万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

アメリカ大統領選挙よりも中国の介入が容易な日本国の総裁選

2020年08月31日 11時02分48秒 | 国際政治

 アメリカでは、大統領選挙における外国の介入が問題視されており、候補者の外国との関係は有権者にとりましては重大な情報です。前回の大統領選挙では共和党のトランプ候補を推したとされるロシアによる介入疑惑が持ち上がりましたが、現職にあったオバマ大統領にも、実弟を介した中国との人脈が指摘されておりました。今般の大統領選挙にあっても、民主党のバイデン候補に国民の支持が集まらない主要な理由は、同氏の子息には中国疑惑があるからです。

 

 2013年12月に当時副大統領職にあったジョー・バイデンが北京を訪問した際に、中国の政府系・中国銀行子会社と米投資会社ローズモント・セネカ・パートナーズとの合弁米中合弁投資ファンド・渤海華美が設立されたそうです。そして、このローズモンド・セネカ・パートナーズの代表こそ、バイデン氏の子息のハンター・バイデン氏であり、新設された渤海華美の取締役に就任すると共に、2017年にはその株式の10%を保有したのです。因みに、バイデン氏の地元であるデラウエア州は、アメリアにあって悪名高い‘タックスヘブン’であり、金融秘密の巣窟でもあるそうです。

 

しかも、同氏の疑惑は、中国国営の投資会社との合弁会社の設立に留まりません。渤海華美は、‘中国のMegvii(北京曠視科技有限公司)が開発した顔認識プラットフォーム「Face++」に投資’しており、同技術は、中国公安当局によってウイグルでの人権弾圧に利用されているというのですから驚きます。

 

民主党と言えば、左右対立の構図からすれば、資本家ではなく労働者の側にある政党であり、マイノリティーの人権問題にもとりわけ熱心に取り組んできた政党というイメージがあります。ところが、バイデン親子の行状を見る限り、その実態は表看板とは真逆であり、金融の利益を護り、利益のためならばマイノリティー弾圧にも手を貸す、何とも腹黒い姿を晒しているのです…。

 

 ここまで読みますと、多くの方々が、不思議に感じられるのではないかと思います。バイデン親子の中国疑惑は既に昨年から報じられており、既知の事実と化しています。それにも拘わらず、何故、民主党は、バイデン氏を大統領選挙の正式な候補者として指名したのか、それが謎なのです。有権者の多くが同情報に触れていたわけですから、バイデン候補では大統領選を戦えないことは分かっていたはずですし、むしろ、バイデン氏では民主党のイメージが崩壊しかねないのですから、従来の支持基盤を失いかねないリスクも懸念されたはずです。

 

そこでおそらく、‘中国疑惑隠し’のために、コロナ禍の対応やBLM運動などを機にトランプ大統領の失政を誘導したり、傘下のマスメディアを動員して世論誘導を行おうとしたのでしょう。その背後には、中国、並びに、中国利権を護りたい金融界と民主党系マスメディアとの結託が疑われるのですが、大統領選挙の裏側では巨額の資金が動いている可能性が強く示唆されるのです。バイデン氏を民主党の候補者に据え、大統領の椅子に座らせるための…。高齢による認知症疑惑もありながら、ライバルたちを押しのけてバイデン氏が候補者に指名されたのも、日本国の二階幹事長と同様に、自らの意思を持たない‘操り人形’としては適しているからなのでしょう。

 

アメリカの大統領選挙の様子を伺いますと、日本国もまた、同様の事態が発生する可能性も否定はできません。否、極めて閉鎖的な空間で総裁が決定される日本国の場合、その危険性は、さらに高いと言えましょう。安倍首相は、退陣表明の記者会見において、核兵器廃絶問題に関する質問を受けた際に、何故か、オバマ大統領の名を挙げておりました。明治維新の経緯、あるいは、第二次世界大戦にあって民主党のルーズベルト政権であったためか、日本国は、現皇室を含め、親米民主党勢力が強いのです(あるいは、親中かもしれない…)。また、メディアの報道を見ますと、日本国民の民意などは意にも介さずに、自民党内での派閥の動きや合従連衡を報じておりますし、世論調査の結果と称して、石破議員が支持率トップという俄かには信じがたい報道もあります(もっとも有効回答率は半数以下…)。

 

今や、政界やマスメディアのあまりの不自然な動きに、日本国民の多くが、中国、並びに、中国利権による情報操作を疑うレベルに達しております。日本国もまた、政治家の背景につきましては徹底した調査が必要なように思えます。そして、共産主義、あるいは、全体主義勢力による民主主義国家に対する侵食を如何にして阻止するのか、この問題は、大統領選挙を控えたアメリカ国民のみならず、ポスト安倍政権問題を抱えた日本国民にとりましても重大、かつ、緊急な問題であると思うのです。

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