リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

宇宙飛行士による地球生活ガイド

2014年03月13日 | 日々の風の吹くまま
小さい仕事は調子づいてゆうべ仕上げてしまったけど、メガ仕事の間じりじりしていた別の
客筋からねじ込み仕事が入って、また「無職」はお預け。作業用のファイルを作ってもらって
いる間しばしの息抜きができそうだけど、やれやれと窓の外を見ると、道路向かいの桜、日
当たりのいい方に伸びた枝に白っぽい点々が肉眼で見える。まだ0.1分咲きくらいかな。
春が来たという感じだけど、また大雨警報が出そうな予報でかわいそう。

カレシを英語教室に送り出して、日当たりのいいキッチンでコーヒーを飲みながら読書。こう
いうひとときは久しぶり。読みかけだった『An Astronaut’s Guide to Life on Earth』は国際
宇宙ステーションでデイヴィッド・ボウイを歌ったカナダのクリス・ハドフィールド元ISS船長
の自伝で、「宇宙飛行士による地球生活ガイド」とでも訳そうか。テストパイロットから宇宙飛
行士に選ばれるまでの話、失敗談、訓練やISSでの生活の話の端々に、地球上のどこの
国のどんな人でも実践できそうな処世術(地球生活)のアドバイスがそれとなく「提示」され
ている。

ヒューストンの宇宙飛行管制センターでスペースシャトルとの交信の責任者だった頃、優秀
だけどモラハラっぽい先輩の宇宙飛行士に怒鳴られ、能なし呼ばわりされているうちに、自
信をなくかけたことがあった。でも、あるとき気がついた。人を脅かし、貶すのがこいつのや
り方なんだ、と。人を落ち込ませるのが狙いで、それが実にうまい。現に自分も自分の能力
を疑うようになったではないか。そこで、感情的に反応するのをやめて、問題は同僚をみん
な自分を蹴落とそうとする敵としか見ない彼にあるのであって、自分は何百人の敵の1人に
すぎないと考えることにしたら、彼の宇宙飛行士としての優秀さが見えるようになり、チーム
を束ねる上で重要なことをいろいろ学ぶことができた、と。

何があっても助けが飛んで来ない宇宙では同僚が唯一の命綱。ハドフィールド船長の基本
方針は「和をもって尊し」を地で行くような感じだけど、それは各自が競争相手でもある同僚
の成功に手を貸すことよって自己の競争心を維持して能力を高め、チームの任務を成功さ
せるということで、根底には同僚の成功こそが自分の生存につながるという、個人を基本と
する思考があるところが「もめないこと」を尊しとする日本的な「和」とちょっと違っているとこ
ろかな。この本、そのうち日本語訳がでるのかしら・・・。