆる「アクティビスト」タイプが多いという感じ。でも、表
向きは「子供たちの利益にならない」と言っているけど、子供を教育してあげるのはタイヘン
な仕事なんだからもっとお礼を増やして、感謝してあたりまえという態度が透けて見えるな。
自分が選んだ職業だろうに。何だか自分がしたくて結婚したのに「子育ても家事もタイヘン
なのをしてあげているのに感謝されていない、愛されていない」と不満たらたらのどこぞの
ママたちみたいだ・・・と言ったらどっちが怒るかな。

教員組合は5年後にまた交渉できるけど、スコットランド独立派も「NO」が勝ったらケベック
の分離派のように「この次こそ」と言うのかな。どちらが勝っても多数の意思として受け入れ
るのが民主主義の原則だけど、得票率が近い接戦だと負けた方はすなおに受け入れられ
なくて「もう一度」という気になるんだろうな。スコットランドでも「Never-end-um referendum」
(果てしなき住民投票)になるのかな。民主主義ってのも難しいもんだね。

ワインフェアでオークションに参加

2014年09月17日 | 日々の風の吹くまま
小雨が降ったり止んだりの空模様。「ChefmeetsBCGrape」というArts Clubのイベントの
日。コンベンションセンターに州内90以上のワイナリーが350種類のワインを並べ、14の
レストランのシェフがペアリングを競う今年で10回目のファンドレイジングイベント。午後7
時にドアが開き、広い会場に入ってみたら、すごい数のテーブルにすごい数のワイン。もち
ろん全部なんか飲めっこないよ。外壁に沿ったシェフのテーブルにはおいそうな小皿料理
がずらり。後ろでは若い見習いシェフたちがもっとすごい数のお皿にさくさくと盛り付け。

グラスを下げる穴の開いたポータブルトレイ兼用のプログラムをもらって、とりあえず出発点
を決めて前菜(雉のテリーヌ)とワイン。立ち食いのぎごちなさにもすぐなれて次はカニ団子
入りのスープとワイン。次は・・・という具合に順に試食、試飲して行ったらおなかがいっぱい。
ワインはほんの2、3口分だけでも、食材によって赤、白、白、赤という具合に飲んで行くと
ちょっとばかりほろ酔い気分。でも、40年前は箸にも棒にもかからなかったBC州のワイン、
最近は国際コンクールで次々と受賞して、カリフォルニアを超えたと言えるレベルに達した、
とワタシは思っている。

ひと通り食べて、試飲だけのテーブルで何種類か味見した後で、サイレントオークションの
テーブルへ。高額なニューヨーク旅行のパッケージやリゾートの宿泊プラン、ワインやすてき
な雑貨などがずらり。ふむふむと見ていたらArts Clubや他の劇団のチケットもあって、中
に年末年始公演の『Avenue Q』(2枚)と『Mary Poppins』(4枚)!傍にいたパルミーダが
「Avenue Q、もう越されちゃったわ」。見たら記名欄が半分埋まっていたので一計を案じて
一気に最後の最高額の欄に名前を書いていただきっ!ほくほくしてワインをまた1杯。締切
りまで3分の声でもう一度見たら『Mary Poppins』は半分くらい。そこでぐずぐずと思案して、
間際に最後の名前の下に記入して、これもいただきっ!

オークションで人気のものは何人もが競うので高くつくけど、射止めるコツは締切り近くまで
待つこと。競り落とした品を取りに行ったら、どっちも額入りポスターがおまけについてきた。
やったぁ~!パルミーダに友達として『Avenue Q』に招待したいんだけど、と耳打ちしたらう
れしそうに受けてくれた。イェ~ィ!ほくほくした気分で戦利品を抱えてタクシーでご帰館。
ああ、楽しかった!

     

つれづれなる日もいいもんだ

2014年09月16日 | 日々の風の吹くまま
今日は2人とも予定がないので、正午ぎりぎりまで寝て、のんびり起き出した。ラジオをつけ
たら、土曜日からホテルに閉じこもって昼夜兼行の交渉を続けていた教員組合と政府の間
で暫定的な合意が成立したとのニュース。昨日の夜に2つの部屋を往来していた調停人の
レディが労使をひとつの部屋に集めたと聞いて、解決はそう遠くないと思っていたけど、妥
結にこぎつけたのは何と午前3時50分。労働協約は6年という長いもので、組合長は目の
下に大きな隈ができていた。これで、木曜日の組合投票で通れば、月曜日から50万人の
生徒が待ちかねた公立学校の新学年。3ヵ月の夏休みは長すぎたよね。

