リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

戦争がなくならないのは休戦協定のせい?

2015年11月11日 | 日々の風の吹くまま
今日はRemembrance Day(戦没者追悼の日)。11月11日午前11時。ラジオが沈黙。少
ししてシンプルながらもの悲しいlast post(消灯らっぱ)がおごそかに流れて、「時刻は午前
11時1分です」。Last postはアメリカではtapsと呼んでいる、軍隊で消灯(就床)時間を告
げるもので、葬式にも使われる。(最後の眠りに就いた)兵士たちのために鳴らすということ
で、この日には全国の戦没者記念碑で行われる追悼式典で吹き鳴らされる。

ちなみに「11月11日午前11時」は1918年に第一次世界大戦の「Armistice(休戦協定)」
が発効した時刻。「終戦」じゃなくて「休戦」。交戦国同士が戦うのはやめようじゃないかと言
うもので、国際法にもそのように定義されている。1899年のハーグ陸戦条約(日本も加盟)
によると「休戦協定」は無期限であっても、当事者は「布告」すればいつでも戦闘を再開でき
ることになっている。よく考えてみたら、人類の長い、長い歴史の中で本当に「終戦」した戦
争なんてあったんだろうか。

ワタシはベトナム反戦運動が吹き荒れて、フォークソングやヒッピーやフラワーチルドレンが
トレンディだった世代。ピート・シーガーが『Last night I had the strangest dream』(日本題
『平和の誓い』)を歌っていた。この世から戦争をなくすことに世界がこぞって同意した「すご
く変な夢」を見たというところにも、人類に戦争をなくすことができるのかという懐疑がうかが
われる。ワタシだって戦争は嫌だし、戦争はすべきではないと思うし、戦争をなくすべきだと
思う。厭戦じゃなくて、忌戦じゃなくて、主義主張が違っても、信じる神が違っても、肌の色が
違っても、話す言葉が違っても、人類同士は憎み合ってはいけない、殺し合ってはいけない
と思うんだけど、どの宗教にも民族文化にもそんな信条は見当たらないような気がする。

1918年11月11日午前11時、休戦協定が発効。でもヨーロッパで交戦していた当事者た
ちが戦いをやめることにしただけだったんだもの、変な夢は変な夢のまま。人類は地球上
の種としてピークアウトして、悠久の時間をかけて培ってきた知性と理性を捨てて、このまま
本能的な感性だけになって、原始に戻っていくのかもしれない。もしかしたらホモサピエンス
は地球の歴史の失敗作のひとつなのかも・・・。