リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

春の大雨、お寿司の花

2014年03月08日 | 日々の風の吹くまま
想定外の仕事に捕まってしまったけど、とりあえず予定通りに郊外のHマートへアジア食品
の買出し。1月か2月から行く話をしていたような気がするんだけど、菜園用の土やら肥料
やらを買いに行かなくちゃと言っているカレシの腰が重いもので、チェンジ、チェンジでやっ
とこぎつけたと言う感じ。ところが、今日は大雨警報発令中。自分で袋に詰めて買う土は泥
んこ状態だろうから、篩ってパッケージしたものを買うんだそうな。「何倍もするけどしょうが
ないよなあ」って、だから天気のいいときに行っておけば良かったのに、もう。

ワイパーをハイスピードにしても視界不良なくらい土砂降りの中をフリーウェイを飛ばして、
ちょうど信号が赤になった交差点で下ろしてもらって、ワタシはHマート、カレシはそのまま
ガーデンセンター。駐車場は、みんなできるだけ出入り口に近いところに止めたいようで、
離れたところには空きがあるのに、店の前をぐるぐる回っている車が多い。まあ、濡れたくな
い気持はわかるけど・・・。まずはカレシに渡されたリストの野菜を調達して、ゆっくりとワタ
シの買い物。麦ご飯にする発芽玄米と押し麦、乾ラーメンにそば、冷凍タンメン、冷凍たこ
焼き(業務用)、冷凍ホッケ4袋、薄切りの豚肉と牛肉の特大パックといった、重くてダウンタ
ウンの店から運ぶのが大変なものは、次がいつになるかわからないから余分に調達。

カートがかなり一杯になって、このくらいでいいかなというところでカレシのケータイに「お迎
え」コール。帰りは急がずにローヒードハイウェイ(と言ってもただの幹線道路)を走って、大
規模開発の公聴会が始まったバーナビー市のブレントウッドのあたりをチラッと観察。スカ
イトレインの駅があって、モールがあって、Save‐On- Foodsがあって、Whole Foodsも進
出予定のところ。いずれコンドミニアムに引っ越すとしたら、カレシが候補にしたいというとこ
ろ。バンクーバーもバーナビーもどこも高密度化の再開発計画が目白押しだから、10年後、
15年後には選択の余地が広がっていそうだな。

帰ってきたら、そのまま買出し品の整理をして、そのまま立ちっ放しで夕食のしたく。仕事で
また3日くらいおかまいできなくなるので、カレシの要望に応えてちらし寿司。サーモン、ビン
ナガ、ハマチ、ボタンエビ(生がダメなカレシのは酒蒸し)、タコ、マテ貝、ホッキ貝、イクラで
花もよう。あさりの潮汁を添えて・・・。

     

☆やっぱり東は東で、西は西

2014年03月08日 | 日々の風の吹くまま
3月7日。仕事に埋もれているうちに年が明けたと思ったら、いつのまにか2月になって、気がついたらもう3月。「ときどき現役」を目論んだまではいいけど、大きな案件が重なって入って来て、一気に前世紀に戻ったような感じで、仕事の合間にクリスマスとお正月とバレンタインをねじ込んで延々と3ヵ月。年と共に時間の足が速くなるものらしいけど、まだ駆け足はして欲しくない。このブログもずいぶんごぶさたしたようで、何だか懐かしいね。気力だけでもまだ若いつもりでいても、やっぱりもう若くないんだなあと実感したけど、まあ、猛烈な激務をこなしていた1990年代はまだ40代で、今のワタシは60代後半に片足を突っ込んでしまっているんだもの、確実に流れる時間には逆らえない。

でも、重さが2キロもある大きな本の翻訳作業は、チーム作業でスケジュールはきつかったけど、久しぶりにやりがいのある仕事だった。フリーランス自営業は明日をも知れないの身の上(と、格好をつけてみる)だから、たまには終わったとたんに大空に向かって叫びたくなるような仕事がないと、いくら商売とわかっていても気持がだれてしまう。こういうテーマがくるくる変わる仕事はいかにも「何でも屋」向きで、しかもテーマごとに知らないことがてんこ盛りで、ググりまくっていると何かしら新しい学びや発見があるから「知りたがり屋」のワタシはぴったり。チームメンバーはみんな修士や博士の錚々たる顔ぶれなのに、無学歴(今は高卒をこう呼ぶらしい)で英語ネイティブでもないワタシにお声がかかったのは、人一倍の「やる気」が認められたのかな。打診があったときに仕事の内容をろくに考えずに「はぁい!」と手を挙げたからには後には引き下がれないけど、ま、やるといったら物おじせずに突進するのがワタシ・・・。

先に来たもう1社の(いつも眉間にしわを寄せて爪を噛んでいる複合ノイローゼで神経質な人が書いたようなお役所的文書の)大きな仕事をなんとか片付けたのが1月上旬。法改正で不都合なことを義務付けられるのを回避しようという意図が見え見えで、なるほど、社会問題に対処するために法律を改正しても、適用される方はうま~くそれを迂回して骨抜きにできる仕組みになっているんだ、と納得。つまり、建前を取り払ってしまうと、その後ろにある政治風土も企業風土も昔からあまり変わっていないということかな。昨今取りざたされる右傾化とか、排外主義とかも、新しい風潮の台頭と言うよりは、長いこと押入れにしまい込んであった思想を出して来たということかもしれない。ま、「変われば変わるほど元のまま」という言葉もあることだし、人間世界はどこでも所詮そんなものかもしれないな。

メガ仕事に着手してからの2ヵ月は、ハムスターのごとくひたすらバリバリ、ガシガシ、パカパカ、バンバン。ワタシがハムスター状態になると、カレシはいつもの調子で「かまってチャン」状態になって、ヘンな口笛を吹いたり、そわそわ、ちょろちょろ、うろうろするから、ワタシはイライラ、カリカリして、だんだんに繰り返し語のオノマトペだけでコミュニケーションができてしまいそうな雰囲気。しまいにはけんかまでしながら、それでも無事に最終納期2日前にゴールインして、ご苦労さんでした!と自分の背中をポンポン。実にいろんなテーマがあって、まるでフォレスト・ガンプのチョコレートの箱を開けるみたいな感じだった。でも、たぶんにお年を召された文系の学者大先生がお書きになったものらしく、見たこともない古くさい漢字がやたらと出て来たりして調べるのに四苦八苦。そうでなくても読めなくなった漢字が増えているのに。

全体としては「アジアに関しては上から目線、日本に関しては目がうるうる、国際的にはちょっと被害妄想気味」という印象だったけど、それは日本人の視線なんだから当然かもしれない。なぜか「望ましい」とか「求められている」とか「期待される」という、何とも他人事みたいな結びが多いからおもしろい。ああだこうだと論じておいて「ワシは後は知らんがな」はないもんだと思うけど、そのあたりがこういう分野の思考の特徴なのかもしれない。まあ、最近とみに判りにくくなって来た日本語表現をあれこれと解析しているうちに、ちょっとは日本に関して勉強もしたような感じで、ああ、日本はやっぱりアジアなんだと思ったな。明治の文明開化で「脱亜入欧」と「和魂洋才」を旗印に掲げた日本だけど、今でも「亜」そのままで、「欧」の飛び地にはなっていない。「洋才」だけを取り入れて利用して、「和魂」は堅持するという政策が成功したからだと言えるかな。キプリングの詩の通り「東は東、西は西」で、交わるどころか何かにつけて溝は大きい。だから翻訳者はつらいんだよね、寅さん。