紅鮭に思いつきのクリームソース
12月21日。水曜日。正午前に起床。いい天気。今日は今年最後の掃除の日で、午後1時を過ぎた頃にシーラとヴァルが掃除道具と一緒に赤と白のワインを下げてやって来た。掃除が済んだ後で、毎年恒例になった「忘年会」をやろうというわけ。
3時過ぎに大皿にスモークサーモンやサーモンキャビア、エビのパテ、鴨の燻製を盛り付けて、野菜チップとクラッカーを入れたバスケットを添え、カレシがワインをグラスに注いで4人で乾杯。いつもはワタシが仕事をしていたり、2人が次の客のところへ向かわなければならなかったりして、ゆっくりおしゃべりをする時間がないけど、毎年最後の日は我が家を最後にして、きれいになったキッチンのテーブルでぺちゃくちゃ。カレシがワイングラスを割ってしまうアクシデントがあったけど、ワインが2本とも空になり、ワンちゃんのレクシーがおなかを空かせてご飯の催促を始めたあたりでお開き。2人に今年の感謝のボーナスを入れたクリスマスカードを渡して、楽しいホリデイをとハグしあって忘年会が終わった。
午後いっぱい食べて飲んだので、今日は午後9時過ぎの遅い夕食・・・。
[写真] 紅鮭のグリル、リークと枝豆のクリームソース
思いつきで、小口切りにしたリークとかけらが残っていたスイートポテトの細かいさいころをバターで炒めて、電子レンジで解凍した枝豆を添え、スコッチと乳脂肪分10%の軽いクリームを加えたソースを作ってみた。紅鮭は、ガーリックをローストした後の汁とオリーブ油をとっておいたので、それを塗って塩と胡椒でシンプルにグリル。ソースの上に紅鮭を載せ、周りに残ったサーモンキャビアを散らしてみたら、けっこう見栄えがする。付け合せは蒸したブロッコリーニ。
この分では、今夜はランチは抜きだな・・・。
食道楽クリスマスの準備完了!
12月22日。木曜日。正午ちょっと前に起床。今日もいい天気。でも、天気予報では今夜から高気圧が崩れて、これから1週間は雨、雨、雨。ふむ、サンタクロースのそりに幌をつけたほうがいいんじゃないかな。プレゼントがびしょ濡れになってしまうよ~。
今日はカレシがヘアカットに行く日なので、便乗してモールへ。すっきりしたカレシを落ち合って、IGAへクリスマス前最後の野菜類の買出しという予定。カレシにお金を渡して(なんで自分のお金を持って歩かないんだ~)、郵便局へ行って私書箱を空にして、まずはベイの地下へ直行。先週買ったVilleroy&Bochのお皿を2枚ずつ買い足して、ついでに先週はいいなあと見ていただけの細長いお皿と3個の小さなボウルのセット(セットではないらしいけど)を2組買った。ボウルなしでもけっこうかっこよく使えそうでいい。それからこれまた先週思くてかさ張るし~と思ってやめたお盆セットを2つ。小さいのはおまけということにして、お目当ての大きい方は「機内食風」ディナーにぴったりのサイズ。(カレシは「小さいのはエコノミークラスで、大きい方はファーストクラスだな」と・・・。)トートバッグがずっしり重くなったところで、モールの外に止めた車に運んでトランクに置いて、買い物の第2ラウンド。(駐車場は空きを探す車がぐるぐる回っていて大混雑・・・。)気に入ったミニのスロークッカーがもう1つあれば便利かなと思って、大枚13ドル(約千円)のをもうひとつ買った。
何だか角ばったトートバッグを肩に、目に付きやすい場所に移動したゴディバの店に入ったら、チョコトリュフの半分を差し出されたので、試食。サンタクロース模様のフォいるに包んだダークチョコを買うか、買うまいかと思案していたらカレシから「終わった」と電話があって、結局は買わずじまい。ヘアカットをしてすっきりとかっこよくなったカレシがコアントロがいるというので、道路を渡って酒屋へ。午後3時を過ぎたばかりでもうラッシュ。ここでいつものドタキャンムードになって「IGAは道路が空く夜になってから行こう」と言い出した。ほんっとに今夜行くよね?「行くったら行くって」。金曜日の明日はもっと混むんだからね。「わかってるよ」。それならそれでいいかと納得しかけたところで、「トマトがないからKin’sでトマトだけ買って行こう」。もぉ~っ!
