万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国の将来を占うグーグルのWTO提訴

2010年06月12日 15時51分44秒 | 国際政治
グーグル、中国をWTOに提訴へ 自由貿易阻害と(共同通信) - goo ニュース
 2001年12月に中国がWTOへの加盟を果たしたことは、その後の国際経済に激震を与えることになりました。未だにその余震は続いており、国際経済は、なかなか均衡と安定を回復しそうにありません。中国のWTO加盟は時期尚早であったとも考えられますが、一つだけ、評価すべき点があるとしますと、中国を”法の世界”に引き入れたことです。

 WTOに加盟した限りには、中国には、条約に定められたルールを守る義務があります。幸いにもWTOには、紛争解決の手続きが設けられており、いわば司法制度を通して解決する道が開かれています。国連では、中国は拒否権を行使することができますし、国際司法裁判所でも提訴を避けることができます(国際司法裁判の所強制管轄の受託を宣言していない)。しかしながら、WTOではそうはまいりません。

 中国が行っているインターネットの検閲に対し、グーグル社は、WTOへの提訴を予定しているそうです。果たして、中国は、この提訴に応えて司法解決に応じるのか、将来の中国という国家を占う試金石となると思うのです。

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