京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

鬼ハ内、神仏も内

2016年02月01日 05時07分44秒 | 風景・和菓子
二月になってしまった。
節分ですね。
節分は、季節が変わる日というような意味。
つまり冬から春の分かれ目の日。
2月3日までが冬で、2月4日が立春ということになる。



この季節の変わり目に「邪鬼(気)」が出てくる。
だから、「邪鬼(気)」対応をするのです。
代表的なのが「豆巻」ですね。
「福豆」は「まめに働く」という語呂合わせから喜ばれる縁起物。また豆を枡(ます)に入れるというところにも縁起のよさがある。
もともと枡は米や酒などを計量うるために用いられるため、公明正大な神の力を象徴するものなんです。
節分で枡に入れた豆で、「邪鬼(気)具体的には、鬼や疫病を退散させるために豆まきをするのです。



豆や枡の他に「邪鬼(気)」が嫌うものがある。
・音なんかも嫌う。でんでん太鼓というのがありますね。あれなかもそう。指で音を鳴らすのもそうなんです。
・匂いも嫌う。特に鰯の焼いたのは嫌がるらしい。だから柊の枝に鰯を刺して玄関に置いたりしました。いまそんなことをしたら猫や烏が寄ってくるかも。
・笑い声、なんかも「邪鬼(気)」が苦手なものです。
・桃の弓、追儺式の時に桃の木で作った弓を射ます。きっと鬼が昔、桃太郎に退治されたからかな?



いま、「邪鬼(気)」を追い払うのに一番いいのは、家族が揃って笑うことでしょう。笑っていれば少々の邪鬼は退散しますよ。



でも「邪鬼ってなんだろう?」と考えることがあります。
結局、外部にあるのでなく、邪鬼は内なのかも。
つまり人間の心の奥底にある鬼。
たまたま、縁に触れないから出て来ない鬼。
それを人間は、秘めて生きている。
もちろん、神仏も秘めている。
できれば、神仏だけを表面に出したいですね。


↑千本玉寿軒「福竹」

そうか我々の奥深くにあるのは、エネルギーだけでそれは宇宙といっしょで、いいとかわるいはないのかも。ただエネルギーがあるだけ。
それが心を通る時、神仏か鬼に変化するのかも。
そうなら押さえるのは結構難しい。
ある人は「エゴを無くせ」と言います。エゴを無くしたら人間はこの世で生きて行けないだろう。エゴは死ぬまでついてくる。
ひょうっとしてちょっと遠ざかることはできるかも。
単純に豆巻きぐらいで退散できるようなものではないだろう。


↑上用、黒こしあん、ごま

そうそう「恵方巻」というのがありますね。
私は、無意味なことだと思うな。
1990年ぐらいに大阪の海苔組合が考え出したもの。
それを1998年セブンイレブンが全国的にやりだし急速に広まった。
だから売る方は御利益があるけど、食べる方はさほど御利益はないと思う。
我が父親は、そのことを知らなかった。
食べたそうに言うから説明してやりました。
しかも元々はお茶屋遊びでとても趣味の悪い遊びから始まった。
いまでは、ロールケーキやサンドイッチ、麩菓子、ガス管なんでも加えるらしい。
それを皆がやっている・・・気持悪い国民ですね。

和菓子
中村 肇
河出書房新社

↑これから暫くの間、京男の和菓子本のお知らせをさせてもらいます。説明は1月27日の記事をご覧ください。(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)

Twitter→@kyo_otoko
コメント (4)
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