トマトだけ買うんだったら必要な野菜果物をみんな買って、ついでにセーフウェイで買い物リストにあるものを買えば、夜になって出直さなくてもクリスマス明けまで買い物をしなくても済んで効率的だと思うけど・・・と諄々と諭して、とにかく買い物をすることで合意してしゃんしゃん。どうしてこうも生活の手順をややこしくするんだろうなあ。合理的に考えたら超が付くほど簡単なのに、そのときの気分に翻弄されてわざわざ非効率化するなんて、いったい何を考えているやら。まあ、そういうのもカレシの個性なんだろうけど、自分で非効率にしておいて結果について文句を言うのはなしにしてほしいなあ。
それでも、Kin’sもセーフウェイもさほど混んでいなかったので、何とか向こう1週間の冬ごもりの食糧を備蓄し終わったからバンザ~イ。ラッシュの車の流れを離れて駐車場に入って来る車がひっきりなし。そういえば、買い物袋を提げて駐車場を歩いていたら、追い越せるのにそうしないでのろのろとついて来る車があったな。「お、買い物が終わって帰るんだな」と、駐車スペースが空くのを見越して後をつけているんだろうな。まさにIt’s a zoo(すんげぇ混雑)。何で混雑が動物園につながるのかは知らないけど、この分では夜になってもIGAの駐車場は混むかもしれない。今日中に済ませておいてよかったな。
冬ごもりといえば今日が冬至。北米ではこの日が公式に冬の始まり。だけど、実際は明日から少しずつ日が長くなって、じわじわと春が忍び寄ってくる。クリスマスであれ、ハヌカであれ、夜が長い高緯度地方ではしだいに明るさを増し始める光に「再生」を託して祝うのが今の季節なんだと思うな。北緯49度にあるバンクーバーの日の出は午前8時5分、日の入りは午後4時17分で、「昼」は約8時間。もっと緯度の高いところではもっと短いし、正午前後に起きるワタシたちにとっては昼はたったの4時間。ほんと、何か派手に騒いでぱぁ~っと気晴らしができる行事でもないと、春が来ないうちに欝っぽくなってしまいそうだもんなあ。
というわけで、手始めにこれからルイジアナ風コーンブレッドを焼いて、気が向けばバゲットも焼いて、週明けまでひたすら飲み食い三昧で行くぞ~。
クリスマスカラーで気分を盛り上げる
12月22日。今日は買い物で午後いっぱい立ちっぱなしで膝が痛くなって来た。でも、これでクリスマスとボクシングディの4連休が終わるまでは、のんびりと冬ごもり・・・。
買い物が終わるとやっぱり気分がぐ~んと盛り上がってくる。これからイブとクリスマスのメニューを考えないとね。前景気をつけるつもりで、クリスマスカラーである赤と緑のディナーにした。
[写真] アヒまぐろのたたき風とぼたんえびの蒸し煮
まぐろは山椒を振っておき、夏にドックで漁船から買って冷凍してあった地物のぼたんえびは頭と殻を取って柚子とポン酢で下味。赤ピーマンはグリル、青梗菜は2つに割って蒸し、3分ほど経ったところで下味のついたえびを入れた小鉢をスチーマーの中央においてさらに5分ほど。まぐろはグリルで中まで焼かずになんちゃら「たたき」風。
どたん場のどんでん返しの予定変更ばかりだったカレシもさすがにカレンダーまで変えることはできないから、後は目が覚めたら起き、気の向くまま食べて、飲んで、眠くなったら寝るばかりの究極的ぐうたら生活。だってホリディなんだもん・・・。
穏やかに訪れる2人だけのクリスマス
12月23日。金曜日。ゆっくりと寝て、正午を過ぎてのんびりと起きた。ここのところ、寝る前と起き抜けの体重の差が少し大きくなっている。寝ている間の基礎代謝率が上がっているということで、オフィスの大掃除をしたり、午後いっぱいモールを歩き回ったりしていたから、それなりに運動効果が出て来たということかな。座っていてばかりで身体を動かさないと、体重差はてきめんに小さくなるから、人間の身体は正直だな。ま、年明けまでにカレシにトレッドミルの周りの「ゴミ」を片付けてもらって、食べて飲んで寝ての冬ごもりの脂肪を落とさないと・・・。
クリスマス前最後の平時の今日は、どこへ行っても最後の最後のどたん場ショッピングの人たちで混雑する日。必要のない外出はしないのが一番無難だから、きのうのうちにカレシのお尻を叩いて買い物を済ませておいたわけだけど、カレシはそんなことはどこ吹く風で、起きた早々に「くたびれたから、今日からもう何もしないぞ~」と。うん、それもいいね。ワタシもきのうのうちにコーンブレッドを焼いて、グラヴラックスを仕込んでおいたので、今日の仕事はバゲットを焼いて、あとはご馳走の食材の在庫チェックをするくらいのもんだから。
グラヴラックスは言うなれば「しめ鯖」の北欧版のような感じで、しめ鯖は酢を使うけど、こっちはサケを使って北欧のいも焼酎ともいうべきアクアヴィットで作る。サケはサケでも、太平洋のサケは紅ザケでも銀ザケでも身のとろみや甘みが足りなくてあまりおいしくできない。北欧のサケは大西洋のサケなんだから、元々魚としての種がちがう太平洋のサケではうまく行かなくて当然だろうな。そこで、最近出回っている養殖ものの大西洋サケの大きな切り身を2つ買って来て、塩と砂糖でちょっともんで刻んだディルをまぶし、アクアヴィットをかけ回して、間にディルの穂を挟んで、身と身を合わせて容器に入れ、平たい缶詰のような重石になるものを載せて蓋をカチッ。グラヴラックスはとろっとして食感で、スモークなしのスモークサーモンのような味わいがあって、我が家のご馳走行事の定番になりつつある。