酔っ払ったり、クラックコカインを吸ったりのご乱心続きだったトロント市長のロブ・フォードが
先週緊急入院したら、腹部に腫瘍が見つかって、この秋の市長選出馬を断念。代わりに市
議の兄ダグを市長候補に立てて自分は兄貴の選挙区から市議選に出馬、と何だかフォー
ド兄弟の政権禅譲みたいな展開。でも、腹部の生検の結果を待っている間に肺にも腫瘍が
見つかって生検ということになって、何だか選挙どころじゃなさそうな雲行き。まあ、市長選
では有力候補に差をつけられていたから、兄貴が候補になっても変わらないと思うけど、カ
ナダ最大の都市の市政としてはちょっとお粗末だなあ。トロント嫌いのバンクーバーっ子は
冷笑してるんだけど・・・。

暇に任せて、今日の夕食メニューは鴨の胸肉のコンフィ。でも、鴨の脂をフリーザーから探
し出すのがめんどうになって、ワイン煮にしようとしたら、料理用の赤ワインがほんの少し。
それじゃあとオレンジジュースを入れて、スロークッカーでことこと。できたのは何ちゃらおフ
レンチの鴨のコンフィのオレンジソース。夕食後は勢いに任せてカレシの大好きなきゅうり
の浅漬け風ピクルスとラーメン用のメンマを作り、ランチはググッて見つけたえごま油のそう
めんのレシピを応用して、ヴェルミチェリにえごま油と醤油を絡めて、ざくざくと刻んだかい
われを混ぜた何ちゃら無国籍パスタ・・・。

暇なのもいいもんだなあと思いつつ、FBを見ていて気がついた。カナダのサッカー殿堂入
りが決まったクリス、何かアンパンマンに似てるような、似てないような・・・。

   


裸のスシを食う虫も好き好き

2014年09月15日 | 日々の風の吹くまま
月曜日。新学年はまだ延期中。川向こうのリッチモンドのホテルでの缶詰交渉は午前2時ま
で続いたとか。ホテルの外では報道陣がキャンプを張って発表を待っているそうで、近くに
あるマクドナルドは思いがけず大繁盛。今日も交渉が続いて、夜に入ってどうやら労使がひ
とつの部屋で対面で話し合うところまでこぎつけたらしい。まあ、どっちも負けたと言われた
くないだろうけど、連日の午前様はしんどいよね、ほんと。

ここのところ「バンクーバー進出!」と新聞をにぎわし、フェミニスト団体が「禁止すべき!」と
げんこつを振り上げているのがNaked Sushi。トロントでその名前で成功した仕出しの会社
がバンクーバーでも営業を始めることにしたそうで、直訳するとずばり「裸寿司」。要するに
日本では「女体盛り」と呼ばれる変態的イベントのことで、最近は北米各地で男だけのパー
ティや企業接待での新趣向として広まっているらしい。どの新聞にもスシを盛り付けられた
女性の写真入りで「nyotaimoriという日本の伝統風俗である」と説明しているから、ゲゲッ。

フェミニストが女性をモノ扱いしている、セクシズムだと批判しても、日本の伝統文化を禁止
しろというのはレイシズムだと反論されれば黙らざるを得ないだろうな。たしかに日本の伝
統的な性風俗には違いないけど、もしかして、「クールジャパン」の一環として日本政府が世
界に広めているってことはないだろうな。まさかね。だいたい人間の生温いおなかに乗っけ
た寿司なんて生臭さそうで食べる気にならないけど、興味半分でこの会社のサイトをのぞい
て見たら、あはは、新宿は歌舞伎町のキャバクラのサイトみたいで、スシが売り物じゃない
のは一目瞭然。ま、男にはまた別の味覚があるってことかも。

「裸の寿司」のオーナーシェフという男性は人種はアジア系ではないようだけど、「hottie(セ
クシーな子;ただし、イギリスでは「湯たんぽ」)」として紹介している女性たちを見るとほとん
どが東アジアか東南アジア系で、やっぱり歌舞伎町のキャバクラの風景を想像してしまう
(行ったことないけど。)要するに、呼び方はどうあれ日本の「伝統的水商売」の渡来というこ
とで、お上品な文化だけを海外に発信することはできないという例えかな。こういう日本の
「伝統」が世界に広まることが良いことかどうかは日本の人に聞かないとわからないけど、
世界遺産になった「和食」の伝統と混同されなければいいんじゃない?