リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

ハロウィンの夜は花火大会の総まとめ

2015年10月31日 | 日々の風の吹くまま
ハロウィンの朝。すごい雨と風。これじゃあ子供たちはお菓子をもらいに近所を徘徊するわ
けに行かないかもしれないな。楽しみにしているだろうに。でも、この伝統的な子供のイベン
トが最近は大人にハイジャックされて、クリスマスよりお金のかかるパーティイベントになっ
てしまった感がある。日本では若者たちのコスプレイベントとして人気急上昇中とか。昔は
男の子たちが風呂敷をケープ代わりにしてスーパーマンの「つもり」になり、女の子たちは
髪に花の冠を載せてお姫様になった「つもり」になっていたけど、現代のコスプレは大人が
その「つもりごっこ」をやっているようなものに見える。あんがい成長しないままで年だけ大
人になった子供たちなのかもしれない。

午後になって雨が止んで、きのうから爆竹の音がしていたけど、本番の今日は午後4時を
過ぎた頃からあちこちでドンドン、バンバン。なぜ4時かと言うと、市の消防条例で市民が花
火を打ち上げられるのはハロウィンの日の午後4時から真夜中まで、しかも所有者の許可
を得た私有地で18歳以上にのみ認められているからで、花火の所持も28日から31日ま
での期間しか認められていない。(ただし、爆竹と「ローマンキャンドル」と言う乱玉花火の使
用は禁止されている。)

暗くなったら住宅地のそこかしこから盛大な打ち上げ花火。足元のニューウェストミンスター
は元より、北のバーナビーから東のコクィットラム、南のサレーからデルタ、西のリッチモンド
まで、我が家から見渡せる限り花火、花火、花火。特にインド系人口の多いサレーではいた
るところで花火が上がっている。真夜中までに打ち上げてしまわないと花火の不法所持に
なるせいか、10時を回る頃にはどんぱち、どんぱちと、何だか在庫一掃セールみたいな賑
やかさで、思いがけない花火見物は予報の「次の嵐」が遅れて来た11時頃まで続いた。

旧居では、火の付いた花火を生垣越しに投げ込まれて窓の外で炸裂したりことがあったせ
いか、2人ともハロウィンやインド人のディワリ祭のときの爆竹や花火の音がいつもすごい
ストレスになっていたけど、こうして危害の及ばない高いところから見ていると、全国の花火
大会の総集編を見ているようで、明かりを消して、あっちだ、こっちだと2人して大はしゃぎ。
ほんとに思いがけず楽しいハロウィンだった。さて、寝る前に時計の針を1時間戻すのを忘
れないようにしないと・・・。

お揃いのキャビネット

2015年10月30日 | 日々の風の吹くまま
お天道様よりも早く起きたら、まだ雨っぽい空模様。日の出の時刻は、あしたが7時59分で、
時計の針を1時間戻して標準時間になる日曜日は午前7時。夜明けが急に早くなるだけで
も戸惑うのに、あしたは午後5時53分の日没が翌日にいきなり午後4時51分になってしま
うもので、時差ボケ状態になる人も多いらしい。夏時間を設定した頃はそうする意義があっ
たかもしれないけど、生活様式が多様化した今はすっかり無意味になった感じ。そこでこん
なめんどうな制度は廃止するように州政府に働きかけようという運動を起こした人がいる。
サスカチュワンのように時間を変えない州もあるんだから、BC州だってできないはずがな
いから、かなりの署名が集まるんじゃないかな。

今日は一応は仕事日ということにして、午前中はちんたらちんたら。ランチの後でスロークッ
カーにリブを仕込んでおいて、今度は少しまじめに仕事。2時近くなってマイクが最後の仕
上げに来たので大まじめに仕事。マイクはきのうペンキを塗った壁に鏡のついたお揃いの
キャビネットを取り付けて、2つのバスルームのシャワーヘッドを取り替えて「終わったよ」。
あれ、キャビネットの間に取り付ける飾り棚とタオルのフックがまだだけど。マイクは「いけね
え、ど忘れしてた」。まあ、旧居では自分で取り付けた棚だし、週末だし、いくつも抱えている
プロジェクトの合間を縫って管理組合の許可の期限に間に合わせてくれたので、後はワタ
シがやることにして、新居の改装は「完」。

     

カウンターの幅いっぱいの鏡を取っ払って小さいキャビネット2つにしたらすっきりした感じ。
化粧品や歯磨き道具を収納する戸棚がないとカウンターの上がごちゃごちゃしてしまうのに、
設計した人は何を考えていたやら。売りやすいように「ホテルライク」な高級感を出そうとし
たのかな。おもしろいことに、「エンスイート」と呼ばれる主寝室の付属バスルームにはシン
クが2つあるところが多い。俗にHis & Hersという、日本ならさしずめ「夫婦箸」とか「夫婦
茶碗」のようなものかな。あんがい共働きの生活様式を前提にして、夫婦揃って身支度に
忙しい朝にけんかにならないように配慮したデザインなのかもしれない。出勤には縁がない
我が家だけど、たしかにシンクが2つあると夜寝る前のしたくのときに便利でいい。

さて、あしたはハロウィン。天気予報では荒れ模様らしいけど・・・。

のんびりした改装もあと1日

2015年10月29日 | 日々の風の吹くまま
何だか芝居か映画のシーンのようなヘンな夢を見ていて目が覚めて、なかなか眠りに戻れ
なかったもので、起きてもちょっと頭がとろん。リアルタイムで夢の筋書きをメモできたらいい
のになあ。雨は止んだけど、まだ雲が垂れ込めているから家の中は薄暗い。朝食が終わっ
てメールをチェックしたら、あちゃ、また仕事。寝ているうちにファイルを送って来て「都合が
合えば始めてください」って、夜討ち?それとも朝駆け?けっこうテクニカルな内容だけど、
まっ、いいっか。