今日のディナーはフリーザーの中で場所を取っているヒラメ(あるいはカレイ)。夏にドックで漁船から買ったものが2匹残っていた。大きさの割には、頭と尻尾を取り、ひれを取り、内臓を取ったら、ほんの少しの身と見かけの割には硬くてごっつい骨。開きにしたら食べるところがなくなりそうなので、そのままアーモンドバターとパン粉を混ぜたクラストを作って、トースターオーブンで焼いた。昔は魚は骨がどうのこうのとうるさかったカレシも、自分から言い出して魚を常食するようになってからは、少々の小骨もなんのその、けっこうなれた手つきで身をほぐしているから、経験というのは大したもんだと思う。食べ終わって残った背骨と肋骨。きれいに取れたので、昔子供の頃に父がよく作ってくれた「骨せんべい」にした。冬の間、宗八ガレイなどを食べた後の骨を石炭ストーブの上でカリカリに焼いてちょっと醤油をつけたものを「骨せんべい」と称してワタシたちに食べさせてくれた。気候が悪くてカルシウム不足になりやすい土地柄だったからだろうけど、これがまたパリパリと香ばしくておいしい。ストーブはないからトースターオーブンで焼くけど、いわばワタシの「お父さんの味」で、今ではカレシも大好物。
食後にバゲットを作るための生地をブレッドマシンに仕込んだら、カレシも黒オリーブのタペナード作りを始めた。ラジオのホッケーの中継を聞きながら、こうやってキッチンのあっち側とこっち側でクリスマスの準備をしていると、2人して穏やかなクリスマスホリディを過ごせるようになってもう10年も経つんだなあという感慨がわいて来る。まあ、半歩か一歩くらい後退したり、何かのきっかけでずるずると逆戻りするのではという不安を感じたりすることもないとは言えないけど、確実に十歩くらい前進したことは違いない。2人とも年令とともに賢くなって来たのか、それとも老化で人間が丸くなったのか、それはわからないけど、食べて、飲んで、笑って、ぬるま湯のような平和な時間にゆったりとひたろうね。
クリスマスイブの前祝いディナー
12月24日。土曜日。クリスマスイブ。起きてみたら、雨がざぶざぶの天気。まあ、予報どおりではあるけど、朝食後に二階の窓から外を見たら、南側の雨どいが風で飛んできた落ち葉が詰まったらしくて水が溢れている。溢れていると言ったら「どうすればいいんだよ、今さら」と言ったカレシ。あ、そう。それでも外へ点検に行って、「このままじゃ土台に良くない。今になってもう何なんだよ~」と。
とにかく2人して汚れジーンズに着替えて、雨の中をガレージから大きなはしごを持ち出して来て、カレシが登って雨どいの掃除。地下の排水管につながるパイプへの排出口の辺りで何やらごそごそやっていたら、急にどば~っと水が流れる音がして開通。どうやら元凶は落ち葉じゃなくて、先ごろの嵐で屋根に吹き付けられた落葉松の針が雨で洗い落とされて、土ぼこりやゴミと一緒になって排水口を塞いでいたらしい。耳を澄ますと、隣のパットの敷地では詰まった雨どいから滝のごとく水が溢れ落ちる音・・・。
のんびりする代わりに久しぶりに緊急ハプニングが起きたクリスマスイブ。びしょ濡れになって雨どいを掃除したというのに、1時間も経たないうちに雨が止み、やがて雲が切れて日が差してきた。ふ~ん、車を洗うと雨が降るという都市伝説の逆バージョンかなあ、これ・・・。
それでも後はのどかな午後が過ぎて、さて、プレクリスマスの前祝ディナーの時間。
今日のメニュー:
シーバスの三色クネル風
酔いどれのホタテとエビ
銀ザケのほうれん草ソース
(サラダ)
デザート (パネットーネとフルーツ)
[写真] シーバスの尻尾の方がフリーザーにあったので、玉ねぎとさっと電子レンジでゆでた少量のジャガイモと液体卵白をフードプロセッサにかけて、2つのカップに大さじ2杯くらいずつを取り分けて、ひとつはトマトのパサタ、もうひとつは抹茶で色をつけてみた。これをステンレスのカップに入れて蒸し器で蒸したら、卵白が多すぎたのかふわ~っと膨れて来たもので、盛り付けたらひっくり返るかもと心配したけど、うまく小皿に外せた。飾りはコリアンダーの葉を1枚。赤い実のついたひいらぎならもっと気分が出たかも・・・。
[写真] 厚いのを開いておいたホタテをスコッチとマイヤーレモンに漬けておいて(だから酔いどれ)、バターでさっと小エビといっしょにさっと火を通した。ゴールデンビーツを下敷きにして盛り付けてから、少し煮詰めたスコッチバターソースをかけて、思いつきでブルーベリーを彩りにパラパラ・・・。
[写真] 今日のメインは銀ザケ。少しくたびれていたほうれん草を玉ねぎ、にんにく、キャラウェイでポタージュに仕立て、明日のために少し取り分けておいてから、さらに煮詰めて、白トリュフ風味のオリーブ油で香りつけてソースに仕上げた。銀ザケは塩と胡椒だけで焼いて、お皿に広げたソースの中に置き、まわりにサーモンキャビアを散らした(なぜか沈没してしまったけど)。時間がかかるので食べ始めからローストしていたミニピーマンと蒸したアスパラガスをあしらってできあがり。
[写真] カレシのデザート作りが間に合わなかった?ので、イタリアのパネットーネをスライスして、いちごとミニみかんを添えてみた。ゴルフボールくらいの大きさのこのミニみかん、箱入りのものよりもこっちの方が甘いからと言われて買った袋入りは、たしかに昔から覚えているみかんよりもずっとずっと甘い。小さいから皮をむくのがめんどうかと思ったけど、意外とすんなりとむけて、白い筋もするりと取れた。甘くなっているだけじゃなくて、扱い方も便利になっているのかな。
ディナーが終わる頃、テレビのニュースで、サンタクロースのそりはアイルランドを飛行中だと言っていた。後は大西洋を(アイスランドを忘れずに)越えるだけか。明日のバンクーバーはまた雨だって・・・。
クリスマスの朝はちょっとエキゾチックに
12月25日。クリスマスの朝。正午を過ぎて目を覚ましたら、外はかなりの荒れ模様。強風注意報が出ていて、気温は何と8度。
まず、ツリーのライトをつけて・・・[写真]
クリスマスの朝食はちょっと趣向を変えて、キリストが生まれた地域で常食されるというシャクシューカにペルシャ風のパン。
