跡形も無く泡のごとく消え去ってゆくものであれば侘しくもあり
いまあるものも、いずれは、去るものであれば、詮無いこと
ありのままの自然を流れ行く水のごとくに受け容れることなのか
秋葉ちる木々の間にまに佇みしうき世の労苦とふにあらずや
ときおり聞こえる鹿の鳴き声も侘しいものの、秋雨のしとしとと降りしきる山べを
無心に眺めていたりするもの
儚くも散りしもみじば拾ひきて愛しきものと手もてつつみし
秋雨にしっとりと濡れた木々の妖しげな淡い光沢を手の平に移してみるものの
冷ややかな感触に、突き放された秋色を寂しく思いながら歩くもの
暮れ果つる秋の小径に散りもみじ一葉二葉の舞は寂しき
今日ぞ知るかがやく時を失せにけりただただ散るを待つは悲しき
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