11時過ぎにマイクがペンキ塗りの道具を持って到着。きのうは引き返して家に帰り着くのに、
普通なら30分もかからないところを2時間以上かかったんだそうな。「えらい目に遭ったよ」
と言いながら、さっそく鏡を外した痕を石膏で修復した壁をスポンジやすりできれいに均して
ペンキ塗りの準備完了。引越し前の内装工事で残った同じ色のペンキを洗濯室から出して
来て、まずひと塗り。帰る前にもう1回塗るからと業務用掃除機を逆転させてドライヤー代
わり。窓のない小さな空間に熱が籠もるもので、出て来て涼みながら「おや、今日は仕事か
い」。そうなのよ、んっとにもう。

ラジオから中国が一人っ子政策を止めたというニュース。「一人っ子同士が結婚したら、じじ
ばば4人のめんどうを見るんだろうな」とマイク。いやそれより前に結婚相手になる女性の
数が足りないって話だけど。で、中国の経済学者とやらが「数人でひとりの妻を共有すれば
いいじゃないか」と言って顰蹙を買ったとか。「そりゃないよ。男は女を独り占めしたいんだ
から」。あのね、独り占めも何も、女は亭主1人でさえ持て余すのに2人も3人も持ちたがる
わきゃないでしょ。マイクはカレシをちら見。カレシは聞こえなかったふりをして「例のガール
フレンドはどうした?」とマイクに話題を振り、男やもめのマイクは「金食い虫になりそうだっ
たからやめた」。あはは、女性の数が不足していなくても、結婚したい相手はなかなか見つ
からないってことね。

午後2時に作業終了。洗濯室の隅に積んであったペンキ缶を見て「取っておく?」ううん、
いらないから持って行って処分してよ。「それもいいけど、壁に傷がついたときとか便利だ
よ」。でも、置くところがないもの。「ま、ひと晩寝て気が変わるといけないから、持って行くの
はあした片付けるときにするよ」。いやいや、変わらないって。じゃあ、またあした・・・。


園芸ルームが完成

2015年10月28日 | 日々の風の吹くまま
きのうとは打って変わって、かなりの雨。こんな日には心地のいい家の中に引きこもってい
るのが一番。というわけで、朝食が済んだらきのうの続きで、カレシのガーデニング作業場
の上の部分を組み立てにかかる。材料の棚板はきのう使った板より幅と奥行きが5センチ
ずつ小さいけど、組み立てる要領はきのうと同じで、まず4枚で載せたものが落ちないよう
に天板を1センチ下げた「枠」を作って、中に棚を2段。きのうの今日ですいすいと作業が進
んで、組み立てた枠をきのう作った箱の上に載せて固定。奥行き5センチの差を利用して、
手前にもう1枚の棚板を置いてネジで固定すると、合わせて奥行き42センチの作業台。見
てくれは悪いけど、バーのキャビネットの裏なのでダイニングからは見えない。

ずっとそれとなく「早く作れ」と催促していたカレシはいたく満足な様子で、さっそく地下駐車
場のロッカーから旧居で使っていたLEDライトを出して来たので、作業台上の棚の下に取
り付けてあげた。昔ワタシの父に贈られた盆栽用ターンテーブルを置いて、「前よりもずっと
使いやすくて便利になった」。当面の水濡れ対策として旧居のキッチンカウンターにあった
強化ガラスのまな板を置いて、カレシの「ガーデニングルーム」が完成。朝飯前ならぬ昼飯
前の午前11時・・・

     

摘み菜の生産体制が整ったのを喜んでいるうちに、雨脚が緩まないまま午後になって、来
る予定だったマイクから「橋の上がすごい渋滞でずっと動いてない」と言う電話。事故が多
発してアレックスフレーザー橋は上下線とも渋滞しているとラジオで言っていたので心配し
ていたけど、長い橋の真ん中で止まったままとはえらい災難。カレシが「ぼく達は明日も出
る予定がないから、今日は諦めて、動き出したら回れ右して帰ってビールでも飲んだ方がい
いよ」。そう、渋滞が解消する頃には日が暮れているかもしれないもの。

それにしても、注意力散漫なのか、運転が粗雑になっているのか、毎日あちこちで事故によ
る渋滞が起きて、カレシはラジオを聞きながら「通勤しなくてもいい身分でよかった」。4時を
過ぎる頃には、いつもはラッシュ時でも混み合うことのない6番ストリートが見たこともない
大渋滞になっていてびっくり。どこかの渋滞を迂回しようとして逆に別の渋滞に捕まってしま
うなんて災難だな。暗くなるし、雨はなかなか止みそうにないし・・・。

女の細腕には極楽とんぼ流大工仕事

2015年10月27日 | 日々の風の吹くまま
インフルエンザの予防注射のせいかもしれないけど、何かぐったりした気分で早寝したもの
で、起床は午前7時過ぎ。朝食を待っていたら、ジャッジャ~ンという勢いで目も眩むような
日の出。いかにも「ご来光」という感じだけど、あれは富士山の山頂で見る日の出だけに使
えるんだっけ?それはどうでもいいけど、日の出というのはどこで見ても何か荘厳な雰囲気
がある。次の日曜日は8ヵ月も続いた長い夏時間から標準時間に切り替わる日。午前2時
に時計の針を1時間戻すので、日の出は1時間早まって午前7時、日の入りも午後4時50
分。いきなり日暮れが早まる感じで、正午に起きていたら何もしないうちに日が暮れる。

でも、夏時間、標準時間に関わりなく、朝の7時に起きると1日がものすごく長い。カレシは
バルコニーに出て春の球根を植える作業。ワタシは旧居の本棚から持って来た合板の棚
板を使ってカレシの「ガーデニング作業場」を作る作業。フローリングを傷つけないように、
下に音が響かないように、古いキルトを床に敷いて、まずは直角クランプを使って四隅を合
わせる。棚が入るので4枚の棚板を縦にした2枚の棚板で挟む形になるから、一番上と下
の板を横からネジで固定して、裏の四隅をL字型のブラケットで固定し、角ブラケットで2枚
の棚板を固定した上で裏の接合部分をT字型ブラケットで補強して、はい、できあがり。

     