[写真] シャクシューカは北アフリカのチュニジアかアルジェリアのあたりが起源だそうで、(少しずつ変化しながら)エジプトからイスラエルまで、よく作られる料理だそうな。使ったレシピはイスラエル式らしい。材料は玉ねぎ、にんにく、ひよこ豆、トマト、ハラペーニョ、フェタチーズ、卵。スパイスはパプリカとクミン。彩りはパセリとコリアンダー。(パセリはカレシ菜園の片隅で未だにしぶとく青々としているイタリアンパセリ。)
オリーブ油で玉ねぎとにんにくを炒めて、ハラペーニョとひよこ豆とスパイスを入れて、缶詰のトマトを汁ごと入れてちょっと煮て、オーブンに入れられる鉄のフライパンがないので、ここではミートパイ用のココットに。崩したフェタチーズを散らして、その上に卵を割ってオーブン焼き。
またしても雨が止んで、でき上がった頃には雲が切れて、薄日が差して来た。カレシがゆうべのうちに絞っておいたオレンジとマイヤーレモンのジュースで乾杯。イランのバルバリというパンをトーストして添えて、刻みたてのパセリとコリアンダーを散らした熱々のシャクシューカをふうふう言いながら食べる、ちょっぴりエキゾチックなクリスマスの朝。食後はポットでボコボコと入れたイタリアのエスプレッソで・・・。
クリスマスの晩餐は三羽鳥のバロティーヌ
日が差してからは穏やかな午後が過ぎて、ほのかにばら色の夕焼け。急に気温が下がって来た。でも、今夜はまた雨、高台ではみぞれという予報だから、忙しい。4時頃にマリルーに電話してクリスマスのあいさつしてから、ご馳走の準備にかかった。今日のメニューは下準備に手間がかかるので要領よくやらないと・・・。
今日のメニュー:
(食前酒: シャンペン)
アミューズブーシュ(グラヴラックスのばら)
ポタージュのトリオ
骨抜きうずらのポルチーニ詰め
(マイヤーレモンのソルべ)
三羽鳥のバロティーヌ、シャンテレルと野菜添え
イチゴのチョコレートフォンデュ
(食後酒: ポートワイン)
下準備が整って、主食をオーブンに入れたところで、シャンペンを抜いて乾杯。カレシの手際はなかなかのもので、コルクの部分をタオルに包んで持ち、びんの方をゆっくりと回しながら抜く。こうするとコルクが飛ばないし、シャンペンも溢れない。(天井にかって勢いよく飛んだコルクが当たってできた凹みがある・・・。)ポンッと軽快な音がして、まずはバブリーでメリークリスマス。
[写真] アミューズブーシュは食べごろになった自家製のグラヴラックス。パセリの葉を使ってバラの花のデザインにしてみた。ケッパーをあしらってアクセント。
[写真] マイケル・ミナがやるような「三通り」をやってみたくて買った皿とボウルのセット。まずはポタージュのトリオ。緑色はほうれん草、クリーム色はじゃがいもとリーク、赤はトマト。ほうれん草のスープはきのう作ったもの。ジャガイモとリークはコニャックで味付け。トマトは玉ねぎとポルチーニにトマトのパサタ(ピューレ)。小さいボウルには大さじ4杯くらいしか入らないので、小さいスプーンでひと口ずつのスープ。カレシ曰く、「イタリアの国旗はこんな色じゃなかったかな」。あはは、そういわれてみればそうだねえ。
[写真] 食べてもいいのかなと思うくらい小さなうずら。それでも一人前に骨がある(あたりまえだけど)。骨抜きにするいい方法はないかとググっていたら、YouTubeに実演をしているクリップがあったので、3度くらいじっくり見て「わかった」。あるかないかの手羽だけを残してももを切り取り、背中から両側に骨に沿って肉を外すようにナイフを入れて、手で肋骨と胸骨を剥がす。最初のは手間取ったけど、次のはけっこう簡単。詰め物は鶏のもものひき肉ごく少量と刻んだポルチーニきのこを混ぜ、少しのパン粉でボールにまとめたもの。実演で見たとおりにうずらで包むようにして形を整えたら、ちょっとした七面鳥のミニチュアのようになった。これをローストして、赤ワインのリダクションを回りに流したら、詰め物に吸い取られてしまった・・・。
[写真] ここでひと休み。カレシが作ったマイヤーレモンのソルベをクラシックなシャンペンソーサーに盛って舌をリセット。温州みかんとの交雑種と言われるマイヤーレモンはレモンの香りがたっぷりだけど、顔がくしゃっとなるような酸っぱさはない。シャンペングラスは今はフルートと呼ばれる細長いグラスが主流で、昔のハリウッド映画に出てきたようなソーサーと呼ばれる平たいグラスはすっかり廃れてしまった。平たいグラスではバブルがすぐに消えてしまうから細長いグラスになったという話。シャンペン以外にも使いようはあるんだけどな。
[写真] 今年はカナダでも話題になったのがアメリカはアラバマ州の田舎町の肉屋が作っているターダッキンという名物。ターキーとダックとチキンをつなげた命名で、1950年代に客に頼まれて、七面鳥の中に鴨を詰め、その中にチキンを詰め、その中にナッツやレバーなどの詰め物をしてローストしたのが始まりだそうだけど、実際はイギリスなどで中世から何種類もの鳥を順に詰めた料理を作ったという記録がいくつもあるとか。何となくマトリョーシカの料理版というところか。家庭で3種類の鳥を骨抜きにして詰めるのは不可能なので、手っ取り早く、胸肉を屏風のように開いて、叩いて平たくしたものを間にハーブを散らしながら重ねて巻いて、タコ糸で縛ってバロティーヌ。2時間ほど焼いて、さて、どんな具合に仕上がったかは、切ってみてのお楽しみ・・・。
[写真] 三羽烏ならぬ「三羽鳥」のバロティーヌは、思ったよりきれいに層になっていた。外側から七面鳥、鴨、鶏。中心は鴨の胸肉の燻製と黒オリーブ。ベーキング用のパーチメントペーパーにしっかり包んで焼いたので、あまり乾かずにできあがったけど、やっぱりまだちょっとぱさつくかな。カレシは「クランベリーソースとかチェリーソースがあればいいかもしれないよ」とアイデア。そうだなあ、七面鳥には(ジャムのような)クランベリーソースが定番だけど・・・。
