いくつかの学校で朝夕の会に「詩の朗読」をしている。そのことは素晴らしいことである。しかし、朝夕の会のプログラムにあるので、ただ読んで終わるというようなことになってはいないだろうか。私の担当している初任者の先生のクラスでは、次のようにお願いしてる。
朝の会は短い時間ですが、いつも全員で一斉に朗読するだけでなく、詩の連をグループや班で受け持って読む、一人で読む、4,5人読む、群読風に読む、歩きながら読むなどである。このようにするだけでも、ずぶん朗読が立体的になったり、楽しくなったりする。時間も一斉で読むのとかわらない。
詩の朗読の指導をもう少し丁寧にやるとすれば、次のような方法もある。草野心平の詩「風景」を例にして記してみる。
風 景(草野心平)
南天の実の向こうに 白い土蔵があります
その屋根の ずっとむこうに あおい空
あったかい雲が光っています
指導例
○声を出して読んでみよう。読めない字はとばしてね
○意味が分からない言葉がありますか
○歩きながら読んでみよう
○自分の声を校長室まで届けるように出してください。
○季節はいつの詩ですか
○何が見えてきましたか
○作者は、最初何を見ていますか。次に何を見ていますか
○この詩からどんな色が見えてきましたか
○どんな気持ちで詩をつくっていますか
○作者の気持ちの高ぶりは、最初のほうと最後のほうと同じですか。そうするとどのように読んだらよいですか
○清々しい作者の心が分かるように声を出して読んでみましょう
○朗読を見ている人は、雰囲気をつくってやりましょう
○詩のイメージを抱きながら登場しましょう。退場するときも同じです
○すぐ朗読に入らないで自分の気持ちが盛り上がったら朗読しましょう
○中空を見つめて、体をやわらかく使って、向きを変えたり、ここだというところを歩いたりして朗読しましょう
○「春の歌」とこの「風景」の詩は、同じ作者です。気持ちの上でどんな違いがあるでしょう。(4年生のとき学習した「春の歌」の詩を読んで聞かせる)
○その他
※授業として指導する場合は、もっと詳しく内容の読み取りをしなければならない。