つまり、同じサイズの棚板6枚と3種類のブラケットと木ネジだけで収納棚を作る極楽とんぼ
流のお手軽な工作。道具は直角クランプ4個とテープメジャーとねじ回し。2時間もあればで
きてしまう。ただし、床に平たく寝かせた状態で作業をするから、足腰は痛くなるし、古い木
材は堅いので手も腕も筋肉がコチコチになる。この調子だと明日はギクシャクだなあ。でも、
同じ要領で別の本棚から持って来た棚板で上に載せる収納棚を作って、2つのユニットの
間に奥行きの差を利用して作業台を作る予定で、カレシが心待ちにしているし、積み上げて
ある棚板を早く使い切ってしまわないと、いつまで経ってもワタシの「マイクロアトリエ」を作
ることができないから、ギクシャクなんかしていられない。

ま、ガーデニングルームの整備ができたら、ベビーグリーンとマイクログリーンをどんどん栽
培してくれるそうだから、明日もがんばるね。スパイス棚はいつ吊るのかと聞かれても、そ
れは収納棚が終わってから考えること。それより、棚を増やすよりはモノの整理整頓を考え
て欲しいもんだなあ・・・。

もう10月かと思っていたら

2015年10月26日 | 日々の風の吹くまま
雨もようの月曜日。今日は忙しくなりそう。ゆうべ閉めようとしていたときに「まだ起きてます
かぁ」というメールと一緒に飛び込んで来た追加仕事があるし、11時前にSave-Onの薬局
でインフルエンザの予防注射の予約を入れてあったし、コントラクターのマイクが最後まで
懸案になっていた主寝室のバスルームの模様替えを始めに来るし・・・。

とりあえず仕事。急ぎでやらせといて今さら追加もへったくれもないだろとぶつぶつ。マイク
が7月の内装工事の請求書を作ってから来るというので、とりあえずSave-Onへ。シニア
の私たちは無料なので、注射の資格のある薬剤師がいれば混み合うクリニックに行くよりも
手っ取り早い。順番待ちは3人くらい。渡された問診票に住所氏名生年月日医療保険番号
を書き込んで、質問には全部「ノー」と答えて、先約のおばあちゃまと世間話をしながら待つ
こと10分。カレシの番が終わるのを待っている間、「イテッと言う顔をしなかったから安心し
たよ」と言う順番待ちのおじさんと注射談義。薬剤師の方が看護師よりもていねいにやるせ
いか痛くないのがいいね、と意見が一致・・・。

ランチが終わる頃に重装備の道具を抱えた末息子のアンドリューを従えたマイクが来て、ま
ずは「プレゼントだよ」と大きな封筒。ペンキ塗りと照明器具の取替えと本棚の手直しでしめ
て65万円。小切手を書いている間に、さっそく親子で高さ1メートル、幅2メートルの鏡を壁
から剥がしにかかった。壊れることを想定して破片をキャッチするシートを広げていたけど、
鏡は数ヵ所の接着剤で壁に貼ってあっただけだったので簡単にベリべりッ。「予定が1日短
くなってラッキー」とマイク。息子と2人で鏡を運び出してから、石膏ボードの壁に残った接着
剤を切り取って、速乾性の石膏で壁を均して、今日の作業はおしまい。後はペンキを塗って、
2つのシンクの上にお揃いのキャビネットとタオルをかけるフックを取り付けて、シャワーの
固定ヘッドをハンドヘルド型に取り替えたら、引越し関連の外注項目全部にチェックマーク
が付く・・・。
  

何かと忙しい気分だった1日が終わって、夕食後のコーヒーを飲みながらふと夜空を見上
げたら、雲の合間から顔を出そうとがんばっている27日?の月(満月は明日)。もう10月
かと思っていたら、それも今週いっぱいで終わり。ハロウィンの前なのにもうクリスマスライト
で縁取りした家が見える。早ぁ・・・。

もしも毎日が日曜日だったら

2015年10月25日 | 日々の風の吹くまま
きのうは想定外の置きみやげ仕事。長年担当している発注元の定番のごたごたレポートを
読んでいると、小町横町の四辻を行き交う愚痴や不安神経症的イライラは必ずしも空想の
産物ではなさそうだと思ってしまう。期限は月曜日朝一番(今日の午後)なので、ねじり鉢巻
でやっつけて、あり合わせで夕食をして、カレシが「だめだ、こりゃ」(負けだ)と言うまでホッ
ケーの試合を見て、Market Crossingまでお酒を買いに出かけて、ああ、くたびれた。

おかげでぐっすり眠って、起床は8時半。朝もやとか低く垂れ込める雲とか、ぱっとしない空
模様だけど予報では晴れ。ファイルの見直しをして納品してしまった後はのんびり。仕事が
ない日がワタシの週末と言っていた頃はなぜか週末がなかったけど、仕事があるときだけ
「現役」の今は8割隠居、2割現役というところで、何日も「週末」。まだ暇すぎると感じること
はないから、毎日が週末のシニア暮らしはいいもんだと思うけど、そのうち飽きて来るもの
なんだろうか。ワタシはわりと退屈しない性質だけど、この先9割隠居、1割現役になったら
どうなるのかなあ・・・。

午後はカレシを誘って川縁まで散歩。アップタウン地区からはどの通りも初めは坂道と気づ
かないくらいに緩やかなのが、クィーンズアベニューを渡ったあたりから急に膝がガクガクし
そうな下り坂になる。おまけに歩道が進行方向だけじゃなくて車道側にも傾いていたりする
から、いやでも体を傾けて歩くことになる。急な坂道にはちょっと不思議な趣があると思うん
だけど、独特の名前がないのが惜しいところだな。ワタシが生まれ育った釧路にはあまりに
も急で途中で休まなければならないから名づけられたと言う「休み坂」があるし、今は階段
になっている「出世坂」がある。こっちの道路にはどんなに短くても必ず名前がついている
から、目だって急な坂でも道路の地形に過ぎないということで固有の名前がつかないのか
もしれないな。

川縁の遊歩道をそぞろ歩いて、線路を跨ぐ4番ストリートの歩道橋を渡って、コロンビアスト
リートに出ると今度は顎が擦れそうな上り坂。まだ休み休み上るほど鈍ってはいないはず
だけど、ほぼ平らになる頃には2人ともちょっと息切れ。今日は3キロくらい歩いたので、ご
褒美に途中でマカロンを買って帰って来た。こういうのどかな日曜日もいいもんだな。もっと
も10割隠居になったら来る日も来る日も日曜日ということだけど・・・。