[写真] 3時間近くかかって主食までたどり着いて、残るはデザート。カカオ70%のダークチョコレートを溶かして、いちごでフォンデュー。フォークにいちごを差してとろけたチョコレートをたっぷりすくって・・・おお、なんとデカダント。
ポートワインを食後酒にして、2011年のクリスマスの晩餐はお開き。おなかいっぱい。でも、食べ過ぎて胃が重いという感じはない。まあ、家族が大勢集まって10キロくらいもある大きな七面鳥を囲むディナーだったらこうは行かないだろうなあ。2人だけだから少量ずつをゆっくりのペースで消化しながら食べられるわけでね・・・。
今日はキッチンのスパイス・キャビネットを整理
12月26日。月曜日。ボクシングディ。雨にしたいんだか、晴れたいんだか、さっぱり腰の据わらないお天気模様。雨でも晴れでもいいから、どっちかにしてくれないかなあ・・・。
正午に起きて、2人ともきのうの今日でヘタレ気味。どっちみち今日はどこへ行っても恒例のボクシングディセールの人ごみで大変だから、どこへも行かずにもっぱら冬ごもり(ま、そうでなくてもそうなるんだけど・・・)。先週はけっこういろいろと忙しかったから、今週は大晦日までは日がな一日のんびりと行こう。とは思ったものの、断捨離作戦を始めた勢いで、ずっと前からやろうと思っていたキッチンのスパイスキャビネットの整理整頓に取りかかってしまった。
キッチンを改装したのはカレシが早期退職になったばかりのときだったから、もう11年になる。ワタシたちの関係はまだぎくしゃくしていたけど、2人が四六時中ひとつ屋根の下に一緒にいることになる暮らしを想定して、天井から床、壁を全部剥がしての大改装だった。そのときに注文したのがスパイスやハーブを取りやすいところに収納すること。キャビネットを作る「あたしゃこの道50年なんだよ」というセルビア人のオヤジさんとプロジェクトマネジャーのジョーを交えて、いろんなアイデアが浮かんでは(だいたいが)オヤジさんのダメ出しで消えた。思い余っていたところでジョーの頭に閃いたのが階段とキッチンの間の壁にキャビネットを埋め込むアイデア。壁の間柱は2×4で奥行きは十分以上。職人気質で気難し屋のオヤジさんが「それだ!」と膝を打って、さらさらとデザインをスケッチ・・・。
両開きと片開きのセクションがあって、スパイスのびんは両開きの部分に並べ、幅が半分の片開きの部分には旅先で買って来たご当地のショットグラスやデミタスを入れていたのが、グラスやカップの方がだんだん増えて溢れてしまった。そこで前後に2列にできるスパイスを片開きの方へ移そうという話になっていたのを、年末大掃除はちょうどいい機会ということでやっと決行。ついでに古くなって香りが抜けたスパイスを処分。カレシが庭で育てたハーブが入っているらしいラベルのないびんも、これなあに?と聞いても本人でさえ「さあ・・・」ということで、中身の正体が不明のびんはすべて廃棄処分。おかげで、めったに使わないものは後ろの列、よく使うものは前の列に並べたら、棚のスペースが半分になったのに余裕で納まって、両開きのセクションに移った旅の記念品も余裕たっぷり↓
[写真] 片開きのセクションの下の方はカレシがジャムや調味料を入れるところで、両開きの方は元からあった階段下の物置。取ってつけたような無粋なドアがあったのが、キャビネットのデザインに取り入れてもらったおかげで物置には見えなくなったけど、開けてみれば昔のまんまのごちゃごちゃ状態で、かさばるペーパータオルやトイレットペーパーのパッケージを無造作に放り込んである。奥の方にはいったい何がいつから入っているやら見当も付かない。ということは、なくても困らないし、あることさえ忘れている不用品ということで、ま、いずれはここも大掃除しないとね。(左側の低いキャビネットはオフィスの小部屋から持って来たCD/DVDキャビネット。右側のカレンダーをかけてあるドアは新築のときに階段の上の方の下を利用して作った食品収納庫。向かい側の冷蔵庫の横には「盗んだ」スペースに作ってくれた同じ両開き+片開きのガラスドアのデザインのリカーキャビネットがある。)
またひとつ懸案が片付いて、気分はさっぱり。まったく仕事をしない「休み」って、家の中のいろいろなことが捗って、いいもんだなあ。もっとも、1月は仕事の予定がもうほぼ満杯になっているから、、そろそろ仕事モードに切り替える心構えをしないとね。整理整頓のすっきり気分を楽しむのも今のうち・・・。
これからお正月なのに休みはもうおしまい?
12月28日。水曜日。起床、午後12時35分。相変わらずの雨もよう。(このままで春になればいいな・・・。)お客があったきのうの今日ということで、今日は一応の休養日。カレシや、1日。のイベントのたびに1日。は休養しなければダメってのは、やっぱりあれのせいだと思うんだけどな。(あれって、ほら、ローカゲンショーとかいう、あれ・・・。)
でも、きのうは楽しかったな。ワタシたちからすれば「若い」2人と、むぎゅ~っと抱きしめたくなるようなかわいらしい幼児。早く言えば、「息子夫婦と孫」が訪ねて来たようなもので、好奇心が満開であっちこっちと動き回る子供を追いかけながら、ああ、おばあちゃんになるってこういうことかなあと感慨がわいて来たり、かいがいしくオムツを取り替えに立つパパを見て、ああ、カレシには到底できなかっただろうなあと思ったり、持参のおもちゃはそっちのけで単純な「引き戸」に興味津々の様子を見て、幼児の無限の想像力に感心したり、大の字になって眠ってしまった子供の無垢なあどけなさにちょっぴり胸がキュンとなったり。かなり遅くまで話が弾んで、ほんっとに楽しいひとときだった。来てくれてありがとう!
