万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日本のスマホ事業者は暴利では?

2013年11月20日 15時52分50秒 | 日本経済
 昨日の日経新聞の一面には、2014年の3月期に過去最高の収益となる見通しの企業を、ランキング表として掲載しておりました。トップ2は、ソフトバンクとKDDIであり、両者ともスマホを手掛ける電気通信サービス会社です。日本国のスマホ料金は、高すぎるのではないでしょうか。

 スマホの固定料金は、平均して毎月6000円から7000年であり、一般家庭の家計にとりましては相当の負担なそうです。一方、通信サービス事業程、安定した収益を得られる事業はありません。契約が解除されない限り、スマホ契約をしている各世帯から、長期にわたって、毎月、必ず使用料を受け取ることができます。スマホの契約数は2012年で4337万件であり、通信三社に分散しているとはいえ、国民がスマホに支払う金額は巨額に上ります。しかも、基地局の設置を一通り済ませれば、後は、設備投資にそれ程の費用を要するわけではないのです(日本国は、国土の面積が広くないので、全国通信網の整備は比較的簡単…)。巨額の債務を抱えているソフトバンクが、アメリカのスプリント社を買収したり、アリババの筆頭株主となったり、異業種であるロボ事業に参入できるのも、通信サービス事業の収益性が圧倒的に高いからです。通信事業者は、抜きん出た資金力を武器にして、様々な分野の企業を飲み込む勢いです。スマホの使用料金は、顧客も納得するような適正価格なのでしょうか。本来、契約者数の増加に比例して、料金を下げることはできるはずです。

 通信サービス事業は、公共性の高いインフラ系の事業ですので、できる限り低価格で、国民に提供されるべきものです。通信サービス市場は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの通信三社によって寡占された状態が続いていますが、公正取引委員会、あるいは、総務省は、価格競争を促したり、新規参入のハードルを下げるといった、何らかの対策を検討すべきなのではないかと思うのです。より大胆な改革としては、通信サービス事業とインフラ保有事業(基地局)を分離するという案もあり得るのではないでしょうか。

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2 コメント

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Unknown (ねむ太)
2013-11-21 07:59:58
おはようございます。簡単な事です。
本体の価格の一部を使用料に上乗せしているだけです。
スマホはネットブックより、はるかに高性能なモバイルパソコンと考えて下さい。
機能の多さや性能から見てもスマホの価格は安価です。
ハードの価格を下げ利用料で回収する、1円携帯や100円携帯と言うのがありましたが同様の方式です。
スマホを普及させる前に、自動車や自転車に乗ったり、歩きながら使用する事が、いかに危険で回りの迷惑になるか、マナーを徹底させてもらいたいものです。
スマホや携帯は便利なのでしょうが(電話嫌いの私としては両方持っておりません。持とうとも思わないのですが)何が大切なのか、何が真実なのか考えないままに
与えられた情報に流され、常識や判断力の低下が問題になるような気がします。
例えば、原発即時廃止・反原発を打ち出した小泉元首相や山本太郎をマスコミが取り上げる理由ですが、消費税10%まで増税する事は法律で定められており、8%までで止めて様子を見ようとすれば法案を改正しなくてはなりません。
公明党は軽減税率の導入させ公約の実現と支持者にアピールしたいために10%増税は賛成に回っております。
しかしながら、野党の大半は消費税増税に反対の立場わ取っており法改正は出来ると思われます。
消費税増税を一時停止する法改正の議論をさせない為に原発廃止を持ち出してきているのです。
原発廃止が議題になりますと国会が長引き消費税増税法律の改正の審議に入れない為です。
このように情報を得ても、それで終わりでなく、少し調べることで様々な側面が見えてきます。
スマホなどは、大量の情報が流され、すぐに切り替わる為、情報を得たつもりで深く考えず消費し大切な事を見落としてしまいがちになります。
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ねむ太さま (kuranishi masako)
2013-11-21 09:24:24
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 確かに、スマホの本体は5から7万円ほどですが、実際には、パソコン並みの機能からしますと、この価格を上回るのでしょう。それでは、出荷するほどに赤字となるスマホ・メーカーは、通信サービス会社から、何らかの”戻し金”を受け取っているのでしょうか。通信各社の収益が、”戻し金”の支払い以前の額であれば納得もしますが、そうでないとすれば、やはり、暴利なのではないかと思うのです。毎年、機種を買い替える人はそう多くはありませんので、やはり、長期的に見ますと、通信各社の収益率は高すぎます。私は、通信サービス事業の形態を、抜本的に見直すべきと思うのですが・・・。
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