高層マンションの窓拭きは大変

2015年10月23日 | 日々の風の吹くまま
起床7時半。カレシがあまりにも機嫌よく起きるので、何かワタシだけ寝ているわけにも行
かない。ま、カレシが朝から機嫌がいいとワタシも元気よく起きられていいけど。無風状態
で朝もやに包まれた工業地区から何本もの白い煙がまっすぐに立ち上っている。リビング
の窓の外には2本のロープ。夏の水不足で中断されていた窓拭きが再開されて、建物の反
対側の残り部分だけやるというお知らせだったけど、ついでに拭いてくれるのかな。

管理会社からの「不用意なプライバシー侵害を防ぐため」というお達しの通りにブラインドを
下ろしていたら、窓の外に人影。野次馬のワタシのこと、バルコニーに出て見たら、ごっつい
おじさんがボースンチェアに座ってゆらゆらと窓を拭いていた。ぶらんこに乗っているみたい。
「やあ」と言うから、いい天気ねえと言ったら、「暑くないし、風がないし、窓拭き日和だよ」。
洗剤液をつけてスクィージーできゅっきゅと拭き取って、するすると下の階に下りて行った。
きれいになったガラスのあちこちに拭き残し!と思ったら、あはは、みんな内側の汚れ。そ
のうちに本気で窓拭きしなきゃ・・・。

午後にはロープが角を回って来て、デッキの隣にある下の階のバルコニーの屋根に下りて
来たので、今度は物好きなカレシが出て行って「そこは歩いても安全なの」と質問。「トラック
1台載せても大丈夫。でも、ここに立つのはやめといた方がいいよ。大騒ぎになるから」。そ
うだよねえ、何の作業員でもない人間が手すりのないところに立っていたら、飛び降りるん
じゃないかと思われてしまいそう。子供の頃から高いところが恐くないカレシだけど、自分で
窓を拭くとか言って屋根に出て行くのは止めようね。モリス・パニッチの傑作『7 Stories』(セ
ブンストーリーズ)みたいなことになっちゃうから。

最後はルーフデッキに降りて来て、上から垂れているロープを手すりにつないで、手すりを
乗り越えてするすると下へ。そっか、窓を拭きながら地上まで降りたらエレベーターで上がっ
て塔屋に戻るんだな。だいぶ経ってロープがばたばたと揺れ始めた。今日の仕事が終わっ
たようで、ロープを揺すって結び目を解こうとするけど、長いパッドのようなものがループに
引っかかって外れない。苦戦しているようなので、デッキに出て行ってロープを外してあげ
たら、頭の上から「サンキュー!」とでっかい声。どういたしましてぇ!窓拭き、ごくろうさまで
したぁ!

早寝と早起きで合わせて6文の得?

2015年10月22日 | 日々の風の吹くまま
お天道様、今日も昇ってはみたものの・・・。

 

カレシは今日も7時前に起きて、機嫌よく朝食のテーブルセッティング。引っ越すまでは完
全な夜型人間だったのになあ。旧居では良く眠れないための意に反した早起きが多かった
けど、ぐっすり眠った気分で自然に目が覚めるんだとか。静かな環境と超快適なマットレス
が功を奏したのか、ベッドに入って「おやすみ」の挨拶を交わしたと思ったらほどなくして寝
息が聞こえることが多くなって、それを聞きながらワタシもすっと眠りに落ちて、すっきり目が
覚めているような感じ。遮光カーテンでいつまでも暗かった旧居と違って、ブラインドを通し
て朝の自然光が入って来るせいで、睡眠センサーがリセットされてしまったのかな。まあ、
夜型は脳年齢が朝型よりも早く老けるという説もあるから、早起きの方がいいに決まってる
けど。

早めのランチをしてカレシを英語教室に送り出したら、しばしの間2つ目の仕事。ひと区切り
ついたところで、床のモップかけで汗をかいて、ソーダストリームのカートリッジを取り替えに
London Drugsに行くつもりで出かけたら、ロビーは誰かの家具調度品でいっぱい。外へ出
てみたら、前の道路にずらりとロケ撮影のトレーラーが並んでいて、引越しトラックは道路の
ずっと端っこ。なるほど、行ったり来たりすると運ぶのに時間がかかるから臨時にロビーに
置いているわけか。安全ベストを着て現場整理をやっていたお兄ちゃんに、映画なのかテ
レビなのか聞いたら、「テレビの『○○○○』の撮影をしているところ」。聞いたことないけど
と言ったら、「新しい番組だからね」。へえ・・・。

カメラもライトもどこにあるんだろうと思ったら、角のパブがすっぽりシートで覆われていて、
前の道路にもトレーラーの列。ちょっとイギリスっぽいこのパブは映画ロケの人気スポットら
しくて、前にも映画か何かの撮影に使われていた。エレベーターで乗り合わせた管理人の
シェリーにテレビ番組の撮影だってと言ったら、「Netflixでしか見られないのよ。うちの建物
が有名になる可能性はなさそうね」。なぁんだ。写っているかどうか探してみようかなと思っ
ていたのになあ。聞くところによるとオカルト映画をテレビシリーズ化したものらしい。そうい
うのはワタシの好みじゃないから、我が家が「エキストラ出演」していても見ることはないだ
ろうけど、引越しがロケとかち合ってしまった人はちょっと気の毒だったな。

朝焼けが雨なら、夕虹は晴れ?