まあ、小さい子供がいることでよけいに疲れたのかもしれないけど、午後はゆっくりと過ごして、夕食後はホッケーの試合を聞きながらうたた寝のカレシ。今夜に行く予定になっていたHマートへは明日の夜でもいいからね(ただし、明日は行かないと大晦日とお正月のご馳走ができないよ)と譲歩。ワタシはそれで良かったんだけど、しばらくして「しゃきっと目が覚めたからこれから行こうよ」と言って来た。まあ、それもいいかということで、カレシの気が変わらないうちにしたくをして、いざ出発。雨はしょぼしょぼていど。
ハイウェイに向かってウィリンドン・アヴェニューを北へ向かって走っていたら、突然パトカーが何台もいて通せんぼ。整理の警察官の示す方向に行ったら、あまり知らない名前の道路に入って、いつのまにか迷子に。昼間なら影の位置を見て方角の見当をつけられるけど、勝手のわからない夜道ではお手上げ。ワタシが通り過ぎる道路の名前を読む役目で、カレシが方角の見当をつける役目。どうやらしばらく南の方へ走っていて、いつのまにか東に方向転換したらしく、そのうち行く手にノースショアの夜景が見えて来て、方向感覚が戻って来た。そのうちにハイウェイに入ることができて、やれやれ。車の中ではホッケーの中継を聞いていて知らなかったけど、通行止めになっていたのは交差点で歩行者がバスに轢かれて車体に足を挟まれる事故があったためとか。命には別状はないらしいけど、雨の夜は視界が悪いから気をつけないとね。時間の余裕があったので、閉店時間を気にしないで済んだけど、なぜかHマートへ行くときに限って何かが起きるような・・・。
今日は生のほっけ2匹とめんめ1匹をきれいに処理してもらい、切らしていた醤油や濃縮のめんつゆを買って、後は刺身用のサケやら冷凍のアサリやゲソ、ロブスターの尻尾やロコあわび、寿司用のエビやら何やらと、しめじやエリンギ、えのきのきのこ類、ニラやししとうや大豆もやしも買い込んで、八穀米とチヂミのミックス。緊急食用のおでんセットに、夜中のランチ用の冷凍たこ焼きやラーメン。カレシは大好物の白いキムチとごま油味の海草サラダ、黄色くない大根の漬物を丸ごと1本。まあ、これくらいあればのんびりと食べて年を越せるような・・・。
帰り道のカレシは疲れてきたのかちょっぴりご機嫌ナナメ。(明日でいいよって言ったはずだけどなあ。)クリスマスが終わったばかりで、家の外の飾りにカラフルなライトが煌々とついているところがかなりあって、ながめていると楽しい。中には道路を挟んでご近所さん同士で一種のライトアップ競争でもしているのか、派手に飾り立てた家がずらりと連なっているブロックもある。広い前庭いっぱいにサンタクロースやらトナカイやらツリーやらの大きな飾りに何百個というライトが点いてまばゆいくらいの家もある。でも、こうやって車で通り抜ける分にはすごく華やかで、見ごたえがあっていいな。
帰ってきて、真空包装の品物にまで不要についてくるトレイとラップを外して、フリーザーの中を整理して詰め込み、まだいろいろと混雑している冷蔵庫に野菜類を詰め込むのに1時間。過剰包装はアジア文化なのかもしれないと思いつつ、ベースメントへ降りて行ってメールをチェックしたら、あ~あ、また仕事の話。し~らない。日本では今日は29日。の仕事納めじゃなかったのかなあ。こんな日に正月明け早々の朝一番の納期を指定して仕事を発注する企業もあるとは驚き。置きみやげというのか、いたちの何とかというのか。カレンダーがまだ変わっていないというのにもう1月の予定が立て込んでしまっているのは、来年は商売繁盛でてんてこまいになるという予兆なのかなあ。何だか明日あたりから本気になってぼちぼちと仕事を始めた方がいいような気配になって来た・・・。
緊急事態で救急センターに駆け込み
12月29日。木曜日。いつの間にか起き出していたカレシがいきなり明かりをつけて「救急センターへ行く」。びっくりしてどうしたのか聞いたら、前からときどき再発するようになった泌尿器系の問題が「急に悪くなった。出血して痛くてがまんができない」と、ハアハア言っている。飛び起きて、一緒に行こうかと聞いたら、「とにかく一刻も早く診てもらいたいから、どっちでもいい」との返事。付き添うなら身支度をしなければならず、パニックに近いような青ざめた顔をしているカレシを待たせることになるので、行かない方が良いと判断して、携帯を持たせて送り出した。
午前11時20分。総合病院の救急センターまでは車で15分ほど。出血と痛みがあると言っても、心臓発作のような一刻を争う問題ではないから、救急車を呼ぶほどではないんだけど、カレシは痛みの敷居が低い方だし、大きな病気や手術の経験がないので平常と違うことが起きると不安症が一気に噴き出してパニック状態になってしまう。コレステロール値が高いからと処方された薬で副作用が起きたときはワタシが病院まで運転して行ったけど、ホットラインの看護師が「すぐに救急へ!」と指示したことでパニックになって、歯がガチガチと言うほど震えていた。けさも痛そうにしていたので、あせって事故を起こさなければいいけどと思って心臓がどきどきするし、何とも落ち着かない気分で立ったり、座ったり、うろうろしたり・・・。
