万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

国家戦略特区は人材派遣業の国際展開のため?

2014年05月13日 17時19分18秒 | 日本政治
外国人の起業家、特区で受け入れを議論へ 特区諮問会議(朝日新聞) - goo ニュース
 日本国政府が設置した特区諮問会議には、人材派遣業のパソナの取締役会長という重職にある竹中平蔵氏がメンバーとして参加しております。家事サービス業の外国人労働者をも受け入れるそうですが、この案、あまりに露骨な人材派遣業への利益誘導であると思うのです。

 特区を利用したパソナの経営戦略とは、諸外国に設立したパソナグループ法人を通して家事サービス業労働者を現地で集め、日本国向けに女性達を派遣するというものなのでしょう。パソナのホームページによりますと、アメリカ、カナダ、香港、中国、台湾、シンガポール、インド、ベトナム、韓国、インドネシア、タイにグループ会社を設立しています。おそらく、派遣員の募集は、日本国よりも所得水準が低く、地理的に近い位置にある中国、ベトナム、韓国、インドネシア、タイが中心となるのでしょうが、家事サービス業の派遣には、”慰安婦問題”と共通する問題性が潜んでいるように思えます。”慰安婦問題”も、元をただせば民間事業者が元慰安婦を騙して慰安所で働かせことにありますので(その大半は朝鮮人事業者…)、罪を問われるべきは悪質な事業者と言っても過言ではありません。現在では、こうした募集の仕方はあり得ないものの、東南アジア諸国では、韓国系の人材派遣事業者が”中間搾取”をし、集めた現地の人々に対して奴隷的な労働を敷いたことが問題となっておりました。パソナについてもネット上では在日系企業ではとの疑いも指摘されていますが、人材派遣業は、今でも韓国人経営が多い分野なそうです(まさか、特区での外国人の起業とは、外国人家事サービス派遣業では…)。

 派遣事業とは、多かれ少なかれ”中間搾取的”事業です(人間を”もの”扱いしている…)。この点に鑑みましても、特区を設けてまでアジアの女性達を家事サービス労働者として日本国に送り込むことに賛成する国民が多いとは思えません。”国家戦略”とは名ばかりで、特区諮問会議にはダーティーな影が見え隠れしているのです。