2015年10月21日 | 日々の風の吹くまま
朝、目が覚めたらカレシはとっくに起きていた。きのうは初めてのところで英語教室の代用
先生をして、くたびれて2時間も昼寝をしたもんだから、6時半には目が覚めてしまったとか。
7時過ぎにはブラインドの隙間から見えた真っ赤な朝焼けに誘われて、写真を撮る気になっ
て起きたらしい。朝食の支度が整った頃に日の出。朝日のまぶしさは束の間のことで、今に
もベーカー山を押し潰しそうな分厚い雲の陰にまさに雲隠れ。「朝焼けは雨」という諺はた
ぶん世界共通だろうと思うけど、それにしても今日の雲は何とも不思議。どんな天気になる
のやら・・・。

  

この冬はスーパーエルニーニョのおかげでカナダの西部は暖冬になると予想されている。
特にBC州は記録的な暖冬だった前年の冬を上回る暖冬になるらしい。でも、warm(温暖)、
wet(多雨)、windy(強風)の3つのWが揃ったら、パイナップル特急が団子になってやって
来たりして厄介だな。これも気候変動の兆候なのかな。あまり暖かで山に雪が降らないと、
来年の夏もまた渇水するんじゃないかと心配になって来る。芝生が茶色になっても見てくれ
が悪いだけで生活には実害はないはずだけど、それを青々とさせておかないと一軒家の主
人としての評価に関わると思うのかな。旱魃に悩むカリフォルニアで散水を禁止したら、茶
色になった芝生を塗料で緑色に塗る商売が繁盛したと言う話だから、見栄っ張りもそこまで
行ったら言うことなし・・・。

今日は仕事日で、朝からまじめに仕事をしていたら、外のデッキに黒い点々がぽつぽつ。
やっぱり雨。でも南の方は何となく明るくて、晴れて来るかなあとつい期待してしまうけど、
結局は1日中降ったり、止んだりで、仕事にかまけていたせいもあるけど、めんどうくさくて
買い物にも行かずじまい。フリーザーから冷凍のうなぎの蒲焼を出して来て、急いで解凍し
て、ご飯とあり合わせ(アスパラガス、ヒラタケ、えのき、豆腐)の中華的ごった煮。南西の方
が急に雲が切れて明るくなったので、日暮れ時の雨上がりは虹が出る確率が高いからきっ
と出ると期待していたら、見当をつけた辺りに束の間だったけど、薄くて太い虹がふわりと
かかった。それにしても、新居から見る虹が太いのはどうしてだろう・・・。

食後はソファに2人並んでのんびりとケーブル放送の音楽チャンネルでジャズを聞きながら、
パタロ橋から流れて来るヘッドライトの列の瞬きを眺めて、あした、天気にな~ぁれ・・・。

ひと口に廊下と言っても・・・

2015年10月20日 | 日々の風の吹くまま
晴れるのか、晴れないのか。総選挙から一夜明けて、トルドー2.0政権になるとマリファナ
が合法化されるという期待から株式と一緒にカナダドルまで上がって、ワタシの「増収」が目
減りしちゃったじゃないの。ま、自営業は金持が税金を回避する手段になっていると言った
人だから、富裕層1%からもっと税金を取り立てて中流家庭に手厚く配分なんて政策はうつ
ろに響くけど、年金が減らなくて、税金が上がらなかったら御の字。せいぜいがんばって。

斜塔マンションの話から日本のマンション事情をあれこれ検索していたら「外廊下と内廊下
のどっちがいいか」という議論に出くわした。「外廊下」なんて初めて聞いたけど、要は「○○
コーポ」とか「○○ハイツ」とかいう二階建て木造アパートの外側にある共用廊下と同じもの
らしい。こっちでは古いモーテルにたまに見かけるけど、日本では今でも主流らしい。北側
に廊下を作れば全戸南向きが可能になる利点があるというのは、洗濯物を外に干したがる
日本人らしい。また外廊下には玄関を開けて通気できる利点があるというのは湿度の高い
気候ならではのものだろうな。

内廊下は「ホテルライクな」高級感が売り物らしいけど、ホテルの内廊下にもいろいろあって、
高級ホテルでも吹抜けを囲む開放廊下になっているところがある。名古屋で泊まった安い
ビジネスホテルのは天井が低くて、幅が狭くて、薄暗くて、かび臭くて、まるで「秘密の地下
通路」を歩いているようだったけど、そういうのは旅の経験なら良くても住処の環境としては
考えられないな。まあ分譲マンションにはそういうのはまずないだろうけど。こっちでも古い
幅広のマンションでは長い一直線の内廊下の両側に部屋を配置したものがあるけど、両側
に玄関ドアがずらっと並んでいる光景は、いくら明るくてもかなりの圧迫感がある。悪く言う
と拘置所のような感じで、廊下が狭ければなおさら。

最近雨後の竹の子のように建つ四角いタワーは真ん中のエレベーターホールと非常階段
を囲む形で部屋を配置するので、内廊下は必然的に「コの字」型になることが多い。我が家
はコの字の廊下の行き止まりで、非常階段の後ろでコの字のもう一方の先端の部屋と背中
合わせ。5戸しかないのでエレベーターは廊下の角を曲がってすぐだけど、どん詰まりだか
ら誰も通らない。まあ、これだけ戸数が少ないとご近所さんと鉢合わせすることすらめった
にないけど・・・。

スミマセンで済むことと済まないこと

2015年10月19日 | 日々の風の吹くまま
連邦議会総選挙の投票日。新しい選挙区は左派の新民主党の牙城なので、あまり関心が
わかないけど、投票所はすぐ近くだから、混んでいたら出直せばいいやと11時近くなって
出かけたら拍子抜け。入口で有権者票と運転免許証を見せて中に入り、投票箱111番の
テーブルで投票者名簿と照合してもって、番号タブ付きの投票用紙をもらって、アルファベッ
ト順に印刷されている候補者の名前の横の丸の中にチェックを入れて畳んで、テーブルに
戻って番号のタブを切り取ってもらってから投票箱にポン。カレシがタブを切り取ってもらっ
た投票用紙を投票箱に入れるのを忘れて帰ろうとして、係の人を慌てさせた。

まあとにかく国民の義務を果たしたので、後は野となれ山となれの気分。ハーパー首相の
与党保守党はたぶん負けるだろうな。ひとつの政権が10年も続けばどんなに実務に長け
ていても統治疲れして綻びができて来るし、国民だって飽きて来る。私は自由党は利権屋
の群れみたいで虫が好かないけど、政権交代そのものは悪いことじゃないと思う。ただし、
若いトルドー2世はママ譲りのルックスは抜群でも、地頭は自信過剰なくらいに頭が良すぎ
たパパ譲りとは言えない感じがする。パパのピエールはそれで国民の好き嫌いが激しく分
かれたんだと思うけど、息子にはあのカリスマ性はないし、はあ?というような失言も多い
から、自由党が勝ったらどんな政府になるやら・・・。