電話が鳴ったのは午後12時半過ぎ。テーブルに突っ伏して眠ってしまったみたいだった。番号表示を見るとカレシの携帯。意外と元気な声で「今ドクターが来るのを待ってるんだけど、退屈しちゃってさあ」。ええ?どうやら救急センターの第一線であるトリアージュのカウンターはすんなりと突破して、問題の性質上なのかカーテンで仕切っただけのベッドでなくて、ちゃんとドアのある個室のようなところに入れられたらしい。昔は重病も軽症もみんな大きな待合室のようなところで待たされたものだけど、最近は救急センターの玄関を入るとトリアージュを兼ねた受付があって、自力で行くとそこで緊急性を判定して中に入れてくれ、診察ベッドに案内されるようになっている。前回は早朝だったせいか混んでいなかったけど、今回は時節柄もあって「すんごく混んでいる」。そうだろうなあ。かかりつけの医者が休暇に行って留守というケースも多いだろうから、たとえば高熱が出たら救急センターに行くしかないだろうな。
他の患者を診ている救急医の手が空くまで待つしかないカレシは「退屈で、退屈で・・・」。前回は心電図やら点滴チューブにつながれて退屈している余裕はなかったけど、今回は「こうやって待つんだったら、iPodを持って来ればよかったなあ」と。おいおい、iPodなんか準備して行ったら緊急性ゼロと思われて、受付の外で何時間も待たされちゃうよ。ま、退屈して女房に電話してくるくらいなら、生死にかかわることじゃないのは100%確実。看護師が入ってきた、ドクターが来たと言っては電話を切り、10分か15分くらい経つとまた電話で進捗状況の報告・・・。
午後1時半を過ぎて、泌尿器科の専門医が来るのを待っていると言う電話。何らかの処置をしてもらえるらしい。午後2時20分、その「処置」が終わって、「いやあ、痛かったの何のって」と報告。点滴のチューブを外して、処方箋をもらったら帰って来るとか。ワタシの方はひと安心して、少し仕事を進めておこうと思ったけど、こういう状況では全然集中できず、1行も進まないので諦めた。午後3時過ぎ、抗生物質の処方箋と去年診てもらった泌尿器科専門のフェンスター先生の予約を持って帰ってきた。出かけてから4時間近く。朝から何も食べていなかったカレシに、ポルチーニきのことパンチェッタ入りのオムレツバーガーを作ってあげた。腹ペコだったカレシはそれをほおばりながら、微にいり細に入って説明。ま、夫婦だから話せる内容なんだけど・・・。
聞いてみると、あと3時間くらい放置したら組織が壊死し始める可能性があったそうで、とにかく緊急の状態だったことは確からしい。だから混雑にもかかわらずかなり優先的に手当てを受けられたんだろう。年が明けてフェンスター先生のところへ行ったら、前回(ちょっとびびって)保留した外科的処置を今度はカレシの方からリクエストするんだそうな。まあ、男子のプライドに差し障るのか頑として拒絶する人が多いらしいけど、「なくなっちゃうわけじゃないんだし、このくらいの年になったらプライドなんかよりも医者要らずの方が断然いいに決まっているでしょ」とカレシ。ごもっとも・・・。
ああ、今日はワタシもぐったりと疲れた。でもまあ、病院のベッドで年越しなんてことにならなくて良かったよね。
何だか仕事に疲れてきたような・・・
12月30日。金曜日。どろ~んと眠って目が覚めたのは午後1時半過ぎ。やっぱりきのうは疲れたな。起きていつものように秤に乗ったら、体重がきのうの朝と比べて1キロ減っていた。別に食べなかったわけでも飲まなかったわけでもないし、10キロ全力疾走したわけでもないのに1日。で1キロ減ることはめったにない。じわじわと太るのとはまったく性質の違うストレスだったということかな・・・。
とりあえず、カレシが処方された薬をもらいに行くことにして、運動代わりに歩くのもめんどうだなあと意見が一致したので車で行く。明日は大晦日だし、今週は休みを取っている人も多いだろうし、モールの駐車場は混むと見越して初めから路上駐車。駐車場が満杯でもだいたいはいつも空きスペースが見つかるから不思議。2時間までの時間制限付きだけど無料だし、幹線ではない道路を渡るだけの近さなのに、モールの駐車場ではスペースを探す車がぐるぐる・・・。
スーパーの薬局で薬の用意をしている間に、酒屋へ行って底をつきかけているレミを買う。見たら箱の外に「XOのミニボトルのおまけつき」とステッカーが貼ってある。機内に持ち込めるサイズだから来年日本へ行くときに便利ということで、レミの箱を2つ。前回の「おまけ付き」のときは棚に並んでいた箱のどれにも実際にはおまけが入っていなかったというハプニングがあったので、今度はまず開けてみてミニボトルがちゃんと入っていることを確認してからバスケットに。レジでその話をしたら、若いキャッシャーが素っ頓狂に「ありえな~い」。ありえないよねえ。でも、ほんとうに輸送途中でおまけが蒸発してしまっていたんだよねえ。「うわっ、ありえな~い」とアルバイトらしいお嬢さん。若い人のボキャ貧は世界的な現象なのか・・・。
スーパーに戻ったら薬の用意ができていて、小さな容器の塗り薬が40ドルなり。カレシの場合は年間の処方薬の額が一定以上になると州政府の医薬品の保険が利くし、年金についてくる拡大医療保険も控除額を超えると2人の薬代を払ってくれるんだけど、高脂血症の治療薬とかバイアグラでも常用していなければ、そんな金額にはならない。まあ、そういう高価な成人病の薬を常用せずに済んでいるのは比較的健康な証拠だろうから、保険が払ってくれなくても別に損だとは思わないけどな。年を重ねるに従って、そろって医者いらず、薬いらずの健康でいられることが何よりの生命保険のように見えてくるから。
