京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

五色の幕・・・智積院

2007年06月21日 05時27分19秒 | 社寺


お寺に行くと時々こういう五色の幕を見かける。
法要や行事の際によく掲げられていますね。



良く見るとなかなか美しい模様が入っています。



ここは、智積院。
東大路七条にある真言宗智山派の総本山。
以外と観光の人は行ったことがないかも。
大抵は、三十三間堂や京都国立博物館の方にいきますよね。
慶長5年(1600)に徳川家康が紀州根来寺の智積院玄有(ちしゃくいんげんゆう)に土地を与え、根来寺の正式名に因んで五百仏山根来寺智積院という坊舎講堂を建立したのがはじまり。



この幕の色の意味を御存知ですか?
「白、赤、黄、緑、紫」
この五色は五正色(ごしょうじき)とか五大色(ごだいじき)ともいいうそうです。
正式には緑色は青色で紫色は黒色となります。



白は、仏さまの説法される歯の色を表し、清純な心で悪業や煩悩の苦しみを清める「清浄(しょうじょう)」
「赤」は、止れではなく、仏さまの情熱ほとばしる血液の色。大いなる慈悲の心で人びとを救済する働き「精進(しょうじん)」。
「黄」は、注意ではなく、燦然と輝く仏さまの身体で、豊かな姿で確固とした揺るぎない性質「金剛(こんごう)」を表します。
「緑(青)」は、仏さまの髪の毛の色で、心乱さす力強く生き抜く力「定根(じょうこん)」を表します。
「紫(黒)」は、聖なる身体を包む袈裟の色で、あらゆる侮辱や迫害、誘惑などによく耐えて怒らぬ「忍辱(にんにく)」を表します。



ここは真言宗智山派ということで真言密教系だと思います。
真言密教における五色というのもあるかもしれない。
金剛界曼茶羅の五仏に関連するもので、
「白」は中央の大日如来(だいにちにょらい)を、
「青」は東方の阿閃如来(あしゅくにょらい)を、
「黄」は南方の宝生如来(ほうしょうにょらい)を、
「赤」は西方の阿弥陀如来(あみだにょらい)を、
「黒」は北方の不空成就如来(ふくうじょうじゅにょらい)と、
その持てる徳をそれぞれ表す。

単純に幕の色といっても奥が深いですね。
コメント (2)
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