横浜で大手業者が建てた大規模マンションの手抜き工事やデータの偽装がバレたという話
で、半世紀前の新潟地震のときにドミノのようにひっくり返ったアパートの写真を思い出して
しまったけど、電車の窓からよく見かけた日本の大型マンションは横長の建物が多いという
印象。そういうのが何棟も同じ方を向いて並んでいると壮観だけど、旧共産圏で建てられた
アパート群のような無機質さ感じる。昔の公団住宅とかニュータウンはまさに日本の画一化
の原点だったのかもしれないと思ってしまう。まあ、縦長のタワーでも無機質な印象を与え
るけど・・・。

それにしてもよく偽装とか隠蔽の問題を起こす国だなあと思うけど、それは何かまずいこと
が起きてもエライ人が「スミマセン」と頭を下げてしまえば、水に流してもらえて一件落着と
政府も企業も考えているからじゃないのかな。マンションが「ヨコハマの斜塔」になったらスミ
マセンどころじゃないけど。(あ、やっぱり自由党政権か・・・。)

地頭って何なんだ?

2015年10月18日 | 日々の風の吹くまま
曇り空なのか霧なのか、視界不良の朝。でも天気予報では晴れ間が出てくると言っていた
ので期待していたんだけど、なぜか雨がぽつぽつ。そのうちにデッキが濡れるまともな雨に
なって、そのまま終日視界不良。夕方には道路向こうのマンションまで白いカーテンの向こ
う。お天気屋さ~ん、いったいどこの天気図を見ていたの?

晴れの予報だったからカメラを持ってどこかへ散歩に行こうかと言っていたのに、こういうボ
ケッとした天気だと、裏切られた気分の私たちもボケッとしてしまいがちで、2人とも終日何
となくボケ~ッ。カレシは明日の投票日を控えてラジオを賑わしている政党の「最後の最後
のお願い」みたいなコマーシャルに毒づいてみたり、何となく本棚を整理してみたり。ワタシ
はぶらぶらと小町横町の井戸端会議を覗いて野次馬的に岡目八目を気取ってみる。まあ、
八目も先まで読めるわけがないのは百も承知だけど・・・。

子供の教育か何かのトピックで出て来た「地頭」という語にン?真っ先に頭に浮かんだのは
高校時代の日本史の教科書に出て来た中世の「地頭」。俗に「泣く子と地頭には勝てぬ」と
いうあれね。でも、あれは「じとう」だけど、現代日本語のは「じあたま」。そこで、持ち上げる
だけで手首を捻挫するくらい権威ある日本語大辞典を出して来て調べてみたら、「かつら等
を用いていないそのままの頭」とあってよけいにン?でも、地頭が良い悪いというから、つま
りは「教育などで培ったのではない生まれつきの頭の中身」のことを言うんだろうと推察した
けど、ググッてみたら「地頭力を鍛える」なんて出てくるからまたまたン?鍛えすぎて若禿げ
になったらどうしてくれるんだと突っ込んでみたけど、それにしても頭の皮がかゆくなって来
るような言葉だこと・・・。

まあ、地頭を数値で評価して格付けするところまでは行っていないようだし、マニュアル式
教育で植え込まれる思考プログラムとは違う、ある意味で突拍子もない発想や思考法を奨
励しているようでもあるから、鍛えるも良し、磨くも良し、泣く子を黙らせるも良し。もっとも、
「地頭を鍛えてIQアップ」なんてキャッチコピーを見ると、結局は数字がないと良し悪しを判
断できないってことで、なぁんだ、やっぱり地が出たかと思ってしまうな。そのうち「地頭検定」
なんてものが登場したりして・・・。


☆後を濁して立った鳥/新生活2ヵ月の雑感

2015年10月18日 | 日々の風の吹くまま
 10月17日。最後の引越し荷物(新調した家具)を運び込んでから2ヵ月。まだ2ヵ月と言った方がいいのか、もう2ヵ月と言った方がいいのかわからないけど、新しい生活パターンがすっかり定着して、普通に午前8時前後に起きて、普通に真夜中前後に寝る毎日があたりまえになった。まだ最終的な置き場所が決まらなくて本棚などに適当に置いたままになっているものも多いけど、それで不便を感じない段階まで片付いたと言えるかな。

まず最初に一番びっくりしたのは部屋の汚れっぷり。先住者は私たちより年上の夫婦で、奥さんは見た目にもいかにも華奢な人だったので、きれいに掃除をして引っ越すというわけには行かないだろうと予想はしていたけど、いざ入居して生活を始めてみたら、日常の掃除さえしていなかったのかと思うくらいの汚れっぷりに唖然としてしまった。20年以上も旧居の掃除をしてもらっていたシーラが月一度来てくれることになって、初めての大掃除の日に開口一番に「すっごく汚れているけど、前の人はちゃんと掃除してたのかしらねえ」。特にキッチンと2つのバスルームのそこかしこをシーラに指摘されて初めて汚れのひどさがわかった。まあ、20年以上も自分の住まいを掃除して来なかったから、汚れが目に付かなかったのかもしれない。80代の高齢だから掃除までは期待していなかったと言ったら、「掃除代行の人を雇えば済むことでしょうが」。まあ、見かねただんなさんが掃除サービスに来てもらうことを提案したら奥さんが他人を入れるのは嫌だと却下したという話だったけど、推測するに、だんなさんがプリセールで買って越して来たけど、奥さんが広すぎて掃除が大変と拗ね出し、交友の場だったメトロタウンから遠くなったこともあって反旗を翻したため、だんなさんが折れてメトロタウンのもっと小さいマンションに住み替えたと言うことだろうと思う。おそらく買い手(私たち)が付いてからはまともな掃除はしなかったんじゃないのかな。