夕食を済ませて、納期が年明け一番の仕事にかかった。きのうとうとう先に進まないままだったので、ちょっとがんばらないと年越しのシャンペンどころではなくなりそうな気もするけど、これがまた美辞麗句の羅列のような自画自賛PRで、おまけに場違いなバカていねい表現がぞろぞろと来ているから、最初のパラグラフをやっただけでもう気が滅入ってきてしまった。考えてみると、窮屈で居心地が悪かったと言っても生まれ育った文化なんだし、そこでほんの数年だけど社会人をやったし、実質的に部外者になってからも社会の動きとは無縁にならなかったし、そんな中で見たくもない醜い部分をいやというほど見せつけられたし、いくら「我々はこんなに先進的なんだぞ」と世界に威張ろうとしても、ワタシには「タテマエ」という言葉しか思い浮かばない。孔子先生が言ったでしょうが、「巧言令色少なし仁」と・・・。
アホくさくなって来るけど、仕事は仕事。ちゃんとやらないとご飯が食べられなくなる。でも、こういう内容のものはまじめにやろうとするほど気が滅入って来て、胸の内やおなかの底にいろいろな負の感情が発散できないままに滓のように沈殿するばかりで、なんでその出所の表向きを飾るようなことに労力を使っているんだろうという疑問が膨らんで来るからつらいところ。仕事と割り切ってまじめにやろうとするから、いつまでも自分の気持を整理できないでいるのかもしれないと思えて来る。あるいは、異質の2つのものをうまくとりなそうとすることに疲れて来てしまったのかもしれない。もしもそういうことだったら、やっぱりフルタイムのフル稼働は来年2012年を以って終わりにするのが最善の策なのかな。ま、考えるだけで鬱っぽくなりそうだから、今夜のところは別の仕事に取りかかることにしよう。何といっても科学方面はやりがいがあるし、人の役に立つものだし、何よりも美辞麗句の解釈に悶々としなくてもいいし・・・。
おおみそか、今年もいよいよ食べ納め
12月31日。土曜日。おおみそか。カレンダーの曜日の列のどん尻で、1年のどん尻の日。正午ぎりぎりに起床。(ぐずぐずしていたら今年が終わっちゃうってば・・・。)フリーザーをのぞいて大晦日のディナーの算段をしながら、太平洋の向こう側はもう「新年」で、日本ではお雑煮のお餅が膨らんでいる頃だなあと思い、いつもながら奇妙な感覚に陥る。だって、世界中が「来年」になのに、こっちはまだ「今年」の最後のディナーの準備をしているんだから。いっそのこと、サモアのように日付変更線をロッキー山脈のあたりまでねじ曲げたら、世界でいの一番に新年を祝えるのに。
まあ、西洋的には(老人の姿で)去って行く「旧年」をどんちゃん騒ぎで見送り、午前零時きっかりに誕生する(オムツに包まった赤ちゃんの)「新年」をにぎやかに歓迎するのが基本。新しいカレンダーにかけ替える以外は特に改まった感じはないな「時間のベクトル」の感覚に農耕民族と狩猟民族の違いのようなものがあるのかもしれないな。新年の決意は話題になるけど、一年の計は元旦にあり!と拳を握り締めるような気迫はない。きのうは酒屋のレジで「新年の決意はしたんですか?」と聞かれた客が「去年のをね。手付かずだから新品同様さ」と笑い飛ばしていた。ま、とりあえずシャンペンを冷蔵庫に入れて、夕方までは少し腰をすえて仕事・・・。
大晦日のプチ晩餐メニュー:
昆布巻きのてんぷらと小エビとコーンのフリッター
寿司ロール2種
すき焼き風ビーフスープ
刺身盛り合わせ、野菜と海草サラダ添え
[写真] 真空包装の昆布巻きがあったので、そのままでは退屈だなあと思案して思いついたのが「てんぷら」。そういえば、とフリーザーからほんの少しの小エビを持ち出して来て、生とうもろこしの半分から実を外してフリッターにして合わせた。
[写真] 寿司用の開いたエビがあるけど、ご飯に載せるだけではただの寿司・・・ということで、ねぎを入れて巻き寿司。ついでに、ししとうをトースターオーブンで焼いて醤油をまぶし、冷ましておいてビンナガといっしょにこれも巻き寿司。ししとうの味とちょっと脂っぽいビンナガの味がけっこう相性がいいみたいで、ときにはピリッとしてなかなかおもしろい思いつき寿司になった。
[写真] フォーなどに使うために小分けにしてある牛肉の薄切りを使って、白菜、豆腐ですき焼き風のスープ。味がしみるようにゆっくりとろ火で温めた。スープはすき焼き鍋の割り下ほど濃くしないで作ったら、意外とあっさりした味わいになって、カレシはおいしいといってきれいに飲んでしまった。
[写真] ひと休みしてプロホッケーの試合を観戦(旗色は良くないけど)。カレシが大根おろしを食べたいと言っていたので、ちょっとポン酢を加えて刺身と合わせることにした。刺身を食べられるようになったと言ってもまだあまりバラエティがないのが悩みだけど、今日はビンナガ、サーモン、ハマチ、イクラ。つまはきゅうりをカップにしたイクラと、他のコースを食べている間に玄米酢で即席に漬けておいた花ラディッシュ。付け合せは大豆もやしとしいたけのごま油炒めと海草サラダの白ごま和え。赤米が混じっているので炊くと薄い赤紫色に染まる雑穀ご飯を添えて。
調理の時間のタイミングがけっこううまく行って、中休みは20分ほど。終わった頃には「極上吟醸酒」の小瓶も空になったけど、食べたなあという満足感はあっても、食べ過ぎておかながきついという実感までは行かずに無事終了。調理の段取りというのも、仕事の段取りと似たようなもので、つまるところは経験と慣れというところなのかな。必要以上に材料に手をかけないことが鍵かもしれない。
さて、2011年もあと2時間とちょっと。きのうは総数160万以上もあるブログの7300何十位だかにランクされていて、ワタシ、いったい何を書いたの?とびっくりしたけど、頭の中の雑音をとりとめもなくだらだらと書き散らしてばかりのワタシのブログに来てくださったみな様、どうもありがとうございました!
それでは、2012年の訪れを待ちつつ、またちょっと仕事をば・・・。