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4 コメント

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Unknown (ねむ太)
2014-05-13 22:10:10
こんばんは。家事労働者の外国からの受け入れ・・・
愚かさの極みともいうべき話です。
炊事・洗濯・掃除など人間が生きていく上での基礎の部分を見ず知らずの外国人に任せようというのですから。
これでは少子高齢化に拍車がかかるばかりでなく、躾けもまともに出来ず、国力は衰退するばかりです。
家事全般を自ら行う事で物事に対する見方や、応用、創意工夫ができるようになるのです。
また国語も歪められ、女中と言えば給金を貰えるプロであり、お手伝いさんと言えば給金をもらえないアマチュアと厳密な区別があったのです。
国家戦略特区のイメージする家事労働者は外国語に直すとメイドのイメージであり、フランスの宮廷文化が華やかだった頃の貴族階級のつもりなのでしょう。
頭の中が童話の中の王子様・お姫様の世界に染まっているとしか考えられません。
童話に描写されるイメージに憧れるのは小学校低学年で卒業してもらいたいものです。
(いい歳をした学者や企業経営者などの大人が恥ずかしくないのでしょうか)
異国の文化や風物に対する憧憬は否定しませんが、それは、あくまで私事であり公の場に持ち込むような分別のない事はいい加減にしていただきたいものです。
このように表面だけをなぞって現実を直視しないからこそ移民が引き起こす様々な問題の深刻な事態を理解できないのです。
特区を作り残業手当を廃止し外国人労働者を入れる・・
仕事を舐めるな、で終わりです。
仕事を覚えて一人前の仕事ができるようになるまで3年や5年はかかります。
一人前になるまでは、辛いこともあれば、嬉しい事もある
失敗もあれば、うまくいくこともある。
怒鳴られたり、褒められたり、励まされたり・・それが仕事というものです。
年金の支給年齢の引き上げで、反発する意見も多々ありますが、自ら手に職を付け職人として生涯現役でいる選択肢もあるのです。
修行はしたくない、辛いことから逃げたい、仕事は苦役と考えるような甘ったれた精神を叩きなおし、何事に対しても誠実である事を旨とする本当の国民に立ち返らねば我が国の未来はありません。
海軍兵学校の教育では、何事に対しても誠実である事を基本とし、アングルバーのような凝り固まった発想ではなく、どのような状況下においても柔軟に対処できるフレキシブルな人間の育成に力を注いでいました。
経済財政諮問会議のメンバーや産業力競争会議のメンバーは自分の成功談に凝り固まり、幅広い物の見方や物事に対して柔軟に対処する能力に著しく欠けています
これでは、我が国の持つ本来の力を活かし未来へ繋げてゆく事は出来ません。
単なる無能な人間に貴重な税金を無駄に支払っているだけ、お金を溝に捨てるようなものです。
経済学が、新旧のイデオロギー論争になり、最新の学説こそ正しいとする風潮こそ、何も理解できていない無知である事の証拠でもあるのです。
経済学は、あくまでも道具でありケインズの理論も新自由主義的な理論も、その時々の状況に合わせて使い分けなければなりません。
この単純な事が理解できず神学論争を続けている連中こそ白痴と呼ぶべきでしょう。
経済は国民を豊かにする為にあるのであり、一部の人間の利権や夢物語の為にあるのではありません。
堀江貴文というアホが「日本やアメリカは中国と商売しなければ成り立たない。領土問題なと有耶無耶にしておくべき」と発言していますが、中国や韓国は条約も契約も守らない信用出来ない国であり、商取引などリスクが大きすぎる、という事さえ理解出来ていないのです。
現実の動きを見れば南シナ海や東シナ海で無法な事の繰り返し、ニュースでも流されているのに理解できていない。
これでも東大に合格できる・・・試験制度と言うものがいかにいい加減なものであるかよく判ります。
このようないい加減な制度の元で学者・知識人・経営者常識のある結論が出ないのは当たり前です。
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ねむ太さま (kuranishi masako)
2014-05-14 06:43:52
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 最近、”…改革会議”や”…戦略会議”といった名のつく諮問機関は、”…改悪会議”であったり、”…衰退会議”であることが多いようです。どれもこれも、名称が示す目的とは反対の方向の提言を行っているのですから。マスコミは、こうたした提言に対してもろ手を挙げて支持を表明しているようですが、国民の多くは、その胡散臭さに気が付いているのではないでしょうか。内容を吟味しますと、諸外国において過去に失敗した政策であったり、100年以上も前の政策を言い続けているだけであったりするのですから。しかも、絶対に成功すると信じているところが怖いところですが、もしかしますと、国民を騙そうとしているのではないかと思うのです。
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Unknown (Suica割)
2014-05-15 12:33:18
私が中国軍幹部であったとして、日本で特区限定であっても、中国人メイドや執事が自由に動けるようになったとしたら、喜びますね。
いろいろとスパイ行為を行う機会が増えますから。
さらにいえば、長期的に居ますし、社会的に高位な人間のそばに居れますので、内容的により価値のある活動が可能です。
スパイをやりやすくして何したいのですかね。
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Suica割さま (kuranishi masako)
2014-05-15 12:45:28
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 家事労働サービスとなりますと、相当の所得水準にある家庭での雇用となりますので、確かに、社会的に地位の高い人の個人情報の収集にはうってつけとなる可能性があります。外国人労働者は、経済的な側面のみならず、政治的な側面があることも忘れてはならず、特区構想は、あらゆる面で危険に満ちています。政府は、一体、誰のために働いているのでしょうか…。
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