まずはモールの中にあるShopper’s Drug Martで清掃用品の調達。シーラの後ろをついて回って、トイレ掃除はこれ、バスタブやシンク、カウンター、床タイルなどの掃除はこれ、シャワーの強化ガラスとタイルはこれ、ガスレンジの油汚れはこれ、ステンレス家電の手垢はこれと、言われるままにレジかごに入れて行ったら、うわ、重い。スポンジやスイファーの床掃除パッドも買って来て、まずはガスレンジの掃除から。ずっしりと重い四角い五徳を全部外したシーラが「ほら、油が焼き付いてべったべた」。五徳を洗剤を入れた熱湯に浸けておいて、バーナーの周りにこびり付いた油汚れの掃除。2人で世間話をしながら小1時間ほど頑固な汚れをごしごし、ごりごりやっていたら見違えるくらいきれいになった。五徳の方は何度か掃除しないとすっかり汚れが落ちそうにないので、できる範囲でごしごし。バスルームの床とシャワーの強化ガラスの汚れ具合は度が過ぎていて、掃除は2日がかり。床のタイル、こんな白かったんだ・・・。

後日テーブルの方からふと見たら電子レンジの上のドアがヘンにテカテカしていて、どう見ても油が跳ね上がってこびり付いたとしか思えない。良く見たら両横の戸棚のドアにもテカテカが点々。油を使う料理が多かったんだろうけど、電子レンジについている換気扇を使わなかったのかな。まあ、換気扇のフィルターも食洗機で2度洗ったほど油汚れがひどかったけど、踏み台に上らないと掃除ができないところまで油が跳ねるような料理っていったいどんなものなんだろう。煙探知器を鳴らしてばかりだったんじゃないのかな。強力なクリーナーをつけたスポンジでごしごし擦っていたら何とかきれいになったけど、レンジの五徳にもテカテカと黒光りしているところがあって、鈍らになったナイフを当ててみたら飴のような茶色の塊がぼろぼろと削れて来たからびっくり仰天。フローリングの床も半日で足の裏が真っ黒けに汚れるくらいだったのが、せっせとモップをかけていたらあまり汚れなくなった。ちょっとくらいの汚れは打っちゃっておけるぐうたら気質を自認しているワタシだけど、上には上があるもんだと感心することしきり。それにしても、最初の1ヵ月は後を汚して飛び立った鳥のような人の後始末が中心みたいな掃除をしていたわけで、他人様の生活を想像してみたりして、その人となりまで覗いているような気がしたな。

新生活が落ち着き出して、週末が何となく2人一緒の掃除日になった感じで、カレシが自発的に2つのバスルーム(シャワールーム以外)を担当するようになった。引っ越す前はワタシが「仕事で忙しい時には掃除をしてもいい」みたいなことを言っていたのが、土曜日か日曜日には朝食が済んだとたんに「おい、掃除をするから道具をくれ」と言い出すようになって、あまり期待していなかったワタシは半信半疑。でもクリーナーを入れたスプレーボトルやスポンジや雑巾を渡すと、ブラシでトイレをごしごし。スポンジでシンクをごしごし。カウンターはスポンジで拭いて雑巾で仕上げて、大きな鏡には窓クリーナーをスプレーして別の雑巾できゅっきゅっ。バスタブが汚れているときは身を乗り出して、お湯をじゃぶじゃぶ流しながらスポンジでごしごし。家事をやらない亭主歴ン十年のカレシが何の心境の変化を起こしたのかと思ってしまうけど、カレシはいたって本気らしい。ワタシはキッチン全般と家具のはたきかけと床掃除を担当するだけで、かって朝から晩まで週7日で仕事に追いまくられていた頃にこんな楽ができていたら、ワタシは燃え尽きることなく荒稼ぎを続けたんじゃないかと思わないでもないけど、ま、昔は昔で今は今・・・。

区分所有のマンションは法律上strata corporation(日本で言う「管理組合法人」)で、基本は壁や天井、床を隔てて生活している人たちが市町村と言う自治体の中にさらに一種の「自治体」を形成している。だから市条例のような規約があるし、管理組合の理事会は選挙制だし、管理費と言う「税金」で自治体住民が共有する財産を維持管理している。新居のマンション(名称Viceroy)のロビーやエレベーターの中にはモニターがあって、広告と共に管理会社からのお知らせや注意が常時表示されているし、メールでもお知らせが来る。私たちが受け取った最初のお知らせは洗濯物乾燥機の排気口の清掃。次は州の消防法で義務付けられている年に一度の防火装置の点検。検査員が部屋に立ち入る必要があるので、必ず誰か成人が在宅していること、留守の場合は出直し検査の費用を請求すると書いてあった。何の作業にしても最上階から始めることになっているらしく、26階から20階までは午前8時半から10時半の間と言うことで、新しい生活時間なら早起きは不要。ちなみに高層棟には168戸あって、26階は3戸、25、24、23階は各5戸、22階から17階が各7戸、16階から7階が各8戸、6階から3階が各10戸で2階はパティオ付きの6戸という構成になっていて、全館禁煙・・・。

洗濯を始めたところで天井の避難警報がピチョピチョとさえずり始めて、15分ほどでドアをノックする音。「おはようございまぁす」と若い検査員が入って来て、天井の煙探知器に何かシュッと吹きかけたとたんにビーコビーコと甲高い警報。思わず耳に指を突っ込んだけど、検査員君が持っていた板で扇いだら鳴り止んだ。そうやって部屋の中に3つ探知器をチェックして、チェックシートにちょこっと書き込んで「すべて正常です」。各戸の煙探知器の点検が終わったら、最後の仕上げに共有部分の防火設備の点検。前日はピチョピチョとさえずっていた天井の火災警報器がときどきポケッ、ポケッとしゃっくり。お知らせには「警報が鳴ることがありますが、不便は最小限にとどめるよう努力をしますのでご容赦を」と書いてあったので、これがそうかと思っていたら、カレシが今夜のイベントに着て行くシャツにアイロンをかけているときに頭の上で突然の大音声。よく聞いていると「これから火災警報システムのテストをします。警報が鳴りますが、避難する必要はありません」という管理会社の担当責任者のアナウンス。へえ、アナウンスできるなんて知らなかった。我が家には煙探知器3つの他に火災警報器が5つある。(ちなみにスプリンクラーのヘッドは15個もある。)この音量なら5つもいらないよねと言っていたら、今度はいきなり耳を劈く警報。2、3分鳴り続けて止まったけど、そっか、これが「避難してくださ~い」という時の警報なのか。これな
らどんなにぐっすり眠っていても目が覚めそうだな。

