万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

朝鮮半島で起きた日本人引き揚げ者大量虐殺事件の調査を

2012年06月23日 14時41分55秒 | アジア
徴用者遺骨、日本に6700体 韓国が調査、返還要請へ(朝日新聞) - goo ニュース
 日本人引き揚げ者大量虐殺事件。敗戦後の朝鮮半島で起きたこの惨事を、歴史上の事件として記す教科書は、ほとんどありません。日本国の教科書においてさえも…。

 韓国政府は、戦時中に徴用され、日本国で亡くなった朝鮮籍の人々の調査を実施し、6700体の遺骨を確認したとして、日本国政府に対して、日本政府負担での返還要求を行うそうです。一方、朝鮮半島では、今なお、引き揚げの最中に殺害された日本人の遺骨が眠っております。先日、北朝鮮も、この事件で虐殺された日本人の遺骸が埋めらた場所への墓参を認めるとして、日本国政府との交渉の準備があることを明らかにしました。平壌近郊のこの埋葬所だけで、約2000柱と見積もられているそうです(ソ連兵との共犯であったとはいえ、北朝鮮は、自らの蛮行の証拠を自ら提示した…)。一説によれば、北朝鮮地域だけで、3万50000人ほどの日本人が虐殺されたとされており、朝鮮半島全土では、その倍ほどに上るのではないでしょうか。日本国内で発見された朝鮮籍の人々の遺骨は、皆、お寺に葬られており、そのために、遺骨の数も判明したのですが、平壌の日本人墓地とされる埋葬所は、草むらの中の盛り土に過ぎません。残留日本人が埋めたとされていますので、誰からも弔われることもなく、異国の地で野に朽ち果てた方々もおられることでしょう。

 日本国政府は、朝鮮半島で起きたこの非人道的な大虐殺事件を再調査し、被害者の遺骨収集等の事業を実施すべきなのではないでしょうか。戦後、67年が経過しながら、正確な被害者数も実態も分からず、慰霊もしないのでは、虐殺された日本人の方々は浮かばれません。政府は、早急に、日本人犠牲者の一人一人を確認すると共に、この事件がかき消されないよう、歴史の事実として記録に残すべきと思うのです。

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2 コメント

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Unknown (ねむ太)
2012-06-24 11:45:15
こんにちは。日本人の、ご遺体なら一刻も早く帰国していただき祖国である日本に埋葬して手厚い法要をしてあげたいものです
ただ、民主党に交渉を任せると、トンデモナイ約束をして来ないか不安が残ります。
また、ご遺骨は厳密なDNA鑑定が必要になります。
朝鮮戦争時に韓国で補導連盟事件が起きて、共産党のスパイの嫌疑をかけられ裁判もなく10万人の韓国人が韓国軍によって虐殺されて遺体は、適当な穴蔵や荒地に埋められた事件です。
韓国では近年になって調査が開始されたのですが、広範囲にわたって散らばっている為難航していると聞いてます。
広範囲に渡って埋葬・・と、云うより打ち捨てらいるものですから日本人被害者の遺骨と大分混ざっている可能性があるのです。
日本で報道がされないのは毎度のことで、東北大震災時に非常事態宣言を発令しなかったのは、日本国内の事で長い間、報道関係者がタブー扱いして来た、阪神教育事件で一度だけ発令され、今回の震災で発令すれば触れざるを得ないので非常事態宣言を発令せず被害を拡大させ救済を遅らせたのです。
過去に朝鮮人と共産党合作で引き起こした事件に触れれば韓国の期限を損ねてしまう・・・情けない限りです。
日本人のご遺骨にお帰りいただくなら政権交代をして、まともな外交能力のある人物に任せるのが早いと思います。
外務省を絡めればトンデモナイ事になりかねません。
外務省でキャリアコースに乗るためには横田喜三郎の思想、(東京裁判史観)と国際法学、宮沢俊義の憲法学に忠実に従う事を求められるからです。
忠実な愛弟子がハンディキャップ国家論の小和田恒氏の世代なのです。
中国・韓国・北朝鮮・ロシアに対して、まともに抗議もできず弱腰なのはこれが原因です。
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ねむ太さま (kuranishi masako)
2012-06-24 15:17:38
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 この記事を書きながら、あの狡猾な北朝鮮のことですから、日本人の遺骨と称して、拉致被害者の方々の時のように、偽物の遺骨を返還しようとするのではないかと、ふと、心配になりました。一柱につき数億円という値段を付つけて…。民主党政権下では、喜々としてこの交渉に応じ、DNA鑑定もせずに、莫大な資金を北朝鮮に提供してしまいそうです。加害側である北朝鮮こそ、賠償すべきにも拘わらず…。民主党政権下にある今は、交渉の時ではないかもしれません。しかしながら、何れは、この問題は、解決すべき日本国の課題なのではないかと思うのです。かの地で残虐な方法で命を奪われた方々を、祖国にお連れし、手厚く慰霊するためにも。
 それにしましても、小和田氏のハンディキャップ国家論は酷すぎます。日本国の外務省が、自国の主権を否定して、どうしようと言うのでしょうか。また、一体、誰が、横田喜三郎氏や宮沢俊義氏の思想を、外務省の”正統”として位置付けたのでしょうか。外務省改革が叫ばれていますが、まずは、この卑屈な思想こそ改めなければならないと思うのです。
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