区分所有はいわば運命共同体のようなものでもあるから、全体の安全を守るための規則や設備があり、そのための点検もある。まずはフォブと呼ばれる非接触リーダーがアクセスがコントロールされていいて、これをセンサーに近づけてピッとやって玄関やエレベーター、駐車場、ロッカー、ゴミ捨て場のロックを解錠する。来客は玄関外のディレクトリに表示されている部屋番号に4桁の数字を足した答のセキュリティコードを入力すると、部屋で電話が鳴って発信者としてマンション名が表示される。来訪予定のある人なら「9」を押すとピロンピロンとチャイムが鳴って一定時間だけ玄関ドアとエレベーター(訪問階のみ)にアクセスできるけど、知らない人やセールスだったら電話を切るだけで「撃退」できる。一般有料駐車場を通って住人用駐車場のゲート開けるのにピッ。(午後6時以降は駐車場に入るのにもピッ。)エレベーターホールに入るのにピッ。エレベーターで居住階のボタンを押す前にピッ。ただし下りのエレベーターはロビー階と地下一階駐車場のみがフリーアクセス。(訪問者ならお帰りいただくわけで・・・。)

戸建てのように何でも自分の好きなようにやれない不便さのようなものもあるけど、慣れるとある意味で戸建てとは違った住み心地の良さというものがわかって来る。何よりも戸建ての管理や修理(とその資金繰り)に頭を悩ませるストレスがない。管理費は修繕の準備金も含めて月に5万3千円で、給湯と調理用ガスの費用が含まれているからその分電気料金が減少するし、芝生などの手入れや市条例で要求される歩道の雪かきも管理費でカバーされるから労力を費やす必要がない。引越し後初めての2ヵ月通しての電気料金の請求書(ニューウェストでは電力会社ではなく市役所が隔月で請求して来る)は税金などを含めて9千円という数字で、旧居では夏でも2ヵ月で2万5千円だったから60%減。まあ、生活時間がシフトしたせいで照明時間が激減したのも大きな要因だけど、旧居はオール電化で、240Lの大型給湯タンクに常にお湯を貯めていたし、夏はクーラーを使っていたし、冬はカレシの趣味の温室にヒーターを入れていたし、夜型の生活でしかも日の差さないベースメントで照明を点けて1日の大半を過ごしていたから、電気の消費が半端じゃなかったということだな。

眺望など3日で飽きると言ったカレシだけど、空の雲は刻々と形や色を変えるし、フレーザー川での人間の営みもいろいろだし、季節の移り変わりが見渡せる。濃霧の上は何とも不思議な光景だったし、夕暮れの虹は地上とはまた違って見えた。これから何年ここで暮らせるかは知る由もないけど、鏡に写る自分の顔の表情にまで心なしか良い変化が現れて来たようで、半ば強引に引越しを決行して良かったとつくづく思う。27年も住み慣らして後にして来た旧居のことはなぜかほとんど思い出さない・・・。

[写真] 誰かに似ているような・・・
[写真] スーパームーンの出
[写真] 濃霧の上は晴れ
[写真] 木々の間を漂う濃霧
[写真] 手が届きそうな虹
[写真] ダブルレインボー


暇な土曜日の独り言

2015年10月17日 | 日々の風の吹くまま
土曜日。パタロ橋が路面の穴ぼこを埋める工事をするということで、自動車はきのう夜から
明日日曜日の正午まで全面通行禁止。何しろ古くて車線の狭い橋なもので、路面に穴ぼこ
ができ過ぎると事故が起きやすくなって、危なくてしかたがない。ほんとは1年半ほど交通
規制をして耐震化工事をするつもりだったのが、架け替え計画のある橋に100億円も注ぎ
込むのは不経済と言うことになって、とりあえず穴ぼこを埋めてお茶を濁すことにしたらしい。
こっちの工費は1500万円で済むんだとか。アホか・・・。

午前中に2人で掃除をして、午後は日が当たって来たリビングでワタシはタブレット、カレシ
はネットブックでのんびり。ゲームに飽きたワタシは小町横丁をそぞろ歩き。相変わらずの
定番は世の常の悩みごと、誰もがすなる愚痴、聞いてどうするのさと言うような質問。世界
には不満や恨みを扱いかねて物騒なものを振り回す輩がたくさんいることを考えると、この
狭い横丁でグチグチ言っている人たちは実はごく普通の日常のぬるま湯にどっぷり浸かっ
ているのかもしれないな。平和でいいじゃない、それも。

それにしてもよけいなお世話的なおもしろい質問を投稿する人がいるもので、「IQが高いと
仕事や生活で他人と違うことがあるか」なんて聞く人がいた。ワタシなんか何とかメンサに
滑り込めるかもしれないレベルだけど、仕事も生活もごく普通にやって来たけど。IQなんて
その人の可能性を数値化しただけで、可能性は使ってなんぼのもの。偏差値とかIQとか
年収とか、日本人は数字の違いで人を振り分けるのが好きな国民だと思う。自分の数字だ
け見ていればいいけど、他人のと比べて優劣を計ろうとするからストレスになるんじゃない
のかな。そんなの関係ないって。

日本では消費税率の引き上げに関連して、政治家や役人が食品など一部のものだけに軽
減税率を適用するのは難しいとか何とか言っているらしい。このコンピュータ時代に何が難
しいというのかな。カナダには連邦と州の2つの税率の違う売上税があるけど、それぞれ食
品を含めて非課税品目がかなりある。それでもマイナンバーみたいなものを提示して還付
していただくなんてめんどうなことをしなくても、レジの段階で自動的に非課税処理できてい
るんだから、日本でそれができないはずはないと思うけどなあ。低所得者には別にリベート
があるし、コンピュータでやれば簡単なんだから、ほんと・・・。